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【プロが教える】おしゃれなドライガーデンを実現する方法!ローメンテでスタイリッシュなお庭の実例で解説

橋本朝子
著者:橋本朝子 (一級建築士)

フィンランド在住。法政大学建築学科卒業。建築設計事務所、ガーデニング設計施工会社を経て独立。現在はフィンランドで個人邸宅の庭をはじめ、学校、店舗、公園など幅広い外部空間の設計を手掛ける。設計のテーマは、「毎日の暮らしがより楽しくなるガーデン」。住まいは築50年の住宅。インテリア、ガーデンともにリノベーションを重ねて家族と住む。趣味はアップサイクル。

おしゃれなお庭を実現したいけれど、海外出張が多くて庭に手間暇をかけられない。自然風の草花いっぱいの庭は自分のスタイルとちょっと違う。花いっぱいも良いけれど、サボテンや多肉植物が好きでお庭に取り入れてみたい。そんなときは、今注目を集めているドライガーデンをご検討ください。

ドライガーデンは水やりはほとんど不要。ドライガーデン向きの乾燥に強い植物は形のはっきりした構築的なフォルムが多いので、お庭がモダンでかっこいい印象に仕上がります。この記事を参考に、ローメンテナンスでスタイリッシュなドライガーデンを取り入れてみませんか。

おしゃれなドライガーデンを実現する方法

何をどう組み合わせるとおしゃれなドライガーデンになるのでしょう。ドライガーデンの実現方法を徹底解説!

そもそもドライガーデンとはなにか?

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ドライガーデンは砂漠地帯と温帯の間に分布する、暑く乾いた気候のランドスケープを再現したもの。メキシコやアメリカの南西部、オーストラリアの風景を想像してみてください。地面を覆っているのは緑よりは岩石が多いかも知れません。暑くて乾いた大地には、葉に水を貯えやすい分厚い葉の植物が多く育ちます。

そこでドライガーデンではサボテン類や乾燥に強い植物をアクセントに、それ以外は砂・砂利・石で構成していきます。シンプルですが、バランス感覚も必要です。

ところで、石や砂利を大部分に使いアクセント的に緑を配するというと、枯山水やロックガーデンを思い出すかも知れませんね!丁寧に水紋が描かれた白砂やコケの緑が美しいの禅の庭も、欧米で稀にドライガーデンと呼ばれることがあります。ただ枯山水は水を使わずに白砂で水面のイメージを表現するものなので、本来のドライガーデンとは別の種類の庭です。

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またロックガーデンは別名アルパインガーデンとも呼ばれ、多くは高山の雰囲気を再現したもの。標高もしくは緯度が高くなるにつれ樹木類は大きく生育できなくなり、次第に岩石の多い地形になってきます。氷点下の時期が長い厳しい環境では、短い夏の間に高山植物などが育ちます。ロックガーデンに植える植物は、涼しい気候を好むものが多いのもこれが理由。

ロックガーデンにもよく使われる耐寒性のあるセダム類は、ドライガーデンにもよく似合います。特に日本で冬に氷点下になる地域では、暑くて乾いた大地の表現にはこだわらず耐寒性のある植物から似合うものを探しましょう。

ドライガーデンのプランニング

日当りがよく乾燥しがちな場所、風通し・水はけのよい場所に配置しよう

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ドライガーデンを取り入れるとき、まずはお庭の環境をチェックしてみましょう。コンクリートの壁や床の脇、一日中日光にさらされて乾燥の激しい場所はありませんか?今までどんなお花を植えてもすぐ乾いてだめにしてしまった、そんな過酷な環境ならドライガーデン向きです。

逆に水はけが悪い場所、日陰はどちらかというと不向きですが、対策をすれば大丈夫です。例えば水はけが悪いお庭なら土壌改良したり地面に勾配をつけたりして水がたまらないよう工夫しましょう。日陰になる部分には日陰にも耐える植物を選んだり、砂利と石のみの表現にして植物は植えなければいいのです。

厳選した砂利や石で、自然の風景を再現しよう

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暑くて乾燥した大地を演出するのに、砂利や自然石はぴったりの素材です。黄色味、赤味のある岩肌の美しい石、砂利がおすすめです。砂利は丸みや艶のあるものより、ごつごつ角張っていたりマットな表面のもののほうが飛び散りにくいですよ。

石材は、自然の風景を思い描きながら配置しましょう。例えば山のようにそびえる大きな岩の下には崩れ落ちた岩が転がっていたり、細かい砂利がつもり平らになっている場所があったりという具合です。流木などで立ち枯れた木を表現しても良いですね!大きな石の間にたまった土や水分で生きている、そんなイメージがでるように植物も植えていきましょう。

ドライガーデンの植物:植物は、はっきりした形のものを選ぼう

多肉植物、サボテン類などの葉が固く厚い植物、刈り込まず自然形で幾何学的・構築的なはっきりした形に育つ植物、茎が短く葉が直接根もとから生えて花のような形(ロゼット状)に育つ植物などがドライガーデンによく似合います。冬の気温が下がる地域では耐寒性がより強い植物を使う、もしくは冬季は鉢上げして暖かい場所にうつすなどの工夫が必要です。

アガヴェ

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観葉植物として、さらにはドライガーデンの素材としても人気のアガヴェは、先端のとがった固い葉とロゼット状の丸い形が特徴。丈夫で育てやすい植物で露地栽培も可能です。品種によって葉の色形、大きさも違いますので、数種類のアガヴェを植えるだけでも変化を出すことができます。

アロエ

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アガヴェと似ているけれど、比較的柔らかい雰囲気を持つアロエもドライガーデン向け。そしてアロエも大小さまざまな品種があります。中でもキダチアロエは露地植えにすると茎が伸びて大きくなり、鮮やかなオレンジ色の花を咲かせます。花が少なくなりがちなドライガーデンで目を引くことでしょう。

ユッカ・ロストラータ

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観葉植物としても人気のユッカ。株が小さいときは、やはりアガヴェに似ています。そして品種によって姿も様々。中でも、ユッカ・ ロストラータの幹をまっすぐのばし木立になった姿、青みがかった細い葉を放射状に広げる姿は芸術的。ドライガーデンに植えれば強い印象を与えます。

ウチワサボテン( オオマルボン)

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サボテンの種類で背が高くなるものがご希望なら、ウチワサボテンをおすすめします。サボテンの中で比較的耐寒性のあるオオマルボンという品種は日本でも栽培されていて、環境に合えば路地で2メートル以上に育つことも。写真後方に見える柱サボテンも日本の暖地で栽培が可能です。

フェスツカ・グラウカ

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オーナメンタルグラスはドライガーデンにもマッチします。特にブルーがかった葉が美しいフェスツカ・グラウカは乾燥に強く耐寒性も高いので、関東以北にもおすすめです。

センペルビウム

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花のような形に葉を広げる、背の低い多肉植物。冬に氷点下が続く地域でも育つ強い耐寒性があり、環境に合えば子株をだして地面を覆うように増えます。ドライガーデンの中で、石の間を埋めるように育つ姿が目を引きますよ!水はけ・風通しのよい日当たり向き。

ドライガーデンの土壌・メンテナンス

ドライガーデンにも培養土は必要!

岩石が主体の乾燥した庭でも、植物が育つのに土は必要です。水はけのよいサボテンの土がおすすめです。土の深さは、高さが1メートル以上の苗、または高くなるまで育てたい場合は60センチ以上がおすすめです。高さが1メートル以内に育つ植物の場合は深さ40センチ以上、高さが30センチ以上にならないなら深さ20センチ程度の深さの土を設けましょう。

通常は植栽後はたっぷり潅水しますが、サボテン類は潅水しません。植栽前も、根が乾燥した状態が理想的。1メートル以上の背の高いサボテン類は、根がはるまでの間支柱を設けましょう。

ドライガーデンはローメンテナンス

ドライガーデンはあまりメンテナンスの必要はありませんが、お庭を美しく保つために次の点に留意しましょう。

水やり

雨がかりがある場所なら、自然に降った雨だけで十分です。屋根の下、鉢植えの場合は極度に乾燥する可能性があるので、適宜水やりをします。

清掃

せっかくの美しい砂利敷きも、枯葉などの下に隠れてしまってはもったいありません。枯葉や枯れ枝などは取り除きましょう。近くに落葉樹があり、秋に枯葉が積もってしまうという場合はブロワーで清掃しましょう。

水やり、清掃の際は、植物に病害虫がついていないかチェックするのも忘れずに。風通しが悪いとカイガラムシなどがつくことがあります。

 

日本のお庭で実現可能!プロが教える!おしゃれなドライガーデン実例12選

すぐに取り入れてみたくなる、様々な実例をご紹介!

おしゃれなドライガーデン お庭編 6選

敷地の高低差を生かしてワイルドさを演出しよう

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敷地に高低差があるなら、変化にとんだ迫力ある風景をつくることができます。緑地の中央から後方に崖や山の岩肌を思わせる大きめの自然石を埋めるように配置。石のさらに後方にはウチワサボテン、柱サボテン、ユッカなど1メートル以上に育つ大きめの植物を植栽。手前にはアガヴェ、タマサボテンを。間に砂利を敷けばワイルドなドライガーデンが完成!

シンプルなウォールを背景に、サボテンを植えてアートのように鑑賞しよう

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コートヤードやフロントガーデンのウォールの前の細長いエリアをドライガーデンにしてみませんか!奥行き1メートルの土地にサボテンやユッカを植えて地面に砂利を敷くだけでもスタイリッシュになります。シンプルな壁を背景にオブジェのように並べて、植物の形を際立たせましょう。

小さなセダム苗と流木のミニチュアガーデンなら、一日で完成

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ウッドプランターを利用すれば、ミニチュアドライガーデンが作れます。中央に自然石や流木を配置して、その際から植物が育っているかのような演出をしましょう。ガーデンセンターの棚から買ってきた、小さなセダムやサボテンが生かせます。地植えで同じアイディアを取り入れても良いですね。

外壁沿いをドライガーデンにすれば、外観のイメージアップに

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住宅の外壁ぞいは軒下になっていることが多く、意外と乾燥しやすいエリアです。枕木やレンガで一段高い花壇にすれば水はけがよくなるうえ、人が踏み入って砂利を飛び散らす心配もありません。丸み・艶のあるきれいな小石を並べても良いですね。

鉢植えにすればバルコニーでもドライガーデンが可能

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植木鉢に植えこめば、バルコニーでもドライガーデンが可能。大きな鉢植えに寄せ植えしても良いし、別々の鉢に植えて、ちょっとずつ鉢をコレクションしても楽しいですね。鉢の中にはきれいな砂利を敷いたり、床に流木や自然石をディスプレイしたりしてドライガーデンの雰囲気を盛りあげましょう。

ヨーロッパのエキゾチックガーデン風なら洋風のガーデンにも合う

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地中海風の庭とドライガーデンの両立も可能です。南フランスのエズにあるエキゾチックガーデンをモデルにしましょう。地面にはベージュ色の砂利や石灰岩を。白い壁に赤い瓦の建物やオリーブの林を背景に、アロエのオレンジの花が違和感なくマッチします。

おしゃれなドライガーデン アプローチ編 6選

ワイルドなドライガーデンの上にかかった橋を歩いているような通路にしてみよう

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まっすぐなエントランスアプローチの両側をドライガーデンにして、橋をわたっているかのような不思議な雰囲気をだしてみましょう。通路に対して若干砂利面を低くするのがポイントです。

オーナメンタルグラスならモダンデザインに似合う

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ドライガーデンによく使われるオーナメンタルグラスは、乾燥に強いフェスツカ・グラウカ。群植すれば乾いた草原の風景に。ミニマムデザインの建物のアプローチに似合います。

小さな緑地なら、背の低いカラフルなセダム類を組み合わせると印象的になる

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ドライガーデンは庭の一部でもOK!例えば玄関脇の小さなスペースに、背の低い多肉植物を組み合わせたミニチュアドライガーデンはいかがでしょう。砂利や石を使って緑地の中央を少し高くすると、より変化をつけることができます。

四角い鉢植えを地面に埋めれば移動もできる

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玄関や駐車場の脇の空いているスペースに四角い鉢を埋め込めば、小さなスペースがスタイリッシュなドライガーデンに!地面には砂利を敷き、鉢の中にはユッカやアガヴェ、サボテン類を植えましょう。寒い地方なら、冬に鉢ごと軒下や室内に移動することができます。

玄関アプローチの階段まわりをドライガーデンでモダンに演出しよう

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真っ白でモダンな玄関アプローチにもドライガーデンが似合います。低い壁で立ち上がった緑地なら水はけもよく、サボテンや多肉植物にとっても理想的な環境です。アロエやセネシオ・タリノイデスを低木のように植え込めば、形や色合いの違うグリーンを楽しめます。

写真の中で肥大した幹が印象的なボトルツリー(ブラキトン)は観葉植物として日本でも販売されていますが、耐寒性はありません。外で楽しむときは鉢植えで、冬は室内の管理がおすすめです。

玄関前に鉢植えのドライガーデンを置けば、高級感がでる

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日当たりのよい玄関先やテラスに一つだけかっこいい鉢植えが欲しい場合、ユッカやアガヴェの大苗を一つだけ植え、白い玉石を敷いておくのがおすすめです。シンプルながらも大胆な印象の植物が、住宅の第一印象をより高級にみせてくれます。

まとめ

水やり、花がらつみなどの管理の手間が少ないドライガーデン。旅行の間に枯れてしまう心配も少なく、忙しい現代の生活にも合うガーデニングのスタイルです。常緑の植物が多く、地面は砂利でおおわれているので常に整って見えるのも嬉しいポイント。モダン建築にばっちり似合い、かっこいいお庭が実現できます。

多肉植物やサボテン類は本当に姿形が面白く、様々な品種があるのですっかりはまってしまう人も多い分野。最初は手間暇かけないつもりでも、すっかりコレクターになってしまうかもしれませんよ!ドライガーデンの魅力、追及してみませんか!