クチーナ / CUCINA の人気の秘密を探る。シンプルながら上質なキッチンが美しい日本ブランド
日本と海外のキッチンには、文化や歴史などによる様々な違いがあります。住宅設備としてキッチンを捉える日本に対し、欧米ではキッチンは家具やインテリアの一部として考えられています。独立した空間として台所を設けていた日本家屋に対し、欧米ではキッチンはオープンな広い空間であり、調理する場所というだけではなく、家族が集まって食事をとる空間でもありました。
近年では、日本の住宅においてもキッチンへの認識は変化しつつあります。住宅設備としてではなく、インテリアの一部として、家作りの重要なポイントとして、多くの方が家を建てる際にはキッチンのデザインや機能に注目しています。
今回ご紹介する「クチーナ」は、高いデザイン性を誇る日本のオーダーキッチンブランドです。オーダー家具の製造販売からスタートしたクチーナは、日本国内に工場を持ち、熟練した職人による国産キッチンを提供しています。家具のようなデザイン性の高いキッチンを得意としており、海外ブランドのキッチンに引けを取らないデザイン性と、日本ブランドらしい高い品質が魅力のブランドですので、クチーナの魅力を知って、ぜひキッチン選びの参考にしてみてください。
目次
クチーナ / CUCINA が何故支持されるのか?インテリアのプロがその人気の秘密を紐解く
クチーナ / CUCINAとは?
クチーナの前身である「森本家具装飾店」が創業したのは1937年のことでした。創業当初は、店舗や企業向けの注文家具の製造と販売、イタリアで家具の買い付けを行う会社でした。一社ごとに違うオーダー家具の製造は、のちのクチーナの礎となる高いモノづくりの技術を磨きました。1970年代になると、キッチンの造作や海外のシステムキッチンの設置などの業務も行うようになっていましたが、キッチンメーカーとしてキッチン作りを始めたのはある事がきっかけでした。
転機が訪れたのは、当時の社長がミラノサローネを訪れた時のこと。海外のキッチンメーカーのキッチンを目にし、「デザイン性の高いキッチンを自社で作りたい」という強い思いが芽生えたことがきっかけとなり、オーダー家具製造のノウハウをキッチン作りへと活かしたシステムキッチンの製造を開始します。70年代といえば、ちょうど日本のキッチンが欧米スタイルに感化され、クリナップを始めとしたキッチンメーカーがシステムキッチンを発表するなど、日本のキッチンスタイルが大きな変化を遂げ始めた時期です。まだまだ小さかったオーダーキッチンの市場へと、システムキッチン「CUCINA」の発売と共に挑戦が始まったのは、1976年の事でした。
翌年、1977年には東京にクチーナのショールームを開設。また、1981年には、名古屋にもクチーナのショールームの開設を果たします。クチーナのショールームは現在、代官山・大阪・名古屋・福岡・神戸・仙台・横浜・沖縄の8店舗に。北海道以外の日本全国を対応地域として、オーダーキッチンブランドとして、確かな地位を築き上げてきたのです。また、キッチン以外にも洗面台や収納家具などのオーダーも行なっているので、家全体のデザインをキッチンとリンクさせていくこともできるようになっており、まさにクチーナの掲げる「インテリアはキッチンからはじまる」と言う想いが反映されているのです。
参考:CUCINA HP「History」
https://cucinastyle.jp/company/history/
クチーナ / CUCINAのこだわり
クチーナのキッチンは、飽きのこないシンプルなデザインと、パーツや扉材の豊富なバリエーションの組み合わせによるカスタマイズ、家具作りで培った技術力や高い品質が魅力のキッチンブランドです。クチーナの全てのキッチンが、注文が入ってから一つ一つ静岡県の工場にて職人の手によって製造されています。通常のキッチンメーカーであれば、キッチン製造は複数のキッチンの各部位ごとに、同じ部材の加工を流れ作業で行うのが普通ですが、クチーナの工場では各邸ごと、一つのキッチンをその都度、部材の加工ごとに機械の調整を行いながら、丁寧にキッチン一つに対し一連の流れで作り上げていきます。
一見作業効率の悪いように見える製造のプロセスは、キッチンが完成した時にその見た目で深く納得することになります。それは塗装や突板の木目、扉の面合わせ、ディテールの収まりなど、ズレや色の僅かな違いといった違和感がない、「一つのキッチン」という高い品質です。
オーダーキッチンは決まった商品があるわけではありませんが、キッチン選びの指標となるデザインとして20種類以上のスタイルを提供しています。そこからイメージを膨らませ、キャビネットの扉や取手、収納方法、天板の素材や厚み、シンクの種類など様々に自分好みのキッチンを作り上げていくことができます。以下に主な4つのスタイルの特徴を解説していきます。
- WOOD・・・クチーナの得意とする天然木の突板やウッド柄のメラミン材を扉材の表面に用いたスタイル。突板は様々な樹種から選択することが可能であり、美しい木目の温かみのあるキッチンとなります。コンクリート打ちっぱなしの内装や大理石の床などの冷たい印象の素材とも相性が良いキッチンスタイルです。
- FRAME・・・框扉が特徴的なスタイルです。額縁のような装飾がある扉で、平面的な扉とは一味違う、凹凸のある表面が陰影を作り出し、キッチンをドラマチックに演出します。エレガントでクラシックな印象の強い「エンブレム」や、モダンな印象の「ロア」など様々なデザインがあります。
- SOLID COLOR・・・クチーナの得意とする塗装扉やメラミン素材を使用した無地の扉が特徴的なキッチンスタイルです。光沢のある表面の鏡面仕上げや艶消しのマット、様々なカラーバリエーションを取り入れることができるので、ニュートラルカラーを使った究極のシンプルスタイルキッチンから、他では見ない個性的なカラーを使ったオリジナルのキッチンまで、思いのままデザインすることができます。
- PATTERN・・・「キルト」や「サザナミ」「ウェーブ」など個性的なパターンが特徴的なスタイルです。木目を生かした浮造り仕上げが特徴の「サザナミ」。キルト生地のようなひし形のパターンが表面に施された「キルト」。表面に波線のような凹凸がある装飾的なスタイルの「ウェーブ」など、個性的で装飾的な様々なパターンのほか、ストーン柄のメラミン素材などもあります。
クチーナ / CUCINAの評判
クチーナは、家具のような丁寧な作りが魅力的なキッチンブランドです。価格帯はやや高めではありますが、見た目の良さと細部の作りの品質、国内外の様々なビルトイン機器ブランドへの対応や、素材のバリエーションの豊富さなど、魅力的な部分の多いブランドです。ここではそんなクチーナのキッチンを実際に使用している方の感想を参考に、その魅力を確認してみましょう。
家で1番拘ったキッチン❤︎
誰ともかぶらないオーダーキッチンにする為
@cucina_press にお願いしました😊バッグセットは生活感出やすいところだから
使わない時は見えなくしたかったので全部閉じれるように!
かつ使いやすいように開けた時はサイドに扉がしまえます!💕@miele_japan のビルトインオーブンと4口の横並びIH、見えないけど食洗機も入ってます✨
とにかく美しい仕上がりの @cucina_press さん
本当素晴らしい出来に感動しかないです❤️❤️
私のお気に入りの場所✨✨https://www.instagram.com/p/COfZQlWDnvd/?utm_source=ig_web_copy_link
クチーナさんのキッチンは
つくりもしっかりしていて
扉も全てソフトクローズになっていたり
なんしかどこもかしこも美しく使いやすい。
天板が薄くて浮いてる風なんですけど
その浮いてる隙間にもセラミック貼られてます🤘🏻https://www.instagram.com/p/CYAhkIsv6lh/?utm_source=ig_web_copy_link
クチーナの魅力は、その丁寧な作りと、オーダーメイドならではの自由なデザイン性です。ぱっと見の見た目の綺麗さもさることながら、細部をじっくりと眺めた時に改めて、その丁寧な作りに満足することでしょう。元々が家具作りから始まった会社なだけあり、キッチン本体もそうですが、キッチンの収納部分がとても綺麗なことも、多くのファンを魅了している理由の一つではないでしょうか。
近年の住宅はオープンキッチンが多く、キッチンの収納部分をどのように綺麗に見せるかも、重要な要素の一つです。見せる収納、隠す収納、どちらもキャビネットや収納小物を上手に活用してキッチンを綺麗に保っている人がたくさんいますね。クチーナは扉材の豊富なバリエーションや、様々な取手、収納部分のレイアウトやレールのカラーまで、細かな部分にまでこだわってデザインすることができます。キッチンのデザインにこだわりたい人は、クチーナのキッチンでこだわりのデザインを実現してみてはいかがでしょう。
クチーナ / CUCINA が気になる方におすすめブランド
kitchenhouse(キッチンハウス)
キッチンハウスは、1962年創業の日本のキッチンブランドです。群馬県にある自社工場製造による日本製のキッチンを取り扱っており、フルオーダーの「オートクチュール」と、セミオーダーの「ベーシック」の二つのオーダー方法から選ぶことができます。ベーシックは扉材のデザイン、選べる機器、レイアウトなどが決められたラインナップの中から選ぶようになっており、デザインの自由度は下がりますが、価格が分かりやすく、ある程度決まった中から選択するので、迷いたくない人にもおすすめです。
「エバルト」という高機能メラミン素材や新素材の「フェニックス」などは、ベーシックでも選択することができますが、それ以外の突板や框扉、塗装などの扉材、天然石、ステンレス、セラミック素材の天板を選択したい場合などはオートクチュールにてオーダーする必要があります。エバルト素材は、キッチンハウスが得意とする素材で、石目調や木目調、金属風や無地など豊富なラインナップがあり、水や熱に強く、傷や汚れ、衝撃に強いなどの機能的な素材でもあります。
エバルトやフェニックスなどの高機能素材がお好きな方や、価格が明確なプランによるセミオーダーが良い方、豊富な素材を吟味したフルオーダーによるオリジナルキッチンが作りたい方におすすめのブランドです。
参考:kitchenhouse HP
https://www.kitchenhouse.jp/
amstyle(アムスタイル)
アムスタイルは、フルオーダーキッチンを日本国内の工場で製造している日本のキッチンブランドです。クチーナやキッチンハウスよりも価格帯が高めの設定で、選び抜かれた高品質な素材とデザイン性の高いキッチンが特徴のブランドです。
社長が元々音楽業界に関わりがあったという異例の背景を持ち、楽器作りに用いられる高い塗装技術を用いた家具づくりへの挑戦から始まったブランドで、グランドピアノに用いられるような美しい鏡面塗装を得意としています。また、最高級・最新の素材を使用し、引き出しの中素材に至るまで、細かに選ぶことができるのも魅力の一つです。とにかく細部に至るまでこだわったデザインのキッチンが作りたい方や、高級感のあるキッチンを作りたい方などにおすすめのブランドです。
参考:amstyle HP
https://www.amstyle.jp/
プロが選ぶ!クチーナ / CUCINA のおしゃれなコーディネート実例5選
ウォルナットカラー×カーキ&ブラックのおしゃれキッチンスタイル
キッチン扉はマット塗装のカーキカラー。天板はブラックのクオーツエンジニアストーン。吊り戸棚は横向きに木目が揃ったウォールナットカラーです。キッチンと同様のカラーのバックセットの壁面には、石材風のライトグレーのタイルで、全体的に落ち着きのあるカフェ風のお洒落なキッチン空間です。キッチン扉のハンドルや木目の向き、横長のタイルなど、横向きを意識した流れがキッチンを広々と見せており、キッチンに続くダイニングもブラックとウォールナットカラーで統一されており、纏まりのあるコーディネートとなっています。
マットなニュアンスカラーのスッキリとしたキッチン
ペニンシュラのニ列レイアウトのキッチンスタイルです。キッチンとバックセットの扉にはマット塗装の「ウィローグレー」を採用。微かに緑がかったグレーのニュアンスカラーが、光の加減で緑味が濃く感じられたり、グレー味を濃く感じたりと、表情の違いがあるのも魅力の一つ。天板には高級感のあるクオーツエンジニアストーン「ユーコン」を採用。吊り戸棚にはキッチンよりも明るめで薄いベージュの「サンド」カラーを選択し、空間が軽やかでまとまった雰囲気のキッチンになっています。
淡いニュアンスカラーかつマットな質感が柔らかな印象ながらも、キッチン家電やダイニングテーブル、ルイスポールセンの照明などのブラックがアクセントカラーとなり、空間を引き締めてメリハリをつけています。フローリングとリンクするように引き出しや棚にウッド素材が採用されており、キッチンのチャームポイントになっています。淡い色味とマットな塗装だからこそ、クチーナのキッチンの細部まで整った印象が際立っており、清潔感があり整理整頓の行き届いた、見る人にも心地良いダイニングキッチン空間です。
高級感のあるクラシックモダンスタイル
扉材にフレームスタイルを採用したアイランドキッチンです。フレーム「クライマ」は、繊細な凹凸を幾重にも施したクラシックモダンな印象の框扉が特徴。カラーは通常のマット仕上げよりも更に艶を抑えたスーパーマット仕上げで、上品で落ち着きのある印象を与えます。
落ち着いたダークグレーのカラーでキッチン全体をコーディネートしていますが、クライマのフレームやガラス扉のキャビネット、一部だけ取り入れたウッド素材など、程よい透け感や素材のアクセントを取り入れることで、ドラマティックなムードと高級感が感じられます。
キルトパターンが目を惹くキッチンスタイル
キルティング生地を思わせる菱形模様の彫り込みが特徴的な「キルト」パターンを採用した、個性が光るキッチンスタイルです。カラーはオーダーカラーの「ナイジェル」で、深みのあるグレーが、キルトの凹凸を上品に際立たせます。薄くて軽快な印象の天板は人工大理石の「グレインコンクリート」を採用。
グレーの濃淡で構成された一見地味になりがちなカラーコーディネートも、キッチンやキャビネットのキルトパターン、ダイニングチェアの編み込み、壁面のテクスチャーなどにより、大人しい色味でもパターンにより華やかなコーディネートになっています。
ウッドと竹の突板で作るクールな和モダンスタイルキッチン
木目の美しいオーク材を「ネロブルーブラック」カラーで仕上げたアイランドキッチンと、竹の突板がアクセントになった同色のバックセットによるニ列レイアウトのキッチンスタイルです。天板にはウルトラセラミックの「ケリヤ」を採用し、バックスプラッシュにも同じくケリヤを採用。木目の美しさや竹の突板など、和の要素がとても美しい、和モダンスタイルのキッチンです。
ビルトイン機器の艶やかな黒、扉材の柔らかな黒、セラミックのしっとりとした黒。と、様々なマテリアルによる黒の表現が調和するブラックスタイルのキッチンです。ステンレスのシルバーカラーがよりクールな印象を引き立てており、素材の組み合わせが巧みなキッチンスタイルです。
まとめ
クチーナはシンプルながらも、上質なキッチンがとても美しいと感じられるブランドです。特に魅力的なのは、天然木の突板と塗装のキッチンで、クチーナの高い技術力がとてもよく感じることができます。また、キッチンの収納扉の仕上がりの美しさも印象的で、オープンキッチンであっても生活感を感じさせない、上質なインテリア空間を作ることができます。
オーダーキッチンを考えている方や、木のキッチンがお好きな方、質の良い家具のようなキッチンで上質なインテリアコーディネートをしたいと考えている方は、ぜひ一度クチーナのキッチンを体感してみてはいかがでしょう。
参考:CUCINA HP
https://cucinastyle.jp/