2019/08/11
【プロが解説】「寝室にテレビを置くか否か」を考える☆置く場合の実例も取付方法別にご紹介
この記事をご覧になる方は、おそらく寝室にテレビを置くことを検討されている方ですね。
寝る部屋として「寝室」をとらえるのなら良質な睡眠にテレビはおすすめしないということになるのですが、家族構成や生活スタイルなどからどうしても寝室にテレビが欲しいという方もいらっしゃるでしょう。
今回は、まず『寝室にテレビを置くべきか否か』について考えてみます。その上で「寝室にテレビを置く!」ことになった場合に、真っ黒い電化製品を寝室の雰囲気を壊さないでどうやってコーディネートするかをテレビのあるおしゃれな寝室コーディネートの実例をもとに解説します。
寝室のテレビってどうしたらいいんだろう?をこの記事でぜひ解決してください。
寝室にテレビを置くべきか否か
① 寝室は良い睡眠をとる部屋だと考えた場合のテレビの存在について
寝室は眠るための大切な部屋です。疲れを取り、次の日の朝にすっきり目覚めるためには良質な睡眠が欠かせません。よい睡眠には、入眠も大切になります。
入眠時に、スマホやテレビを見ることで入眠困難になりやすいと言われています。
東京医科大学の研究では、
若年者では入眠障害が多く、中高年者では早朝覚醒や中途覚醒などの睡眠維持の困難が多くなってきます。私たちの研究の結果の一部によりますと、40歳未満の方では、仕事外の余暇時間のテレビ視聴時間やコンピューター・スマホの使用時間が長くなると入眠困難を訴えるものが多いことが明らかとなりました。
この関係は40歳以上では認めず、成人若年層においては、特に夜間のインターネットやスマホ使用を控えて入眠状況を改善させることが疲労回復の一手段となるかもしれません。
http://www.tmu-ph.ac/recovery/01.php
としています。
つまり、よい睡眠には眠る前のテレビは控えて、寝室ではリラックスした時間を過ごすことが大切になります。
ほかにもテレビをつけたまま眠ってしまった場合は、寝ている間にずっと話しかけられているような状態になり疲れてしまうことが考えられます。また寝室は暗めの照明を用意することが多く、テレビの明滅に頭痛を感じたり疲労感を感じることもあります。
以上のことから、よい睡眠をとるということだけを考えると寝室にテレビは置かない方がよいということになります。このことを大前提に、それでも寝室にテレビを置く必要があるかを次の章で考えてみましょう。
② 寝室でテレビを見ることの重要性を確認
寝室にテレビを置きたい理由は、人それぞれだと思います。
たとえば、家族のチャンネル権争いをさけるためにリビング以外にもう一台テレビを置く場所が寝室ということもあるでしょう。
単純にベッドに寝ころびながらテレビを見たいという方もいらっしゃると思います。
寝室に書斎があるという方も、テレビが欲しいかもしませんね。
最初に、寝室にテレビが欲しいあなたの理由を考えてみましょう。
そして、寝室でないとその理由は実現しないことなのか、テレビでないといけないのかをもう一度考えてみてください。インテリアの面で考えるとリラックスできる寝室をつくりたいなら、できればテレビは置きたくないものです。
画面の大きさと音質にこだわらないならタブレットですむことなのかもしれません。
または、リビングにリラックスできるリクライニングチェアがあれば、ベッドの上でなくてもよいのかもしれません。
「いやいや、寝室でどうしてもテレビが見たいのです」ということでしたら、テレビを置きましょう!
③ テレビを置くと決まったら、寝室をホームシアターにするかどうかも確認しておきましょう
寝室にテレビを置く場合、ホームシアターのようにベッドルームシアターにしたいのか、それともテレビを見るだけでよいのかについても確認しておきましょう。
ホームシアターにしたい場合は、新築なら設計段階で計画するのがおすすめです。
防音効果を高めたり、テレビやスピーカーの配線を壁の中に入れてスッキリさせたり、機器の重量に耐えられるように天井や壁を補強したりと対策をとることができます。
スピーカーの位置なども、より音響効果のある場所に設置することが可能になるでしょう。
新築でなくてもホームシアターを目指すのならテレビやプロジェクター、スピーカーの位置検討が必要になります。
ホームシアターにするかテレビを置くだけにするかには大きな違いがありますので、どちらにするかを決めておきましょう。
寝室にテレビを置く場合のポイント
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ポイント① テレビを置く場所について
寝室のサイズ、ドアや窓の位置によってテレビが置ける場所というのは異なりますが、一般的にテレビが見やすい位置というのはベッドの足元です。
ベッドの足元でなければ、ベッドサイドに置くことになるでしょう。
足元でもサイドでも、ベッドとテレビ(テレビボードやチェスト)の間は人が問題なく歩くことができるように50センチ程度あけるようにします。
ベッドルームシアターにする場合は、テレビは足元の壁面に設置するか天井から吊り下げるのが一般的です。
ポイント② テレビの設置高さについて
テレビの設置高さは、ベッドに座ってテレビを見るか、寝ころんで見るかでも変わってきます。
また、ベッドそのものの高さも影響します。
ベッドヘッドなどにもたれて座ってテレビを見るなら、座ったときに正面の高さにテレビの中心が来るように設置すると疲れません。
寝ころんで見るなら、寝ころんで顔を向けた高さより少し高い位置にテレビを設置します。
つまり、マットレスをのせたベッドの高さと見たい姿勢にあわせてテレビの高さを決定しましょう。
少し高い位置にテレビがあってもそれほど問題はありませんが、低い位置はとても見にくく疲れる体勢になりますので注意してください。
テレビの配置や高さの問題は、テレビ画面の角度が変えられれば解消されることがあります。
より自分好みの見やすい位置にテレビを動かしたいなら、角度調整ができる可動式のスタンドやアームをつけるとよいでしょう。
ポイント③ テレビのサイズについて
テレビのサイズは、見たい位置からの距離に関係します。
ベッドの足元にテレビを置く場合は、見る人からベッド約2m+通路50センチの距離にテレビがあることになります。
テレビまでの距離が遠くなりますので、あまり小さいテレビでは見えにくいですね。
ベッドの足元にテレビを置くなら、43インチ以上がおすすめです。
ベッドサイドにテレビを置く場合は今度は距離が短くなりますから、大きすぎるテレビが見にくくなります。
距離が1m程度になるなら32インチ程度がよいでしょう。
テレビを置くなら参考にしたいおしゃれな寝室テレビコーディネートサンプル16選
置き型テレビの場合 7選
チェストに置いて見やすい高さを確保
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アメリカやヨーロッパの雰囲気が出るチェストを寝室に置く予定なら、チェストの上をテレビスペースにする方法が見やすくなります。
リビングなどで使われるテレビボードは、ソファに座って見るのが前提で、スタイリッシュなものは低いデザインのものが主流です。そういったテレビボードを寝室で使うと低すぎて見るときに頭を高く持ち上げなくてはならず疲れてしまいます。
ただしチェストの上にテレビを置く場合には、チェストの天板の強度を確認してください。
基本的にチェストはテレビを置くようにはつくられていません。天板が補強されていないと、テレビの重さに耐えられない可能性があります。天板が薄い場合もテレビを置くのはさけた方がよいでしょう。
写真のようなチェストで、引き出しと引き出しの間が補強されているならできるだけその上に(天板の真ん中に)テレビを置くようにしてください。
薄型のコンソールテーブルなどを利用して省スペースを実現
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チェストは奥行きがあるため寝室の形やサイズによって置きにくいことがあります。
テレビはどんどん薄型になっているので、テレビを置く台も奥行きの浅いものにすれば、省スペースが実現します。
インテリアとしてもシンプルな空間をつくることができますね。また、写真のように大きめのグリーンがあるとテレビの存在をやわらかくしてくれますよ。
壁面収納を活用してテレビを埋め込んで目立たなくする
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壁面いっぱいのクローゼットや収納の一部をテレビ用に活用するのもすっきり感が得られる方法です。
できれば配線も見えないように工夫しましょう。
さらに写真のようにスライド式の扉をつけてテレビを見ないときには存在を隠せるようにするといいですね。ちなみに風水では、鏡と同じように黒い画面に寝姿が映ることから寝室にテレビを置くのはよくないとされています。使わないときにはしまうことができればこの問題も解決されますね。
専用テレビ台ですっきりインテリア
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テレビを壁かけにしたいけれど、壁の強度が足りなかったり穴があけられなかったりする場合に、壁かけと同じようにすっきりとテレビを置くことができる専用台の利用もおすすめです。
厳密には壁掛けと同じ要領でスタンドに掛けていることになるのですが、置き型としてご紹介しますね。
配線もうしろに隠すことができ、インテリアにあわせてカラーも選べ、高さ調節も可能な便利な商品があります。
無駄なく寝室のコーナーを活用して
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窓や扉、家具などがあってテレビを置く壁面がないというときは、寝室のコーナーを利用しましょう。
コーナーに棚を設けてテレビやオーディオ機器を置けば、ベッド以外ものを置くスペースがなくても置ける可能性が高くなります。
この方法は床面がすっきりあくので圧迫感が少なく、掃除がしやすいのもポイントです。
作り付けの収納とドレッサーでホテルのように
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寝室の壁面に作り付けの収納とドレッサーやデスクを設ければ、ホテルのようにスタイリッシュにおさまります。
写真のように天井面に間接照明も用意しておけば、快適にテレビを見ることができるでしょう。
寝室にテレビ専用コーナーをつくる
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ベッドに寝転がって見ることにこだわりがないのであれば、リラックスできる椅子を用意してテレビコーナーをつくる方法もおすすめです。
この方法は、たとえばパートナーはテレビを見ないというときなどに有効。ヘッドホンを使って見れば迷惑をかけることなく思いきりテレビが楽しめます。
壁掛けテレビの場合 4選
絵画のようにテレビを設置
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薄型のテレビを壁かけにするなら絵画のようなスッキリ設置がお部屋を広々とつかえます。
新築か大がかりなリフォームなら、白い壁にコードが走らないように壁内配線を実現したいですね。
配線が出る場合は、壁の色にあわせたケーブルモールなどで目だないように隠しておきましょう。
角度がつけられるととても見やすくなります
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テレビの壁掛け用金具に角度がつけられるタイプを選ぶとちょっとしたことなんですがベッドからとても見やすくなります。
少し高めの位置にテレビを設置しても見やすいですし、天井の照明が画面に映り込むということも防げます。
このように角度をつけるのであれば、写真のように奥行きのあるスペースにテレビがおさまっている方が圧迫感がなくおすすめです。
可動域を広げて自由に設置
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大きなアームがついていれば、寝室のどこからでもテレビが見やすくなります。
これならベッドサイドに設置しても画面が正面を向いている感じで見ることができます。
見ないときには壁面にそって画面をおさめることができますが、通常の壁掛けタイプより出っ張りますので邪魔にならないような場所か高めに設置しましょう。
ウォークインクローゼットを活用してメンテナンスしやすく
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こちらは、寝室にウォークインクローゼットを設けるならぜひ取り入れたい方法です。
壁掛けテレビの向こうがウォークインクローゼットになっていて、そこに配線などを通しておけばテレビを買い替えたりオーディオ機器が壊れたりしても、ウォークイン側で簡単にメンテナンスが可能になるプランです。
ホワイトインテリアにあうようにデザインされたテレビボードは、照明も組み込まれていて参考になりますね。
プロジェクターの場合 3選
白い壁を活用してすっきり投影
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寝室に白い壁面があれば、そこにプロジェクターで投影すればインテリアを邪魔せずスマートに仕上がります。
ベッドの足元に投影するならプロジェクターは天井に取り付けたいですが、新築でないと設置が難しいでしょう。新築でない場合は置き型やモバイルなどを検討してもいいですね。
画質や明るさ、焦点距離などさまざまな機種がありますので比較検討して選んでください。
スクリーンを設置すれば窓や壁面状況に関係なく投影可能です
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スクリーンを設置すれば、大型の投影も可能になり映画館のように楽しめます。
新築ならこちらのように天井に埋め込みタイプが、使わないときに目立たなくておすすめです。
特に大きなスクリーンはリモコンで昇降するタイプが便利でしょう。
完全に横になって楽しめる天井投影
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ベッドに寝転がって天井を見上げれば見れる天井投影は、最近さまざまなプロジェクターが販売されるようになったからこそ可能になりました。
天井には家具がありませんし、照明をさけることができれば投影しやすい場所ですね。
プロジェクターからの距離が短くなりますので、焦点距離の短いプロジェクターを選びます。
天井付けテレビの場合 2選
2か所からテレビを見たい場合に便利
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天井吊りのテレビは床面を広く使えるので、お部屋がスッキリ広く感じられる効果があります。
またテレビの向きが変更できるので、写真のようにベッドでもスツールでも好きな場所で見れるのがうれしいですね。
天井吊りは、かならず新築などの設計段階で入れてもらいましょう。
テレビは薄く軽くなってきたと言ってもそれなりの重量があります。地震などで落ちてきたら大怪我につながりますから、重量に耐えられる構造体にしっかりと取り付けてもらいましょう。
天井格納型テレビ
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あまり日本では見かけないテレビの天井取付方法ですが、使わないときにはテレビの存在を消せるので写真のように絶景を楽しみたい寝室などに取り入れたい方法ですね。
金具が見つかれば可能だと思いますので、担当の設計士さんにお願いしてみてもいいですね。
まとめ
最近は薄型デザインのシンプルなテレビがメインになったので、インテリアを壊すことなくテレビが置きやすくなりました。インテリアはおしゃれにまとめながら、ベッドでテレビや映画が見れたらとても贅沢ですね。
この記事のテレビコーディネートを参考にしていただいて、くつろいでテレビが見れるステキな寝室をつくってくださいね♪