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      2022/06/24

【プロが教える】腰壁でお部屋をおしゃれにする方法!壁紙とのバランスやモールディングも徹底解説

佐伯美知枝
著者:佐伯美知枝 (二級建築士/インテリアコーディネーター)

宿泊施設専門のコンサルティング会社にて、旅館やホテルのオープン・リニューアル案件を担当。その後インテリアショップ「カギロイ」勤務を経てフリーのコーディネーターに転身。小型犬+家族3人暮らし、自宅は古材家具に囲まれた和モダン風です。心身共にリラックスできる居心地良いお部屋づくりをモットーに、様々なインテリアをご提案できるよう心掛けています。

”腰壁があるお部屋”と聞くと、欧米諸国などでよくみられるアンティーク&クラシカルな空間を思い浮かべる方は多いかと思います。その華やかで高級感あるイメージから、気軽にお部屋にとりいれるのは難しそうな印象がありますよね。

しかし近年、日本の住空間になじみやすいシンプルな腰壁パネルが多く流通するようになるのに伴い、壁紙と腰壁を一緒に検討されている方が増えてきました。

壁紙の張り替えだけではなんとなく物足りなさを感じるという方、個性的な壁紙を貼りたいけれど、壁一面に貼ってしまうのはなんとなく躊躇してしまうという方におすすめしたいのは、腰壁と壁紙の組み合わせた壁面コーディネート。

今回は、腰壁でおしゃれなお部屋をつくる方法や、腰壁をとりいれた素敵なコーディネートをご紹介します。

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腰壁でおしゃれなお部屋を実現する方法

相性が良い腰壁と壁紙の配色バランスとは?

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腰壁と壁紙の組み合わせには、類似色で統一する手法と、それぞれの色を変えて貼る手法があります。

類似色で揃える場合、例えば、白×白なら壁面がすっきり見え、空間に広がりが感じられます。アートやフォトフレームなどをディスプレイする場とするのもよいですね。

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逆に、異なる色合いの腰壁と壁紙の組み合わせはメリハリが出るので、それぞれのデザインが際立ちます。例えば、モダンスタイルのお部屋で、黒色の腰壁にホワイトカラーの壁紙を合わせると、白色の洗練された雰囲気が強調されます。

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明度が最も高い白色×明度が低い黒色などの組み合わせでは、コントラストが強すぎて落ち着かなくなってしまう、という場合は、無彩色の中間色であるグレー系色をとりいれましょう。いずれも色数は極力増やさず、ひとつのお部屋でカラーを5色以内に絞るのがおすすめです。

腰壁を貼るのに適した場所や、おすすめの高さとは?

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腰壁を貼るのに適した場所は、リビングやダイニング、洗面台まわりなど多岐にわたります。なかでもおすすめなのは、キッチンやトイレなどの水まわり。キッチンカウンターの下部も腰壁の一種なので、お部屋のアクセントとしてそこだけ色を変えてみるのもありです。

ペットを飼っているご家庭なら、ひっかきやいたずら防止用に、ペット対応の腰壁パネルやクロスをとりいれるのもよいでしょう。キズや汚れに強いペット専用パネルやタイルなどから選ぶと安心です。

ちなみに、腰壁の高さは床から90センチほどが一般的で、既製品の腰壁パーツはほとんどそのサイズがスタンダード。腰壁の高さを自由に決めたいのなら断然DIYで制作しましょう。高さは30~160センチ程度が主流です。

低い腰壁のメリットはなんといっても天井を高く見せ、開放感が得られやすくなること。逆に高い腰壁は、原色系や個性的な柄の壁紙をとりいれるときに。壁紙の柄に視線を集めやすくなります。

材質や意匠にこだわるなら既成品、オリジナリティを追求するならDIYで制作

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海外のインテリアでみられるような装飾性が高い腰壁をつくるのであれば、既製品の腰壁パネルから選ぶ方法がもっとも手軽でおすすめです。

モールディング(壁面装飾)があらかじめ施されており、天然木や石膏、ストーン、ポリウレタン、MDFなど材質も多種多様。テイストもクラシック、インダストリアル、アジアン調、和風モダンなど豊富に揃います。見切り材や巾木もデザインを揃えると、さらに見ための印象が美しくなります。

DIYでは板材、モールディング、見切り材、巾木などを自分で選ぶかたちになりますが、デザインの自由度が高いので、そのほとんどがオリジナル仕様になります。シンプルなフラット仕上げや高級感溢れるデコラティブなデザインなど、パーツの組み合わせや貼り方によって、凹凸の出方や見ための印象が変わります。

腰壁にモールディング(チェアレール)をつけるなら

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モールディングはチェアレール、繰型(くりがた)ともよばれ、壁や天井、照明まわりなどを装飾する主に細長い部材をさします。石や木製、樹脂製など素材はもちろん、もともと西洋の古典建築で使われていたことから、アラベスク模様やロープなど意匠もさまざま。

例えば、写真のモールディングのなかから、ナチュラルテイストのお部屋に合うものを選ぶ場合、シンプル派なら「Strip」という細い長方形型、かわいさを出すなら丸みがある「Base cap」がおすすめです。

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取り入れたい要素がいっぱい!お部屋別腰壁コーディネートサンプル15選

ここからは、さまざまな腰壁を使ったお部屋のコーディネートをご紹介します。腰壁の高さや素材、モールディングのデザインなどにぜひ注目してみてください。

リビングの腰壁コーディネート3選

①濃色や黒色系の壁紙は、腰壁も類似色にして壁紙の柄を際立たせる

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床から90センチほどの高さに、濃いネイビーブルーの腰壁を設置した例。腰壁のモールディングは見切り材と同じ太さで揃え、モールディングが浮き上がるような仕様に仕上げています。

マットな黒・濃色系の壁紙を選ぶ場合、壁紙だけを壁いっぱいに貼ってしまうと、かなり重たく単調なイメージになってしまいがち。腰壁を付けると壁面に表情感が生まれ、壁紙を貼る面積は少なくても逆に柄の存在感が強まります。

②コーナー型ベンチの背面に、モールディングを配した腰壁を設置する

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コーナー型ベンチの背面に腰壁を設置した例です。腰壁のモールディングがベンチ背面の良いデザインとなり、フットレストバーと合わせて居心地が良さそうな空間となっていますね。

壁紙は小花やリーフを散らし、フェミニンな印象を受けますが、床のモノトーンのダイヤ柄パターンでモダンなテイストをプラス。ホワイトの腰壁が壁紙と床を絶妙に調和させています。

③奥行がある腰壁は、ディスプレイ棚としても活用できる

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ディスプレイ棚にもなる腰壁を設置した例です。腰壁部は壁紙か、クッション性がある生地を貼っているようですね。奥行がある腰壁を造作する際は、8~10センチほどの奥行を確保すれば十分かと思います。

腰壁から上をビビッドな赤色、腰壁前のソファは彩度高めのオレンジと、強い印象を与える2色を合わせていますが、腰壁のグレージュカラーとラグのグレー×オレンジ色が良い繋ぎ役になっています。赤色の印象を弱めたい場合は、床から130~150センチくらいまで腰壁の高さをあげ、壁紙を貼る面積を少なめに調整しましょう。

寝室の腰壁コーディネート3選

①濃淡グレーをベースカラーにするなら、白色の腰壁で空間にメリハリを効かせる

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ジグザク形状のモールディングを配した、白の腰壁を設置した例です。ホワイトの見切り材とモールディングの太さを揃え、デザインとしてもとても面白い仕上がりになっていますね。

床面は壁面よりも淡いグレー、腰壁から上部はダークグレーをとりいれていますが、明度高めの白い腰壁を間に入れて洗練された印象に。グレーカラーは濃くなればなるほど重厚な雰囲気になるので、明るくカジュアルなテイストにしたいなら、ライトグレーがおすすめです。

②モノトーンインテリアには、ナチュラルな木板の腰壁で温かみを出す

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高さ100~110センチ程度のユーズド感ある木板を腰壁にした例です。見切り材、巾木ともに設置せずに棚板をずらりと並べるスタイルが、木の風合い感を強めています。

お部屋のベースカラーは白、腰壁上に貼ったクロスやベッドのボトムは黒色で、クールなモノトーンカラーがベースになっていますが、腰壁の素材感により、ナチュラルな温かみを加味しています。

③ベッドのヘッドボードとしての機能も兼ねた、モールドウレタン調の腰壁

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腰壁部分にモールドウレタンのような素材を筒状に丸め、横方向に並べた例です。床からの高さは100~110センチほど。ボトムのみのシンプルな形状のベッドを合わせ、腰壁がヘッドボードとしての機能も兼ねている、ユニークなコーディネートです。

キッチンの腰壁コーディネート3選

①風合いある木板で腰壁と床面を設えたナチュラルコーディネート

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床から120~140センチほどの高さに、木板を張って腰壁をつくった例です。木板や床はアイボリー系、見切り材から上の壁面やキッチンキャビネットは、青みがかったアイボリー系色。類似色同志を組み合わせて、ナチュラルにまとめていますね。

目を引く強い色がないぶん、ダイニングテーブルや椅子、キッチン天板の木部の素材感に目がいきます。ペンダント照明やキッチンまわりの金具や取っ手の統一感にも気を配ったコーディネートです。

②キッチンまわりの腰壁には、メンテナンス性に優れる壁紙や素材が便利

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ホワイトのタイル調壁紙を貼った腰壁と、その上部に動物や鳥柄の壁紙を貼った例です。腰壁、キッチンカウンターのキャビネット、壁の上部をホワイトで統一しているので、イエロー地のプリントクロスの柄が良いアクセントになっていますね。

キッチンまわりは、汚れがついてもふき取りやすいなどの機能を持つ壁紙がおすすめ。特にタイル調のデザインは、清潔感やほどよい艶感が出るので最適です。

③六角形パーツを壁と床に敷き詰めた、ユニークな腰壁デザイン

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床からの高さ3/2程度のスペースまで、六角形タイルのパーツを腰壁風に敷き詰めた壁面です。壁面から床まで柄が連続している個性的なデザインですが、色数を絞って無彩色の白、黒を基調としており、シックなインダストリアルテイストでまとめています。

トイレの腰壁コーディネート3選

①見切り材なしのタイル調腰壁で、すっきりと爽やかな壁面に

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床から約110~120センチの高さに、グレーカラーのタイルを貼った例です。ダークブラウン系のフローリングを敷いていますが、白×グレーのスタイリッシュなカラーリングと、見切り材を設置しないフラットな仕上げで、見ためにも爽やかなコーディネートです。

②高さがある腰壁も、白×イエローの組み合わせなら圧迫感を軽減できる

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床から110~120センチほどの高さに見切り材を設置し、腰壁に白色の板壁を貼った例です。水まわりの使う板壁は、防水性機能が付加されているものを選ぶとメンテナンスが楽になります。

一般的に、天井高の1/2程度まで腰壁があると圧迫感が出やすくなるものですが、白×黄色の組み合わせで軽やかな雰囲気にしているところがポイント。白の配分を多めにして軽やかな雰囲気に仕上げています。

③水まわりには、メンテナンスしやすい機能付き壁紙や腰壁用パネルが安心

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床から90センチ程度の高さに設置した見切り材を境に、上部をレンガ風、下部をアルファベットがプリントされたタイル調の壁紙を貼った例。トイレや洗面所などの水まわりでは、腰壁パネルの代わりに、防汚性や防水性に優れる壁紙を用いる手法もあります。

階段の腰壁コーディネート3選

①階段サイドと壁面に、クールモダンなブラックボード調腰壁を採用

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床から90~100センチほどの高さに、マットな黒色の腰壁を設置した例です。階段の踏面と蹴上(けあげ)、壁面の上部に木材を使用していますが、ブラックボード調の素材を所々に取り入れ、クールモダンな印象に仕上げています。

②腰壁の高さを下げると、視覚効果で天井が高く見える

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床から高さ50~60センチほどの高さに見切り材を設け、下部に無地のダークグレー、上部に白×淡いグレーのパターン柄壁紙を貼った例です。腰壁の高さを天井高の1/5~1/6(40~60センチ)程度に抑えると、天井を高く見せる効果が期待できます。

見切り材と巾木はホワイトで統一し、階段や手すりと色を揃えていますね。上品ですっきりした印象の無彩色のカラーリングは、北欧テイストのコーディネートにもよく合います。

③腰壁と壁紙を入れ替えて、壁の上部を腰壁風の仕上げに

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床から天井までの高さの半分ほど、120~140センチほどの高さに見切り材を設置し、壁の下半分にセルリアンブルーの壁紙クロス、上半分をモールディングで装飾し、腰壁風に誂えたコーディネートです。

「腰壁は床に近い場所に設置するもの」という固定観念をなくすと、このような斬新な壁面をつくることも可能。壁面と天井、階段部の質感と色を揃え、天井部に目線がいくような工夫がされています。

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まとめ

今回は、腰壁を使ったさまざまなコーディネート例をご紹介させて頂きました。ただ壁紙を壁いっぱいに貼っただけの仕上がりと異なり、腰壁がある風景は壁面の表情をさらに豊かにしてくれますね。

腰壁は、デザイン性が高いだけではなく、汚れや傷などから保護してくれるなど機能的な面を併せ持つインテリアエレメントです。ぜひ、お部屋をさらにブラッシュアップする際の一案として、取り入れてみてください。

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