2021/11/29
【プロが解説】ペニンシュラキッチンとは?後悔しないためのチェックポイントをおしゃれな実例とともにご紹介します
モデルルームや雑誌、SNSでキッチンの情報収集をすると必ずといっていいほど見かけるペニンシュラキッチン。感度が高いユーザー中心に人気を集めているペニンシュラキッチンですが、気になるのが実用性ではありませんか?キッチンは作業性が求められる場所。見た目だけではなく、使い勝手がいいことが快適なキッチンの絶対条件になりますよね。今回は人気のペニンシュラキッチンの実用性やメリット・デメリットを徹底解説します。
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目次
ペニンシュラキッチンとは?ペニンシュラキッチンについて徹底解説!
ペニンシュラキッチンとは?
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独立した空間からLDKの中心へとキッチンの在り方が変わるにつれ、オープンな対面キッチンであるペニンシュラキッチンの需要が増えてきました。名前はよく聞くけど分からない、という方も多いと思います。まずはペニンシュラキッチンの定義を確認してみましょう。
ペニンシュラ(peninsula)とは英語で「半島」を意味します。キッチンの一方が壁か柱にくっつき、もう一方が半島のように突き出た形のキッチンをペニンシュラキッチンといいます。一般的には「片側に壁や柱がある、オープンな対面キッチン」を指します。「ペニンシュラキッチン」だけだと細部が伝わらないため、実際の設計段階でペニンシュラキッチンをご検討の方は、必ず写真などをもとに担当者にご自身の希望を伝えるようにしましょう。
ペニンシュラキッチンを検討するときに考えたいポイント
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開放感のあるオープンな対面キッチンであるペニンシュラキッチン。おしゃれなデザインだけで選ぶのはちょっと危険です。設計段階で検討する際に必ず押さえておきたい3つのポイントをご紹介します
1.家族とのコミュニケーションの頻度
遮る壁が無い対面キッチンの最大のメリットは、家族や友人などLDKにいる人とコミュニケーションが取りやすいことです。例えば、お子様がいらっしゃるご家庭であれば、お料理をしながらお子様の様子が見えますし、リビングやダイニングにいるご家族からもキッチンで料理をしているお母さんの顔が見えることはそれだけでも安心ですよね。
2.清掃性
一般的にはペニンシュラキッチンの場合デメリットになることが多い清掃性です。加熱器前に壁が無いことは開放感がある反面、「におい、油煙の広がり」「油はね、水はね」が気になることが多く清掃性が懸念されます。快適なキッチンを作るためには重要ポイントなので、こちらは後に詳しく解説します。
3.デザイン性
背面収納のデザインにもよりますが、ペニンシュラキッチンはダイニング側までキッチンの面材が見えるのでLDKとの調和を考えたコーディネートが必須です。キッチンはLDKの中でも占める面積が大きく存在感があるので、アクセントとして空間のポイントにするのか、周りの空間と調和させなじませるのか考えてみましょう。
人気の木目柄ですが、採用前に必ず確認しておきたいポイントがあります。一口に木目柄といっても様々な種類の木目柄があります。(縦・横といった方向や、柾目・節目といった木目模様の違い)内装ドア・床材と、選んだキッチンの木目柄の面材が合うか、違和感を覚えないかどうかを必ずサンプルや3Dパース等で合わせて目視で確認することをお勧めします。
特に床材を無垢材や突板など天然素材が全面に出ているものを選んでいる方は必ず確認をしましょう。一般的に清掃性を考慮して、キッチン面材はシート材(印刷した木目)が使われています。現在は印刷技術が非常に高く、気にして見ないと分からない程精巧な印刷ではありますが、質感が違う木目が並ぶことによって違和感を覚える場合があるので要注意です。
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4.ダイニング側のデザインはどうする?
ダイニング側の形状には大きく2タイプあります。設置場所や用途に合わせてご自宅に合う形を選んでみましょう。
収納なし(カウンタータイプ)
背面に収納をつけないため、カウンターの奥行きによっては、高めのスツールを置いて軽めの食事スペースとして使うことも出来ます。お酒がお好きな方はバーカウンターのような使い方をしてもおしゃれですよね。
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カウンター下収納あり
収納とデザイン性を兼ね備えた人気の形状です。ダイニング側でよく使う食器や、料理本や文具などLDKでよく使う用品を収納することを出来ます。扉のタイプは一般的に開き収納、引き戸収納の2種類ですが、最近はオープンボックスを入れ、見せる収納も人気です
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水はねや油はねはどこまで気になる?対策はどんな種類があるの?
手元を隠す立ち上がりが無く、水はねは気になるのでこまめに拭き掃除をしましょう。オープンになっている分、きれいな状態を保つ意識が高まるという方が実際は多いです。
油はねの対策は壁をつくる、もしくはオープンな対面キッチンの場合はアクリルやガラス製の油はねパネルを設置することが一般的です。パネルは主に2種類あり、換気扇までしっかりガードされるロングタイプと、オープンキッチンの良さを活かせるショートタイプです。
設置は必須ではありませんので、ライフスタイルやお好みに合わせて選択してみましょう。
※後付け出来ない場合が多いので、迷われた場合はショートタイプの設置をおすすめします。
<対面オープンキッチン向け早見表>
パネル設置無し | ショートパネル | ロングパネル | |
見た目 | ◎ | 〇 | △ |
加熱器の種類 | IHおすすめ | どちらも可 | どちらも可 |
清掃性 | 〇 | 〇 | × |
油はね | × | △ | 〇 |
メリット | オープンキッチンの美しさを活かせる。加熱器至近距離に家具がなければおすすめです。 | 双方のいいとこ取りでおすすめです。 | オープンなキッチンにしながら油をしっかりガード出来ます。 |
デメリット | 周りの掃除(床、カウンター)は必要。ガスの方は汚れるのでIH向け。 | 人によっては見た目が気になるかも。 | 掃除が辛い(透明パネルに油汚れ)。高い場所は手が届きづらい。きれいさをキープしないと見た目が悪い。
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https://www.toclas.co.jp/kitchen/berry/plan.html#h302
ペニンシュラキッチンは高いの?安いの?価格について教えます
ペニンシュラキッチンは一番オーソドックスなI型キッチンと比較すると高くなります。
理由としてはI型キッチンに比べ、使う部材が増えるからです。
①カウンターが大きくなるため、カウンター代がかかる
②扉の面材の面積が増える。正面だけでなく、側面や背面まで必要になるため。
③背面収納など追加の部材がある。
数万~数十万単位で差額が出てきますが、新築の場合は住宅会社様の標準仕様によっても異なる場合があります。具体的な金額差については、必ず建築業者様へご相談ください。
背面収納はどうする?
背面の収納に置くのはカップボードと呼ばれる、食器類や調理器具を収納するための棚やカウンターを置くのが一般的です。お手持ちの調理器具や食器の種類・量、ごみ箱スペースの有無に応じて、カップボードの形状や大きさを決めます。
代表的な部材はトール収納(天井近くまで高さのある収納)、カウンター収納、天袋収納を組み合わせながら、ご自身の生活スタイルに合ったものを選定しましょう。キッチンを発注するメーカーでカップボードも併せて選定してもいいですし、IKEAやニトリ等家具を扱うお店でお好きなカップボードをチョイスするのもおすすめです。
メーカー品で揃えるメリットは以下の通りです。
- 工事をして設置をするため地震の際に転倒の心配が無いこと
- キッチンと色柄を揃えることが出来る
- 収納内部や扉など仕様がよく、使い勝手がいい場合が多い
反対にデメリットとしては高額になるケースがあるということです。
キッチンメーカーと必ずしも揃えなくてもいいので、ご自身の予算や優先したいポイントを見ながら柔軟に選定出来るのかカップボードの魅力です。
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おしゃれなペニンシュラキッチンを実現する!実例3選
木質×ヴィンテージが目を引く、シックな和モダンキッチン
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キッチンカウンターから面材、水栓金具、レンジフードまでオールブラックのモダンなデザインに、周りの床材やカップボードは温かみのあるオーク系木目を使うことでシックな和モダンな空間に仕上がっています。
ダイニングテーブルを横並びに配置することで導線がよく回遊しやすくなっています。
快適性を兼ね備えたフレンチシックなホワイトキッチン
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アイボリー×ホワイト×ゴールドで統一されたフレンチシックな空間は明るく開放感のある印象に。クラシックな雰囲気のある框扉もホワイト木目を使うことで重たさを軽減できます。加熱器前には壁をつくり、汚れが気になるホワイト系のコーディネートも清掃性に配慮されています。
フロートタイプが斬新な人気のブラックカウンターデザイン
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浮かんだようなデザインをフロートタイプといいますが、こちらは背面収納を一部のみ設置し、フロートタイプにすることでスタイリッシュな印象を与えています。また、厚みのあるブラック色のカウンターをわざと側面まで配置をし(写真右側)高級感を演出しています。人気のブラック色のカウンターですが、ホワイト系に比べると汚れや傷が目立つ場合があるため、選定時は清掃性について必ず確認をしましょう。
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まとめ
今回はペニンシュラキッチン検討の際のポイントについて、実用性・デザインについて両面からご紹介をいたしました。ペニンシュラキッチンのおすすめポイントは開放感・コミュニケーションの取りやすさ・調理スペースが広がり使いやすいこと。一方でデメリットは煙・においや清掃性。どこまで掃除を頑張れるか?ご家族も汚れなどを気になさるタイプかどうかによります。もちろん設計段階によっては通路スペースなど建築条件で制限かかかる場合もあります。
冒頭でもお伝えしましたように、ひとくちにペニンシュラキッチンといってもすごくプランの幅が広く、生活シーンやお好みに合わせて幅広くブランが可能です。設計のなるべく早い段階からアイデアを収集し、理想のキッチンに近づけましょう。毎日立つキッチンが少しでもワクワク出来る場所になりますように!