2022/06/24
【プロが教える】憧れのフレンチガーデンを実現する方法!エッセンスを理解すれば奥行き1.5mでも表現できる
フランスの庭園というと、人によって全く思い浮かべるものが違うかも知れません。それもそのはずです。フランスには華麗なヴェルサイユ宮殿があり、うっそうとしたモネの庭があり、のんびりした田舎の農家の庭があるのですから!どの地方の庭園も魅力的で、人々の印象に強く残る力があるのは間違いありません。
フランスで見られる様々なガーデン、実際はどんなスタイルなのでしょう?どうして皆に愛されているのでしょう?世界中の人が参照しているフレンチガーデンの魅力を徹底解説します!
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目次
プロが教える!憧れのフレンチガーデンを実現するポイント
憧れのフレンチガーデンはどうしたら実現できるでしょう。フランスの歴史的な庭園をはじめ、各地に見られる素敵な庭園をお手本に、日本の庭への取り入れ方を解説しましょう。
フレンチガーデンとは?
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庭園の歴史の中で重要な位置をしめるフランス式庭園は、まるで地面に左右対称に描いた模様のよう。幾何学式庭園ともよばれるこのスタイルは、ルネサンス後にイタリアで発展した庭園がフランスに伝わり独自に発展したものです。ヨーロッパの数ある歴史的な庭園同様、フランス式庭園も城や邸宅の敷地に作られました。
有名なものは、ルイ14世のヴェルサイユ宮殿の庭です。宮殿からまっすぐに伸びた軸線に沿って、鉢や模様を描く芝生、噴水が延々と整然と並ぶ平坦で壮麗な庭です。17世紀の当時大流行したこのスタイルは、フランスを中心としたヨーロッパの各地の宮殿をはじめ大小の庭で再現されることになりました。
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一方、フランスの各地には整形式庭園とは全く違う、ひっそりとした良い庭がたくさん見られます。例えばイギリスに地理的により近いノルマンディー地方にある、クロード・モネの庭が好きな人も多いことでしょう。南にいけば、プロヴァンス地方にも農家風スタイルの素敵なお庭がたくさんあります。地中海沿いの庭は、イタリアンガーデンにそっくりです。
フレンチガーデンは、実はイタリアからもイギリスからも影響をうけているので、イギリスの風景式庭園に近いものから、イタリア式庭園に近いものまで様々なスタイルが見られるのが特徴。両方のいいとこどりができるとは、ありがたいですね!
日本のお庭にフレンチガーデンのエッセンスを取り入れるポイント
日本のお庭にフレンチガーデンのエッセンスを取り入れるとき、次のことに留意してみましょう。
素材の色はベージュが基本。パステルカラーも似合う
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お庭を構成するウォールや花壇の立ち上がり、床材は、ベージュ系の自然石やテラコッタ色のタイルがおすすめです。南フランスのイメージにしたい場合はより明るいベージュ系に。逆に地中海から離れたノルマンディー地方の雰囲気を出す場合は、赤レンガや少し暗めトーンのベージュ色の舗装材をチョイス。
赤い屋根瓦、塗り壁のピンクや黄色がかったベージュ、鎧窓やドアのラスティックブルーやペパーミントグリーンはフランスの建物で見られる色合い。ガーデニングにもこの色使いを生かしたいですね。
庭にフレンチガーデンの要素を組み合わせよう
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お庭にはフレンチガーデンにみられる要素を取り込みましょう。歴史的なフランス式庭園からは、装飾的に刈り込んだツゲの縁取りの花壇のアイディア、トピアリーを使った鉢植え使いのアイディアを拝借しましょう。
フランスの農家風スタイルからは、リラックスした田園の生活を思わせるテラス、家の壁やガーデンアーチをに絡ませたつる性植物、季節の花やハーブ類植えこまれた自然風の花壇を。
彫刻などのアートはフレンチガーデンの最も面白い要素です。歴史的な庭園には、大理石の彫刻が点在しています。フランスのアーティストやデザイナーの家の庭園や彫刻公園からも、外部空間を生かしたアートの楽しみ方のインスピレーションを得ることができますよ。
さらに詳しく!フレンチガーデンをつくるポイントをパーツごとに解説
整形式庭園
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低く刈り込んだツゲで囲われた花壇や、幾何学的に刈り込まれた植物を繰り返し並べる手法は、フランスならでは。一見難しそうですが、日本のお庭で実現しやすく、おすすめです。一年を通して整って見えるのがメリットです。ツゲで囲われた中央にはバラやワスレナグサのような花や、背の高さ程度のコニファーや花木を植えると素敵なアクセントになります。
テラス
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フランス風のテラスには、石灰岩などのベージュ色の天然石や天然石風のタイルなどが似合います。でも他の舗装材でもあまりイメージを外しません。レンガ、テラコッタタイル、砂利、ダスト舗装でもOKです。テラスはのんびりくつろぐ場所なので、テーブルセット、ソファセット、デイベッドなどを置きましょう。
ガーデンアーチやパーゴラ
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ガーデンアーチやパーゴラを取り入れて、つる性植物を這わせましょう。きれいな色が似合うのはフレンチガーデンならでは。窓枠など建物の一部の色に合わせて塗装しても。クライミングローズ、クレマチス、フジなどきれいな色の花が咲くつる性植物が似合います。
ポタジェガーデン
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ポタジェガーデンは、フランス版のキッチンガーデンです。野菜類、ハーブ類、それらと相性の良い花などを組み合わせて構成されます。整形式に作られることが多いのは、管理のしやすさにあります。四角く区切ってあればどこに何を植えたかわかりやすく、花壇に柵状のものがあればや野性動物の食害からも守れます。
どんな植物を選ぶべき?様々な形や色、大きさの植物を植えて、変化をつけよう。
高木類
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庭の背景となってくれる高木類は、フレンチガーデンでは様々な選択肢があります。コニファーの深い緑の背景は、日本ではニオイヒバやイチイで表現しやすいです。単独で円錐形の形が楽しめるエレガンティシマやグリーンコーンもおすすめです。常緑のオリーブやアカシアを植えれば、美しいシルバーリーフが楽しめます。
落葉広葉樹木なら、ヨーロッパカエデやヨーロッパブナをはじめ、イチジクも面白いチョイスです。花木ならサラサモクレン、シデコブシのようなマグノリア類、サルスベリも選択肢に入れてください。
トピアリー
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ヨーロッパの庭園で多用されるのが、低木を幾何学的な形に刈り込んだトピアリー。フランスでは幾何学的庭園を構成する要素として重要な位置づけです。宮殿から農家まで広く取り入れれているスタイルです。鉢植えのものも、地植えのものもあります。刈り込みに適した低木といえば、細かい葉を密につけるツゲ、イチイ、ニオイヒバなどがあります。
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花木のスタンダード仕立てもよく使われるモチーフです。スタンダード仕立てとは、まっすぐで細い幹の上にボール状の枝葉を見せる植物の仕立て方。バラをはじめ、ランタナやフクシアなど様々な植物で作られます。
つる性植物
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ガーデンアーチやパーゴラにはつる性植物がつきものです。フレンチガーデンでは様々なつる性植物が使われます。クライミングローズをはじめ、クレマチス、フジなどは美しい花の色が楽しめるのでおすすめです。
草花類、ハーブ類
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幾何学式庭園の花壇の中に植える花なら、チューリップやスイセンなど春を知らせる華やかな球根類、そろった小花が長く楽しめるワスレナグサなどがおすすめです。フランスの農家風を目指すなら、無造作にラベンダーを列植しても。
花類は、例えばフランスの絵画からヒントを得てみましょう。バラをはじめ、アネモネ、パンジー、ひまわり、ポピー、ジャーマンアイリスなど。
どんなマテリアル・雑貨を取り入れるべき?
「パティナ」ののった装飾品
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フランスの農家風のスタイルにしたい場合、オーナメントを使ってより素敵にお庭をデコレーションすることができます。ここで効果的なのは「パティナ」ののった装飾品。パティナとは時代を経ていい味をだしている、古色のある、という意味です。
家具なら古びたアンティーク調、装飾品なら金色がすこしはげかかったようなキャンドルホルダー、コケのついた大理石の彫像などが似合います。塗装の落ちかけた古い木造のドア、窓枠、鎧戸などは、フランスを表現してくれる絶好のオーナメントです。
鉢類
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フレンチガーデンではお庭の要所要所に鉢植えを使います。鉢自体もお庭の重要な要素。プレーンな形のテラコッタポットをはじめ、カップ型、正方形のものも使ってみましょう。ウッドプランターならシックな色合いに塗装されたものや四隅に装飾のついたものがぴったりです。
複数の鉢植えを玄関や階段に対してシンメトリーに置いたり、壁沿いに同じピッチでリピートさせるとフォーマルでエレガントになります。大小のテラコッタポットをランダムに置けば田舎風に。
現代彫刻
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フランスにはモネの庭をはじめ、ルノワールの家、クリスチャン・ディオール美術館、エトルタ庭園など有名なデザイナーやアーティストの庭が複数あります。現代彫刻も、幾何学式庭園にとりいれると面白い効果が得られます。フランスのアーティストたちから、アートの庭のアイディアをヒントをもらってみませんか。
こんなケースに気をつけろ!失敗しがちなパターン紹介
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地中海を望む南フランスの庭には、白い壁やきれいな色に塗った建具が確かに似合うのですが、床壁天井がすべて真っ白、コントラストの効いた鮮やかなブルーの建具にブーゲンビリアの花が咲いていては、ギリシャのイメージです。
フランスっぽさを出すなら、ウォールの色はピュアホワイトよりはクリームホワイト、もしくはベージュやパステルカラーの風味のあるベージュなどがおすすめです。建具の色は、少しくすみを加えるとなじみやすくなります。
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おしゃれフレンチガーデン実例12選
日本の庭にも取り入れやすい、おしゃれなフレンチガーデンの実例を厳選しました。
フレンチガーデン実例8選
フレンチガーデンを実現するシンプルで簡単な方法
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野外の壁の前に金属製の小さなテーブルセットを置きます。左右対称にコニファーを植えこんだテラコッタポットを配置。フレンチウィンドウは、なくても平気です。かわりに窓際に中古のコンソールテーブルを置き、ペパーミントグリーンに塗装した鎧戸風のウッドスクリーンを立てかけて飾りましょう。
トピアリーを植えこんだ鉢を、同じピッチで並べよう
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スタンダード仕立てにしたコニファーとゼラニウムをカップ型のテラコッタポットに植えれば、それだけもおしゃれな雰囲気になります。これを複数同じ間隔でならべるとフランス風。ウォール沿いや小道沿いのよく見える場所などに向いています。
長方形の小さなスペースで実現できる、整形式庭園
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芝生の庭の一角、または玄関アプローチの脇のちょっとした緑地を、フランスの整形式庭園のようにしてみませんか!1.5メートルくらいの奥行きがあればできます。奥にはゴールドライダーの生垣を。手前には低いクサツゲの刈り込みを。そして中央にはスタンダード仕立てにしたニオイヒバを等間隔で植栽します。
残りの空間には写真のようにチューリップやユリ、ワスレナグサなどの花を植えましょう。生垣の前はアジサイ・アナベルにすればやや日陰になる場所でも秋まで花を楽しめます。
ウォールやゲートでフランス風を表現しよう
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フランス風の建物がなくても、ウォールでフランスらしさを表現することができます。例えば白く塗装したブロック塀の上にレンガや赤い瓦を並べ、緑色に塗装した木製のゲートをつけるとフランス風に。写真のテラスの奥では、古い鎧戸を壁に立てかけて装飾にしています。
芝生の庭の一角をポタジェガーデンにしよう
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芝生の庭の一角を正方形に切り取って、ピンコロ石で十字型の通路を設けましょう。中央には円形の小さな広場を設け、広場の中央にはスタンダード仕立てのバラを。残った緑地に野菜・ハーブ・花類を整然と植えれば、ポタジェガーデンに。
ベージュの自然石の床とパーゴラでラグジュアリーなフレンチテラスに
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フランスの農家スタイルのテラスの床は砂利敷きの素朴さがお似合いですが、モダンでラグジュアリーに再現したい場合は石灰岩などのベージュ色の自然石や自然石風タイルまたはレンガが適切。テラスには大家族で食事できそうな大きなテーブルセット、余裕があれば段の違うテラスにデイベッドを並べると南フランスの豊かな生活スタイルに近づけます。
テラスに設置するパーゴラは、どっしりとした木製のパーゴラよりも細い金属製のものがフランスらしくおしゃれです。緑陰を作る大きな葉を茂らせてくれるのは、ブドウ、キウイなど。フジは花も緑陰も楽しめ、さらにおすすめです。
小さな橋のある池でモネの庭を再現してみよう
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モネの庭の小型版を作りたい、という場合は防水シートを敷いて水をはり、スイレンを育てましょう。池の縁にハナショウブ、キショウブを植えても素敵です。小さな木造の橋を緑に塗れば、だいぶイメージに近づきます。うっそうとした感じを出したい場合は、シダレヤナギを植えても。小型でしだれる樹木では、他にシダレモミジ・アオシダレがあります。
庭に現代アートを飾って、家を美術館にしよう
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おしゃれなフレンチガーデンもいいですが、もっとインパクトを出したい場合は低木の刈り込みと組み合わせた現代アートはいかがでしょう。球や三角系、アブストラクトな形ほど迫力がでます。
玄関まわりのフレンチガーデン実例2選
玄関前に整形式庭園を設ければ、常に美しく保てる
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玄関前に正方形に近い空間があったら、中央に円形の小さな広場を設けた通路にして、両脇を左右対称の整形式庭園にしてみましょう。通路に沿ってひざの高さの低木の刈り込みを設けるだけで、直線と曲線を組み合わせたエレガントな緑のラインが作れます。建物の入り口には左右対称に鉢植えを、円形広場の中心には小さな噴水を置きましょう。
玄関ドア、階段に対して左右対称にトピアリーを配置しよう
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玄関前のテラスが左右対称のデザインなら、フランスの邸宅のエントランスのイメージに近づけるのは簡単です。丸く刈り込んだツゲを大小の鉢に植え、全く同じものを左右対称に置いてください。花の鉢よりも、緑の幾何学形を繰り返したほうがインパクトがでます。
ベランダのフレンチガーデン実例 2選
フジを壁沿いにはわせて、ベランダでも緑陰を楽しもう
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フランスの農家のテラススタイルを、バルコニーでも表現してみましょう。大小のテラコッタにツゲのトピアリーやゼラニウムを植えて並べましょう。壁沿いにはトレリス付きのプランターにフジを植えて、窓の上から垂れ下がるようにすれば、小さなバルコニーでも緑陰を楽しむことができます。
バルコニーに様々な植物のトピアリーを並べてみよう
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バルコニーに様々な植物、サイズのトピアリーを並べてみましょう。ツゲ、コニファー類の他にもローズマリー、オリーブ、ゲッケイジュのスタンダード仕立てもおすすめです。球、円錐形、四角などの幾何学形態の緑が並ぶ様子は、幾何学的庭園を立体的に再現したかのようです。
まとめ
イタリアとイギリス、両方の国から影響を受けているフレンチガーデン。イタリアにもイギリスにもならないフレンチガーデンにするためには、どちらかに偏りすぎない匙加減も大事。フランスならではのトピアリーづかいやパステルカラーを組み合わせて、フランスらしくおしゃれに演出しましょう。
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