2022/07/30
カッシーナ の人気の秘密を探る!ル・コルビジェをはじめ巨匠の作品もコレクションするイタリアのトップ家具ブランドを徹底解説
インテリアに興味のある方なら「Cassina(カッシーナ)」というブランドをご存知だと思います。イタリアの高級モダン家具をつくる世界的にも支持されているトップブランドですね。では、日本でカッシーナを販売しているカッシーナ・イクスシーのことはご存知ですか?ぼんやりとしかわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、そのデザインや高い品質に憧れる方が多い「カッシーナ」の歴史や魅力をご紹介するほか、カッシーナ・イクスシーとの関係についても解説します。
目次
カッシーナがなぜ支持されるのか?インテリアのプロがその人気の秘密を紐解く
カッシーナの歴史
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カッシーナは1927年にミラノ郊外に設立されました。早くからデザイナーと協働で家具をつくり、1952年に手掛けた豪華客船のインテリアをきっかけに工業的生産をおこなうようになります。
そして1957年に上の写真のスーパーレジューラを発表します。ジオ・ポンティとつくった超軽量のチェアは指一本で持ち上げられると話題になり、カッシーナの名を広めました。このチェアは現在も生産されている人気のチェアです。
1964年には「イ・マエストリ(巨匠たちの)・コレクション」が誕生します。このコレクションは、ル・コルビジェなど巨匠建築家の作品を復刻(リプロダクション)するシリーズで、現在も2大コレクションのうちのひとつになっています。
また、現代の有名建築家やデザイナーとコラボレーションをおこない新しい家具も発表しています。こちらは「イ・コンテンポラリー・コレクション」と言われています。
現在も毎年イタリアの家具見本市ミラノサローネで、著名なデザイナーとともに新作家具を発表し、さまざまなメディアに紹介されています。カッシーナは、世界的に知られる歴史のあるイタリアのトップ家具ブランドです。
カッシーナとカッシーナイクスシー
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「カッシーナ」は、前に解説したように1927年に設立されたイタリアの家具メーカーです。
一方「カッシーナ・イクスシー」は、イタリアの「カッシーナ」と独占代理店契約を結ぶ日本の会社です。
つまり、日本で1980年から「カッシーナ」を販売する権利を持っているのが「カッシーナ・イクスシー」です。
「カッシーナ・イクスシー」は、「カッシーナ」以外にもセレクト家具や雑貨、およびオリジナル家具を販売しています。そのため、日本にある「カッシーナ」のショールームと言えば「カッシーナ・イクスシー」のショールームとなり、「カッシーナ」以外の家具や雑貨もならんでいるということになります。
「カッシーナ・イクスシー」では、カッシーナ以外の商品もあわせてインテリアをトータルにコーディネートできます。セレクト商品も高級ブランドですので、カッシーナの家具とともにラグジュアリーなインテリアを空間ごと提案できるようになっています。
カッシーナのコレクションとデザイナー
前述のようにカッシーナには「イ・マエストリ」と「イ・コンテンポラリー」のふたつのコレクションがあります。それぞれどんな建築家やデザイナーの商品があるのか確認してみましょう。
イ・マエストリ・コレクション
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カッシーナは、1964年に生存していたル・コルビジェに許可されたことから、コルビジェの家具4モデルの復刻・生産・販売をスタートしました。これが「イ・マエストリ・コレクション」が誕生した瞬間です。
4モデルのうちのひとつが、上の写真のシェーズロング「LC4」です。1924年に発表されたLC4はチェアの角度を自由に設定できます。(台座に弓形のパイプを好きな角度でのせることができます)
ル・コルビジェは近代建築の巨匠のひとりで、スチールパイプをつかったLCシリーズは現在も多くの人のあこがれの一品です。見た目は同じで価格の低いコピー商品も出回っていますが、カッシーナのLCシリーズはコルビジェに許可を得たクオリティの高いものになります。
「イ・マエストリ・コレクション」には、ヘーリット・トーマス・リートフェルト、チャールズ・レニー・マッキントッシュ、フランク・ロイド・ライト、シャルロット・ペリアンなどの有名デザイナーの家具が、カッシーナ品質で復刻されています。
イ・コンテンポラリー・コレクション
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「イ・マエストリ・コレクション」が20世紀初頭の建築家などのデザインの復刻というものに対して、「イ・コンテンポラリー・コレクション」は現代の建築家やデザイナーとのコラボレーション家具のコレクションです。
デザイナーはジオ・ポンティ、ヴィコ・マジストレッティ、マリオ・ベリーニ、喜多俊之から、最近ではハイメ・アジョン、ミケーレ・デ・ルッキ、パトリシア・ウルキオラなど、こちらも有名デザイナーが名を連ねます。
カッシーナの人気ソファのひとつが上の写真のヴィコ・マジストレッティデザインの「マラルンガ」です。こちらのソファも「イ・コンテンポラリー・コレクション」に含まれています。
カッシーナのスタイルや世界観について
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カッシーナのスタイルはイタリアンモダンスタイルです。具体的には、スタイリッシュでシンプルなフォルムのデザインが特徴です。
また、デザインだけでなく素材にこだわりがあり、座り心地や肌触りがよいことはもちろん、最高級素材の高級感が空間を上質なものにしてくれます。
カッシーナ・イクスシーが空間をトータルで提案しているように、カッシーナの家具を置くのなら空間全体の質を高めることが大切です。
カッシーナの品質やこだわりについて
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カッシーナの品質を語るのにはずせないもののひとつが革(レザー)があります。
上質な革は、使い込むほどにしなやかになりつやが出ます。それぞれの家具にあった部位のレザーが選ばれ、丁寧で丈夫な縫製でつくられた家具は上品な雰囲気を醸し出します。
革にはランクがあり、革そのものの違いのほか表面の加工の違いなどがあり、見た目と価格で選択することになります。
また、スーパーレジェ―ラの制作を見てわかるように木工の技術も高く木製家具にも魅力があります。
そのほか、スチールパイプの溶接やクッションの中身など、こだわりを知れば価格にも納得できるはずです。せっかく迎える高級家具ですから、ショールームで商品の説明をじっくりと聞いてみるのがおすすめです。
プロが選ぶ!カッシーナの代表的なおすすめアイテム8選
カッシーナのおすすめソファ
背もたれが変化する一番人気のソファ:マラルンガ
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ヴィコ・マジストレッティがデザインした有名なソファ「マラルンガ」は、ニューヨーク近代美術館にも所蔵されている、日本で最も人気があるソファです。
しっかりしたスチールフレームと密度の高いモールドウレタンの座り心地、そして背もたれをローにもハイにもできる機能がこのソファの魅力です。
背もたれは、ローバックにしておけばソファの高さをおさえてモダンなお部屋をつくり、ハイバックにするとゆったりともたれることができるいう具合につかうことができます。
サイズは、1人掛けから3人掛けワイド、オットマンがそろいます。
イ・マエストリの代表的なソファ:LC2
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ル・コルビュジエ、ピエール・ジャンヌレ、シャルロット・ペリアンがデザインしたLC2は、スチールパイプにクッションというシンプルな造りの印象的なソファです。こちらもニューヨーク近代美術館所蔵のソファです。
スチールパイプやどっしりとした印象から特に男性に人気があり、応接室などにも採用されることの多いロングセラーのソファです。
リラックスするためのソファ:ユトレヒトソファ
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1935年にヘーリット・トーマス・リートフェルトがデザインしたこちらのソファは、オランダの老舗デパート「メッツ」のためにつくられました。特に写真の一人掛けが人気で、カッシーナの異なるデザインの3人掛けソファにポイントとしてコーディネートされることが多いソファです。
特徴として、シート部分のうしろ側がさがっていて、腰かけると自動的に背もたれに体を預ける形になりリラックスできます。
エレガントでモダン:オット システムソファ
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オットは足元がすっきりとあいたフレームの細いイタリアンモダンらしいデザインが特徴です。シートやクッションにはたっぷりのフェザーが―使用されていてしっとりふんわりなかけ心地を楽しめます。
サイズバリエーションが多く、さまざまな組み合わせができますので、お部屋にあわせて組み合わすことができます。デザインは、ピエロ・リッソーニ。
▼カッシーナのソファについてもっと知りたい方はこちら
カッシーナのおすすめ椅子
軽やかな名作チェア:LC1
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スチールパイプとシートとひじ掛けのレザーが軽やかな印象のシンプルなチェアLC2は、最初のイ・マエストリのアイテムです。
ル・コルビュジエ、ピエール・ジャンヌレ、シャルロット・ペリアン共同デザインの名作チェア。
背もたれが体に沿って動くのも特徴です。
1脚だけのコーディネートも、ソファなどと一緒に配置しても絵になります。シンプルだからこそ合わせやすいチェアです。
レザーの品質がわかるチェア:キャブ
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スチールの骨組みを高品質なレザーでくるんだチェアは、ダイニングチェアとしても人気があります。
厚みのある革は型押しなどしていない滑らかな革で、しっかりと体をサポートしてくれます。使い込むほどに革がなじんできて「味」となります。
1977年にマリオ・ベリーニがデザインしたもので、レザーのカラーも選ぶことができます。
世界が驚いた超軽量チェア:スーパーレジェ―ラ
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1957年に完成したジオ・ポンティのスーパーレジェ―ラは、カッシーナの木工技術があってこその軽量化に成功しています。写真のように線が細く見えますが、木工部分は三角形に加工されておりぐらつきがなく丈夫です。それでいて持ってみると1.7kgと驚く軽さ。ダイニングテーブルからの出し入れも軽々とスムーズにおこなうことができます。
カッシーナのおすすめテーブル
まるで樹木のようなテーブル:ルボーウッド
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22本の無垢材が樹木のように立ち上がる円形テーブルは、パトリック・ジュアンが2003年にデザインしたものリデザイン。美しい天然木にカッシーナの技術がいきています。
あると便利なサイドテーブル:チッコニーニョ
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イタリア語でコウノトリという意味のチッコニーニョは、見た目のユニークさとシンプルで小ぶりなサイズが魅力のテーブルです。
ソファの横やベッドの横などにサッと置けて、読みかけの本や飲み物が置けるサイドテーブルは一つあると便利ですね。フランコ・アルピニのデザインのイ・マエストリ・コレクションです。
極限まで薄いダイニングテーブル:ナーン
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脚も細く天板の厚みは10mmと極限まで薄いスタイリッシュでモダンなダイニングテーブルです。
この薄さで、エクステンションタイプというのも驚きですし、なんと伸長用の天板がテーブル下に収納されています。こちらはピエロ・リッソーニのデザインです。
▼カッシーナのダイニングテーブルについてもっと知りたい方はこちら
まとめ
カッシーナの商品をあらためて見ると、そのラインの美しさや仕上げの美しさにハッとさせられます。価格は高くなりますが、カッシーナの家具を置きたいというあこがれを持たれる理由も理解できますね。
建築・インテリア・照明など住空間にこだわられるかたなら、一度ショールームに足を運んでその品質を確かめてくださいね。