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      2022/06/24

【プロが解説】おしゃれなブロック塀エクステリアを実現する方法!化粧ブロックや有孔ブロックの例も豊富にご紹介

橋本朝子
著者:橋本朝子 (一級建築士)

フィンランド在住。法政大学建築学科卒業。建築設計事務所、ガーデニング設計施工会社を経て独立。現在はフィンランドで個人邸宅の庭をはじめ、学校、店舗、公園など幅広い外部空間の設計を手掛ける。設計のテーマは、「毎日の暮らしがより楽しくなるガーデン」。住まいは築50年の住宅。インテリア、ガーデンともにリノベーションを重ねて家族と住む。趣味はアップサイクル。

マイホームのエクステリアに、塀をつくろうかどうか悩む人が意外に多いのではないでしょうか。オープン外構は開放的で良いけれど、おとなりや通行人の視線から家を守りたい、道路と家との間にワンクッションほしい。一方で敷地や道路ぞいにべったりと塀を建てると圧迫感があるし、あまり素敵とは言えません。

玄関回りやテラス周りの目隠し効果・プライバシーと、おしゃれなエクステリアを一挙両得できる、とっておきの方法があります。それも、低コストのブロック塀を利用して実現できます。もちろんおしゃれにするには、ただ塀を建てればよいわけではありませんよ!

今回はブロック塀のウォールでおしゃれなエクステリアを作る、ということにスポットをあてて素敵なエクステリアの実現方法と実例をたっぷり解説しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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来客が憧れる!おしゃれなブロック塀エクステリアを実現する方法

コンクリートブロックを積むことでできるブロック塀は、一般住宅のエクステリアで最もよく使われる建材の一つです。理由としては施工が比較的簡単なうえ、ブロック塀を下地としていろいろな意匠を実現できるためです。コンクリートの塀に比べて経済的、ウッドフェンスに比べてメンテナンスの手間が少ないのも魅力。

一方、塀の面積が増えれば増えるほど圧迫感が増してしまうデメリットも。目隠しになるからといって、敷地ぐるりに無機質なブロック塀ばかりが見えたらあまりに殺風景です。

そこで次に、ブロック塀を利用しておしゃれにする方法をご紹介します。

ブロック塀は、少しずらして配置して変化をつける

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人の目の高さ程度(1.5~1.8m)のブロック塀のウォールで目隠しする際には、高さの違うウォールをずらして配置すると奥行き感がでます。ウッドフェンスや金属性のスクリーンなどを混ぜるとより変化に富んで面白い空間になります。

また、道路からよく見える玄関まわりやウッドデッキ・テラスなど家族の憩いのスペースのみをブロック塀のウォールで隠してみましょう。ブロック塀を建てる場所は玄関前のみ、テラスまわりのみと限定したほうが敷地全体にめりはりがでて、おしゃれなイメージが出しやすいです。

ブロック塀自体を素敵にデザインする

ブロック塀の表面を美しく仕上げする

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ブロック塀の耐久性を高めながら美しくする方法として、表面に仕上げ材を施す方法があります。表面材としては、塗装、吹き付け、左官仕上げ、タイルや石材などがあります。最もコストが低く手軽な方法が塗装です。塗装の際は対候性や防カビ性があり、カラーバリエーションの豊富なエクステリア用の塗装剤から選んでください。

色の定番はモノトーンやベージュなど。白はすっきりさわやかでモダンリゾート風なイメージに。都会的にしたい場合は黒やグレーを。和風にはグレーやベージュ、ダークブラウンが似合います。

既存の塀を、ペイントDIYでおしゃれにする方法もあります。ブロックに合わせてグラフィックな模様を塗り分ける、花柄や植物柄を描いてみる、テンプレートで数字を入れるなど、面白い効果を出すことが可能です。トロンプルイユ(だまし絵)を描いて、扉やもう一つ庭があるように見せる楽しい方法も。

一方、ブロック塀の表面にタイルや石材を貼って仕上げると、とても高級感がでます。対候性が最も高くメンテナンスが楽なメリットも。ただコストが高くなるので、ブロック塀の仕上げは塗装をベースにして、ところどころタイルや石材を取り入れてアクセントにするのがおすすめです。

デザインブロックを使う

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ブロック塀の一部や、ウォール全体にデザイン性の高い穴あきブロックを使用すると、美しいスクリーンができます。適度に目隠しはしたいけれど、明るく軽い雰囲気にしたい、風通しをさえぎりたくないという場合におすすめです。

穴あきブロックは、有孔ブロック、穴あきタイルとも呼ばれます。以前はブロック塀のところどころにポイントで使われていたものですが、思い切って全面的に使用すると印象的なウォールになります。圧迫感のでがちな高い塀、囲われた狭い空間をぱっと華やかなイメージにする効果があります。

穴あきブロックは意外にモダンにも和風にも、いろいろなスタイルになじみます。普通のブロックと組み合わせて変化を出すのにも便利です。ぜひ取り入れてみてください。

デザイン性の高いブロックとして、さらに化粧ブロックがあります。ブロックの側面に色、模様や石材のようなテクスチャーがついているものが多いです。重厚で高級な雰囲気には石調のものを、モダンな雰囲気にはエッジの効いたシンプルなものがおすすめです。

ブロックのウォールまわりの植栽を工夫する

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ブロックで素敵なウォールを建てたら、植栽を取り入れてさらに豊かなエクステリア空間にしましょう。敷地境界から少しセットバックしてあらかじめ植栽スペースを設けておくのがおすすめです。ウォールの足元をふわっと隠すような下草類、ウォールが垣間見えるような株立ちの雑木などを合わせ、奥行き感をさらに演出してください。

植栽に加えて、自然石や砂利を地面に敷くのもおすすめです。常に日陰になってしまう、または乾燥しすぎて下草が育ちづらい部分などにも使え、地面をきれいに保つことができます。植栽全体をさらに自然の風景に近づけることができますよ。

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ブロックの種類別おしゃれなブロック塀エクステリア実例10選

ブロック塀を使って、実にさまざまなおしゃれウォールを実現できます。日本や世界の素敵な実例を、ブロックの種類別にみていきましょう!

基本のブロックをつかったブロック塀実例 5選

基本のブロックを塗装するだけでおしゃれ。目地の見せ方で表情も変わる

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テラスのまわりの普通のコンクリートブロックのウォールに、ブロック塀+塗装は、低コストですぐに実現しやすい方法です。このお庭ではブロックはダークグレーに塗っただけですが、それだけでコンテンポラリーな雰囲気のある素敵なウォールになっています。

写真の例では目地を見せるように、モルタルで下地処理をしないで塗っていますので、カジュアルかつシックに仕上がっています。逆にモルタルで目地を埋めて滑らかな表面にしてから塗装すると、また違った良い雰囲気が出せます。角をまるめると柔らかくリラックスした表情になり、角をシャープにするとミニマルモダンを表現できます。

モルタルでならしたうえに塗装すると、普通のブロック塀が高級に見える

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和風住宅のウォール門柱の例。ブロックの表面をモルタルで表面を均一にならし、目地をうめたうえで塗装をすると、しっとりした和風の塗り壁が表現できます。やや丸みをつけた角で、ソフトに表現。高さの違う壁をずらして配置すると、奥行き感がでます。笹などの地被類を足元に植栽し和風を演出しましょう。

既存の塀は、塗装+ペイントで大胆にチェンジできる

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どの町にもありそうな、ブロック塀とネットフェンスの組み合わせ。でもウォールを黒く塗装して、白い文字をステンシルで表現したことにより、アーティスティックになっています。ウォール門柱をこの手法で表現したらおしゃれですよ。表札や住居表示をペイントしてみてはいかがでしょうか。

ブロックの形を生かして、グラフィック模様をペイントするとおしゃれに

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こちらの例も、既存の普通のブロック塀を素敵にイメージチェンジする方法です。ブロックの目地を植物の茎に見立てて、それぞれのブロックの葉の模様を描いてミッドセンチュリーな雰囲気に。写真ではピンクの下地の色に、白で模様を表現。模様は北欧のヴィンテージファブリックが参考になりそうですね!

普通のブロックをずらして積むと、心地よいスクリーンに

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ごく普通のコンクリートブロックを少しずらして積むと、ところどころスリットの入ったスクリーンに仕上がります。この方法だと圧迫感なくプライバシーを保てる空間を作りやすく、写真のように通りと一枚隔てたところに居心地のよいアウトドアリビングルームを実現することも可能です。

化粧ブロックをつかったブロック塀実例 2選

ライトグレーのシンプルな化粧ブロックを使うと、コンテンポラリーを演出できる

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モダンな表情の出しやすいシンプルな化粧ブロックは、都市型の住宅に良く似合います。写真のブロック塀は、正方形のタイルが並んだような端正な雰囲気。フラットに塗装した幅の狭いウォールを一段奥にずらして配置することで奥行き感が生まれ、さらにおしゃれに仕上がっています。

大きなシンプルなウォールに合わせて、床も大きな要素で表現しましょう。コンクリートの土間は特に都会的な雰囲気に合わせやすいですよ。長方形の大きなコンクリートの床を少しずつずらして隙間に砂利を敷くと現況に合わせやすく、バランスも良くまとまります。

ベージュ色の自然石風の化粧ブロックを使うと、高級リゾート風を演出できる

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マイホームの外壁がベージュ色の吹き付け仕上げの場合は、同じベージュ系のライムストーン風の化粧ブロックがぴったりです。ゆとりのある生活をイメージさせるリゾート風を演出することができます。

写真のように、ウォール門柱の部分のみ高さ1.4メートル程度とし、それ以外の大部分は80センチ程度の低いウォールにすると、コストも抑えつつ表情豊かなフロントガーデンにできます。全面道路からセットバックし植栽ゾーンを設けると、さらにグレードアップして見えますよ!

穴あきブロックを使ったブロック塀実例 3選

ウォール門柱の一部に穴あきブロックを取り入れると、軽やかで明るい感じに

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玄関前やお部屋の前も、穴あきブロックを使ったウォールで印象よく目隠しできます。白く塗装されたブロック塀の一部に穴あきブロックや穴あきタイルを複数埋め込み、明るくさわやかなスクリーンを実現しましょう。お部屋の窓からの風景も、穴あきタイルのスクリーンと植栽でとても良いイメージになります。

グレーの穴あきブロックで、かっこいいモダン和風を演出できる

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穴あきブロックは和風の空間とも相性が良いです。色はグレー、ダークグレー、黒が似合います。写真では、低めの穴あきブロックのウォールをフェンスのかわりに使用。和風にモダンな感性をプラスしています。和風に似合う株立ちの雑木類や下草類を際に植えて、しっとりと仕上げましょう。

ウォールで囲われた庭も、穴あきブロックを使えば解放感を実現できる

こちらは庭をぐるりと塀で囲んだ例です。普通だったら圧迫感や閉塞感のでそうな状況ですが、これも穴あきブロックを上手に利用して解決できます。コンクリートブロックも、穴あきブロックも、目地をモルタルでうめてすべて白く塗装することで、解放感と明るさ、モダンデザインとすべてを実現。

コーナーを利用した小さな植栽スペースに、遊び心がありますね。白と黒のコントラストを生かしたおしゃれウォール、ぜひ参考にしてください。

まとめ

ブロック塀のイメージ、ちょっと変わりましたか?

コストの低いコンクリートブロックでも、使い方次第で実に様々な表情をだせます。高さや幅の違うブロック塀のウォールを組み合わせたり、さらにウッドフェンスや植栽もあしらって、変化にとんだエクステリアができます。まずは一番大事な玄関まわりに取り入れることを検討してみてください。

おしゃれなウォールを導入して、マイホームの外観の印象をアップさせましょう!

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