【プロが教える】チェリーの床のお部屋をおしゃれにする方法！ハード過ぎず、繊細過ぎず、ちょうど良い万能床材

著者：岩野愛弓 （インテリアコーディネーター/宅地建物取引士）

注文住宅会社で15年以上インテリアデザインやコーディネート業務に従事。オーダーメイドな造作家具の基本デザインや自然素材を扱う住空間を得意とする。素材感や雰囲気があるもの、ディティールがしっかりと造られているもの、カタチがよいものに惹かれ、インテリアアイテムをご提案するときは国内、海外問わず情報収集しコストパフォーマンスも重視している。住まいに関するコラムライターとしても活動中。

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チェリーは、テーブルや椅子などの家具にもよく使われる高級木材です。滑らかで心地よい肌触りで床材としても人気があります。カバやウォルナットと並ぶ代表的な床材といえるでしょう。チェリー材として一般的に使われるのはブラックチェリー。中でも北米原産のアメリカンブラックチェリーは、昔からヨーロッパに輸出され好まれてきました。

チェリー床と聞くと日本では「桜」を連想するため、「カバ」や「バーチ」の床材を思い浮かべる方も少なくありませんが、アメリカンブラックチェリーとは似て非なるものです。

チェリーは木目がはっきりと表れ、赤みがかった色から濃い茶色まで色幅も広く、白身と赤身が混在する部位もあります。やさしい木目のバーチよりも、どちらかというとウォルナットに近いかもしれません。

この記事では、チェリー床とはどのような素材なのか、どれくらい経年変化があるのか、住まいに取り入れるにはどんなインテリアと相性が良いのかなど、上品な雰囲気を持つチェリー床を取り入れたコーディネート実例も含めてたっぷりとご紹介します。ぜひ参考にしてください。

プロが教える！チェリーの床のお部屋をおしゃれにする方法

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はじめに、チェリー床を取り入れて、おしゃれな部屋を演出するためのポイントや、チェリー床の特徴をご紹介します。

チェリーの床のお部屋をおしゃれにするポイント

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チェリー床は、高級感のある木目と上品な色合いが魅力的な床材です。ハードな印象でもなく、繊細過ぎることもなく、ほんとうに「丁度いい」風合いです。家具材としても多く使われていますから、インテリアを選ぶ時もチェリー材で作られた家具の種類が豊富で合わせやすいのが良いですね。

実際にチェリー床を使い、おしゃれな雰囲気がするお部屋は、使っている木材の色に統一感を持たせていることが多いです。もし天井にも木材を使うなら、床と統一感のある色合いにすると全体的にまとまりのある空間になります。

統一感を持たせた方がよい部位としては、天井や巾木、ドアなどの内部建具です。キッチンなどの設備機器やカウンターなどの造作家具は、別の素材を使いアクセントとすることもありますから、設備や造作材で色合いを揃えるかどうかは、お部屋のスタイルによって判断してもよいでしょう。

仕上げ材や造作家具の色合いを揃えるときは、チェリー床と違和感のない木目の樹種を使うことも大切です。チェリー材は、節の少ない上品な木目が特徴的ですから、パイン材のように節が多い樹種と組み合わせると、ちぐはぐな印象を与えてしまいます。天井や壁パネルなど面積が広い箇所では特に気を付けたいですね。

チェリーの床と経年変化

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チェリーの床材はもともと薄い赤褐色の色味ですが、経年変化により徐々に濃い色味に変わってきます。変化する期間については日当たりなどの条件にもよりますが、施工当初よりも濃く変化することを念頭において、インテリア家具との組み合わせを検討しましょう。

新築やリフォームしたばかりのチェリー床と、まったく同じ色味の家具で揃えたとしても、後々は床との色違いが出てくる可能性があります。もちろん、多少の色違いは十分許容範囲ですが、「こんなはずじゃなかった」とならないように、特徴を理解しておきましょう。

さらに詳しく！チェリー床との相性をインテリアスタイル・建具・壁紙・家具ごとに見ていこう

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赤系と茶系がほどよくミックスされたチェリー床は、暗すぎず明るすぎず、どんなインテリアとも相性のよい素材ですが、具体的にどのようなインテリア、素材と相性がよいのでしょうか。部位ごとにご紹介します。

どんなインテリアスタイルと相性が良い？

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赤みの色味から、少し濃いブラウンまでチェリー床の色幅は意外と広いです。その分、相性のよいスタイルも広がることがメリットのひとつです。シンプルだけど品のある「ナチュラルスタイル」に、赤みがかったチェリー床を組み合わせると、繊細な色使いも上手にまとまります。床が主張しすぎないため、壁や家具の存在感との調和が絶妙です。

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赤みを抑えたチェリー床には、「渋さ」を感じさせる「インダストリアルスタイル」や「モダンスタイル」が似合います。ウォルナット材とも色味が近いですから、家具選びも豊富なバリエーションから選択できます。ブラック系の建具枠やアクセント壁も浮いてしまうことなく、全体が引き締まる空間です。

どんな色の建具・壁紙と相性が良い？

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建具と床のコーディネートで失敗しないためには、同じチェリー系の色味で揃えるのがポイントです。建具と床はつながって見えているため、「あえて別の色でアクセントにしたい」という目的がない限り、同系色が基本です。

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白（壁）×茶（床）の組み合わせは、鉄板のコーディネートです。ホワイト系の壁紙なら空間も広く感じますし、家具をアクセントとして使うときも背景として最適です。少し別の素材も取り入れるなら、壁の一部にレンガやタイルなど重厚感のある素材もおすすめです。チェリー床はほとんど節のない上品な木目が多いですから、あまりラフな印象にならないように、レンガやタイルも規則性のある整った張り方と相性がよいでしょう。

どんな家具を選ぶべき？

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チェリー床は、濃い色味ではないものの、ブラック系など濃色の家具も似合います。ボリューム感のあるソファや椅子が、大人の空間づくりに最適です。チェリー床は経年変化によって少し色味が濃くなっていきますので、床よりも家具の色が濃いかもしれないと感じても、意外としっくりとなじんでくれます。

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チェリーと同色の家具でコーディネートすれば、お部屋も広く感じてすっきりとした印象になります。同じチェリー材を使った家具なら、ホワイト系のファブリックをアクセントにすると、上品で清楚なインテリアが完成します。

ソファやテーブル等大物の家具を選ぶときのポイント

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ダイニングテーブルなど大きな家具の場合、チェリー床と同系色なら、コーディネートで失敗することは避けられますが、無難なインテリアともいえます。面積の広いダイニングテーブルは、チェリー床と類似色で揃えて椅子は別の色を取り入れてみてもよいでしょう。座面のファブリックにイエローやグリーンなど馴染みやすいカラーを取り入れるのもおすすめです。

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色使いで冒険するのが不安な方は、デザイン性のある家具を取り入れることで少し変化のあるおしゃれな空間を演出できます。「色」ではなく「カタチ」で遊び心を表現するのがポイントです。

カーテンを選ぶときのポイント

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チェリー床の空間には、ホワイト、ベージュ、ブラウン系を基調としたカーテンを使って、モダンでスタイシッリュな雰囲気にするとおしゃれな空間になります。大開口の掃き出し窓には、縦型ブラインドを天井の高さから取り付けると、シャープなラインが強調されてより天井が高く見える効果がでておすすめです。縦型ブラインドの場合はホワイト系を使い壁面と一体化させると、空間全体がすっきりします。

一般的な横引きのドレープカーテンなら、ベージュやブラウン、グレーなど控えめでやさしい印象のカラーがよいでしょう。柄物を使うときは、お部屋のテイストにマッチしたものを選びカーテンを閉めているときに柄が目立ちすぎないように気を付けます。

ラグを選ぶときのポイント

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家具をチェリー床と近似色にしたとしても、ラグも同じようなブラウン系でまとめてしまうと、部屋全体が一色になっていまい地味な印象になることも。「赤」や「オレンジ」などを基調とした明るいカラーも取り入れて、柄つきで動きも表現しましょう。

モダンな柄のラグならホワイト系でもブラック系でも合わせやすいですが、ダマスクやペイズリー、エクニックなどの組み合わせもおすすめです。

後悔したくない！失敗しがちなパターン紹介

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無難にまとめるために、家具もカウンター造作も同色系でコーディネートした場合、少し寂しい雰囲気になることもあります。椅子の木材が同じチェリーでも、座面のファブリックはオレンジやグリーンなど別の色にしたり、壁に絵画やポスターを飾ったり、高さを変えて違う色のインテリアを取り入れるとおしゃれな空間になります。背丈のある観葉植物を入れるだけでも、高さの変化がでて印象が変わり効果的です。

スタイル別チェリーの床のコーディネート実例8選を解説！

チェリーの床×ナチュラルスタイル　2選

グレーの家具がポイントのやさしい空間

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ナチュラルカラーを基調としたリビング・ダイニングは、ダイニングテーブルやソファ、ロッキングチェアをチェリー床のカラーに合わせて、やさしい印象に。ファブリック類はグレーをアクセントにしていて、大人な暮らし方が似合う空間です。壁際に置いたグリーンも自然のゆらぎを表現するよいアイテムです。

ナラやオーク家具とのミックススタイル

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床材はブラックチェリーですが、家具にはチェリーよりも淡色なナラ、オーク材を組み合わせています。上品な木目のチェリーはさまざまな樹種となじんでくれるため、まったく違和感を感じさせないコーディネートです。キャメル色のソファやホワイトのラグで清楚な雰囲気のお部屋ですね。

チェリーの床×モダンスタイル　3選

木目が魅力のチェリー床は大人の雰囲気に

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キリリとした表情を持つブラックチェリー床に、窓枠や家具にブラックを取り入れた、大人なモダンスタイルです。天井の高さを生かしてハイサイドライトからたっぷりと光を取り入れて伸びやかさを感じる空間です。

間接照明が奥行を感じるモダンスタイル

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少し赤みのあるチェリー床は、温かみのある照明と好相性です。空間の外郭に沿うようにL型に配置した間接照明が、奥行の長さを強調し面積以上の広さを感じさせます。壁面の色味を抑えて、ソファのクッションとラウンジチェアーがさり気ないアクセントに。

天井の羽目板がベストマッチした空間

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天井を羽目板仕上げにしたリビング。高さが確保されていることや、ハイサイドライトで丁度良い「抜け」が表現されていること、両サイドの壁は何も飾らずシンプルにすることで、天井に木材を使っていても圧迫感のない空間です。ボリューム感のある家具は、ホワイトカラーを採用し重さを感じさせません。

チェリーの床×北欧スタイル　3選

ヴィンテージ家具が似合う北欧スタイル

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素朴で個性的なデザインの北欧家具とチェリー床は相性抜群です。濃灰のソファやブラック系ペンダントライトで、「カッコイイ系」のコーディネートが素敵ですね。北欧サイドボードは、足元が高く設定され、床面が見えやすく白い壁に映えます。小物を使ったさまざまな演出が楽しめます。

濃紺がポイントのレトロスタイル

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味のある濃紺カラーでレトロな雰囲気を感じさせる空間。コンクリート打ちっぱなしの天井をそのまま生かし、ラフな暮らし方が似合うリビングです。天井から下がるペンダントも個性的でよい味わいがありますね。チェリー床と家具のカラーがマッチして、どちらも経年変化が楽しみな風合いを感じます。

アースカラーでやさしい空間に

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チェリー床とホワイト系の壁は合わせやすいコーディネートですが、繊細なモスグリーンなどアースカラーを取り入れると、海外で見かけるような個性的なお部屋になります。リビングダイニングなどメインの部屋でホワイト系以外のカラーを取り入れるのが不安という方でも、子供室や夫婦寝室など個室になら気軽に取り入れられそうです。ブラケット照明など間接照明を効果的に使い、窓回りやインテリア小物にブラウンを取り入れて、温かみのある空間になっています。

まとめ

今回は、チェリー床を使ったおしゃれなお部屋の実例や、チェリーに似合うインテリアなどについてご紹介しました。

チェリーはブラウン系に分類されるの素材ですが、濃すぎず薄すぎず、どんな樹種の家具とも馴染んでくれる万能な素材です。そのため、モダンでも北欧でも、どんなスタイルにも違和感なく使うことができます。何気なく選んでいるものが「チェリー床」だったということも珍しくありません。多くの方に好まれる床材ですから、素材選びで迷っている方にはおすすめです。経年変化も楽しみながら、好みのインテリアづくりにぜひ検討してみてはいかがでしょうか。