Hello Interior 思い描いた部屋に住もう

      2019/10/17

【世界一のインテリア見本市ミラノサローネ】インテリア好きなら知っておきたいその魅力と人気の秘密を徹底解説!

おおたひろこ
著者:おおたひろこ (インテリアコーディネーター)

大学で建築を学び、建築・インテリア業界で10年以上勤務したのちライターに転身。インテリアコーディネーター資格保有。自宅はモダン+グリーン多め、子どもとペット共存のインテリアです。専門的な視点と生活者の目線で、皆さまのインテリアづくりをお手伝いします。

インテリアやデザインにご興味のある方は「ミラノサローネ」という名前を聞いたことがあると思います。
「ミラノサローネ」は、イタリア・ミラノでおこなわれる国際家具見本市のことで、メーカーや企業の最新デザインや技術がその世界観とともに表現される場です。

その最新情報を求めて、プロからデザイン好きの一般人まで多くの人が集まる世界規模のイベントが「ミラノサローネ」。デザイン好きならワクワクせずにいられない人気のデザインフェスティバルを、今回はわかりやすく解説します。

ミラノサローネ国際家具見本市とは?

ミラノサローネ国際家具見本市 イメージ

https://www.milanosalone.com/

毎年4月に開催される「ミラノサローネ国際家具見本市(以下ミラノサローネ)/Salone del Mobile.Milano」は、2,3日では周りきれないほどの巨大な展示会場(フィエラ)で、インテリアメーカーを中心に家具や照明の最新モデルの発表がおこなわれる国際的な見本市です。(照明とキッチン・バスは順番に隔年開催です。2019年は照明でした)

見本市の期間中は、インテリアや建築、デザインの関係者が世界中から集まりミラノ市内がおまつりモードに。「フォーリサローネ」と呼ばれるミラノ市街のショールームなども会場になり、6日間の「デザインウィーク」として街をあげて盛り上がります。

第58回となる2019年も4月9日~14日に開催され、見本市会場には181カ国から38万6,236人が来場したと発表されました。
期間中はあまりにも多くの人が訪れるため、ホテルの部屋が取りにくくなったりサローネ価格で料金がはね上がったりします。

どのメーカーも4月のミラノサローネに向けて、新しいデザインや技術を開発します。見本市会場の展示も常設ショールームができたかのような力の入りようで、有名な建築家が担当することもよくあることです。たった6日間のためにこれだけの展示をするとは!と驚かされるとともに見応えがあります。

また若手デザイナーがサローネで注目されると、そこから世の中に認められていくことも。
これだけ勢いのあるミラノサローネですから、ミラノサローネの動きを見れば今のインテリアやデザインのトレンドがわかるのです。

ミラノサローネ国際家具見本市【Salone del Mobile.Milano】日本公式サイト
https://www.milanosalone.com/

▼2019年のミラノサローネについてはこちら

「ミラノサローネ国際家具見本市」は、毎年イタリアのミラノでおこなわれるインテリア最大の見本市です。見本市会場のほかに、ミラノ市内でも各メーカーの...

ミラノサローネ、その歴史を紐解く

まずはミラノサローネが生まれた背景を確認

ミラノサローネイメージ

https://www.salonemilano.it/comunicati-stampa

ミラノサローネはイタリア家具産業の輸出促進を目的に1961年にうまれ、1967年に国際的な見本市となりました。
もちろん最初のころは今のような盛り上がりではなくビジネスの場でしたが、よりブランドの世界観を表現して差別化をはかるうちに、ビジネスとして商品を見せるだけではないデザインのおもしろさも伝える見本市になったと言えるでしょう。

イタリアの家具メーカーはほとんどが家族経営で、決定スピードが速い、職人としてのこだわりがあり挑戦する意欲がある、よいデザインのために外部デザイナーと仕事ができるという条件がそろっていたことも今の形をつくったと考えられます。

ミラノサローネは実は2つのイベントで成り立っている

フォーリサローネ インスタレーション

https://www.internimagazine.com/humanspaces-en/installations/regeneration/

ロー・フィエラ

ミラノサローネがおこなわれる会場は、東京ビッグサイトの3倍といわれる広さの見本市会場「ロー・フィエラ」でおこなわれます。こちらはビジネス色が強く、メーカーとバイヤーなどが相談している姿をよく目にします。ほかにもインテリアコーディネータやデザイナー、メディア関係者などが多い印象ですが、一般の人ももちろん見て周れます(開放日は指定されています)。

見本市会場はとても広く、話題のメーカーだけに絞っていても1日ではとても周りきれません。影響力のあるメーカーが出展できるホール(ホール05、07)などに目星をつけたり、有名メーカーが入る1階だけをめぐったりすると効率よく周ることができます。

また、1998年よりおこなわれている審査に通過した若手デザイナーの展示「SaloneSatellite(サローネサテリテ)」も注目しておきたいところです。なぜならこれから世界で活躍するであろう新しいデザイナーが発掘できる可能性が高い場所だからです。

ロー・フィエラには入場料が必要(サテリテは無料です)で、事前にインターネット購入をしておくと入場がスムーズになります。

フォーリ・サローネ

ミラノサローネが盛り上がる大きな要因がもう一つのイベント「フォーリ・サローネ」です。「サローネの外」という名前の通り、見本市会場の外、つまりミラノ市街を中心におこなわれる自主発生的な展示です。

見本市会場にも展示してミラノ市街のショールームでもイベントをおこなうメーカーがあるほか、特設会場でのデザインイベントやインスタレーションがおこなわれたり、デザイナーが会場を借りて作品を発表したりします。
また、家具メーカーだけでなくファッションブランドや日本からはダイキンやトヨタなどの企業もインスタレーションをおこなっています。

イタリアのインテリア雑誌を発行する「INTERNI(インテルニ)」がイベントをまとめていますが、登録されていない展示や発表も多くあり全貌を把握できないほどです。

基本的にこちらは無料のイベントで、一般のデザイン好きな人も観光ついでにまわったりします。そのため、開かれた楽しい展示が多くなっています。
インテルニが発行する無料のガイドブックを手に、最新インテリアやデザイン、インスタレーションを見て周る体験はこの時期ならでは。
こちらも約10エリアにわたって展示があり、計画的に回る必要があります。

つまり、ミラノサローネは見本市会場でおこなわれるものと、市街でおこなわれる2つのイベントで成り立っているのです。
最近はそれらをあわせた6日間の期間を「ミラノデザインウィーク」とよんでいます。

最近注目された若手デザイナーとは

サテリテ 展示

https://www.pinterest.jp/pin/270778996332368677/

現在著名なデザイナーも、サローネで若手として注目されたデザイナーがほとんどです。
学生や35歳以下のデザイナーの登竜門でもあるサテリテの展示も注目されますし、有名メーカーに採用されたことで一気に人気デザイナーに駆け上がるデザイナーもいます。

今や引っ張りだこの人気デザイナーnendoの佐藤オオキさんも、サローネで地位を確立した人のひとりではないでしょうか。
2019年はサローネサテリテアワードの1位と3位は日本人でした(山内真一さんと坂下麦さん)。今後の日本人の活躍も期待したいですね。

最近サローネで注目を浴びてブレイクした若手デザイナーとして「Studiopepe(スタジオペペ)」をここではご紹介しましょう。
2006年にミラノに設立した女性二人組のデザインユニットです。
コンテンポラリーでかわいらしさのあるデザインが特徴で、素材使いも注目されます。

2019年もメーカーから作品を発表したほか、元工場の建物でインスタレーションを発表し話題に。
スタジオペペのように10年前にはほとんど知られていなかった多くの若手デザイナーがミラノサローネで認められています。

スタジオペペ

https://www.pinterest.jp/pin/129267451791797733/

ミラノサローネで注目された日本企業

日本のインテリアメーカーもここ10年で進出が進んでいます。
最近は日本の展示会の会場づくりから、サローネらしい世界観を表現する展示に変わってきたことで、日本の物づくりを含めて認められてきたように感じます。

どんな企業が見本市会場に出展しているのかここでは一社ずつご紹介します。

マルニ木工

マルニ木工 サローネ2019

https://webshop.maruni.com/fs/maruni/c/stories_Vol16

マルニ木工は2009年から連続でサローネに出展しています。
今年はデザイナー深沢直人さんの監修で会場がつくられました。
丁寧につくられたシンプルで美しいテーブルやチェアが印象的な展示です。

Ritzwell

リッツウェル サローネ2019

https://www.pinterest.jp/pin/535717318176003338/

リッツウェルは2008年より出展していますが、ブランドとして単独出展は2013年からです。
そこから、認められたメーカーのみ出展が許されるホール05に出展を果たすという快挙を成し遂げています。

2019年の展示は、ダークな色合いのレザーのチェアやソファと、落ち着いた色合いの木の家具がどこか日本らしさも感じる凛とした空気をつくるものでした。

飛騨産業

飛騨産業 サローネ2018

https://kitutuki.co.jp/salone-del-mobile_milano/11668

飛騨産業も2013年から団体でのサローネ出展をスタートし、2017年に単独出展を果たしています。(写真は2018年の展示です)
海外でも知られる柳宗理や隈研吾デザインの木の家具を展示しました。

Karimoku New Standard

カリモクニュースタンダード ミラノサローネ2019

https://www.pinterest.jp/pin/157063105740849338/

日本の家具メーカー「カリモク」が2009年に設立したブランドです。
日本の木材をつかって森林を守りながら、外部デザイナーとともにつくる家具が特徴です。

ミラノサローネの出展も10回目になり、今年はフォーリ・サローネでサンワカンパニーとのコラボレーションで、木製のプロトタイプコンパクトキッチンも発表しました。

 

これぞミラノサローネ!すごすぎるインスタレーション・展示たち

インスタレーション「LIGHT is TIME」シチズン【2014年】

シチズン サローネ 2014 インスタレーション

https://www.pinterest.jp/pin/134615476336760366/

2014年にミラノサローネに初出展したシチズンのインスタレーションは話題になりました。
キラキラと美しく輝くのは、時計の基盤装置8万個です。
来場約5万人を動員し、ミラノデザインアワード2014の2部門を受賞。デザインは建築家・DGT.の田根剛さんです。

やはりここ10年ほどで、レクサスやソニー、セイコー、ダイキン、ヤマハ、パナソニック、AGCなどの日本企業の出展が注目されるようになりました。
2019年のレクサスの展示はアーティスト集団ライゾマティクスとのコラボ。光あふれる空間の中で、人間とロボットがつくりだすインスタレーションでこちらも話題になりました。

展示:moooi【2017】

サローネ 2017 moooi

https://www.pinterest.jp/pin/14073817570572348/

フォーリサローネで展示を行うオランダの家具メーカ「moooi」は毎年注目されます。
moooiの印象的なデザイン照明を組み合わせて一つの大きなシャンデリアのように見せた2017年の展示は、インテリア雑誌のサローネ特集には必ず飾られる写真でした。

展示のコーディネートがいつも新鮮で、毎年必ず訪れると決めている人も多いブランドです。

インスタレーション:「OBJETS NOMADES」Louis Vuitton【2019】

ルイ・ヴィトン サローネ2019

https://www.pinterest.jp/pin/444871269440217533/

ルイ・ヴィトンのレザーを使用したホームコレクション「プチ・ノマド」もフォーリサローネで展示されます。
そのほか、エルメスやフェンディ、エトロ、ディーゼルなどのファッションブランドの展示も多くありどれも人気があります。

以前に比べてファッションとインテリアが接近し、ファッションブランドがインテリア商品を発表したり、ファッションのカラーがすぐにインテリアに反映されるようになりました。

インスタレーション:「breeze of light」nendo×ダイキン【2019】

nendo ダイキン サローネ 2019

https://www.pinterest.jp/pin/346706871312259366/

本来は見えない空気の動きを視覚的に見せるnedoとダイキンのインスタレーションは、2019年に最も話題になったインスタレーションのひとつではないでしょうか。
光と影の動きがまるで草原に流れる風のように感じられる展示でした。

nendoなどが手掛ける人気のインスタレーションは、入場するまで並ばなくてはならないことが多くなります。

インスタレーション:「Conifera」COS【2019】

cos ミラノサローネ 2019

https://www.pinterest.jp/pin/306315212154771141/

フォーリサローネの展示は、屋内ばかりではありません。
写真は、2019年のファッションブランドcosと建築家Arthur Mamou-Maniによる大型の展示です。

16世紀の建物の中庭に3Dプリントされたバイオプラスチックレンガの立体を組み合わせて、現代と過去をつなぎます。
サステナビリティもミラノサローネの注目キーワード。再生可能資源を使用した大型インスタレーションとして話題になりました。

大型インスタレーションは、そのときならではのミラノ観光も実現できます。
ミラノのドゥオモ広場ではB&Bの女性解放を訴えるインスタレーションがおこなわれました。普段は撮れないような写真を撮って楽しんだ方も多かったのではないでしょうか。

サローネ B&B 2019

https://www.pinterest.jp/pin/482448178835429012/

実際にミラノサローネに行くには?

何日ぐらいあれば回れるの?時間がない場合はどこから回ればいい?

ミラノサローネ 2019

https://www.pinterest.jp/pin/530861874827852329/

もしも、サローネに行ってみよう!と思われたら、何日必要か…これは、期間中6日間すべていても回りきれないので、どこまで見たいかによります。
ですが空気だけでも味わって最低限見て回りたいということでしたら、最低3泊5日でしょうか。

イタリア・ミラノは基本的に夜到着、朝出発になりますので3日間見ることができます。
1日はロー・フィエラに行き、2日間はフォーリサローネという組み合わせがおすすめです。

どちらにしても事前に必ず見たいという場所をチェックしておき、効率的に回れるようにしておく準備が大切です。(ミラノサローネ公式サイトとインテルニのサイトで会場を、直前になりますが確認できます)
フォーリサローネは事前に選ぶのが難しいようでしたら、回る地域を決めておくとよいでしょう。
トルトーナやブエラ地区とミラノ中心地あたりが有名展示も多く観光も挟めて便利です。

いくらくらいあれば行けるの?宿泊施設は予約できる?

ミラノサローネ 2019

https://www.pinterest.jp/pin/811562795330966120/

金額については、もしもサローネツアーに参加する場合は30万~40万以上が多いようです。
ご自身で航空券やホテルを手配する場合や、申込時期・宿泊日数によって異なります。

ツアーには現地交通費や朝食以外の食事はつかないのが基本なので、現地で必要な金額も用意しなくてはなりません。

また、自分で手配する場合に一番のネックはホテル予約です。
毎年出展するメーカー関係者などは、次の年のサローネ開催日が決まった時点でホテルをおさえます。
ビジネスで行くことが決まっている人も早くからホテルを手配します。

そうすると、遅くなればなるほどホテルが取れなかったり高額になったりします。
ご自身での現地ホテル予約に自信がない方はツアーに参加した方が安心かもしれません。

業界関係者じゃなくても行ける?

サローネ 2019

https://www.pinterest.jp/pin/574842339938222859/

もちろん行くことができます。
見本市会場は有名ブランドの最新情報がまとめて集められる場所ですが、ビジネス中心の場ですので気後れしてしまうようならフォーリ・サローネだけでも十分楽しめるでしょう。

おいしいイタリア料理やミラノの街散策も楽しみながらデザインに触れる気持ちで、ぜひ訪れてみてください!

まとめ

ミラノサローネの魅力をギュッとまとめてご紹介しました。
ミラノサローネはインテリアやデザインの関係者はもちろん、一般の方も十分楽しめるインテリアのお祭りです。
来年2020年は4月21日から26日の開催が発表されています!ツアーの予約もすでに始まっていますので来年は訪れてはみてはいかがですか。