【プロが教える】おしゃれな庇を実現する方法!ないと困る庇をデザイン性高く設置する
住宅の玄関ドアや窓の上部に設置する庇は、普段あまり気に留めない部分かもしれません。
しかし、実は素材やデザインなどによって玄関まわりや外観全体の雰囲気が変わるのに加えて、機能面でもメリットを感じること遭が多い部分でもあります。
この記事では、庇によっておしゃれな住宅を実現するポイントや気になるメリットデメリット、おしゃれな庇の施工事例について紹介します。マイホームづくりの参考にしてくださいね。
来客が憧れる!庇でおしゃれな住宅を実現するポイント
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庇とは、「ひさし」と読みます。ドアや窓の上部についている小さな屋根のような部材のことで、独立して設置されています。
まずは庇を設置するメリットとデメリットについて、整理しておきましょう。
庇を設置するメリットとデメリット
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庇は建物外観の開口部がある上部に設置する部材で、住宅の構造的に重要な部分ではありませんので、必ずしも設置する必要はありません。
庇を設置することによるメリットとデメリットを事前に把握し、費用面とあわせて検討するのがおすすめです。
庇を設置するメリット
庇を設置する最大のメリットは、ドアや窓から雨や日差しが室内に入ることを防げることです。
玄関であれば雨の日に玄関ポーチに出ても濡れにくく、傘の開閉やベビーカーの出し入れがしやすくなります。
玄関以外のドアや窓に庇をつけた場合、ドアや窓が直接雨に濡れないため汚れにくくなり、清掃などのメンテナンスの手間が減らせるというメリットも。
さらに、日差しをカットしてくれることで室内への紫外線の侵入量が少なくなり、床や家具などが紫外線によって劣化していくことを防ぐ役割も期待できますし、夏場に室内の気温が上がりにくくなるため快適な状態に保ちやすいと言えます。
そして、雨や風などを長期間受けることで開口部まわりはどうしても傷みやすくなるため、雨や日差しをカットすることで傷みの発生や進行を防ぐ役割も期待できるでしょう。
庇を設置するデメリット
対して、庇を設置するデメリットとして挙げられるのは、外観に合った庇をつけないとちぐはぐな印象になりやすいことです。
住宅は遠目で見る機会が多く、小さな部材である庇も意外と目立ちます。
また、素材やデザインにこだわるのはいいのですが、こだわりすぎて予想外にコストがかかる可能性がありますから注意が必要です。
庇をおしゃれに取り入れるポイント1.外観とフィットしたデザインを選ぶ
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先ほども少し触れましたが、庇をつける場合は住宅の外観と合ったテイストのデザインを選ぶことが大切です。
モダンな雰囲気の外観ならストレートでシャープなデザイン、伝統的な和風の外観なら瓦つきのデザインなど、外観全体として見た時に庇部分もしっくりなじむようなデザインを選びましょう。
庇をおしゃれに取り入れるポイント2.素材ならではの印象を生かす
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庇の主な役割は雨よけと日差しのカットです。
庇をつけるドアや窓の方角に合わせて素材を吟味すると、見た目だけでなく機能性についても満足できる仕上がりになります。
ポリカーボネートの庇
庇の素材として人気が高いポリカーボネートは、デザインが豊富で軽く、耐久性にもすぐれています。
ガラスのように透明ですから、日差しを完全には遮らず室内に適度に自然光が入りますが、日差しが気になるようならブラックなど色が入った商品を選ぶといいでしょう。
ガラスの庇
シャープで洗練された雰囲気が好みならガラス素材の庇がおすすめです。
庇が透明なことで存在感を適度に抑えられ、外観への影響があまり出ませんし、庇の下にいても暗くなりにくいのが特徴です。
木製の庇
和風住宅と相性がいい木製の庇は、耐水性が高いヒバなどの木材で骨組みを作り、アルミニウムやガルバリウム鋼板を貼り付けたものが多いです。
天然素材ならではのぬくもりを感じられ、落ち着いた雰囲気にまとまります。
アルミニウムの庇
庇の一般的な素材として昔から使われてきているアルミニウムは、軽量で耐久性にすぐれ、スタイリッシュな雰囲気が出しやすいです。
シンプルなデザインが多く、洋風でも和風でも合わせやすいという特徴があります。
ガルバリウムの庇
錆びにくく耐久性が高いことで知られるガルバリウムは、屋根材や外壁材とあわせて庇にもよく使われる人気素材です。
メタリックな仕上がりになるため、モダンな印象を与えたい場合はぴったりでしょう。
庇をおしゃれに取り入れるポイント3.ドアや窓とバランスが取れたサイズにする
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庇を設置する目的である雨よけや日差しのカットをカバーできるサイズであることは大前提として、ドアや窓のサイズとのバランスを考慮すると外観がすっきりした印象になります。
たとえば、一般的な幅の玄関ドアに対して同じ幅の庇をつけると、効果が薄い上に余裕のない印象となってしまいます。
逆にドアや窓の幅に対して長すぎたり奥行きが深すぎたりする庇をつけると、庇が目立ちすぎて外観全体のバランスが崩れたり、室内が暗くなってしまったりと不満を感じやすい仕上がりになる可能性があります。
庇をつける目的をしっかりカバーしながら、外観としてもおしゃれにまとまるサイズにしましょう。
後悔したくない!気になる情報を事前に検討しておきましょう
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庇をつける上で事前に確認しておきたいポイントを2点挙げておきます。
庇は後付けできる?
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庇はドアや窓と一体になった部材ではありませんから、外壁に後付けすることは可能です。
ただし、すでに出来上がっている外壁に後から穴を開けて設置しますから、防水の観点から考えると100%確実に雨仕舞ができるという保証がなく、庇を後付けした箇所から雨漏りを起こす可能性はあります。
後付けによる強度不足で台風や大雨などの災害時に落下するというケースもありますので、庇の後付けを考える場合は施工実績が豊富な業者にまず相談するのがおすすめです。
こんなケースに気をつけて!失敗しがちなパターンとは
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庇は外壁から突出している部分なので、サイズによっては建築面積に含まれます。
出幅が1m以下なら建築面積には含まれませんが、1mより長い庇をつける場合は建築面積に含まれますので、建ぺい率(敷地面積に対して建てられる建築面積の比率)に違反しないか設計段階できちんとチェックしておくことが大切です。
奥行きに関しても、狭小地などでは隣地境界線を越えないかについて、施工会社に確認してもらうよう依頼しておきましょう。
おしゃれな庇の施工実例12選
玄関のおしゃれな庇施工実例4選
実例1.真っ白な外観になじむシンプルな庇で統一感を出す
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外壁をはじめ玄関ドアやポスト、窓枠も白色で統一されている玄関まわりに同じく白色の庇をセット。厚みの薄い金属庇なのでとてもスマートな印象です。
実例2.玄関ドアと同じアンティークテイストの庇でシックに
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アンティークな雰囲気を演出する左右のアイアンデザインが印象的な庇は、玄関ドアの飾り窓やブラケットと色を合わせることで玄関ドアの美しいブルー色をいっそう引き立てています。
実例3.圧迫感のないクリアカラーの庇で玄関まわりをすっきりと
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クリアカラーの庇は、玄関ドアまわりの雰囲気をなるべく壊さないまま雨よけ機能をしっかり生かせます。圧迫感がないため、こだわりの外観をそのまま楽しめるのがうれしいですね。
実例4,土庇のある玄関で落ち着いた風格を感じさせる外観に
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土間に建てた柱で直接支える土庇は、和風住宅によくみられます。外壁や屋根の黒色と玄関ドアや柱の木目の2トーンを庇にも採用することで、風格を加えながらもすっきりとまとまっています。
ベランダ・テラスのおしゃれな庇施工実例4選
実例5.外壁に合わせたシンプルな庇でスタイリッシュな雰囲気を演出
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出幅がある庇をつけることで、ベランダがくつろぎのスペースへと早変わり。風を感じながらゆっくり過ごせる場所になっています。
実例6.クリアマットの庇で日差しをカットしつつ明るさもキープ
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自然光をやわらかく透過するポリカーボネート素材の庇。先端に少しカーブがついているため、シンプルですが優しい印象を与えます。
実例7.木目色のフレームでやわらかい印象をプラス
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しっかり雨や日差しをカットしながら明るさも確保できる庇は、木目色を選ぶとやさしい表情になります。重たさを感じさせず、のんびりとした気分にひたれるぬくもりのある雰囲気が印象的です。
実例8.出幅の浅い庇で狭いベランダでもしっかり雨や日差しをカット
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奥行きの狭いベランダにつける庇は、コンパクトで外壁に近い色のタイプにすると違和感がありません。雨がたまりにくいよう先端がカーブしている庇だと、メンテナンスも楽で一石二鳥です。
窓のおしゃれな庇施工実例2選
実例9.シンプルなスクエア型の庇がモダンな外観にぴったり
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窓の幅に合わせたシンプルな庇は、薄手ながら奥行きが深いためしっかり雨や日差しをカット。すっきりとしたデザインなので清掃などのメンテナンスの手間もかからないのがポイントです。
実例10.L型に長く渡した庇でスタイリッシュさがアップ
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鋭角に傾斜した屋根とのバランスが絶妙な金属庇。シンプルな外観にアクセントが加わり、メリハリのあるしゃれた外観になっています。
こんな工夫も!独自の工夫が凝らされた庇の施工実例2選
実例11.住宅の長手側にゆったりと庇を渡して個性的な外観に
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庇というと玄関ドアや窓の上部の見に設置するパターンが多いですが、住宅の長手側全体に庇を渡しています。雨の日でも移動しやすいだけでなく、ダイナミックさが感じられてとても個性的ですね。
実例12.屋根とデザインをそろえたロング庇でアプローチ部分からの移動も楽々
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片流れ屋根の軒天と同じ素材で仕上げた庇を端から端まで渡しています。デザインが統一されてスマートな印象を与える上に、駐車場から玄関まで雨に濡れずに移動できるのもポイントですね。
まとめ
家づくりにおいて、庇はさほど重要視されない部分ではありますが、ないと意外と困るという声も多い部分です。
雨や日差しを避けるという役割だけでなく、傷みやすい開口部周りを保護することで建物の劣化を防ぐ役割も兼ねていますから、機能性とデザイン性のバランスを考えながら検討するといいでしょう。
より快適な家に仕上げるための参考にしていただければ幸いです。