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【プロが教える】コンクリート風壁紙でおしゃれインテリアに仕上げる方法!多彩なテクスチャーを活かす

佐伯美知枝
著者:佐伯美知枝 (二級建築士/インテリアコーディネーター)

宿泊施設専門のコンサルティング会社にて、旅館やホテルのオープン・リニューアル案件を担当。その後インテリアショップ「カギロイ」勤務を経てフリーのコーディネーターに転身。小型犬+家族3人暮らし、自宅は古材家具に囲まれた和モダン風です。心身共にリラックスできる居心地良いお部屋づくりをモットーに、様々なインテリアをご提案できるよう心掛けています。

建築家・安藤忠雄の建築物などでよく見られる、コンクリート壁で構成されたお部屋。本来のコンクリート仕上げの壁は、現場でコンクリートを打ったあと、型枠を外して仕上げ工程を省いてつくるものですが、コンクリート構造独特の素材感や、その意匠性は本当に素敵ですよね。

ですが、本物のコンクリート壁に囲まれた家に住もうと思ったら、実は意外に大変なもの。コンクリートは熱伝導率が高いゆえ、外気の影響を受けやすく、光熱費がかさみやすいなどのデメリットがあります。

そこで検討してみたいのが、コンクリート仕上げ風の壁紙。わざわざ専門業者に依頼しなくても、気軽に張り替えできる商品がネットや専門店を通じて簡単に手に入り、模様替えが簡単。何より、コンクリートと相性が良いインテリアスタイルが、豊富にあるのです。

とはいえ、コンクリート壁紙の種類や、手持ちの家具との合わせ方などがわからないと、どの壁紙をお家のどんな場所に貼ったらよいか、迷ってしまいますよね。

今回は、コンクリート壁紙を日本のお部屋に取り入れる際のポイントや、インテリア実例をたくさんご紹介しながら、コンクリート壁紙の魅力にせまりたいと思います。

 

コンクリート風壁紙をおしゃれに取り入れるポイント

日本のお部屋にコンクリート風壁紙を取り入れるときに考えるポイント

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一般的にコンクリート風壁紙は、どんな色にも馴染みやすい中性色のグレー。とはいえ、濃淡や色味によって微妙に印象が変わります。

青みを帯びたブルーベースの「クールグレー」(写真左)は、”爽やかさ”や”冷ややか”な印象を与えやすい色。対して、赤みや黄色みを含んだイエローベースの「ウォームグレー」(写真右)は、”穏やかさ”や”温かみ”を感じさせます。

そのため、もちろん好みによりますが、リビングやダイニングキッチン、和室などの人が集まりやすいパブリックゾーンでは、ウォームグレーのカラーを使って、明るめに仕上げるのがおすすめ。他に子ども部屋やトイレ、玄関や廊下などもよいでしょう。

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ウォームグレーのコンクリート風壁紙を他の壁紙と合わせるなら、白や茶、ベージュ系の壁紙を選ぶと温かい雰囲気に仕上がります。

一方、クールグレーのコンクリート風壁紙は、寝室や書斎など、静かに過ごしたり、集中して作業に没頭したりするお部屋がベター。その場合、壁を全てクールグレーにすると無機質感が強まるので、寒色(青系)や中性色(白・黒・グレー系)の壁紙を合わせると、見た目の変化が生まれやすくなります。

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また、コンクリート風壁紙のテクスチャーには、主に3つのパターンがあります。それぞれの特徴をおさえましょう。

【打ちっぱなし風】

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コンクリート風壁紙の定番といえる仕上げで、整列した丸いくぼみが特徴です。シンプルで整然とした印象なので、シンプル、モダン、インダストリアル、ミッドセンチュリーなど、さまざまなインテリアスタイルに合わせることができます。

【ブロック風】

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ブロックを積み重ねた柄で、目地もひとつのデザインとして楽しめる仕上げです。打ちっぱなし風に比べて手作り感があり、温かみを感じやすいのが特徴。ブルックリンやインダストリアル、武骨な男前インテリアなどにおすすめです。

【コテ仕上げ風】

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コテ仕上げ風の壁紙は、職人がコテを使って手作業で塗り上げたような風合いがあります。わざとムラを出したり、陰影をつけたりとハンドメイド感があり、空間が優しい印象に。特に、ナチュラルやシンプル、フレンチシャビー、和風モダンスタイルなどに人気です。

以上、主に3パターンある壁紙ですが、あえて無機質感を出すねらいがある場合を除いて、お部屋全ての壁に貼ってしまうのはなるべく避けましょう。

特にコンクリートブロック風壁紙は、見た目の印象が強くなりがち。無彩色や同じカラートーンの有彩色の壁紙などと組み合わせて、お部屋がクールな印象になりすぎないよう気を付けてください。

コンクリート風壁紙の場合、家具を選ぶときに気をつける点は?

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例えば、コンクリート風壁紙を貼ったお部屋を、明るく穏やかな印象にしたい場合、家具は無垢のオイル塗装仕上げのテーブルや椅子、ファブリック製ソファなどの天然素材の風合いが感じられるものがよいでしょう。

写真は、曲木椅子の柔らかなフォルムやローテーブル天板の木目の美しさが際立っていますね。お部屋をより温かく、ナチュラルな印象に見せてくれます。

逆に、クールで無機質なインテリアにまとめるなら、ガラスやスチール、アイアンなどの金属、ポリエチレン、ポリプロピレン製など、人工的な素材を用いたものがおすすめ。ざらっとした手触りのレンガや古材家具などを合わせると、より武骨感が出て格好良くなります。

 

こんなケースに気をつけろ!失敗しがちなパターン紹介

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コンクリート風壁紙は、さまざまなインテリアスタイルに合わせやすいという特性がありますが、テクスチャーが異なる壁紙を一空間に貼る際は、どれをメインにするか考えることが重要です。

写真は、コンクリートやレンガ、スレートストーンなどの異素材壁紙を、床、壁、天井に貼ってしまった例。無彩色のグレーで色を揃えてはいるものの、それぞれの柄が効果的に活きていないようです。

もし、左手のコテ仕上げ風壁紙をメインにするのなら、右手のレンガ風壁紙は思い切って外し、代わりに無地系の壁紙に変えましょう。全体的に色味が乏しいので、テーブル天板や椅子の脚部に合わせて、ライトブラウン系色など、明るいカラーの壁紙を合わせる方法もあります。

日本のお部屋にも取り入れ可能!お部屋別コンクリート風壁紙コーディネートサンプル9選

コンクリート風壁紙コーディネート:リビング編3選

リノベーションで人気の「躯体表し」スタイルは、打ちっぱなし風仕上げの壁紙がベスト

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リノベーションで「躯体現し」を表現するなら、断然打ちっぱなし風仕上げの壁紙がベスト。写真は、本物のコンクリート造の建物で、柱や梁、壁にクロス貼りや塗装をせず、あえて剥き出しの状態にしたもの。こちらをお手本に、躯体現しスタイルを楽しんでみるのもよいでしょう。

壁の装飾性を省いた分、フローリングや一枚板の無垢テーブル、ソファが良いアクセントになっています。

 

モルタル調壁紙を活用すると、コンクリートよりもきめ細かく、優しい印象に

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写真は一見、コンクリートのようですが、墨を混ぜてつくったモルタル仕上げの壁を再現したもの。

モルタル仕上げ風壁紙は、粗骨材(砂利)が含まれるコンクリート風壁紙よりも、滑らかでつるっとした表情になるのが特徴。ざらっとした風合いのコンクリート風壁紙では男前すぎる、という方は、モルタル調の壁紙から選んでみてはいかがでしょうか。

 

古材家具+コンクリートレンガ風壁紙の組み合わせは、インダストリアルスタイルの鉄板

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インダストリアルスタイルのファンなら、ぜひお手本にしたいリビングです。アメリカから買い付けたハードな風合いのリビングテーブルなど、家具は一点一点どれもが個性的。

主張強めの家具やインテリア小物を配するなら、目地が特徴的なコンクリートブロック風壁紙を。地味になりすぎず、かといって賑やかすぎず、お部屋をスタイリッシュにまとめてくれます。

コンクリート風壁紙コーディネート:寝室編2選

色ムラが味になるマーブル仕上げの壁紙は、シャビーシックやフレンチスタイルに

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2色を混ぜながら塗り付けたような、マーブル仕上げスタイルの壁です。少しペンキが剥げた椅子など、使いこまれた家具との相性も良く、シャビーシックやフレンチスタイルなどにぜひ試してみたい壁紙ですね。

また、コテ仕上げ風壁紙といってもその種類はさまざま。日本のお家に取り入れるのなら、こちらのマーブル仕上げのほか、コテ波仕上げやハケ引き仕上げ、扇仕上げなどもおすすめです。

 

和室に打ちっぱなし風仕上げの壁紙を貼ると、一転してモダンなテイストに

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家族のプライベートな寝室としてはもちろん、お客様用の部屋としても使う和室があるのなら、一般的な漆喰壁や塗り壁とは少し趣向を変えて、コンクリート風壁紙を貼ってみるのはどうでしょう。きっと訪れたお客様の目を楽しませてくれるはずです。

写真は、障子と琉球畳を敷いた和室に、打ちっぱなし風壁紙を合わせた例。よくある一般的な和室ががらっと趣を変え、モダンなテイストに仕上がっています。障子のデザインも横繁障子を合わせ、洋風テイストを強めている点も注目どころ。

コンクリート風壁紙コーディネート:キッチン編2選

コンクリートブロックの堅牢さや無機質感を軽減するなら、木パネルと組み合わせて

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堅牢さや無機質なテイストは、コンクリートならではの持ち味ですが、キッチン全ての壁に貼ってしまうと、シンプルすぎてあまり特徴がない空間になってしまう場合も。

そんなときは、写真のように壁を二分して、ウッドパネルなど、質感が異なる素材を組み合わせてみましょう。二種類の壁紙が相反する素材であるほど、ユニークな表情を楽しむことができます。

 

コンクリート風壁紙を部屋いっぱいに貼るなら、床材や天井の色をナチュラル&明るめに

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ダイニングキッチンの壁と、キッチンカウンター下部に、コテ風仕上げの壁紙を貼った例です。コンクリート壁紙を広い面積に貼っているにも関わらず、決して暗い印象にならないのは、白(天井)と茶系色(床・収納ラックなど)を合わせて、明るさやナチュラル感を添えているため。

収納ラックのパイプや照明ダクトレールは、空間を適度に引き締める黒色をチョイスした、配色センス抜群のコーディネートです。

コンクリート風壁紙コーディネート:トイレ編2選

コンクリートブロック風壁紙は、積み方や目地色にもこだわりを

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さまざまな形状のコンクリートブロックを積み重ねた壁紙です。ブロックが正方形や長方形なので、よく見ると目地のデザインにも変化がありますね。

コンクリートブロック風の壁紙を選ぶ際は、凹凸感を再現した仕様や、ざらっとした手触り感があるものなど、極力本物に近い質感のものを選びましょう。

ちなみに、かわいいレバーハンドルが付いた手洗い器は、造作によるもの。丸い陶器製シンクや引き出し部の取っ手のデザインが、どこかアンティークな雰囲気を漂わせています。

 

コテやブラシを使った手仕上げ風壁紙は、和風モダンな空間に

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ブラシなどのハケを使って模様をつけた、ハケ引き仕上げの壁です。写真は創作居酒屋をイメージした一般住宅のトイレですが、黒の石目調の床やサイドに敷いた那智黒石(なちぐろいし)が高級感をよりアップさせていますね。

コテやブラシ仕上げなど、職人の手仕事を再現した壁紙を選ぶ際は、なるべく艶がないマットな質感で、フェイク感が強くないものを選ぶのがポイント。太陽光や照明が当たったときの見え方なども、チェックしてみてくださいね。

 

まとめ

コンクリート風壁紙は、主に「打ちっぱなし風」「ブロック風」「コテ仕上げ風」の3種類があります。いずれも日本の住居に比較的合わせやすいのですが、昔から、漆喰や塗り壁を好んでとりいれてきた日本人にとっては、特に「コテ仕上げ風」の壁紙が最も使いやすいパターンといえるかもしれません。

お部屋の配色を考えるうえでも、グレーカラーのコンクリート風壁紙は便利。他の色と組み合わせがしやすい中性色ならではの利点を生かし、リビングやダイニング、キッチン、寝室、トイレなど、さまざまな場所に使ってみましょう。

一点気を付けたいのは、コンクリート風壁紙の分量。いくら気に入った壁紙があっても、お部屋の全てに貼ってしまうと、単調&暗い雰囲気になってしまうことがあります。その場合は、他の壁や床、天井に白やアイボリー系を選んだり、ウッド調など温かみある色を足してみてくださいね。

最初は小さいスペースからでも、まずは気軽にチャレンジを、きっと、コンクリート風壁紙の良さがすぐ実感でき、他のお部屋にも試してみたくなるはずです。