2022/08/22
【5分でKartell(カルテル)を理解する】インテリア初中級者向けに徹底解説
インテリアショップや家具店などで、透明色の照明や家具を見かけたことはありませんか。その近くにキャッチーな赤色のロゴマークを見つけたら、それはきっとイタリアデザイン界を代表する「Kartell(カルテル)」というメーカーのものです。
軽くて丈夫、なにより唯一無二の透明性と美しさと誇るKartellのプロダクトは、日本の住空間にもとりいれやすいラインナップが豊富に揃います。
今回は、Kartellの家具に興味を抱かれている方はもちろん、初めて名前を聞いたという方にもぜひ知って頂きたい、Kartellのプロダクトが生まれた背景や名作の数々、照明を用いたお部屋のコーディネートについて、詳しくご紹介します。
Kartell(カルテル)、その歴史を紐解く
Kartellが創立されたのは1949年。創業以来、先進的な技術とデザインを融合した製品を多く生み出してきました。その販売スケールは、現在約51ヶ国、4000ヶ所にもなります。
プラスチック家具のパイオニア的存在といわれるKartellが、ここまで成長してきた背景には、2名の経営者、Giulio Castelli(ジュリオ・カステッリ)と、Claudio Luti(クローディオ・ルティ)が深く関わっていました。
2人の経営者の時代に分けて、Kartellのここまでの歩みをみていきましょう。
創業者カステッリはプラスチックの実用性を重視。適正価格実現のため、大量生産化に努めた
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創業者のカステッリは、イタリア・ロンバルディア州において、1949年にKartell(カルテル)を創立。当初は車のパーツや生活用品を中心に製造していました。
1955年には、カバー付きバケツ「KS1146」が、コンパッソドーロ賞(1954年から始まった歴史と権威があるイタリアのデザイン賞)を受賞しています。
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もともと化学エンジニアであったカステッリは、プラスチック加工の技術力を生かし、1959年に照明事業、1963年にはハビタット部門を立ち上げ、プラスチック製の家具づくりを開始します。
そして、従来のプラスチックよりも強度があるABSプラスチックを開発。1964年に世界初となる、射出成型手法による子ども向けチェア「K1340(当時の製品名はK4999)」、1967年にはオールプラスチックの大人用椅子「Universal」を生み出します。名作「コンポニビリ」の丸型シリーズが生まれたのは、この数年後の1969年のことです。
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カステッリは、プラスチック製品の機能面や実用性を重視。オートメーションによる商品の大量生産により、価格の適正化に努めました。
しかしながら、装飾的で華やかなデザインが求められていたポスト・モダニズム(1980年代)の時代では、なかなかプラスチック製品が受け入れられず、Kartellの商品は、思うように市場に出回らなかったようです。
二代目の経営者ルティは、プロダクトごとにストーリー性を加味。人の感情に訴えるものづくりにこだわった
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そんな時代背景のなか、1988年に二代目社長となるClaudio Luti(クローディオ・ルティ)に経営権が引き継がれました。ルティがまず決断したのは、それまでの徹底した合理主義や、商品を工業製品として捉えていた見方を変えること。
今まで品番だけをつけていたネーミング方法を改めたほか、世界中の著名デザイナーとのコラボも積極的にスタート。今やKartellのデザイナーとして名高い、Philippe Starck(フィリップ・スタルク)を迎え入れたのも、同年の1988年のことです。
スタルクは、Kartellのプロダクトカラーを、従来の原色系からペールトーンなどの優しい色味に変え、デザインをシャープ&スタイリッシュなものに一新。初作品の「Dr.glod(ドクター・グロブ)」をはじめ、世界初の透明ポリカーボネートチェア「La Marie(ラ・マリー)」など、プラスチックやポリプロピレン素材を使った画期的なデザインを生み出し、大きな反響をよびました。
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現在もKartellは、Marcel Wanders(マルセル・ワンダース)やAntonio Citterio(アントニオ・チッテリオ)、吉岡徳仁など、数多くの著名デザイナーとのコラボを積極的に推し進めています。
一目見ればすぐにKartellの家具だとわかるような、独創的な商品づくりに余念がなく、今や「プラスチック家具といえばKartell」と言われるまでに。Kartellが今日まで世界中から支持されている理由は、この2名の経営者による革新的な試みと采配があったからなのです。
https://kartell.co.jp/html/company_profile.html
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Kartell(カルテル)の代表的な名作家具5選
ここからは、Kartellが手がける照明や家具のなかから、名作家具として知られるプロダクトをご紹介します。ブランドアイコンともいえる家具「コンポリビニ」に、また新たなシリーズもお目見えしました。Kartellならではの世界観に触れてみてください。
お部屋に透明感をプラス。クリアーカラーの輝き:FL/Y(フライ)
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FL/Y(フライ)は、イタリア出身のデザイナー、カルテフェルーチョ・ラヴィアーニがデザインしたペンダント照明です。2002年開催のミラノ・サローネにて発表され、瞬く間にKartellを代表する人気商品となりました。
透明PMMAアクリル樹脂のシェードで、光源をそっと包み込むフォルムはまるでシャボン玉のよう。素材はガラスよりも透明度が高いといわれる、アクリル樹脂からできています。直径52㎝サイズは単体で吊り下げるのがおすすめですが、多灯使いにするなら、直径38㎝のSMALL FL/Y(スモールフライ)が最適。
スペック
価格(税込):¥42,790
サイズ:直径520㎜×H330㎜
カラー:ホワイト/ブラック/クリスタル/レッド/カッパー/クローム/ブルー/グリーン/ゴールド/オレンジ/イエロー/カーディナルレッド/エメラルド/ペトロブルー/マットホワイト/スカイブルー
素材:アクリル樹脂
備考:消費電力10W、口金E26 LED電球60W形ボール球1ヶ(電球色)※別売、附属品 角型引掛けシーリングキャップ
光の反射が美しい宝石のようなスツール:STONE(ストーン)
https://kartell.co.jp/item/3742.html
STONE(ストーン)をデザインしたのは、オランダ出身のプロダクト&インテリアデザイナーであるマルセル・ワンダース。1988年に美術学校を卒業後、世界初の紐でできた椅子や燭台型照明などユニークなプロダクトを多く発表し、デザイン界の寵児として注目を集めてきました。
そんなマルセル・ワンダースが手がけた、STONEの魅力は、なんといっても砂時計のようなフォルムと表面に施された幾何学模様の美しさでしょう。光を反射させると、キラキラとまるでダイヤモンドのような煌めきを見せてくれます。天板は直径30㎝あるので、サイドテーブルやオブジェとしても。
スペック
価格(税込):¥34,320
サイズ:直径300㎜×H460㎜
カラー:クリスタル/レッド/クローム/ブルー/ゴールド/スモーク/イエロー/アンバー
素材:ポリカーボネート
ルイ15世時代のデザインを現代風にアレンジ:LOUIS GHOST(ルイゴースト)
https://kartell.co.jp/item/346.html
2002年に発表されたLouis Ghost(ルイ・ゴースト)は、Kartellのアイコン的家具といわれる肘掛け椅子です。デザイナーは、フランス出身のフィリップ・スタルク。インテリア、建築、ファッション、生活雑貨などさまざまな分野で活躍中。日本では浅草・吾妻橋のアサヒビール本社「フラム・ドール」を手掛けたことでも有名です。
この椅子は、ルイ15世の時代を再現したといわれるバロック様式をとりいれており、重厚さを醸しながらも、その透明感により軽やかな印象を併せ持ちます。ポリカーボネートの一体成型により、安定性と耐久性も抜群。6脚までスタッキングできるほか、アウトドアでの使用もOKです。
スペック
価格(税込):¥59,570
サイズ:W540㎜×D550㎜×H940㎜×SH470㎜×AH(肘掛け)670㎜
カラー:ホワイト/ブラック/クリスタル/ブルー/グリーン/グレイ/オレンジ/イエロー
素材:ポリカーボネート
天板厚2.5㎝のシンプルデザイン:FOUR(フォー)
https://kartell.co.jp/item/1645.html
FOUR(フォー)をデザインしたのは、建築の学位も取得しているイタリア・ミラノ出身のカルテフェルーチョ・ラヴィアーニ。Kartellとのコラボ歴は長く、現在はアートディレクターとしても活躍中です。
FOURは、Kartellが手がける名作テーブルのうちのひとつといわれ、機能的かつシンプルなデザインが特徴。注目すべきは2.5㎝の多層合板で仕上げた天板の薄さです。
写真は天板、脚部ともにホワイトカラーの組み合わせで、ミニマル&スタイリッシュな印象ですね。よりモダンなテイストを加味するなら、脚部はアルミニウム仕様にするのがおすすめです。
スペック
価格(税込):W190㎝サイズ¥208,780/W158㎝サイズ¥184,580/W223㎝サイズ¥261,910/W128㎝×D128㎝サイズ(スクエア)¥208,780
サイズ:W1900㎜×D790㎜×H730㎜/W1580㎜×D790㎜×H730㎜/W2230㎜×D790㎜×H730㎜/W1280㎜×D1280㎜×H730㎜
カラー:ホワイト/ブラック/ホワイト&ブラック/ホワイト&アルミニウム/ブラック&アルミニウム/ブラック&ホワイト
素材:(天板)ラミネート(脚)スチール塗装仕上げ
名作コンポニビリ誕生50周年を記念したオマージュ作品:Componibili Smile(コンポニビリスマイル)
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創業者ジュリオ・カステッリの妻であるイタリア出身のデザイナー、アンナ・カステッリ・フェリエーリがデザインしたマルチチェスト、コンポニビリ。世界初となるABS樹脂製モジュール組み立て式の家具ユニットで、発売から50年以上経った今でもKartellのベストセラーアイテムのひとつです。
その名作コンポニビリ50周年を記念したオマージュ作品が、こちらのコンポニビリスマイル。デザイナーは、イタリアデザイン界の風雲児といわれるファビオ・ノヴェンブレ。コンポニビリの象徴である丸い穴に、絵文字のようなウインクを入れて「スマイル」「ウインク」「シリアス」の3つのバリエーションから選ぶことができます。
スペック
価格(税込):¥19,470
サイズ:直径320㎜×H400㎜
カラー:レッド(不透明)
素材:ABS樹脂
Kartell(カルテル)の照明のある生活
ここからは、Kartellの照明シリーズをお部屋のスタイル別にご紹介します。和、洋、ミックススタイルなど、さまざまなインテリアにしっくり馴染む、デザイン性の高さと機能面にご注目ください。
リビング編:3段階の高さが選べるバロック調ランプ
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ラルゴソファ2シーター+オットマンのソファ背面側のチェスト上に、テーブルランプ「BOURGIE(ブルジー)」を置いたディスプレイです。
テーブルランプはバロック風の3枚のベースを組み合わせた特徴的なフォルム。プリーツ装飾されたシェードから漏れる光が幻想的です。
9色のカラーが揃いますが、屏風やアンティーク調のチェストに合わせるなら、マットなブラック色を。オリエンタルスタイルを加味したミックススタイルのインテリアに仕上がります。
寝室編:ベッドサイドにメタリックカラーの輝きを
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ベッドサイドに2台の収納家具「スモールゴーストバスター」を配し、その上にダークゴールドカラーのテーブルランプ「CINDY(シンディ)」をディスプレイしたコーディネートです。
ティアドロップを思わせるベースデザインと上部が細めのランプシェードが、上質でどこかクラシックな趣ですね。個性的な壁紙やヘリンボーン柄床材との組み合わせも絶妙で、コンテンポラリースタイルにおすすめしたいデザインです。
書斎編:2つの関節アームで広範囲を照らす、高輝度LEDスタンド
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古材調デスクに合わせているのは「ALEDIN(アラジン)シリーズのDECタイプ」のテーブルランプです。DECの円錐型ディフューザー(照明の光量を調整する機材)は多面的な構造になっており、ポリカーボネード製の2つの関節アームで机上の広い範囲を照らしてくれます。
LEDは消費電力を大幅に節約できる最新の5.6Wタイプを使用。600lm(ルーメン、小型電球50W相当の明るさ)の高輝度仕様で、デスクでの作業効率アップが期待できます。
玄関編:玄関を煌びやかに照らす花型のオーナメント
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玄関に吊るされているペンダントライトは「BLOOM(ブルーム)S1」のクリスタルカラーです。光輝く花をモチーフにした楕円形のフレームが特徴的。
花形のオーナメントを通して光が複雑に屈折し、天井や壁、扉にその美しい光のシルエットを落としています。ホワイトとグレーカラーのシックな内装の表情が、より煌びやかにみえますね。
まとめ
今回は、Kartellの経営者の考え方をもとに、その歩みやものづくりへのこだわり、名作プロダクトの数々をご紹介させて頂きました。
ここ近年Kartellは、日本への進出がめざましく、東京旗艦ショップ「新カルテル東京」(南青山)は、2019年6月にリニューアルオープンしたばかり。直営店や正規販売店、カルテルコーナーを設置するお店やショールームを含むと、2019年10月現在、全国で計41拠点にもなります。
Kartellの世界観へ興味を抱いて下さったのなら、ぜひ、実際に商品を眺め、触れる機会をつくられてみてはいかがでしょうか。繊細な見ためとは裏腹に、プラスチック家具の強固さや安定感、そして透明感ある素材の美しさに、きっと驚かれることと思います。
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