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【プロが教える】おしゃれな畳で上質なインテリアを実現する方法!和室からリビングや寝室まで豊富な実例とともに解説

河野ゆみこ
著者:河野ゆみこ (二級建築士/インテリアコーディネーター)

nook interiors代表。一般社団法人感性ひらく空間代表理事。 住宅設備メーカーや住宅コンサルタント会社での勤務を経て独立。日常の中に非日常を感じさせる住空間づくりをコンセプトとし、住宅やオフィス・医療施設・店舗など約1200件の設計やインテリアコーディネートに携わるほか、セミナー講師、コラム執筆も行っている。

かつては和室のない住宅が主流になった時期もありましたが、近年は畳のデザインや色が豊富になったことで和室や畳コーナーを取り入れる人が増えてきています。

フローリングとはまた違う雰囲気が出せる畳を上手に使って、個性的なインテリアを楽しんでみるのもいいですね。

この記事では、おしゃれな畳で素敵なインテリアを実現する方法と畳の選び方、部屋別の畳コーディネート実例を紹介していきます。

 

まずはおさえておこう!畳の基礎知識

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畳と聞くと、昔ながらの和室の床に敷いてあるイメージが強く「おしゃれな部屋にするのが難しそう」と感じる人が多いかもしれません。

ですが、最近の畳はさまざまなタイプがあり、インテリアの一要素としてコーディネートしやすくなっています。

畳を使っておしゃれな部屋をつくるために、まず畳についての基礎知識を把握しておきましょう。

 

畳の色

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畳の色として普段見ている部分は「畳表」と呼ばれる表面部分です。

原料のイ草の色である緑色が基本で、時間の経過により黄色や茶色に変色していくのが従来の畳のパターンでしたが、現在の畳はイ草に加えて和紙やポリプロピレンといった汚れや湿気に強い素材を使っている商品が多いです。

こうした素材は色を染められるため、緑色以外に黒色や灰色、白色、ベージュ色、といった淡い色のバリエーションが広がっています。

さらに紺色やピンク色といった洋室にも取り入れやすい色もあり、好みのインテリアに合わせやすいと言えます。

 

畳の種類

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畳は内装材のひとつとして製作されるため、仕上げや形状によってさまざまな種類があります。

仕上げの種類としては、縁あり畳と縁なし畳の2種類に大別されます。

縁あり畳は従来の和室で使われていた畳で、床の間や床柱のある伝統的な和室や客間として使うための和室に用いられます。

対して、縁なし畳は縁がなくサイドまで畳表で仕上げられており、すっきりとした印象になるため、和モダンテイストの和室や洋室の一部分を畳コーナーにする際に用いられます。

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形状の種類としては、3尺×6尺(910×1820mm)を基本として、京間や江戸間、中京間など縦横比のバリエーションがあります。

最近人気が高い琉球畳は正方形で、同じ広さの和室に敷く場合京間や江戸間と比べると畳の枚数が増えます。

 

畳の敷き方

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畳の敷き方は、敷くスペースの面積や出入口の位置、床の間の有無などによって一般的なルールがありますが、伝統的な和室か洋室扱いに近い和室かによってこだわるポイントが異なります。

床の間を設ける伝統的な和室の場合は、和室内で畳縁が十字を作らないように敷くこと、床の間と並行に畳を配置することが大原則です。

昔の日本では結婚式やお葬式を自宅で行うのが普通で、和室を使って行うのが祝儀事なのか不祝儀事なのかによって畳を敷き替えていましたから、このルールはそのころの名残です。

現代では昔ほど厳密ではありませんが、気になるなら畳縁で十字を作らない祝儀敷きを採用するのがおすすめです。

現代の新築戸建住宅やマンションに多い4畳半~6畳の和室の場合は、床の間がないことがほとんどである上に慶事や弔事を自宅で行う機会はほぼないため、畳縁で十字を作らないルールを踏襲する程度でしょう。

モダンな雰囲気になる琉球畳を採用する場合は、敷き方を選ばず全体に均一に敷き込みます。

畳の目を一定に並べる方法以外に、1種類の畳の目を縦横に配置する市松敷きが人気です。

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上図のように市松敷きにすると、畳の目に対する光の当たり角度が違うため色が変わり、2色の畳を敷いたかのような雰囲気を楽しめます。

さらに、畳を敷く面積による雰囲気の違いも考慮しましょう。

スペースに畳を全体的に敷く以外に、可動できる置き畳を使って部屋の一部だけを畳コーナーにする方法もあります。

 

畳を使っておしゃれで上質なインテリアを実現するには?

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畳の基礎知識を把握できたところで、次は畳を使っておしゃれな部屋に変える方法を見ていきましょう。

 

壁や家具とのバランスを考える

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畳を敷いてもおしゃれな雰囲気に仕上げるコツは、畳を「和のアイテム」と考えすぎないことです。

フローリングと同じように自然素材の床材ととらえて、壁の色や家具と同じようにめざすテイストの相性を考えてコーディネートしていくと、まとまりのある上質な空間をつくりやすくなります。

ナチュラルテイストでまとめたいのなら白色やベージュ色、北欧テイストにしたいなら淡い灰色や明るい緑色、モダンテイストが好きなら白色や黒色の畳を選びましょう。

レトロ感を出したい場合は従来の長方形、スタイリッシュな雰囲気にしたい場合は正方形の畳にするとバランスがとれます。

 

洋と和のコラボレーションを楽しむ

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ごろんと寝転がれる畳は魅力的だけどおしゃれな感じがしない…といった抵抗感があるなら、畳の色や敷き方を工夫してみましょう。

和の雰囲気が強くなる緑色やベージュ色ではなく、モダンな印象の黒色や灰色、紺色などをインテリアに合わせて選ぶのがおすすめです。

そしてスペース全体に畳を敷き込むのではなく、コーナー部分やセンター部分に2~3畳の面積だけ置き畳を敷く方法も検討してみてください。

洋室でいうラグのような使い方に近いので、抵抗感が薄れて洋と和両方の雰囲気を同時に楽しめますよ。

 

こんなケースに気をつけろ!失敗しがちなパターン紹介

用途を明確にせずに畳を敷いてしまう

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畳を取り入れたインテリアを考える時にもっとも重要なのは、用途に合っているかという点です。

「この部屋は和室として使う」と決めた部屋に畳を敷くならいいのですが、リビングなどの洋室の一角に畳を敷く時は「なぜその場所に畳を敷くのか」という目的を明確にしておかないと、用途があいまいになってしまいます。

たとえば「寝転んで休める場所として使いたい」という場合、見た目の印象ではなく、横になる人の数や身長によって必要な畳の枚数を決めなければ寝転べる場所として使えません。

必要な枚数を敷くとソファやチェストなどの家具がレイアウトできないとしたら、畳コーナーと家具のレイアウトどちらを優先するかを検討することが大切です。

せっかく畳を敷いたのに用途に合わず、使い勝手の悪さから使わない無駄なスペースになるといったことにならないよう注意しましょう。

湿気が多い場所でカビやダニが発生してしまう

また、畳の原材料であるイ草は自然素材なので、湿気が多い環境だとカビやダニの発生率が高くなりますし、直射日光が当たる場所では変色しやすいです。

畳を敷く位置に合わせて、畳の素材をよく吟味しましょう。

風の通りが悪い場所や窓ぎわに畳を敷く場合は、ポリプロピレンなどでできた畳を採用すると、カビやダニが発生しにくく変色も抑えられます。

 

取り入れたい要素がいっぱい!お部屋別おしゃれ畳コーディネートサンプル15選

和室のおしゃれ畳コーディネート5選

実例1.落ち着きのある雰囲気で客間としても使える

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深みのある茶色の壁や白木の敷居と鴨居といった落ち着いた雰囲気を感じさせる和室には、美しい緑色の畳が映えます。琉球畳を市松敷きにしているため、正統派ながらモダンな印象を与えています。

実例2.天井とおそろいの市松敷きで軽快な印象に

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琉球畳に合わせて天井板も市松貼りで仕上げられたカジュアルテイストの和室。渋いトーンの青色を採用した吊押入との相性も抜群で、気軽に使えそうな雰囲気が魅力です。

実例3.縁甲板との絶妙なバランスがおしゃれ

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広めの和室にあえて畳を敷き込まず、一部を縁甲板で仕上げています。畳とのバランスが整っているためすっきりとした印象で、文机などをレイアウトしやすいため部屋の用途が広がるコーディネートです。

実例4.畳表と縁のコントラストが美しくスタイリッシュ

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淡い色の畳表と濃い色の畳縁とのコントラストによって、スタイリッシュにまとまっています。下方に広がる間接照明の光がやわらかく、シャープさの中に揉ぬくもりを感じられます。

実例5.茶室のような控えめな暗さでクラシカルに

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濃い色で仕上げられた天井と縁甲板、吊押入の中に明るい色の琉球畳を並べ、まるで畳部分が浮き上がっているかのような不思議な感覚に陥る空間です。全体的に明るさを抑えていることでクラシカルな雰囲気にまとまった上質さに惹かれます。

 

リビングのおしゃれ畳コーディネート6選

実例6.ゆったりとくつろげる畳リビング

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キッチンとダイニングから2段上がったリビングが全面畳敷きになっています。LDK全体のナチュラルなテイストに合わせて淡い緑色の畳を採用し、市松敷きで濃淡を出すことで立体感を演出しています。

実例7.オブジェのような畳コーナーで毎日が刺激的

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吹き抜けを活用したステップフロアの下に畳コーナーを設けた実例。深みのある黒色の畳と、天井や壁に採用した明るめの木の色のコンビネーションがとてもおしゃれです。

実例8.フロート式の畳コーナーで立体的に

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ゆったりとした広さのリビングの一部にフロート式の畳コーナーを設置しています。壁ぎわのリビングボードよりも低い高さなので圧迫感がない上に、浮かせた分だけ下部に陰影が生まれ、立体的な空間になっています。

実例9.畳をラグ感覚でリビングに採用

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キッチンとダイニングのフローリングと同じ高さで畳を敷いており、裸足で歩きたくなるような自然味あふれる仕上がりです。和洋折衷の雰囲気なのでインテリアのテイストを選ばず、コーディネートしやすい空間です。

実例10.レトロ感あふれる畳リビング

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ターコイズブルーのアクセントカラーが映えた空間は、どこか懐かしい印象を与えます。明るい緑色の畳縁で軽快さを出しているため、いるだけで明るい気分になれそうなリビングです。

実例11.置き畳で気軽に床座生活を堪能する

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リビングの一角に置き畳を敷いた実例。ライフスタイルの変化や気分に合わせて床座生活を楽しめるコーディネートで、傾斜天井との組み合わせでより開放的なスペースになっています。

 

寝室のおしゃれ畳コーディネート4選

実例12.小上がりの畳スペースをベッドがわりに

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ベッドやサイドテーブルを置くと手狭になりがちな寝室全体に、小上がりの畳スペースを設けた事例。琉球畳で仕上げることで洒落た雰囲気の広々としたベッドスペースとして使えます。

実例13.古民家風の落ち着いた雰囲気に癒される

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やや粗い目の畳が塗り壁としっくりなじんでいるコーディネート例です。畳縁を長押や柱と同じ濃い色でそろえているため統一感があり、色の数を抑えて落ち着いた雰囲気を印象づけています。

実例14.畳縁をそろえてモダンな雰囲気の寝室に

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長手側のみに縁をつけた畳を敷いた寝室の事例。畳を天井板と同じ方向に敷くことで奥行が広がるような錯覚が起き、直線ラインが強調されるためモダンな雰囲気を味わえます。

実例15.ロータイプベッドとの組み合わせで畳を身近に感じる

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ロータイプベッドは生活スタイルの視点が低くなるため、自然素材の畳のよさを体感しやすいです。緑色や黄色の畳を敷くことで芝生の上にいるかのようなナチュラル感を演出できます。

 

まとめ

畳の基礎知識とおしゃれな部屋に仕上げる方法、参考になる素敵な畳コーディネート実例を紹介しました。

人気の高まりに伴ってサイズや色のバリエーションが増えてきている畳は、フローリングとはまた違う上質な空間に仕上げられる内装材。

洋室にはない魅力ある空間をつくりだすために、畳を上手に活用してみてくださいね。

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