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      2019/07/21

【永遠のデザイナーズデスク5選】定番の魅力を思うままに味わい尽くそう!

野澤 みなみ
著者:野澤 みなみ (インテリアコーディネーター)

スペースデザインカレッジのインテリアコーディネーター科を卒業。 その後インテリアコーディネーターの個人事務所にて、コーディネート業務の他、DMやWEBページでの商品紹介に携わり製品知識を深める。転勤族の妻であり、一児の母。賃貸でも子どもがいても「素敵」で「実用的」な居心地の良い空間のご提案を心がけています。

デザイナーズ家具として机を取り入れるのは少しハードルが高い、とお悩みの方も多いと思います。実は有名なデザイナーズデスクの多くは、椅子を知り尽くした名デザイナー達によって生み出されたもの。デザイナーの名前を知ることで、少し身近に感じることができるのではないでしょうか。

今回はデスクの特徴だけでなく、デザイナーにもスポットをあててご紹介していきます。

デザイナーズデスクとは?

デザイナーズデスクはデザイナーズ家具の一種で、設計や製作をしたデザイナーのコンセプトが前面に出たデスクのことを指します。個性的でアーティスティックな外観のものも多くありますが、そこにはデザイン性や機能性など、デザイナーの強い思いが表現されているのです。

デザイナーズデスクの歴史

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18世紀後半のイギリスの産業革命をきっかけに、工業や技術が発展し、鉄、ガラス、コンクリートなど新しい素材を使った建築が生まれました。一方で、ウィリアム・モリスらが、粗悪な工業製品が大量に生産された状況に異議を唱え、中世の手仕事に回帰しようとするアーツ・アンド・クラフト運動を起こします。

この運動の影響を受けドイツに設立されたのが、新しいデザイン教育の学校バウハウスです。芸術と技術の新たな統一を理念に掲げ、大量生産を前提とした工業化社会と芸術のあり方などが追求されました。ここから、デザイン=余計な装飾を排除した、シンプルで機能的な美しさと捉えられるようになっていきます。

その後家具は、一つ一つ手作業で作られた贅沢品から、大量に生産できる大衆向けのものへと変わっていきます。1950年代には各種金属やプラスチックなどの素材も活用されるようになります。加工技術が高度化したことで造形のバリエーションが増え、世界各国でより自由なデザインが展開されていくのです。

この歴史の流れに沿って様々なデザイナーズチェアが生み出されました。そして当然、それに合わせて机もデザインされていきます。デザイナーズデスクは椅子と同様に、時代背景や思想を強く反映したものと言えるでしょう。

デザイナーズデスクの魅力

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デザイナーズデスクは、その歴史からもわかるように、シンプルな美しさだけでなく機能性を両立しています。普段使いするデスクとしても十分な効果を発揮するだけでなく、置くだけでコーディネートの主役となり様々な空間を演出してくれます。

半世紀以上前に生み出された作品であっても、いまなおモダンな印象を与えるものも少なくありません。しかし洗練された美しさの中にも、当時の歴史が垣間見え、独特の重厚感が漂っているのもまたデザイナーズデスクの魅力ではないでしょうか。

デザイナーズ家具を取り入れる際には、コーディネートの際詰め込みすぎないことが大切です。同じものを並べる場合を除き、他の家具は周囲30cm以上あけて配置するようにしましょう。これによってデスクの意匠が際立ち、部屋のフォーカルポイントとして機能してくれます。

永遠のデザイナーズデスク5選。これを買わずに死ねない

①アルネ・ヤコブセン AJ52 ソサイエティ・テーブル【カール・ハンセン&サン】

 

デンマークを代表する建築家デザイナー、アルネ・ヤコブセン。その名はモダニズムの代名詞とも言え、彼がデザインした建物や家具の多くの作品が世界的に高い評価を受け、今なお愛され続けています。代表作ともいえるセブンチェアやアリンコチェアは、日本でも高い人気を博しています。

こちらのデスクは1952年、American-Scandinavian Foundationの新しいニューヨーク事務所に寄贈するためにヤコブセンによってデザインされたものです。当時わずか数台しか製作されませんでしたが、シンプルな中に近代デザインの歴史を見事に融合させたデザインは、マニアに高く評価され語り継がれてきました。

テーブルクロスのように皮革が張り付けられた天板、スチールパイプの脚、吊り下げ式が特徴的な無垢材の引き出しユニットという、全く異なる素材のパーツが絶妙なバランスで組み合わせられています。

機能性を重視したシンプルなフォルムでありながら、様々なテイストが入れ込まれたモダンで斬新なデザインは、人々の視線を惹きつけ魅了します。

金属素材は無骨で冷たい印象となることも多いですが、こちらのスチール部分は、天板接合部から緩やかな曲線を描いて伸びており、脚先には木材がはめ込まれているので優美で柔和な印象を受けます。細部の意匠までデザイナーのこだわりが感じられますね。

皮革とスチール素材と使っているので、シンプルモダンテイストやインダストリアルテイストのコーディネートにぴったりです。落ち着いた大人の空間を演出してくれるでしょう。書斎はもちろんリビングに置くのもおすすめです。背板がなくすっきりした脚で、引き出しも床から浮いているので、窮屈さを感じさせません。

価格:¥739,800~(税込) ※デスク上ランプモジュールは別売
サイズ:幅140x奥行70x高さ72(cm) or 幅160x奥行70x高さ72(cm)
素材:ウォルナット材、レザー、スチール

 

コーデ写真例

 

AJ52ソサイエティテーブルの特徴は、空気のように軽やかな佇まいです。細い脚や、浮いているかような引き出しの周りを空気がゆったりと流れていくイメージを大切にしましょう。コーディネートのポイントは、それを妨げないこと。壁にぴったりくっつけるのではなく、少しスペースに余裕を持たせて配置すると良いでしょう。

ラグは敷かず、フローリングやフロアタイルを見せるように置くと、脚先の意匠が際立ちます。合わせるチェアやデスクライトも、線の細いものがおすすめです。

②チャールズ&レイ・イームズ イームズデスクユニット【ハーマンミラー】

 

アメリカの建築家・デザイナー・映像作家であるチャールズ・イームズは、妻のレイ・イームズとともに好奇心と熱情を創作に注ぎ、シェルチェアやワイヤーチェアをはじめ数々の名作を生みだしました。積層合板やプラスチック、金属といった素材を用いたユニークで洗練された作品の数々は、20世紀のインダストリアルデザインに大きな影響を与えました。

1950年にデザインされたこちらのデスクには、各々のユニットを組み合わせるというモジュール方式が取り入れられています。遊び心と、工業生産の技術が見事に融合した作品といえるでしょう。引き出しの位置や板のカラーは好みに応じて選択でき、引き出しの上部分は見せる収納スペースとして活用することが出来ます。

また十分な収納力と広い作業スペースを持ち、高い機能性も備えています。発表以来「実用的なアート」と呼ばれ続けているのにも納得です。モダンでありながらもどこかレトロな印象を感じさせるので、ミッドセンチュリースタイルやカジュアルなモダンスタイルのコーディネートにおすすめです。

ナチュラルカラー部分のトーンが明るいので、周りに木の家具を合わせる場合は色に少し注意が必要です。ブラックウォルナットなどダークすぎる色や仕上げは避け、ナチュラル色を選ぶと良いでしょう。同じトーンの木を選んだ場合はデスクの周囲に空間を作り、主役がより際立つよう工夫すると良いですね。

価格:¥342,360(税込) ※仕様により異なる
サイズ:幅152.4x奥行74.7x高さ71.2(cm)
素材:バーチ材、プライウッド、スチール

 

コーデ写真例

 

イームズデスクユニットはビビッドな色と素材の色のコントラストが強く、それだけで空間のアクセントとなります。落ち着いた雰囲気に仕上げたいのであれば、その他のインテリアはシンプルにまとめると良いでしょう。少し黄味がかった木の色は、ミッドセンチュリースタイルのインテリアと相性抜群です。

床を暗めのトーンにするとコーディネートが引き締まり、大人の男性でも落ち着ける雰囲気になります。イームズアルミナムチェアを合わせるのもおすすめです。

③ジョージ・ネルソン スワッグレッググループデスク【ハーマンミラー】

 

ハーマンミラー社のデザインディレクターであったジョージ・ネルソンは、先のイームズ夫妻の才能を見出して起用した他、イサム・ノグチら名デザイナーを発掘し、同社を世界的な家具メーカーへと成長させました。自身もマシュマロソファを始め数々の名作を生み出し、デザイン界をけん引する人物となりました。

1958年に発表されたこちらのデスクのユニークな脚は、スワッグレッグと呼ばれています。優雅な曲線を描いた金属製の脚をどうにかして作れないものかと思案し、スウェージ加工した金属とウォルナット材を接合させることで、デザイン性のみならず安定性と耐久性も持ち合わせた、美しい彫刻のような脚を生み出すことに成功したのです。

引き出しと配線ケーブル用の穴が付けられており、読書やPCでの作業用机としても使い勝手が良いデスクです。また幅99cmというそのコンパクトなフォルムは、あまりスペースに余裕がない場所にもおすすめです。書斎、リビング、寝室はもちろん、子ども部屋やホームオフィスに2つ並べることも可能です。

ミッドセンチュリースタイル、モダンスタイルの他、木とポップなカラーの融合は北欧スタイルにもよく馴染みます。組み合わせる椅子のデザイン次第で、様々なコーディネートにマッチし置き場所を選びません。

価格:¥436,320(税込)
サイズ:幅99.1x奥行72.4x高さ87.7(cm)
素材:ホワイトラミネート、ウォールナット、スチール

コーデ写真例

 

スワッグレッググループデスクの特徴は、そのコンパクトさ。書斎の主役となるには少し小さなデスクでも、リビングや寝室の一角に置くには最適な大きさです。ホワイトの塗装とポップなカラーは、男性でも女性でも使うことが出来、合わせるチェアによって様々な表情を見せてくれます。

AJ52と同じく印象的な脚先を強調するには、デスクの下にはラグを敷かず、素のままの床仕上げがおすすめです。

④マルセル・ブロイヤー S285-box S【トーネット】

 

マルセル・ブロイヤーは、バウハウスで学び後に教官にもなったハンガリーの建築家・デザイナーです。モダニズムの父と称され、ワシリーチェアというスチールパイプを使った世界最初の椅子を生み出したことでも有名です。

彼のデザインはバウハウスの教えに基づき、装飾性をできるだけ排除し機能性に重点を置いたものでした。曲げ木技術でヒット作を生み出したトーネット社にも影響を与え、ブロイヤーがデザインしたスチールパイプのチェアの生産は、同社がそれまでのスタイルから産業デザインへも幅を広げる大きな転機となりました。

こちらのデスクもブロイヤーがトーネット社の為にデザインしたものです。1本のスチールパイプを曲げて作られたフレームが、天板、引き出し、棚を支えています。装飾性はほとんどなく、そのシンプルな美しさは究極の構造美といえるでしょう。

棚の上には書類や事務用品を置くことが出来るので、オフィスデスクとしてもおすすめです。美しく縁を描くスチールパイプはスタイリッシュで男性的な印象を与えてくれます。コンクリート打ちっぱなしの空間に放り込んでも、より美しさを際立たせ、モダンで洗練された空間を作り出してくれデスクです。

価格:¥727,920(税込)
サイズ:幅164×奥行76×高さ73(cm)
素材:スチールパイプ、アッシュ材

コーデ写真例

 

S285シリーズには黒と白のバリエーションがあります。黒の仕上げの場合色の主張が強いので、思い切ってモノトーンの空間にコーディネートするのもおすすめです。フレームのスチールパイプがアクセントになり、物寂しいイメージにはなりません。

同じくブロイヤーデザインのチェアを合わせると、繊細な意匠のフレームを他が圧倒することなく際立たせてくれます。

⑤ハンス・J・ウェグナー PP571 アーキテクツデスク【PPモブラー】

 

ハンス・J・ウェグナーはデンマークを代表する家具デザイナーです。椅子の巨匠として知られ、ピーコックチェアやYチェアなど、生涯で500種類以上の椅子をデザインし多数の賞を受賞、20世紀の北欧デザイン界に多大な影響を与えました。

彼のデザインは、木のもつ美しさを際立たせるシンプルなフォルムと、機能性を追求したデニッシュモダンと呼ばれています。

こちらのデスクは同じく彼の作品であるザ・チェアに合わせるために1953年にデザインされました。スチールと無垢木材という異なる素材を組み合わせた作品はそれほど多くありません。2つの素材の美しいバランスを見出した最初の家具であり、エポックメイクな作品と言われています。

貫はなく、代わりに配したスチールがその役割を果たしています。その家具の核となる構造の一部を、装飾としても機能させたデザインは見事としか言いようがありません。幅195cm、奥行95cmの広々としたデスクは資料や図面を広げるのにも十分なサイズ感。デスクライトを置いてもなお、広々と使用することができます。

木の明るいトーンと、先端まで丁寧に加工された優美なラインは、温かみのある柔らかな雰囲気を醸し出します。ナチュラルスタイルや北欧スタイルはもちろん、所々に光るスチール素材の効果によって、モダンなテイストにも合わせられる一品です。

価格:¥2,631,960(税込)~
サイズ:幅195×奥行95×高さ74(cm)
素材:オーク材、スチール

コーデ写真例

 

無駄をそぎ落としたシンプルな木のデスクは、北欧スタイルなど色柄の鮮やかなファブリック類と合わせられる場合が多いです。しかし落ち着いた大人の男性には、こちらの例ように存在感のある単色のアクセサリーを添えるコーディネートがおすすめです。

黒のデスクライトや、チェア、太い額縁が男性的な印象を与え、青い皿がアクセントとして効いています。フローリング+ラグによってコーディネートが引き締められています。

 

最後に

デザイナーズデスクたちは時代を超え、長きに渡り人々の心をひきつけてきました。書斎やリビングに花を添え、ワンランク上の空間へと導いてくれるでしょう。ぜひお気に入りの一台を探し、部屋へ取り入れてみてはいかがでしょうか。