2021/02/06
【和室の椅子にはこだわりたい】通も唸る名作5選をご紹介
Instagramや雑誌などを見ていると、壁紙や襖にこだわったモダンな造りの和室が増えてきましたね。
昔ながらの座卓と座布団を応接間に置いているけれど、物足りないと感じている方や、家を建てる時に和室を作ったものの持てあましてしまっているという方。椅子にこだわって、落ち着いた大人のくつろぎスペースを作ってみてはいかがでしょうか。
今回は和室で使う椅子の選び方のポイントと、おすすめ椅子をご紹介します。
目次
大人の男はこだわる。和室の椅子の選び方は?
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和室に椅子を置く場合、フローリングの部屋に置くものと同じように選んでもよいのでしょうか。椅子を選ぶ際、気を付けたいポイントについてご紹介します。
ポイント1:畳を守ろう!傷つけにくい椅子の形状は
畳は柔らかく、重い家具を長い時間置いてしまうと跡が残ってしまいます。
これがフローリングとの大きな違いです。和室の椅子を選ぶ際には、椅子の形状をよく確認しましょう。
①畳への接地面が大きいもの
脚に椅子の重さや座った時の体重が集中してしまうので、畳に跡が残ってしまいます。重さを分散することで跡がつきにくくなります。畳の上で使うことを想定された椅子の中には、畳摺りという前後の脚をつなぐ板が付けられているものも多く、体重を分散して畳への負担を軽減することができます。
②動かしやすいもの
椅子をずっと同じ場所に置いておくと、置跡や焼け跡がつきやすいので、軽くて動かしやすい椅子を選ぶのもポイントです。来客の際のみ使うのであれば、折りたたみ椅子を使用するのもアイデアの一つです。
とはいえ、デザインや座り心地にこだわった結果、そうでない場合もありますよね。その場合は、椅子の脚にへこみ防止の対策をしておきたいものです。
たとえば、脚の下に置くタイプの傷防止コルクマットなら、見た目にも目立ちにくいデザインです。
ラグやカーペットは畳の通気性を妨げ、ダニや虫発生の原因となるのでやめましょう。また、琉球畳などの半畳畳は、定期的に畳の位置を移動しやすく、一つの畳にダメージが蓄積するのを防ぐことができます。ヘリがないので椅子の脚が引っかかりにく、モダンなインテリアにも合うのでおすすめです。
万が一、跡がついた場合には次の方法を試してみてください。
まず沸騰させたお湯につけたぞうきんをきつく絞ります。そして家具の跡の上に絞ったぞうきんを乗せアイロンをかけます。その後、窓を開けるなどして風をあてて、畳に残った水分を乾かします。
ポイント2:リラックスできる空間へ。椅子の高さのおススメは
最近では料亭やホテルで、和室にダイニングテーブルとチェアを置いたモダンなコーディネートが見られます。しかし家具の背が高ければ、部屋が狭くみえてしまうというデメリットがあります。
広い空間を確保できればそのようなレイアウトも良いかもしれませんが、ゆったりとしたくつろぎスペースにしたいのであれば、空間が広く感じられる低めの家具がおススメです。家具を低くすることでペンダントライトやフロアスタンドなど、照明のバリエーションも広がります。
座卓と組み合わせて使うのであれば、座椅子、低座椅子、ローテーブルを合わせるのであれば、座面高が40cm以下の椅子やロッキングチェアなどを選ぶと良いでしょう。ロッキングチェアは、もたれると自然と後傾姿勢になり斜め上方を見ることができるので、空間の広がりを感じられます。
ポイント3:和室にぴったりの素材は
和室に合う椅子の素材は、どのようなものがあるのでしょうか。
竹・籐・天然木・ウォーターヒヤシンス
自然素材と和室・畳はとても相性が良く、日本古来のものからアジアンなものまで幅広いコーディネートが可能です。
和モダンテイストで造られた和室の中には、柱や装飾に使われている木の色が黒く塗られている場合があります。その場合は、ウォールナットや拭き漆塗り仕上げされたものなど暗めのトーンの木素材を使うのがおすすめです。高級感を漂わせ、上質な空間に仕上がります。
畳といえば、い草の緑色のイメージが強いですが、最近ではさまざまな色のカラー畳も販売されています。畳の色味と合わせて、素材を選ぶのも良いでしょう。
和室の椅子が創り出す美しさとは
和室は本来自然素材をふんだんに使って造られており、現代ではとても贅沢な空間です。畳や漆喰は湿度をコントロールし、畳の黄緑色や木本来の質感は心を癒してくれます。
大切なお客様をもてなす場としてだけではなく、現代社会でストレスを抱えた大人のリラックス空間として使うのに適した場所といえるでしょう。
ここで星野リゾート「星のや東京」の客室を見てみましょう。
市松模様の畳の上にモダンなデザインの椅子が置かれています。宮内庁や官公庁まで内装や家具を手がける「ヒノキ工芸」のオーダー品であるこちらの椅子は、青森ヒバを曲げて作られ、しなって体にフィットする座り心地の良い椅子なのです。
畳や障子で囲まれた伝統的な和の空間に、椅子というモダンな要素を置くことで、同じくモダンな要素を持つダウンライトや大きなミラー、間接照明も空間に馴染むようになります。椅子を中心として、伝統とモダンを兼ね備えた上品でスタイリッシュなコーディネートを作ることができるのです。
和室にはこの椅子を置いてほしい。究極の5選をご紹介
①低座イス【天童木工】
日本のモダン家具の巨匠、長大作がデザインした低座椅子です。あぐらをかいたり、足を投げ出して座ることができ、歌舞伎界の名門・九代目 松本幸四郎氏も50年以上愛用しているそうです。
和室の柱や天井、鴨居、長押などと同じトーンのナチュラル色の骨組みは、モダンな形状でありながらも空間にスムーズに溶け込みます。丸く加工された角と、優美な曲線のクッション部分が柔らかい雰囲気を醸し出し、ゆったりと落ち着けるデザインです。
同系色の小さめの座卓と組み合わせて使うと、椅子の魅力がより引き出されます。年齢を重ねたお客様にも無理なく使って頂けるので、応接間としての和室におすすめです。
■商品情報
価格:¥76,680~88,560(税込)※張地グレードによる
サイズ:幅55x奥行68.3x高さ65 座面高29(cm)
素材:背・脚/ナラ柾目
色:ナチュラル
②アームレスチェア【ワイ・エム・ケー長岡】
1960年、ホテルニュージャパンのバーラウンジの為にデザインたこちらのラタンチェアはジャパニーズモダンの先駆者、剣持勇の代表作です。日本の職人によってひとつひとつ丁寧に作られる編み目がとても繊細で優美です。
広い底辺で支えるので体重が分散され、畳を傷めにくいデザインです。モノトーンやブラウンなど、落ち着いた色味のカラー畳を市松模様に敷いたモダンな和室におすすめです。椅子に使われた籐本来のナチュラル色が映え、ホテルのロビーのようなスタイリッシュな空間に仕上がります。
存在感があるので、応接用に何脚も置く場合はある程度の部屋の広さが必要になります。1脚あるいは2脚を小ぶりなローテーブルと合わせて、落ち着いた読書空間として使うのも良いですね。
■商品情報
価格:¥189,000(税込)W810・D780・H720・SH380
サイズ:幅81x奥行78x高さ72 座面高38(cm)
素材:本体/籐(ラタン)、座/クッションアクリル70%・ウール30%
色:ナチュラル
③スポークチェア【天童木工】
日本のモダンデザインのパイオニア、豊口克平の代表作です。大きな座面の上であぐらをかいてゆったりくつろぐことも出来ることから、あぐら椅子とも呼ばれています。脚先は丸みがあり、畳に置いても傷が付きにくいように配慮されています。
脚を投げ出して座ることも出来、あぐらをかいていてもたまには足を崩したくなる、日本人の生活スタイルに適したフォルムになっています。脚を伸ばした際にもゆるやかな弧を描いた背もたれが、体を包み込んでくれます。
大きめではありますが、細い脚の間から畳が見え、格子状の背もたれから背面が見えるので圧迫感を感じにくく、窓辺に置いても光を遮りません。従来のイグサ本来の畳の色はもちろん、カラー畳にも洋室にも馴染むモダンなデザインです。来客が多い時、リビングに持って行って使っても良いですね。
■商品情報
価格:¥136,080~204,120(税込)※張地グレードによる
サイズ:幅81x奥行68.7x高さ83 座面高34(cm)
素材:背・脚/ナラ
色:ナチュラル
④バンブーチェア【三越伊勢丹】
1937年に城所右文次氏によりデザインされたこちらの椅子は、後にフランスのモダン建築のデザイナー、シャルロット・ペリアンにも影響を与えた名作です。山口の萩の弾性を利用したキャンティレバー(片持ち)構造になっており、座るとまるで浮いているかのような不思議な感覚になります。
特徴的な脚に体重を分散させ、座面も低く作られているので、畳の上で使用するのにもおススメのデザインです。脚を投げ出して後傾姿勢でくつろぐことができるので、ローテーブルと組み合わせて、読書やコーヒーを嗜むのにも良いですね。
ダークブラウン色とナチュラル色のラインナップがあり、従来の和室にもモダンテイストにもマッチします。竹のしなやかな曲線が優美で上品な雰囲気を醸し出し、上質な大人の空間を演出してくれるアイテムです。
■商品情報
価格:¥194,400(税込)
サイズ:幅56x奥行74x高さ74 座面高28~34(cm)
素材:竹
色:ダークブラウン、ナチュラル
⑤ゆうゆう和椅子ロッキング【BC工房】
無垢板のテーブルなどの家具を製作しているBC工房のマイチェアは、脚本家・倉本聰氏も愛用しているそうです。中でも和椅子シリーズは、和の空間でも使いやすいよう座面が低く作られており、脚も畳ずりになっています。
こちらのロッキングチェアは張地に使われている本革と、広めに作られたアームが男らしさを感じさせるデザインとなっています。色のトーンも渋く、ダークカラーの畳と組み合わせると、落ち着いた大人の空間になります。
パブロ・ピカソやケネディ元大統領も、ロッキングチェアを仕事の合間にリラックスする場所として愛用していたとか。ゆったりと揺れるチェアの上で、雑誌を読みながらコーヒーを嗜むのも良いですね。
背もたれの中央が革のクッションになっているので、肌に馴染み、日中仕事で凝り固まった背中を癒してくれるでしょう。
■商品情報
価格:¥151,200(税込)
サイズ:幅70x奥行97x高さ83 座面高35~43(cm)
素材:木、本革
色:ブラウン
最後に
和室は、日本人にとって癒しの空間です。
応接の場としてだけでなく、和室を普段のくつろぎのスペースとして利用できるような5つの椅子をご紹介させていただきました。お気に入りの椅子を置いて、心身ともにリラックスできる優雅なひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。