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      2019/07/20

【世界のアンティークチェア10選】意外に苦戦しがちなコーデ実例もご紹介

アンティーク家具は、歴史を感じさせる独特の風合いや、品質の良さなど、インテリアとして大変人気が高いです。ですが、「どう選んだらいいかわからない」「古いものだから不安」と、取り入れるのをためらっている方もいるのではないでしょうか。

そんな方におすすめしたいのが、気軽に置けて、いろんな使い方ができるアンティークの椅子です。アンティークチェアの魅力や種類、お手入れ方法までお届けします。

アンティークチェア、その永遠なる魅力とは

①歴史の生き証人。100年を超えて使われ続ける

アンティーク家具とは、1900年代前半~1970年代に作られた家具をさします(※諸説あり)。
まだ機械化されていなかった時代に、人の手によって一つ一つ大切に作られて、今、私たちが生きている時代まで大切に使われ、引き継がれてきました。100年と長い年月と共に、使っていくうちに傷がついたり、汚れたり、色が変わったりと、独特の風合いに変わります。世界中探しても、同じものが2つ作れない、贅沢な「一点もの」になります。

アンティークチェアは、修復をすればずっと使い続けることが出来ます。自分が購入したアンティークチェアを、子供が使って、孫に引き継がれる・・・。まさに一生ものの家具です。

②希少価値が高い。今の時代には手に入らない素材

アンティークチェアの中には、今の時代では、手に入れることが出来ない素材が使われているものがあります。例えばマホガニー材やローズウッド材が挙げられます。

マホガニー材は、艶やかな木味に赤褐色は、とても高級感あふれます。イギリスでは、マホガニー材が好まれアンティーク家具として残っています。しかし、現代ではワシントン条約で伐採が禁止されているので、入手するのがとても困難な材料の一つとなっています。そのため最近の家具では、マホガニー材本来の美しい木目の家具を目にすることはありません。

ローズウッド材は、アンティークでもなかなか見つからない木材です。とても希少価値が高く、最高級家具として扱われています。木目の美しさ、堅くて刃物がダメになってしまうほどの硬さが特徴ですが、こちらもワシントン条約で取引が制限されているので、本物のローズウッドの家具は、少し年代の古いアンティーク家具だけになってきています。

昔に作られたアンティークチェアだからこそ、手に入れることが出来る素材や木目の美しさがあります。それもまた、アンティークの魅力です。

③見た目の美しさを極限まで追求

アンティーク家具が生まれたヨーロッパと日本では、家具に対する考え方が大きく違います。
ヨーロッパでは、日本のようにお部屋のサイズや収納量に合わせて家具が作られていません。見た目の美しさを考えて家具をデザインします。

たとえば「脚」のデザインに注目してください。
一般的な家具は、機械で大量生産することを考えてデザインされているので、均一化できる直線的でシンプルなデザインの脚が多いです。一方でアンティーク家具には、伝統的な脚のデザインがたくさんあります。いろんな意味が込められた脚のデザインは、どれも細部まで凝っていて優雅です。写真のアンティークチェア脚のデザインが、一般的に「猫脚」と呼ばれる「カブリオールレッグ」 です。柔らかいSの字を描く女性らしい曲線が特徴です。一脚を置くだけでも優雅で絵になるのです。

世界で愛されるアンティークチェア10選とコーデ実例

用途に応じた、さまざまな種類のアンティーク椅子が存在します。そのなかで代表的なものを紹介していきます。

【エドワーディアンチェア】唯一無二のデザインを世に誇る

1901年から1910年までの間、イギリスではエドワード7世の治世下だったので、その頃に製作された家具を“エドワーディアン”と呼称しています。“エドワーディアン”のデザインは、ヨーロッパ独特のややアクの強いデザインと捉えられています。代表的な木材はマホガニー材です。

エドワーディアンチェアのコーデ例

華奢なつくりなデザインが多いため、どちらかというと見せる椅子として使うのをおすすめします。部屋の一角に、ご自身で集めたアンティーク雑貨と一緒にレイアウトするだけで、クラシカルな雰囲気に仕上がります。

【ロッキングチェア】温かみを感じさせるアンティークチェア

ロッキングチェアとは、脚の部分に、カーブをつけた板が2本取り付けられている椅子のことです。日本ではゆり椅子とも呼ばれています。座った時に前後に心地よく揺れながら安らぐことができます。椅子の中でもくつろぐにはぴったりのチェアとなってくれますが、それだけでなく、その存在感からインテリアとして、おしゃれな空間にしてくれるアイテムとしても使われています。

ロッキングチェアのコーデ例

海の絵画が映えるカリフォルニアスタイルのお部屋に一脚のブラウンのロッキングチェアを置くことで、ぐっと洗練された雰囲気に。ホワイト×ブラウンは、カリフォルニアスタイルとヴィンテージスタイルのミックスなどに使われる配色です。

【バルーンバックチェア】曲線が美しさをと上品さを引き立てる

バルーンバックチェアは背もたれが風船のように丸く膨らんだ形のチェアのことです。ヴィクトリア時代、とくに1830年代半ば~60年代に流行したといわれています。

バルーンバックチェアのコーデ例

マホガニーで揃えたダイニング。座面のダークグリーンの張地がより上品さを演出します。揃いにくいマホガニーの家具ですが、だからこそ重厚感溢れます。アクセントにゴールドの家具を取り入れると華やかさが増しますよ。

【スプーンバックチェア】やさしい曲線使いが優雅さも温かみも演出

スプーンバックチェアは、椅子の背もたれ部分が、人間の背骨に合わせてカーブしているものをいいます。重厚感のある革張りのものもあれば、ウッドフレームのものもあります。

スプーンバックチェアのコーデ例

生活感を感じないコンクリート壁のお部屋に、「TRUCK」のダイニングチェア、種類の異なるナチュラルブラウンのアンティークチェアを4脚コーディネートし、温かみを演出座面から下は同じデザインで統一、背もたれだけデザインが微妙に違うのにすることで違和感はありません。

【ナーシングチェア】お母さんと赤ちゃんのためのアンティークチェア

ナーシングチェアはお母さんが赤ちゃんに授乳するための椅子のことです。座ったときにちょうどベビーベッド位の高さになるように、一般的な椅子よりも座面高が低く、女性がちょっと腰をかけて座るのに最適です。

ナーシングチェアのコーデ例

寂れたシャビーシックのサロンに、美しいロイヤルブルーが差し色になっています。空間の全てをシャビーシックのホワイト調で揃えてしまうと、寂れた雰囲気が目立ってしまいますが、差し色を入れることで空気感が変わり、印象に残りやすくなりますよ。1脚だけでもヨーロッパのフレンチスタイルが完成します。

【ゲインズボローチェア】英国紳士達が愛したクラシカルな佇まい

ゲインズボローチェアとは18世紀にイギリスで作られた英国紳士の肘掛け付きの椅子のひとつ。アメリカではマーサワシントンチェアとして知られています。高い背もたれ、大きく開かれた側面、短いアームレストが特徴。通常革張りで仕上がっています。

ゲインズボローチェアのコーデ例

お部屋に一脚置くだけで、イームズ のようなミッドセンチュリーモダンが完成します。アンティークなことで、より重厚感があります。

【デスクチェア】英国アンティークの書斎

作業用の机と合わせて使う椅子です。重厚感のある革張りのものもあれば、ウッドフレームのものもあります。

デスクチェアのコーデ例

オーク材のデスクに合わせた、イエロー味が強いオーク材のデスクチェア。座面と背もたれにブラックの革が張られていることでアクセントになっています。全ての椅子の素材がウッドフレームよりは、アクセントで色や素材を入れることによって、より高級感が出て、モダンな佇まいになります。

【アームチェア】リラックスシーンからワークシーンまで幅広く使える

主に肘掛のある椅子のことです。座面が木製のタイプと、布やレザーが張られたクッションタイプがあります。背もたれが高く、重厚感あるもの、ウッドフレームの素材感を楽しむものまで多種多様にあります。

アームチェアのコーデ例

インダストリアルな黒のフロアランプで、格好良さを出しつつ、エレガントなグレージュの張地が引き立つアームチェアの組み合わせです。甘すぎず辛すぎない絶妙な異素材ミックス空間になっています。アンティークのエレガントさを、他の家具で黒色や寒色系を取り入れることで空間が引き締まります。

【フォールディングチェア】木製の便利な折り畳みチェア

フォールディングチェアとは折り畳みできる椅子のことです。木肌の風合いを感じられる自然に溶け込むデザインのものが多いです。ダイニングや家事室、お庭まで用途はさまざまです。

フォールディングチェアのコーデ例

バルコニーやお庭のインテリアとして。グリーンとの相性は抜群です。ブリキの鉢を座面に置けば、ヨーロッパのようなお庭の完成です。ヴィンテージ感を出したい場合は、アイアンの雑貨を取り入れるのがおすすめです。

【キッチンチェア】生活のなかで使う実用性の高い椅子

主にキッチンで使用される椅子です。中でも背もたれ上部に動物の角をモチーフにしたデザインが施されているのが特徴のアイベックスチェアが人気です。

キッチンチェアのコーデ例

渋みのある木色や艶のアイベックスチェアは壁際に飾るだけでも絵になります。カントリースタイルのお部屋だけではなく、クラシックモダンやナチュラルスタイルなど様々なインテリアスタイルにコーディネートしやすいです。

アンティークチェアの修復方法

アンティークチェアを購入後、汚れや傷がついたら・・・と心配なりますよね。アンティークチェアは、自分のお家で簡単にお手入れすることが出来ます。

かんたんな傷の直し方

家具なので、使っているうちにどうしても傷は付きますが、アンティーク家具専用ワックスを、布やスチールウールで傷に塗り込めば、簡単にきれいに直ります。傷や汚れがついてもワックスで手を加えていくことで、より味わい深いものになります。

深めな傷の直し方

深めの傷が付いてしまった場合は、「コピック」という製図の色付けなどに使うペンを準備しましょう。家具によって一番合う色を合わせて下さい。文房具店や画材屋で売っていますよ。
傷がついた部分コピックまたは水性ペンで塗ります。塗り終わったらすぐにいらない布などで余分に付いた部分を拭き取って下さい。仕上げにアンティーク家具専用のワックスを塗りこむことできれいに仕上がります。

アンティークチェアは使っている素材自体が良質なものなので、お手入れすれば風合いを残したまま、きれいになって使い続けられます。

最後に

アンティークチェアといっても、作られた年代や様式で、さまざまなデザインがあります。基本、アンティーク家具は一点物です。選ぶのに慎重になりますが、まずは、インテリアとしても形になる、椅子から取り入れてみるのがおすすめですよ。

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