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【プロが選ぶ】ウィリアム・モリスの壁紙10選!人気のデザインを上手にお部屋に取り入れる方法も教えます!

佐伯美知枝
著者:佐伯美知枝 (二級建築士/インテリアコーディネーター)

宿泊施設専門のコンサルティング会社にて、旅館やホテルのオープン・リニューアル案件を担当。その後インテリアショップ「カギロイ」勤務を経てフリーのコーディネーターに転身。小型犬+家族3人暮らし、自宅は古材家具に囲まれた和モダン風です。心身共にリラックスできる居心地良いお部屋づくりをモットーに、様々なインテリアをご提案できるよう心掛けています。

美しい草花や鳥、樹木柄などをモチーフとした壁紙やファブリックで有名なブランド「ウィリアム・モリス」。その芸術性や装飾性の高さから、日本での人気も非常に高く、お部屋のインテリアに取り入れる方が増えています。

そんなモリスデザインの壁紙をお家に取り入れてみたら、果たしてどんな雰囲気になるのでしょうか? また、他の壁紙と組み合わせて貼ることはできるのでしょうか?

今回は、ウィリアム・モリスの壁紙に興味を持っている方必見の、日本のお家への取り入れ方や壁紙を選ぶ際のポイント、コーディネート実例などについてご紹介します。

 

ウィリアムモリスの壁紙をおしゃれに取り入れるポイント

ウィリアムモリスとは?ウィリアムモリスのデザインの特徴

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ウィリアム・モリス(William Morris)は、1834年生まれ。ロンドン出身の芸術家兼デザイナーで、詩人としての肩書も持ちます。

19世紀、産業革命後の機械化による大量生産と職人を軽視する時代のなか、アーツ・アンド・クラフツ(美術工芸)運動を主導し、手仕事からうまれる自然に根ざした美しさを提唱し続けました。民芸運動をおこした柳宗悦に影響を与えたことでも有名で「モダンデザインの父」とよばれています。

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モリスがデザインした作品のなかで、ひときわ充実しているのは、鳥や小動物、樹木、草花など、のびやかで美しい自然をモチーフにしたパターン。「美しいと思わないものを家に置いてはならない」と語ったモリスの思想のもと、現在も傑出した数多くのデザインが引き継がれています。

お部屋別!ウィリアムモリスの壁紙を取り入れるときに考えるポイント

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いきいきとした自然を題材とするウィリアム・モリスの壁紙は、ひとつひとつが絵画のように目を引く美しさ。自然をありのままに表現し、同じパターンが何度も連続するのが特徴です。

それゆえ、他の壁紙や家具との組み合わせ方にはいくつかの工夫が必要。「リビング」「寝室」「トイレ」を例に、それぞれのポイントをみていきましょう。

リビング編

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リビングは、お家のなかでも特に人が集まりやすく、過ごす時間が長い場所。それゆえ、モリスの壁紙を貼る際は、他のインテリアとの調和性や、必要以上のインパクトを与えすぎないよう配慮することが大切です。

写真のように、ベージュやアイボリーなどのソフトな単色柄なら、ごちゃついた印象を与えにくいので、比較的広い面積に貼っても大丈夫。

他の壁紙と組み合わせる際は、モリスの壁紙と同系色のベージュやアイボリー、ブラウンなどのアースカラーや、白・黒・グレーなどの無彩色がおすすめ。モリスの壁紙が引き立つよう、他の壁紙は柄なしの無地タイプを選びましょう。

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上の写真のように、カラフルな多色使いの壁紙を貼るときは、お部屋を囲むように広い面積に貼るのは極力避けて。お部屋に入ってすぐ目に入りやすい、フォーカルポイントと呼ばれる場所に貼ると、お部屋の良いアクセントになります。

 

寝室編

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寝室はプライベートな空間なので、お気に入りのモリスの壁紙があるのなら、色柄にこだわらず選んでOK。ですが、ビビッドな原色系の壁紙を組み合わせてしまうと、目が疲れやすくなったり、お部屋が落ち着かなくなったりする恐れがあるので、お部屋を構成する色は3~4色、多くても5色以内にまとめるのがコツです。

例えば上の写真では、ピンクベースのモリスの壁紙をベッドヘッド背面に貼った例。甘いカラーリングですが、決して子どもっぽくならないは、床や天井、カーテン、ベッドリネンなどを白で統一しているため。さらに、チェストやベッドフレームのダークブラウン色で、クラシックなテイストをプラスしています。

トイレ編

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トイレは、扉を閉めてしまえば、ひとつの独立した空間。そのため、廊下や水廻り空間などとの色や柄のバランスを、それほど気にする必要はありません。

写真のような、グラフィカルなモリスの壁紙をトイレ全ての壁に貼ってみるのもアリですが、賑やかすぎて落ち着かなくなりそうなら、他の無地色と組み合わせを。その際、モリスの壁紙で使われている色や、床や天井で使われている色から選ぶと、色数が絞れるのでまとまりやすくなります。

こんなケースに気をつけろ!失敗しがちなパターン紹介

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写真は、1901年に発表された「Morris Seaweed」の壁紙をリビングの壁面に貼った例です。水中の植物の動きをとらえたブルー×グリーンの配色が心を落ち着かせてくれますね。

ソファやラグにも、壁紙で使われているブルーを取り入れていますが、その場合に気を付けたいのは、色の配分量と色から受ける心理的効果。

ブルーは清潔感を与える人気色ですが、「冷たさ」や「収縮感」をイメージさせる寒冷色でもあります。お部屋を占める色が寒冷色ばかりになってしまうと、クールで寒い印象を受けてしまう可能性が…。

この場合、ソファやラグは、壁紙の中のグリーン(中性色)やイエロー(暖色)、木製家具のカラーと類似するアイボリーやブラウン系色などから選ぶのがベター。冷たいイメージが緩和され、お部屋に温かみを添えることができます。

ウィリアムモリスの壁紙おすすめ10選

モリス初期のデザイン:Daisy 212561(デイジー)

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ウィリアム・モリスが初期に手掛けた壁紙デザインのひとつ。白×青のプリント柄で、素朴で優しいヒナギクをモチーフにしています。パブリックな空間から水廻りスペースまで、使い勝手の良さは抜群。

税抜価格:(㎡)3,000円、(本)15,600円
巾×長さ: 52㎝×10m

壁紙と家具のカラーリングを揃えると、クロスのデザインがより際立つ

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寝室の壁いっぱいに「Daisy」シリーズの壁紙を貼った例です。ベッドやサイドテーブル、スタンド照明の色は、壁紙と同じホワイトをチョイス。

ベッドリネンの柄は違う種類ですが、こちらも同色系のホワイトベース×ブルーのプリントを選び、爽やかな印象でまとめています。

しなやかな柳の曲線美:Willow Boughs 216866/WM7614-1(ウィローボウ)

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モリスが気に入っていたテムズ川岸の柳を、自然主義的アプローチから生み出したデザイン。プリント生地としても商品化されているので、壁紙とインテリア小物類とのコーディネートも楽しめます。

税抜価格:(㎡)2,310円、(本)12,000円
巾×長さ: 52㎝×10m

しなやかな柳のパターン柄は、ダイニングやリビングの壁に貼ると穏やかな印象に

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グリーン色は安心感を与え、気持ちを穏やかにさせてくれる効果があるといわれています。また、中性色でもあり、周囲のインテリアとも色を合わせやすいのがメリット。リビングやダイニングなどの広範囲の壁に貼れば、リラックスした心地よい空間をつくることができます。

左右対称の植物柄パターン:Meadow Sweet 210349(メドウスイート)

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モリスが提唱したアーツ&クラフツスタイルの典型的なデザイン。左右対称の植物パターンが形式的に配置されているのが特徴です。

税抜価格:(㎡)2,790円、(本)14,500円
巾×長さ: 52㎝×10m

大柄パターンの壁紙は、腰壁や他の壁紙と組み合わせたポイント使いがGOOD

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玄関近くに、モリスの壁紙とグレーの腰壁を組み合わせて貼った例です。壁紙の色や柄が目立ちやすいときは、腰壁を高くして壁紙を貼るスペースを狭くしてみるのも手。グレーやブラウンなど、周囲のインテリアを落ち着いた配色にすると、壁紙の柄の美しさがより際立ちます。

初期のデザインをシンプルにアレンジ:Pure fruit 216543(フルーツ)

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もともと鮮やかな配色だった初期デザインを見直し、カラートーンを抑えてつくられたのが「Pure Fruit」シリーズの壁紙です。グレーやブラックなど全4色から選べ、和室や寝室、書斎などに合わせやすいデザインです。

税抜価格:(㎡)3,110円、(本)21,300円
巾×長さ: 68.6㎝×10m

モリスの壁紙にモールディングやヘリンボーンの床を合わせて海外インテリア風に

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ヘリンボーンの床やモールディングの腰壁など、海外インテリアをお手本にコーディネートした廊下です。

廊下の左手に貼ったのは「Pure Fruit」のブラックインク色。反対側にはモールディング(装飾)をあしらった腰壁を貼り、廊下の左右でそれぞれ異なる表情が楽しめます。

そこかしこに現れる可愛い鳥達:Newill 216705(ネウィル)

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1905年にベッドカバーから構想を得てつくられたデザイン。渦巻く植物のツルや実を探すかのように、ユーモラスなフクロウたちがたくさん描かれています。ダイニングやキッチン、子ども部屋などにおすすめ。

税抜価格:(㎡)3,260円、(本)22,300円
巾×長さ: 68.6㎝×10m

見切り材を使って、モリスの壁紙をアートのように見せる

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ネウィルシリーズの壁紙と、ブルー系の壁紙を組み合わせた例です。見切り材で壁紙を貼り分けると、モリスの壁紙がアートのように見えてきますね。合わせる無地の壁紙は、モリスのデザインに合わせて、ブルーやイエロー、ブラウン系から選ぶと、落ち着いた雰囲気になります。

苺をついばむ鳥達を描いたモリスの代表作:Strawberry Thief 216020(イチゴ泥棒)

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モリスが夏に過ごした別荘の庭で、苺をついばむ鳥達を描いたデザインです。合わせ鏡のような左右対称柄が特徴。オリジナルデザインの良さをそのままに、使いやすい単色カラーでリ・デザインされています。

税抜価格:(㎡)4,450円、(本)23,100円
巾×長さ: 52㎝×10m

壁紙と同系色のファブリックや家具を合わせた、シンプルなホワイトインテリア

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「イチゴ泥棒」パターンは、モリスの壁紙のなかでも特に有名。そのため、カラフルなオリジナルデザインを避け、あえて単色カラー版を好む方もいるようです。

写真は、リ・デザインされた淡いクリーム系色のクロスを貼ったリビング。ぱっと見ただけでは「イチゴ泥棒」柄だとわかりにくい分、気が付いたときのサプライズ感が楽しめそうですね。

 

モリス商会が最後に手掛けた壁紙:Bird & Pomegranate(鳥とザクロ)

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モリス商会が、1926年に発表した最後のパターン壁紙のひとつです。奇しくも、モリスが最初に手掛けた「Fruit」柄に起源を生じるデザイン。葉が生い茂った枝に鳥が止まり、熟したザクロの実が種をのぞかせるさまは、いかにもモリスらしい絵柄といえるでしょう。

税抜価格:(㎡)3,000円、(本)15,600円
巾×長さ: 52㎝×10m

襖紙やクローゼットルームの壁面に貼ると、お部屋の良いアクセントに

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「鳥とザクロ」柄の壁紙を、両面テープを使って和室の襖に貼った例です。壁の下地によって、どうしても壁面に貼ることが難しい場合は、このように襖紙にモリスの壁紙を貼るのもアイディアのひとつ。今まで見慣れていたはずのお部屋の雰囲気が、がらっと変わりそうですね。

木版画から生まれた風合いあるパターン:Pure Trellis 216529(トレリス)

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1875年にデザインされた木版画からヒントを得て、生み出されたパターン。オリジナル柄をやや小さめに改良し、木版画特有のかすれた風合いを再現しました。白のトレリスのリピートデザインが際立つ、懐かしさを感じるデザインです。

税抜価格:(㎡)2,680円、(本)13,900円
巾×長さ: 52㎝×10m

味のあるレトロ調パターン柄は、ノスタルジック&クラシカルなテイストにマッチ

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リビングの壁面に「Pure Trellis」の壁紙を貼った例です。このシリーズは、他にグレーやブラックインク色もありますが、リビングやダイニングなど人が多く集まる空間には、明るく光沢感があるゴールドがベスト。

お部屋に温かみが生まれるほか、光の加減によって色合いが違って見えるので、壁紙の表情が存分に楽しめます。ゴールド系色の壁紙には、グリーンやブラウン、オレンジ系の3色が合わせやすいでしょう。

 

柳の葉にマリーゴールドをあしらったデザイン: Marigold 226715(マリーゴールド)

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壁紙としてはもちろん、ファブリック用としても人気が高い柄です。柳の葉の地模様にマリーゴールドが渦巻くパターンは、躍動感も感じられます。色はブルーやオリーブ、アイボリーなど全6種類から選択可能。

税抜価格:(㎡)9,130円
巾: 137㎝

爽やかで清潔な印象を与える白×ブルー系壁紙は、キッチンやダイニングに

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ブルー×アイボリーの「Marigold」パターンを貼ったダイニングです。リビングならより温かみがあるウォームカラーが定番ですが、清潔感あるブルー系色はキッチンやダイニングなどに配すると爽やかな空間に。家具は白色を基調にすると、全体的にすっきりとした空間に仕上がります。

初期のモリス商会が受けたネオゴシック様式柄:Pure thistle 216549(アザミ)

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創立初期のモリス商会が、ネオゴシック様式の影響を色濃く受けて描かれたデザイン。渦巻くアカンサスの葉に囲まれるアザミの花を左右対称にダイナミックに表現しています。

グレーブルーやリネンなど全5色を展開していますが、特にメタリックカラーは、コンパクトなスペースに貼ってもインパクト抜群。

税抜価格:(㎡)3,460円、(本)23,700円
巾×長さ: 68.6㎝×10m

メタリックなパターン柄壁紙は、周囲の装飾を控えめにしてお部屋の主役に

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無垢の床材に黒い椅子を配しただけのシンプルな空間に、ブラックインクカラーの「Pure thistle」の壁紙を貼った例です。メタリックな大ぶりのアザミの葉が、シンプルながらも強烈な印象を残しますね。

視線を集めやすい壁紙なので、配するインテリアはシンプルに。写真のように、壁紙とカラーリングを揃えたモノトーンの家具を合わせれば、アーティスティックな雰囲気になります。

 

まとめ

繊細でありながら、力強い生命力を感じるウィリアム・モリスの壁紙は、お部屋に一枚貼るだけで、その場所を趣ある空間へと変える力を持っています。

モリスが初期にデザインした柄を、リ・デザインしたパターンは、ベーシックな色が多いので日本のお部屋に取り入れられやすいのが利点です。もちろん、オリジナル版の色鮮やかな壁紙がお好みなら、周囲のインテリアとのカラーバランスや、貼る面積を調整することで、同じように楽しむことができますよ。

大量生産によって、さまざまな壁紙やファブリックが安価で入手できるようになった現代。改めて、モリスが提唱した「美しいと思わないものを家に置いてはならない」という考え方を、自分らしいインテリアをつくる際のひとつのヒントとして、取り入れてみたいものです。