Hello Interior 思い描いた部屋に住もう

   

関家具はライフシーン創造企業。時代の変化を先取り、暮らし方を提案するそのルーツに迫りました

Hello Interiorではインテリアブランドの方を取材し、そのブランドにかける想いやおすすめの商品を取り上げさせていただいています。

今回は、関家具様です。関家具様は、ATELIER MOKUBA(アトリエ木馬)、CRUSH CRASH PROJECT(クラッシュプロジェクト)、RELAX FORM(リラックスフォーム)、GELTEX(ゲルテックス)などなど・・・。数々のブランドを持つ、家具メーカーです。そんな関家具様の常務取締役 猪名冨大助さんに、Hello Interiorのチーフコーディネーターの村野がお話を伺いました。関家具の沿革や商品開発の考え方、おすすめ商品についてお話いただきました。

現代では特に、価値観の多様化とともにインテリアの在り方も多様化しています。関家具さんは複数のブランドを展開されていますが、そのどれもが時代の流れを反映しているものです。そのルーツがどこにあるのか、迫ります。

現在の関家具に至るまでに得た、時代を先読みする知見・ノウハウ

発端は親戚の家具屋のお手伝い、トラック一台で問屋を開業

村野:関家具さんの成り立ちについて、お伺いしてもよろしいでしょうか?

猪名冨:はい。創業は51年前で、現代表の関が創業しました。ちなみに、私は入社31年目ですので、それまでの20年間は伝聞になりますが、お話させていただきます。

創業前、関は高校を卒業し、教員になろうとして大学の夜間学部に通っていたそうです。そのとき、日中は親戚の家具屋さんで仕事を手伝っていたことが、家具の商売に触れるきっかけになりました。

関の実家は木工所だったのですが、それには関与せずに先生になりたかったようですね。野球が好きで、野球の監督になりたかったと聞いています。ただ、怪我したか何かで、地元に帰ってくることになり、「ここで何か貢献できることを」と考えて家具の問屋を始めたそうです。

当時は、物が溢れているような世の中ではなかったので、地方で物を流通してくれる業者というのは重宝されていたんですね。ただ、もちろん今のようにインターネットはないため、トラックを1台買って、それで仕入れてマージンを乗せて売る形で始めたそうです。

村野:流通も発達した今では、あまり想像がつかないですね・・・。

猪名冨:家具を扱う業者はそう多くなかったので、福岡だけでなく、熊本などにも、トラックで持っていったそうです。

物がまずない時代だったので、もちろんコーディネートなんてありません。スペースを埋めるという発想です。ちゃんとした家具を持つこと自体に憧れがある時代だったんですね。

当初は安さが強み、時代に対応してオリジナルの開発に乗り出す

猪名冨:その頃、強みにしていたのが、他で買うよりも絶対に安く買えるということです。現金でいい条件でまとめるので、安くお客さんにも販売できたんですね。

簡単な話、メーカーで10,000円で売っているものを、上手く仕入れて9000円で売るので、それは売れますよね。一部のメーカーは価格を壊されてしまうと考えて、卸すのをやめてしまうメーカーもあったそうです。

私が入社した当時も問屋・商社のようなことをやっていましたね。

村野:現在、関家具さんはオリジナルブランドが強みだと感じていますが、オリジナルに展開したのはいつ頃だったのでしょうか?

猪名冨:ちょうど、そのあとくらいです。問屋が儲かるとなれば、もちろん他でも始まります。

そうすると、地域地域で新しく問屋が生まれてくるわけですね。九州はこの問屋、四国はこの問屋というのが決まってきました。そうすると、他の問屋には卸せませんと言われることも増えてきたんです。

じゃあ、どうしようか、という時に、オリジナルで作ろうとなったのが走りですね。

村野:メーカーに方向転換をしたんですね。商品開発はどのようにして進めたのでしょうか?

猪名冨:最初は、タンスが2つ割りだったのを3つにするくらいのものでしたね。100本ロットでタンスを買って、それをオリジナルに加工するなどしていました。

次第に、メーカー自体が流通機能を持ち始めて、問屋はなくなっていきました。関家具が今も経営を続けられているのは、自分たちが問屋であることにこだわらず、様々な変化ができたためだと思っています。

今のトレンドではなく、一歩先を読んだ販売戦略を実践

村野:他にも大きな転換点のようなものがあったのでしょうか?

猪名冨:30年くらい前のまだ入社したての頃、婚礼家具が絶好調のときに「婚礼家具はもうなくなるから、うちはやらない。次は脚物家具だ。」と社長がいうものですから、脚物家具を扱うようになりました。

それから、台湾・インドネシア・シンガポール・タイ・マレーシアなどに行きましたね。私も会社としての初めての渡航に同行して、インドネシア・タイ・マレーシアに行きました。30年ほど前ですね、たまたま社長がいけず、代わりに行ってきました。

何万本ものパイプベッドを現地で製造してもらい輸入して販売していました。それからしばらくは、脚物家具の販売がメインでしたね。テーブルや二段ベッドなどです。

村野:東南アジアは当時から工場がたくさんあったのでしょうか?

猪名冨:家具の工場はあったのですが、日本に出しているところはかなり限られていましたね。日本に出していないところに、関家具で扱わせてもらうよう交渉しました。

当時、貿易はかなり難しかったですね。今はインターネット上でやり取りできますが、当時は電話とFAXしかないです。FAX1枚で1000円かかる世界で、交渉がうまく行くかも分からないのによくやっていましたよね。

言語も通じず、参入障壁が高かったので、商社と一緒に現地にいき、現地の工場とコミュニケーションをとっていました。人種を超えたコミュニケーションこそが、真似しようと思っても難しいことで、競争優位性にも繋がっていると今も思っております。

日本に入荷してからも大変で、博多港は大きくなかったので、船が入らなかったんです。そのため、神戸に入れて、帰り荷でトラックで大川まで運んでいました。

ラタンのカーペット、ロッキングチェア、2段ベッド、ダイニングテーブルなどを、

シンガポールやインドネシア、マレーシアで買い付けたワンオーダー20、30コンテナの量の家具を輸入して、自分たちで倉庫に下ろして販売していました。

家具を作るだけではなく、自社でブランド化・販路も自然と拡大

猪名冨:ただ、流行り物はすぐに広がるので、脚物も例外でなく、他の会社もすぐにはじめて広まりました。そうなると、次にブランドを作ろう、となったんですね。CRUSH CRASH PROJECT(クラッシュプロジェクト)、Ergohuman(エルゴヒューマン)、RELAX FORM(リラックスフォーム)などを立ち上げて、今のスタイルになっていきました。

ブランドを作れば、それに応じた販路が必要となるので、販路の開拓も同時に進めました。元々家具屋や問屋でしか販売していなかったところから、AmazonなどのEコマース、オフィスやホテル、病院などへの販売・流通を進めました。

村野:ブランド作りと販路開拓を並行して行うのも大変そうですね。

猪名冨:それが、良い物を作れていたので、相手から引き合いがあったのが功を奏しました。こちらから、時間をかけて営業活動をしなくても、先方から来てもらえることが多かったですね。時代の変化を読んで、時代時代で求められるものを先回りして扱ってきたことの功績だと思っています。

村野:これが流行るだろう、と思って作っても、思うようには当たらないのがインテリアの難しさでもあると感じているので、その精度が高いのは長年の積み重ねがあるのかもしれませんね。

関家具は家具屋さんではなく、ライフシーン屋さん

歴史的な流れの近しいアメリカにヒントあり!?

村野:猪名冨さんが世界中の家具やインテリアを見てきて、現在の日本のインテリアについて思うことなどありますか?

猪名冨:インテリアの熟成された市場といえば、ヨーロッパのイメージがありますが、私はアメリカにこそ見習うべきことがあると感じています。

というのも、日本とアメリカは歴史的な共通点があるんですよね。それは戦争が終わって、起きたベビーブームです。家族が増えて、家を出ていく必要が生まれたんですね。

そうして住居が街の中心部には収まらなくなると、郊外にショッピングセンターなどと併せて住宅地ができました。アメリカは国土が広いこともあり、これがすぐに広がったんですね。日本は今でも、ショッピングセンターやニュータウンが郊外に増え続けていますが、アメリカでは戦後すごいスピードで進みました。

そして、郊外に新築を建てる際に、みんなスケルトンで買うんですね。自分たちで一からコーディネートするのですが、これが家を売る際にまた意味があります。コーディネートのセンスがいいと、買値よりも高く売れて利益が出るんです。だから、みんな一生懸命勉強して、上手にコーディネートするようになりますよね。

ホームパーティをする文化もあるのも関係するんでしょうね。コーディネート好きの人の家を見て、自分の家なりのおしゃれをするように考えます。様々な色を取り入れながら、全体として調和している素晴らしい部屋が多いです。

その点、日本はコーディネートにおいては、遅れているように思いますね。まずは建売で住む家を決めて、後から家具を決めるという形式も少なくないです。結果、家全体がチグハグなものになってしまう、というのは少なくないですよね。

村野:私も住宅とコーディネート両方をやってきましたが、住宅設備の関係でできないコーディネートがあることを後から知るお客様がいると胸が痛みますね・・・。

猪名冨:住宅とコーディネートはもちろん連動しているべきだと思いますね。

家具・モノを買うのではなく、暮らし方・コトを買うべき

猪名冨:また、布団屋さんはベッドを売らない、家具屋さんは布団を売らない、というのも不思議だと思っています。マットレスをそのまま見せてる人はいないですよね。

海外では、ETHAN ALLEN(イーセンアーレン)のようなザ・クラシックなお店もあれば、Restoration Hardware(レストレーションハードウエア)のようなニューヨークの富裕層の暮らしのようなお店、CB2(シービーツー)のようなカジュアルでおしゃれに暮らしたい人が集まるお店など、暮らし方によって訪問する店が変わります。いわゆる、家具別の家具屋はもう多くはないんですね。お客様が本当に求めているのは、家具ではなく、暮らし方ですから。

村野:「モノではなくコトを売る」という考え方が様々なビジネスで広まってきていますが、インテリアの業界はモノを売るとこから抜けられていないかもしれないですね。

海外だと、この世界観で行きたいから、このコーディネートでまるっと買います。というケースも多いのでしょうか?

猪名冨:ETHAN ALLENなどは特に多いと思いますね。500ドルのデザイン料で、全部でデザインしてくれますね。そこで家具を買えば、デザイン料は家具を買う代金に当てられます。いわば保証金のような形です。

家具単品で買うのではなく、コーディネート全体の世界観で買うのができるようにならないと、物売り、物買いからは脱却できないと思いますね。

極端に言うと、家具業界とかオフィス業界とかの分類が不要ですよね。物ごとに区切るのは時代に遅れていると思います。

それを変えるためには、主語をコトにして、ドメインを変える必要があります。

魚屋さんというと、魚を売ることしか考えませんが、健康業になれば、健康を維持するためのものなら魚以外にも売れますよね。結果、健康的な暮らしのために必要なものをシームレスに繋ぐことができて、シナジーが生まれるわけです。これはラインロビングと呼ばれています。

家具であれば暮らしに広げる。こういった考え方が大事ですよね。

関家具の理念は、「我々は、SEKIイズムにより愛される企業となり、世界に新しいライフシーンを創造し、人々に幸せと感動を提供します。」。

これに沿って、新しいライフシーンを作ることができることで時代に合っていれば、なんでもやっていいと思っています。そう思って、家電メーカーの方などともお話させていただいていますね。

王道に思える商品でも時代に応じた変化で長く愛される商品に

一点物で長く使える一枚板テーブルは王道ながら、エコトレンドにも対応

村野:主語をコトにしたい、といただいた直後で恐縮ですが、関家具さんの商品の中でも特におすすめの商品を教えていただけますか?

猪名冨:もちろん、全てこだわりをもって作っているため、おすすめがありすぎて困っているくらいですが、一番というと「ATELIER MOKUBA」(アトリエ木馬)の一枚板のテーブルですね。

一枚板は高いという人がいるが、使用できる期間なども踏まえたら決して高いものではないと思います。自分の子供・孫までずっと続いていくものですからね。

世界的にも、サステナブルな社会づくりのための商品は注目されています。関家具で作っている一枚板のテーブルも、天然塗装のものにしたり、燃やしても有毒ガスが出ないものにしたり、地球環境にも優しい商品になっています。

中でも、人気なのはブラックウォールナット材のテーブルでしょうか。アメリカのブラックウォールナットは長い間お求めいただいている商品ですね。

少し話が逸れますが、一枚板のテーブルって販売がすごく大変なんです。木を切って、3年くらい乾かして、2,3週間人工乾燥機に入れて、そのあと高周波プレスでひびや反りが出ないように最終仕上げをして、ようやく長く使っていただけるテーブルになります。

メーカーとしては、製造して販売するまでに長い期間がかかるから大変なんです。でも、地球環境のことも考えると、こうした商品がきちんと売れるようにしていかないといけないと思って、創意工夫を凝らしています。

村野:一枚板は長く使える分、テーブル自体に思い入れが積もっていきますよね。

リニューアルされたGELTEX(ゲルテックス)のマットレスは隠れた名作

猪名冨:他には、GELTEX(ゲルテックス)のマットレスも特におすすめですね。正直うまく製品の魅力を伝えきれていないとも思っています(笑)。

睡眠については色々な説がありますが、基本的には寝返りを打てる環境は快適な睡眠において重要なので、柔らかすぎても体によくないです。一方で、硬ければ寝返りは打ちやすいですが、体への負荷が大きいです。

そのバランスが取れているのがGELTEXの魅力だと思います。寝返りを打つことはできるが、体への負担が小さく、快適すぎて寝返りを打たなくてもいいようなマットレスになっています。

これからやっていきたいと考えていたのは、体験に寄り添った家具づくりですね。例えば、KOKUYOさんが始めたグランピングの家具などは新しいライフスタイルを提案する、素晴らしい商品ですよね。
私たちも、ライフスタイルを作るような商品づくりをしていきたいと思います。

家具はハレの日に買うもの、その気持ちに寄り添える企業に

村野:最後に、今後関家具さんとして力を入れていきたいことを教えてください!

猪名冨:具体的に開発している商品のことを話せず恐縮ですが、コト・体験を売る、ということにやはり力を入れていきたいですし、そんな会社づくり、組織づくりをしていきたいですね。

本来、家具は晴れの日に買うものだと思っています。

婚礼家具に始まり、形が変わっても、家具は喜ばしい出来事があったタイミングで購入することがほとんどです。結婚したとき、家を建てたとき、子供が生まれたとき。学校に進学したとき、子供が大きくなったとき、1人立ちして1人暮らしを始めたとき。全て、晴れの日ですよね。

そのときの心情に寄り添える商品を作りたいですし、そういう企業でありたいと思っています。

新卒採用を続けているのはこうした想いを持ち続けるための工夫でもあるかもしれません。

村野:新卒採用ですか?

猪名冨:はい。
あるときにリクナビを使って大学卒の採用を始めて、それ以来毎年5~10名を採用しています。

大学を卒業して、入社するときは家具のことを特別好きではなくてもいいです。ただ、関家具が家具を使ってもらう人が喜んでもらえる家具づくりをしていることに共感した方に入社してほしい。

そういう気持ちであれば、家具を粗末に扱うようなことは絶対にしませんし、商品のアイディアも必ず消費者の目線に立って考えることができますよね。

そういった考え方を社員一人一人に持ってもらうために、こうした関家具の企業スタンスを一から教えられる新卒採用は大切にしていますね。その延長に、お客様の体験に寄り添った家具づくりがあると思っています。

村野:顧客体験ということを起点に考えられる人に集まって欲しいということですね。

猪名冨:はい、その上での多様性を大切にしたいです。

やっぱりイノベーションを起こすためには、同じ価値観の人が集まって考えられることには限界があります。関家具も問屋から始まり、今のように多様なブランドを展開するまでに、いろんな縁や繋がりがあって、変化を生んできました。

ずっと同じ人と、机を付き合わせて会議していてもいいアイディアが出ることはないですよね。だからこそ、社員の多様性を認められる会社であれたらと思います。

村野:こうして時代に応じた商品を作り続ける関家具さんを、今後もより多くの人に注目していただきたいですね。

本日はありがとうございました!

最後に

https://www.sekikagu.co.jp/shoplist/

時代に応じた大局的な暮らし方の変化はもちろん、一人ひとりの価値観によっても暮らし方やインテリアの在り方は変わります。

変わりゆくものだからこそ、先のトレンドを押さえていながらも、自分に合って長く使えるような家具を揃えていきたいですよね。そんな方は、ぜひ関家具さんの商品をチェックしていただけたらいいのではないかと思います。

また、Hello Interiorでは関家具さんのアイテムをコーディネートする際のアドバイスもさせていただいております。ご興味をお持ちいただいた方は、ぜひお問い合わせくださいませ。

関家具様問合せ先
  • 会社名         :株式会社関家具
  • サイト         :https://www.sekikagu.co.jp/
  • 本社住所      :福岡県大川市幡保201-1
  • 電話番号      :(0944)88-3515(代)
  • ショールーム:
    東京都品川区西五反田7-22-17TOCビル9F 47区画
    大阪府大阪市中央区本町橋2-14KDXレジデンス本町橋 2F