【老舗建材商社 杉田エースの新たな挑戦】ガーデンファニチャーや新商品に込めた想いや背景をお聞きしました!
Hello Interiorではインテリアブランドの方を取材し、そのブランドにかける想いやおすすめの商品を取り上げさせていただいています。
今回は、杉田エース様です。杉田エース様は、元々建築資材を中心とした商社でしたが、近年はアウトドアのおしゃれな家具なども取り扱っています。今回は商品開発を担当する西村さんに、Hello Interiorのチーフコーディネーターの村野がお話を伺いました。
防災アイテムなどの開発も手掛けており、
目次
杉田エースの特徴
村野:今回は杉田エースの西村さんにお時間をいただいております。簡単に御社のご紹介をいただけますでしょうか?
西村:はい、杉田エースは今年で86年の会社です。当初からメインに取り扱ってきたのは、例えばマンションのエントランスポストや宅配ボックス、商業施設を建てる際の資材のように、建築金物や建築資材です。
村野:歴史の長さもさることながら、成長を続けて今はもうすごい規模ですよね。
西村:ありがとうございます。ニッチな業界ではありますが、JASDAQに株式公開できる会社にもなっています。
杉田エースがガーデンファニチャーに取り組む背景
村野:杉田エースさんといえば、建築金物や建築資材だけでなく、インテリアの領域ではガーデンファニチャーが人気です。従来、建築金物や建築資材をやってきた会社が、なぜガーデンファニチャーを扱うことになったのでしょうか。
西村:実は背景に東京オリンピックとそれを取り巻く住宅環境の変化があります。
2020年の東京オリンピックを境に、建物の着工件数も徐々に縮小していくと言われていますよね。そうすると、建築・インテリア業界全体が縮小するようなイメージになってしまいますが、実は中には需要が増す部分もあるんです。
例えば、もともと本業でマンションへの資材提供を強みの一つとしていたので入ってきた情報ですが、マンションのバルコニーやベランダの専有面積が大きくなる、ということに着目しました。
この変化に対して、今まで金物資材という形で建てるまでの部分に携わっていたので、建てた後に住まれる方に対して提案できることはないか、ということで、マンションのベランダ、バルコニーをおしゃれにできるガーデンファンチャーの提供を始めたのが2013年のことです。
今は、読書をしたり、話をしたり、お茶したり、とベランダで過ごす時間が増えている家庭もあると聞きます。そんなシーンを過ごせるような商品を企画しようというのが始まりでしたね。
広くなる過程にあるバルコニーに最適な家具のあり方
西村:最初はマンションのベランダで使っていただくために、折りたためるチェアーやテーブルから展開していきました。使うときだけ出していただき、使わない平日はコンパクトに収納できるようなものです。
それからだんだんと個人での使用以外にも、ベランダだけでなくお庭での使用や家族でのしようにも向いたラインまで展開するようになりました。
村野:2013年頃だと、まだ広さがないので、コンパクトで折りたためるようなものが中心になりそうですね。海外はアウトドアカルチャーが進んでいますし、かっこいいものも多いですが、大きいし高いしで、日本の住宅には合わなそうですよね。
西村:そうなんです。それが、バルコニーの占有面積が広くなったから改善するかというと、必ずしもそうではないんですよね。そもそも規格が違いますから。
どちらかというと、バルコニーが広くなって、「実際に始めてみたいけれども、いいものは高いし、安いものは好きになれるデザインのものがなくて結局買えない・・・。」という方は多くいらっしゃいます。
そこで、ハイでもローでもない、ミドルの価格帯で品質が高い、しかも自分の求める条件を満たせるというものがなかったので、そこを弊社の製品で解決したというところです。
そのため、村野さんがおっしゃったように、使いたいってなったとしても広さは限られているので、限られた場所でも使っていただけるような工夫が大切です。
例えば、マンションであればテーブルとパラソルを半円型にすることによって、あまり大きくないスペースでも快適に使っていただけます。また、使わないときは収納いただけるので、洗濯物を干すときにも困らないですよね。
本当にいろいろなご家庭のお悩みはあると思いますが、そういったお悩みに答えられる幅広い商品を揃えられているので、もっとご提案したい気持ちが強いですね。
村野:そういえば、我が家も半円テーブルとパラソル置いてます。マンションで部屋の範囲より外に物を出せないので、重宝しています。
西村:そうですよね。どうしても開きのサイズだと大きいサイズのものが多いですから、出てしまう部分が出てきますよね。
冬のシーズンは使うのがなかなか難しいかもしれませんが、使いたい時だけ広げて使っていただけると便利な商品なのではとは思いますね。
杉田エースのおすすめ商品
人工ラタンであしらった PATIO PETITE‐MA Series‐
村野:あと、こう言ってはなんですが、資材をメインに作ってきた会社とは思えないくらいかっこいいですよね。
西村:ありがとうございます(笑)。
デザインという観点で言うと、こちらの「PATIO PETITE‐MA Series‐(パティオ・プティ‐マ・シリーズ)」という商品シリーズは建築家の谷尻誠さんと吉田愛さんにデザインをいただいた新商品でかなりかっこいい仕上がりになっています。今年の6月から発売している商品ですね。
2016年から、いわゆる人工ラタンをあしらったタイプは、販売してきました。ただ、当初から発売しているのはブラウン系のカラーリングの人工ラタンの商品でしたので、どうしても馴染むスタイルや用途が限られてしまっていました。
今回、谷尻誠さん、吉田愛さんにデザインいただいたのが、黒色の人工ラタンと艶のあるフレームの商品です。黒を基調としてシックに整えております。
編み方も特徴的で、チェアーやベッドのような座っていただく座面は籠目をイメージして編み込んでいたり、テーブルの上のような天板部分は畳をイメージして細く編み込んでいただいたりしているので、日本の和のディテールを引き立たせている商品です。
ガーデンファニチャーは海外のものというイメージも強いかと思うんですが、こちらのガーデンファニチャーだと、和モダンのような提案まで対応できます。
村野:エッジが立っていながらも、なんとなく馴染みやすい印象があったのですが、そういうことだったんですね。
西村:そうですね。
商品を見ていただいた皆様も、「なんか見たことあるんだよなあ」とよくおっしゃるのですが、そこで今のデザインの説明をすると、「だからか~」という反応をされますね。見たことないものだけれど、なじみがあると。
またこういうふうに和モダンな家具なので、室外だけでなく室内でもご活用いただけるものになっていると思います。
アウトドアファニチャーを室内でも使えるように
西村:ミラノ・サローネのような海外の展示会でもアウトドアファニチャーが、室内でも使えるインドアファニチャーとしても注目を浴びるようになってきているので、来年もこちらの同じシリーズで室内でも使っていただけるような形で出していこうと思っています。
村野:ここ2〜3年アウトドアリビングの傾向強かったですね。
西村:はい。キャッチアップしている方からは、室内でも使えるようなデザインでご好評いただいていますね。
先ほど、シーズン性があるものとお話ししましたが、中で使えるとなるとシーズン中は外に出して、逆に終わったときは中にいれて使ってもいただける形になるので、提案の幅が広がるんじゃないかなと思いますね。
村野:かなりデザイン性高いので、外だけで使うのはもったいないというような感じもありますよね。
しかし、どこの業界でも2020年オリンピック終わったら・・・という話ありますが、これほどもともとの技術や知見を使って、展開しているところはあまり聞いたことがないですね。
西村:一応こちらのシリーズは第一弾の新商品として発売させていただいたのですが、2020年は第二弾を来年の春から夏にかけて、発売のさせていただく予定なので、楽しみにしていてください。
村野:楽しみにしています!
このバーベキューセットも夏になるとかなり人気が出そうですね。バーベキュー後の後片付けも簡単にできそうです。
西村:海外のエコトレンドやバーベキュー文化を参考にして、ガーデンファニチャーとの併用も含めた様々なシーンのご提案ができるようにしています。
ガーデンファニチャーは日本の特有の事情に着眼して開発した製品ですが、海外の文化やトレンドを参考にして製品開発することもあります。その点、商社として海外と日本両方の情報を得られるのは杉田エースの強みの一つかと思います。
杉田エースの今後の展望
日常に溶け込み、見せられる防災グッズを
村野:他に、今後展開していくご予定のものありますか?
西村:少し方向性は逸れるのですが、防災にも力を入れています。2019年は災害が非常に多かったですよね。今まで地震だけしかピックアップされていなかったところから、台風・大雨というのも匹敵するレベルだということが広まった1年だったのではないかと思っています。
そういった非常時に召し上がっていただけるような非常食を展開したり、防災キットや組み立て式の簡易トイレ、モバイルバッテリーの3つの商品を今佐藤オオキさん率いるnendoさんにデザインいただいて、リリースしました。
非常食・防災商品は普段使わないので、押入れや床下の奥に隠れてしまい、いざ使おうとしても、どこにしまったか分からなくなったり、非常食の期限が切れていて使えなかったりということも多かったそうです。
そのため、まずは見た目にこだわって、見せられる防災商品を開発しないといけないな、ということで、スタイリッシュで普段のインテリアのシーンでもなじみやすい商品にしています。
そんな風にガーデンファニチャー以外にも、防災食や防災商品といったところも今後強化していきたいですね。
村野:いつも予兆があって災害が起きるわけではないので、デザインでリカバーして身近なアイテムにするというデザインの考え方が素敵だなあと思いますしね。味にもこだわりをもたれているんですよね?
西村:そうですね。
非常食は普段たべないので、いざ食べられるときに「あ、おいしくないんだ」と感じて食べなくなってしまうことがあります。食べないことで、元気が出ない→体調不良になる。また、排便も出ない→体調を崩す。といった二次被害の発生も危険視されます。
弊社で出している非常食は、化学調味料一切使用していない商品などもあり健康的で美味しく食べられるようになっています。そういったものであれば、日常のお食事でも召し上がっていただけますし、小さなお子様とか女性でもご安心して召し上がっていただけるので、見た目だけじゃなく味にもこだわっています。
村野:かなり大事なことですね。
防災が変にクローズアップされると日本自体にもネガティブなイメージがつきやすいですが、「来るものはしょうがないから、それを前提にどう快適に過ごせるか」というのは考えていきたいですよね。
西村:従来ネガティブなイメージがあったと思いますが、ポジティブなイメージに転換するためにも普段の日常食としてもそうですし、大切な人への贈り物として安心を届けるというのは素晴らしいことだと思うんですよね。
実際に、三越伊勢丹のお中元カタログなどにも掲載いただいています。安心を届けるという考え方で、ネガティブな商品からポジティブな商品に変わっていきつつあるかなあと思いますね。
こういった生活のインテリアという面と非常食という面、全体でいうと生活、家庭を考えた商品開発に今後も注力していく予定です。
ガーデンファニチャーと合わせて輸入雑貨を強化
西村:他にも、ガーデンファニチャーの親和性を持たせるために、北欧を中心として海外からの輸入雑貨を取り扱うようになっています。家具のみでなく輸入雑貨も合わせて総合的にライフスタイルを提案していこうという意図です。
海外からの輸入雑貨は、LEDランタンの照明を取り扱ったり、室内ではいていただくような革のスリッパだったり、よりコアな方にも使っていただけるような輸入雑貨を仕入れていきます。
村野:輸入雑貨もノウハウがないと難しい領域だったりしますよね。
西村:在庫への考え方などは、企業によってかなり考え方に差があると思います。
海外からの輸入品は、基本在庫が少なかったり、在庫を持たなかったりして、商品が届くまでのリードタイムも1か月以上、中には半年かかるような場合もあると思いますが、弊社は十分な在庫を持つようにしています。
また、お客さんの好きな単位からデリバリーしているので、メーカーと商社の強みっていうのが合わさり、弊社の強みにできていると思います。
村野:かなり長いことやっていますもんね。
西村:そうですね。
弊社のトップは4代目なのですが、インテリアの業界が非常に好きで、海外に年に4回くらいは直接足を運んでいますね。買付もトップ自ら足を運んで行き来してやっているので、目利きの力は高いのだと思います。
今年の8月にもパリのメゾンに足を運んでいて、9月も展示会に行ったりと、常に最先端のものを仕入れてきているので、いつも飽きがないような展開をできていると思います。
日本のメーカーだと、ヒットした商品を定番で残していくというスタンスが多いですが、海外のメーカーは一度出しても、定番で残さずにまたトレンドに合わせて新しくいいものを企画していきます。
そうして海外で開発された商品も参考にしているので、フレッシュな商品をご提供できているのではないかな、と思いますね。
村野:なるほど。これからもアップデートが楽しみです!
西村:こちらの青山のショールーム「Club ESTA」もシーズンごとに新商品がどんどん入ってきている状態です。日本ではなかなか見かけないような商品も見れる場所になっていますので、ぜひ足を運んでいただきたいです。
村野:今後も楽しみにしています!
最後に
少し異色のバックグラウンドを持つ杉田エースさんですが、文中で紹介できた以外にも、アウドドアファニチャーのトレンドにマッチした素晴らしい商品をたくさんリリースされています。ぜひチェックしてみてくださいね。
Hello Interiorでは杉田エースさんのアイテムをコーディネートする際のアドバイスもさせていただいております。ご興味をお持ちいただいた方は、ぜひお問い合わせくださいませ。
杉田エース様の商品を直接見たい場合は下記ご確認ください。
クラブエスタショップ南青山
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コーポレートサイト:https://www.sugita-ace.co.jp/