【壁×布でインテリアはここまで変わる】おしゃれ実例18例！タペストリーもファブリックアートも

著者：隨原壽美歌 （インテリアアドバイザー）

椙山女学園大学・生活科学部生活環境デザイン学科卒業。プロダクトデザインを専攻。大塚家具、野村不動産にて営業職を経験。家具・新築マンションの営業を通じ、｢ひとりひとりに合わせた快適な住まい｣の提案を行ってきました。スリープアドバイザー、整理収納アドバイザーの資格あり。理想のお部屋に近づくお手伝いができるような、そんな記事を目指します。

インテリアを考えるときに家具などのアイテムのことばかり考えていませんか？もちろん、ソファやテーブルなど生活に必要なアイテムへこだわりを持つことは当然ですし、それだけでオシャレな部屋を作ることはできます。

でも、ご自身の部屋をよく見ると、ぽっかりと大きなスペースが空いた壁面があったりしませんか？ソファの上やサイドボードなど、そんなスペースをうまく利用することでインテリア上級者の仲間入りをすることができます。

今回の記事では、布を使用した壁面装飾の種類やポイントを実例を交えながらご紹介します。理想のインテリアのグレードをさらに上げるために是非参考にしてみてください。

壁×布でインテリアをおしゃれにするポイント

壁に布を配置することの効果

https://kaumo.jp/topic/117

ウォールディスプレイは部屋の雰囲気をガラッと変えてくれるような大きな役割を持っています。白一色の壁面ではどうしても殺風景な印象を与えてしまいがちになりますが、壁面を装飾することでアクセントが加わり、インテリア性や部屋のテイストを高めることができます。

ですが、壁紙を変えるような大掛かりな作業は時間もお金もかかりますし季節が変わったり好みが変わったり、模様替えをしたいと思っても簡単に行うことはできません。

そんな時にオススメなのが布を壁に飾ってしまう方法。軽くて扱いやすく、物によっては汚れたら洗濯もできます。手芸屋さんで見つけたお気に入りのテキスタイルのものや雑貨屋さんで出会った素敵なラグやマットなど、身近で見つけた手ごろで素敵なアイテムを簡単に飾ることができます。

布アイテムの種類別に徹底解説

http://www.thehumblenest.com/2012/01/23/30-more-and-then-some-great-places-to-buy-fabric-online/

タペストリー

タペストリーとは、絹や麻などを使用して絵や模様を織り出したつづれ織りのことで、それを用いた室内装飾用のファブリックアイテムのことを指します。デザイン用語としての定義はこのようになっていますが、近年では様々なスタイルのものが存在します。

伝統的なものは非常に高価ですが、ウールなどを使用してDIYできてしまうものも。本来これらはタペストリーには含まれませんが、サイズも形も様々で部屋のテイストによって色々な使い方のできるアイテムです。

ファブリックアート

ファブリック、つまり布地を壁面に装飾として使用することを言います。タペストリーのように布を直接壁面へ飾ったり、アートパネルに貼って絵画のようにしたり、額に入れて飾ったりと多種多様な方法があります。

大枠で捉えると、布を壁面に飾るということは全てこの｢ファブリックアート｣に分類されますが、今回の記事ではアートパネルや額に入れたものを指します。

絨毯

｢え？絨毯って床に敷くものじゃないの？｣という考えを持っている方がほとんどかと思いますが、緻密に織り込まれた絨毯などはもちろん壁面の装飾にも使用できます。価格はとても高価なものから雑貨屋さんで手に入るマットまで様々ですが、織り柄を生かしてインテリアに使用できる代表のアイテムです。

タペストリーでインテリアをおしゃれにするポイント

https://www.etsy.com/au/listing/644473173/made-to-order-woven-wall-hanging-tissage?ref=shop_home_active_7&sca=1

タペストリーと聞くと観光地のお土産やさんで売っているようなものや、アジアンテイストでエスニックな印象のアイテムを想像される方も多いかとは思いますが、壁面を装飾するインテリアアイテムのことをタペストリーと呼びます。

デザイン用語として定義は決まっていますが、現代ではプリント生地を使用して作られているものもありますし、もともと壁面を装飾するためアイテムなので手軽にインテリアに取り入れることができます。

ファブリックアートでインテリアをおしゃれにするポイント

http://www.handful.jp/curation/4955

タペストリーとは異なり、布をパネルにしたり額に入れて壁面に装飾することができます。テキスタイルによってお部屋のテイストを強調することも可能です。ポイントとしては、２つ。｢大きな柄のものは大きなサイズで飾ること｣、「小さなパネルは１枚ではなく複数で飾ること｣です。

大きな柄の布を使用するのであればしっかりと柄全体の見えるサイズにすることで存在感が増してテイストを強めてくれます。小さなパネルにしてしまうとせっかくの柄をインテリアに活かせなくなってしまいます。

逆にパネルを小さなものにする場合には、柄違いのものやイメージにあった写真や絵などと組み合わせて壁面に複数個飾るのがおすすめです。組み合わせによって印象も変わりますし、壁面を華やかに装飾することもできます。

【上級編】壁に絨毯をかけるという発想

http://trialandstyle.com/editor/

インテリアにおけるファブリックアイテムといえば絨毯です。緻密に織り込まれた絨毯は絵画にも引けを取らないほど美しい壁面装飾アイテムにもなります。床に敷くことが本来の用途ではありますが、お部屋の装飾、印象を強くするという目的は壁に飾っても変わりません。

小さなラグをファブリックパネルのように飾っても良いですし、大きな絨毯をアクセントウォールのように使用してもゴージャスになります。使用用途としはファブリックパネルと大きな違いがあるわけではありません。

違いをあげるならば絨毯を飾った方がお部屋に重厚感が出ることです。緻密な織り柄や厚手の生地によって、部屋をラグジュアリーな印象にしてくれます。薄手のラグの場合には額などに入れて飾ってみましょう。

おしゃれな壁×布コーディネートサンプル18例

壁 × タペストリーコーディネート 6例

タッセルと木のミニマムなタペストリー、小さいけど抜群の存在感

https://100life.jp/renovation/33274/

アースカラーの小ぶりなタペストリーを真っ白な壁面に飾ったコーディネートです。フリンジがたっぷりとついており、一つの大きなタッセルのようにも見えるカジュアルながら個性的なアイテムです。足元のエスニックなラグともマッチしていますね。

空間や椅子などはどことなく北欧の印象がしますが、ラグとのバタンスが取れているように感じますよね。これはこの小さなタペストリーがいいクッションになっているからです。非常に効果的な使い方をしているコーディネートです。

手作りのとろみピンクタペストリーで空間に差し色を

http://klastyling.com/2016/11/67580123/

淡いピンクの和紙を使用して作られた可愛らしい印象のタペストリー。無機質な空間に華やかな色を差しています。布を使用したもの良りもカッチっとしたシルエットになっていますが、和紙の質感や鮮やかなグラデーションによって柔らかな印象も与えてくれます。

このタペストリーも小さいながらに部屋の印象を大きく変えてくれるアイテムです。

まるで写真のような大判のタペストリーで癒しの空間に

https://roomclip.jp/photo/cjNl

大きく写真をプリントしたかのようなタペストリーを寝室の壁一面に飾ったコーディネート。まるで南国のプライベートビーチにいるかのような感覚になるアイテムですね。間接照明やイルミネーションライトをうまく利用して夕暮れのビーチでの時間を思わせてくれる部屋になっています。

大きなファブリックだからこそ、柔らかな布独特のシワがアクセントウォールなどとは異なった印象を空間に与えてくれるのも魅力的ですよね。

まるで植物図鑑のような個性的なタペストリー

https://www.urbanoutfitters.com/shop/botanical-wildflower-reference-chart-tapestry?category=wall-art-decor&color=095

白を基調にアースカラーでまとめられた寝室とそこに差された個性的なタペストリーが目を引くコーディネートです。植物図鑑のようなタペストリーですが、水彩画のような独特なタッチが印象的でアースカラーを挿し色にした空間に非常にマッチしています。

他のアイテムではこれだけカラフルなものを配置してしまうと浮いてしまいますが、植物の絵のによって自然に馴染んでいます。このタペストリーを一枚使用するだけでお部屋の印象が一気に変わりますね。

点描で表現された月の満ち欠けが個性的

https://www.urbanoutfitters.com/shop/stardust-tapestry?category=tapestries&color=065&type=REGULAR

月の満ち欠けを点描によって表現した個性的なアイテムを使用したコーディネートです。比較的大胆な柄のものかと思われますが、部屋全体の色を統一することでタペストリーの個性が前に出過ぎないようにうまく調整されています。

このコーディネートですとサーモンピンクで可愛らしい印象に見えますが、ブラックやグレー、ネイビーなどに色を置き換えると全く同じアイテムでももう少し都会的な印象にもなります。

モダン×エスニック、タペストリーでテイストを強調

http://multimatecollection.com/magical-ring-parade-mandala-bed-room-decor-picnic-sheets-beach.html

落ち着いたトーンでまとめられた寝室に大きな紋様の入ったタペストリーを配置しています。一見タペストリー以外はモダンな印象に感じられますが、よく見てみると配置されたクッションは光沢のある糸などを使用したエスニックな印象のもの担っています。

タペストリーを使ってエスニック色を強めることもできますし、はずしてしまえはモダンな印象を引き出すこともできます。壁紙と違って手軽に部屋の印象を変えられるのがよく分かるコーディネートです。

壁 × ファブリックアートコーディネート 6例

北欧風のモノクロリーフパネルでカジュアルな空間に引き締めを

http://roomclip.jp/photo/kpTE

北欧テイストのリビングにファブリックパネルを配置したコーディネートです。観葉植物も多く明るい素敵なリビングではありますが、何もしないとソファの背面の壁がどうしてものっぺりとした印象になってしまいます。

パネルのベースを白にすることで空間に圧迫感を与えることなく、空間のテイストをうまく引き締めでいます。

アクセントクロスに映える幾何学模様

https://roomclip.jp/tag/search?keyword=ファブリックパネル%20北欧

鮮やかなブルーのアクセントウォールにモノクロの壁面装飾アイテムが目を引くコーディネート。壁面がこれだけ鮮やかな青一色になってしまうと少し圧迫感を感じるかもしれせんが、ファブリックパネルと写真をうまく組み合わせることによって抜け感を演出しています。

テレビや照明、スツールなどと壁面装飾の色を合わせることによって空間の統一もされていますし、アクセントウォールの魅力がさらに引き出せている素敵なコーディネートです。

カラフルで可愛らしい空間に引き締めを

http://www.receno.com/styling/no61.php

カラフルで可愛らしいリビングに控えめに配置されたファブリックアイテムが印象的なコーディネートです。アクセントウォールに始まり、スツール、ソファ、ラグ、観葉植物の鉢に至るまでしっかりと色味を盛り込んでいますが、それを邪魔しないような壁面装飾アイテムを選んでいます。

もともと部屋に存在するグレーに混じって黒をさりげなく取り込むことで、空間の可愛らしさを企てつつもしっかりと引き締め効果も発揮しています。

色、数、柄で空間に華やかさと遊びを

http://remobilia.com/2013/05/06/galeria-remobilia-reforme-e-decore-com-tecido/

10枚ものファブリックパネルをサイドボードの上に配置した大胆なコーディネート。壁面、床、サイドボードは全て膨張色なので統一感はありますがどうしてもそのままでは間延びした空間になってしまいます。

パネルはどれも個性的なものが多いですが、空間に合わせた色、その同系色、そしてボード上の小物に合わせた色などを使用することで、部屋の印象にマッチさせたり逆に外したりしてうまくアクセントにしています。

モダンでホテルライクなインテリア

https://www.artdeli.net/products/detail.php?product_id=5096

まるでホテルかモデルルームのようなコーディネートの非常にモダンなリビングルーム。センターテーブルやソファはロータイプでまとめられており、とてもモダンで空間を広く見せる工夫のつまったコーディネートになっています。家具の重心を低くするとどうしても壁面の見える範囲が多くなります。

そんなときにうまく使って欲しいのがファブリックパネルです。幾何学的な模様がモダンな空間に非常にマッチしていますし、サイズの小さいものにすることで空間の広さも損なわないようにしています。

同じ生地でもサイズ・形を変えて空間にリズムを

http://crasia.me/detail/dd45045f8c68db9f54e70c67048d32e8/page/2

パステルブルーを基調とした空間にモノクロのファブリックアイテムを使用したコーディネートです。壁面のファブリックパネルに使用されている生地はどれも同じものを使用していますが、柄の切り出し位置を変えることでそれぞれの表情を変える工夫がされています。

さらに、パネルのサイズや形を変えることで空間にリズムを作り、インテリア性を高める非常に上級者のコーディネートです。

壁 × 壁掛け絨毯コーディネート 3例

大きなペルシャ絨毯で高級感高まる寝室に

https://ajaxblender.com/home-bohemian-bedroom/

大きなペルシャ絨毯をヘッドボードのように壁面に飾ったコーディネート。高価な絨毯ですので、参考にするのは少し難しいかもしれまれませんがこのようにしっかりと織り込まれた絨毯を使用することで部屋の印象がとてもグレードアップします。

カーテンレールを駆使してラグジュアリー感をアップ

https://www.rugknots.com/blogs/main/hang-an-oriental-rug-without-damage

壁面にカーテンレールを設置し、そこにシックな大判のラグを吊った寝室のコーディネート。寝装品が白で統一されていますので、壁面のラグが一際目立ちます。ヘッドボードもファブリックで作成されていますのでシックに見えて柔らかで非常に女性的な印象を受けます。

カーテンレールも装飾のあるものを使用していますので、ラグジュアリーな雰囲気が強く感じられますが、レールを使用せずにお部屋に吊っても大丈夫ですよ。

マットを額縁へ、二つ並べてエキゾチックモダンに

http://www.vanessaandvalentine.com/2010/08/oh-suzani.html

エキゾチックな模様もマットを額に収めて壁面の装飾にしています。黒の額を使用することで大胆な色合いのマットたちがモダンな印象を持つようになります。クッションやアームチェアなどとの色味もしっかり統一されており、色使いの非常に鮮やかなコーディネートになっています。

独自のスタイルを突き進む壁 × 布のコーディネート 3例

お部屋に一年中ツリーが出現

https://item.rakuten.co.jp/shugale/671782/

大きなモミの木が部屋に突如現れたかのような不思議なタペストリーです。観葉植物を多く飾っているような部屋や、写真のように木のぬくもりを感じられる部屋などにはとても合います。クリスマスの時期になったらオーナメントなどを飾ると場所をとらないクリスマスツリーの完成です。

日本人の心を忘れない、葛飾北斎の和モダンなタペストリー

http://www.eonet.ne.jp/~kyara-beads/photo1051.html

葛飾北斎の絵柄の生地をタペストリーにした個性的なアイテム。切り出し方を縦に長くすることで絵柄を全面に押し出さず和モダンな印象を空間に与えてくれます。和室の床の間にも掛け軸の代わりに飾ってしまえるような、そんなタペストリーです。

ファブリックパネルをヘッドボードに変身

http://www.iheartcrafty.com/diy-headboards-40-diy-headboard-ideas/

ベッドに高さを合わせるようににファブリクパネルを配置してヘッドボード代わりにしています。壁面の装飾と実用性を一気に叶える画期的な使用方法です。ファブリックでこれなら同じサイズでパネルを作り直せばいつでも寝室の印象を変えることができます。

まとめ

タペストリーなどの壁面装飾アイテムはお部屋の重要なアクセントを担っています。もちろん、飾らなくても素敵なインテリアを作ることができますが、部屋の中に一つでもうまく取り入れることができればインテリア上級者の部屋へとグレードアップします。

ファブリックアイテムは布でしか出すことのできない柔らかで自然な雰囲気も、織り柄によって作り出される重厚な雰囲気も、選ぶものによって大きく変化します。手軽に取り入れることのできるアイテムなので、お気に入りを見つけたら積極的に挑戦してみましょう。