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      2023/05/18

【プロが教える】白黒の壁紙でおしゃれインテリアに仕上げる方法!モノトーンでまとめた実例をたっぷりご紹介

佐伯美知枝
著者:佐伯美知枝 (二級建築士/インテリアコーディネーター)

宿泊施設専門のコンサルティング会社にて、旅館やホテルのオープン・リニューアル案件を担当。その後インテリアショップ「カギロイ」勤務を経てフリーのコーディネーターに転身。小型犬+家族3人暮らし、自宅は古材家具に囲まれた和モダン風です。心身共にリラックスできる居心地良いお部屋づくりをモットーに、様々なインテリアをご提案できるよう心掛けています。

インテリア雑誌やSNSなどで目にする、モノトーンカラーでまとめたお部屋。

なかでも白黒壁紙を使ったコーディネートは、シンプルな配色ながらも高級感があり、かつ生活感をほどよく抑えてくれます。

一見取り入れやすそうにみえますが、最も明度(色の持つ明るさの度合い)が高く、光を反射しやすい「白色」と、その逆に最も明度が低く、光の反射率が少ない「黒色」だけで構成される白黒壁紙は、無彩色同志ということもあり、意外にコーディネートが難しいもの。

そこで今回は、白黒壁紙を日本のお部屋に取り入れる際のポイントや、おしゃれなコーディネート事例をご紹介します。

白黒の壁紙をおしゃれに取り入れるポイント

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壁紙の選び方にはさまざまな手法がありますが、下記を参考に色の配分を考えると、バランスのよい配色が実現できると言われています。

【インテリアの配色を考える際の黄金比率】

ベースカラー(床・壁・天井):70~75%
メインカラー(家具・カーテン・ラグなど):20%
アクセントカラー(クッション・アート・オブジェなど): 5%

壁紙は、ベースカラーに含まれるインテリアエレメント。

詳しく選び方のポイントをみていきましょう。

日本のお部屋に白黒の壁紙を取り入れるときに考えるポイント

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海外インテリアでみられるような、広々としたスペースや十分な天井高が確保しにくい日本のお部屋では、白と黒の色の対比が強まることで目が疲れやすくなったり、見た目の印象が強まりすぎたりする場合があります。

そのため、純色の白と黒だけで構成されたコントラスト強めの配色や、大柄のデザインはなるべく避けるのがおすすめ。

【白黒の色のコントラストを抑えた壁紙の一例】

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上の画像は、白・黒の中間色である「グレー」を含んだ白黒壁紙。

グレーが白・黒をうまく繋いでいるので、無彩色のグラデーションを楽しめるほか、長時間視界に入っても、目が疲れやすくなるなどの心配はそれほどいりません。

とはいえ、お部屋全ての壁に貼るとしつこさが出やすいので、アクセントウォールとして壁一面程度に限定して貼るのがベター。

その他の壁は、白系色またはライトグレーなど明度高めの無地の壁紙を貼ると、お部屋に開放感が生まれやすくなります。

【白色を基調にした白黒壁紙の一例】

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お部屋全ての壁に白黒壁紙を貼るなら、ベースが白+シンプルで主張しすぎない柄で構成された、白割合が多めの白黒壁紙がおすすめ。

上の画像のような細めの黒ライン柄なら、リビングダイニングなどのパブリックな空間にも取り入れやすく、明るい印象のお部屋をつくることができます。

【黒色を基調にした白黒壁紙の一例】

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黒色ベースの白黒壁紙を選ぶ場合は、お部屋の壁一面だけに限定して、空間のフォーカルポイントとしてみせるのがコツ。

それ以外の壁には、オフホワイトやアイボリーなどの無地の壁紙(※1)を貼ることで、お部屋が暗く重たい印象に偏るのを防ぐことができます。

(※1)白系色の壁紙は、純色になるほど黒ベースの壁紙と明度の差が大きくなり、目が疲れやすくなる場合があります。壁紙の種類によりますが、真っ白なピュアホワイト色は極力避けたほうがおすすめ。

【個性的な柄の白黒壁紙の一例】

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壁面に貼るとインパクトが強まりそうな白黒壁紙の場合は、天井クロスとして取り入れるのも一案。

こちらも周囲の壁には無地の壁紙を組み合わせることで、個性的な壁紙のデザインをより引き立てることができます。

白黒壁紙の場合、カーテンは何色にすべき?

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お部屋のなかでも占める割合が多く、選び方によってお部屋の印象が大きく変わるカーテン。

配色の黄金比率でいうと、メインカラーに含まれるウィンドウトリートメントです。

白黒壁紙は無彩色のため、どんな色とのカーテンとも馴染みやすいのですが、カーテンは原則として柄なしタイプ(無地)がおすすめ。

白黒壁紙の柄を引き立てるだけでなく、お部屋をすっきり見せることができます。

【有彩色のカーテンを組み合わせた例】

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壁廻りが白黒だけではちょっとさびしくなりそう…という方は、インテリアスタイルやテーマカラーなどに合わせて、有彩色のカーテンを選んでみましょう。

色味があるカーテンは白黒壁紙との対比により、空間のよいアクセントになります。

例えば紫やグリーンなどの中性色は、寒暖の変化が感じられにくく、年間を通じて使えるニュートラルなカラー。

日本のお部屋によく採用される茶系色の床とも相性が良く、落ち着いた印象に仕上げることができます。

【無彩色の白いカーテンを組み合わせた例】

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白黒壁紙と同様にカーテンを無彩色にすると、お部屋全体の一体感は出やすくなりますが、一方で空間を構成する色数が不足し、少々さびしい印象になってしまう場合があります。

その場合はラグや家具、クッション、アートなどで色味を足してみましょう(次章参照)。

上の画像は、白いドレープカーテンと白黒壁紙を組み合わせた例。

白色が占める割合が多くなるぶん、”開放感”や”清潔感”を印象づけやすくなります。

【無彩色の黒いカーテンを組み合わせた例】

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こちらは水墨画風の白黒壁紙に、黒色のドレープカーテンを組み合わせた例。

黒いカーテンは”重厚感”や”シック”な印象を強めるほか、空間を引き締める効果も期待できます。

【無彩色のグレーのカーテンを組み合わせた例】

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こちらは、グレーのカーテンと壁画タイプの白黒壁紙を組み合わせた例。

白・黒色が占める面積が多い空間では、グレーを組み合わせて”柔らかさ”や”落ち着き感”をプラスしてみましょう。

白黒壁紙の場合、ソファやラグの色で気をつける点は?

【アースカラーのソファを配した例】

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ウッド調の床材が多く採用される日本のお部屋では、床と同系色であるアースカラーのソファやラグは特におすすめ。

穏やかな色調で寛ぎやすいだけでなく、白黒壁紙に視線を集めやすくなる効果が期待できます。

【モノトーンのソファ一を配した例】

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ソファやラグをモノトーンカラーにする場合は、明るい色調のラグを重ね敷きしたり、クッションやアート類に明るい色味を足したりすることで、お部屋が極端に暗くならないよう工夫しましょう。

上の画像のように、お部屋下部を黒色でまとめると安定感が生まれ、より落ち着いた印象になります。

【有彩色のソファを配した例】

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ソファやラグに色味を持たせたいときは、上の画像のように、同系色でコーディネートするのもおしゃれ。

空間を構成する色数は3~4色程度、多くても5色以内に絞るとバランスよくまとまります。

白黒の種類別のポイントを徹底解説

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白割合の大きい壁紙と黒割合の大きい壁紙、それぞれが持つ心理的効果を知ることで、より選び分けがしやすくなります。

それぞれの特徴をみていきましょう。

白割合の大きい白黒の壁紙の場合

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白割合の大きい壁紙は、お部屋を実際よりも広く感じさせ、開放的な印象を与えやすいのが特徴。

よほど黒の柄が個性的でない限り、圧迫感が強まることはないので、リビングダイニングなど家族が長時間過ごすお部屋にも取り入れることができます。

例えばラタン家具を配した空間に、上の画像のような壁紙を貼るなら、表面にわずかな凹凸がある布目調の壁紙が特におすすめ。

光を柔らかく拡散するのでソフトな印象に仕上がるほか、自然素材の家具とも相性抜群。

黒割合の大きい白黒の壁紙の場合

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黒割合の大きい壁紙は、シックで洗練された印象を与えやすい一方、貼る面積に注意が必要。

圧迫感や閉塞感が強まりやすいので、リビングダイニングなら、視線が集まりやすい壁だけにアクセントウォールとしてとりいれてみましょう。

例えば、TV背面の壁だけに貼るなら、石やスレートをイメージした小さな凹凸のある石目調壁紙が特におすすめ。

金属調やガラス、大理石といった、無機質な素材ともよく似合います。

こんなケースに気をつけろ!失敗しがちなパターン紹介

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同じ白黒壁紙でも、異なる柄を同一空間に取り入れるのはNG。

上の画像は、左手の壁に大判のブロックチェック柄、右手に、ツリー柄壁紙を貼ったリビングダイニング。

いずれも白・黒のみの配色で揃えていますが、柄同志のテイストが異なるため、少々ごちゃついた印象に…。

このような場合は、どちらかの柄入り壁紙を無地タイプに変えるのがおすすめ。

白黒壁紙を一種類のみにすることで、アクセントウォールとしての存在感を強めることができます。

日本のお部屋にも取り入れ可能!白黒色壁紙コーディネートサンプル9選

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ここからは、日本の住宅に取り入れやすい白黒壁紙のコーディネート例をご紹介します。

個性を打ち出したデザインもあるので、ぜひ壁紙選びのヒントにしてください。

白割合の大きい白黒壁紙コーディネート 5選

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ベースが白+柄が黒の壁紙は、さまざまなインテリアスタイルと合わせやすい、使い勝手の良さが魅力。

例えばモダンスタイルなら、線・円で構成されたパターン、ポップアート風など。

ナチュラルスタイルなら植物・木目柄、北欧調なら鳥や自然をモチーフにした柄などもよく似合います。

テレビウォール背面に水墨画調壁紙をあしらう

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壁掛けTVを設置した造作のテレビウォール背面に、白黒壁紙を貼った例。

間接照明の効果で、水墨画のような世界観が際立ちます。

モダンアートを思わせるジオメトリ柄壁紙

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壁床兼用のシール壁紙を、玄関床に貼った例です。

ぱっと目を引くジオメトリ(幾何学)パターンは、まるでモダンアートのような趣。

壁紙のベースカラーと色調を揃えた造作家具

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北方樹林を思わせる白黒壁紙に、棚と扉付きチェストを組み合わせた例。

壁紙の柄が棚板によって途切れていますが、壁紙と同系色の白い棚を設置したことで、一体化した造作家具のような仕上がりに。

ランダム配置のピンドット柄壁紙で大人可愛く

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ピンドット(小さなドット水玉)柄壁紙を、デスクコーナー背面に貼った例。

造作家具や椅子、カーテンなど白一色で揃えたコーナーに、ランダムに配置された黒のドット柄が品よく映えています。

リアルとフェイクが曖昧になっただまし絵風壁紙

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白黒壁紙の上に、家具をモチーフにしたシールを貼った例。

壁紙とクッション・ランプシェードの柄を揃えるなど、現実のインテリアと壁紙の柄の境界線が、わからなくなりそうなコーディネートです。

黒割合の大きい白黒壁紙コーディネート 4選

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黒色の割合が大きい壁紙も、さまざまなインテリアスタイルと合わせることができますが、なかでもモダンやインダストリアル、和風スタイルなどが良く似合います。

モダンスタイルなら幾何学柄や線、インダストリアルスタイルはレンガ柄、和風なら伝統文様や墨絵風などの柄が特におすすめ。

レンガ柄壁紙でインダストリアルテイストを強調

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デザインコンクリート柄壁紙を、お部屋全面の壁に貼った例。

凸凹あるレンガの素材感や目地の粗さが、武骨なテイストを醸し出しています。

押入襖と畳を黒一色でつなげる

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巾広の押入襖に、黒の襖紙を貼った和室。

畳と畳縁も黒一色にすることで、押入襖との連続性を持たせています。

こちらは一般的な壁紙クロスではなく、越前手漉本鳥の子・からかみを使用していますが、襖専用の壁紙も多く市販されているので、このような取り合わせもおすすめ。

無数の星が瞬く幻想的な世界

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無数の星が散りばめられた、大星雲の壁紙を貼った寝室です。

白一色で表現された星やガス雲の美しさが、なんとも幻想的。

壁紙とプレーンシェードを同柄&色違いでコーディネート

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白黒壁紙とプレーンシェードのデザインを、同柄&色違いで揃えたリビング。

モダンアートを配したギャラリーのような演出が、見る人の目を楽しませます。

まとめ

今回は、白黒壁紙でおしゃれなお部屋を実現するためのポイントや、素敵なコーディネート実例をご紹介しました。

白と黒は、明度において対照的な性質を持つ色ですが、この二色を組み合わせることで、お部屋の印象をいかようにでも変化させることができます。

ぜひ、日本のお部屋にも取り入れやすい白黒壁紙で、おしゃれなお部屋を実現してみてください。

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