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      2019/07/20

【永遠のデザイナーズチェア10選】買わずには死ねない名作を徹底解説!

誰しも、一度は手に入れたいと憧れるのがデザイナーズチェア。
しかし、いざ買おうとしてその椅子を探す時、意外とその椅子の名前やデザイナーが誰なのかわからない。そんな方も多いのではないでしょうか。
今回は、有名なデザイナーズチェアをデザイナーと共にご紹介していきますので、今まで知らなかったデザイナーズチェアの新たな魅力と共にご覧いただければと思います。

デザイナーズチェアとは?

デザイナーズチェアとは、建築家やデザイナーがデザインした椅子のこと。デザイナーズチェアが世に出回る以前の様式ばったものではなく、デザイナー自身がコンセプトを持ってデザインした椅子のことを言います。

デザイナーズチェアの歴史


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18世紀末頃に起こったのが、イギリスの産業革命。
そして革命後に、粗悪な工業製品が出回ることに対してウィリアム・モリスらがきっかけで起きた工芸運動「アーツ・アンド・クラフツ運動」があります。「アーツ・アンド・クラフツ運動」とは、手工業による品質の高い製品を生み出し、販売しようといったもので、その後の20世紀のデザイン運動に大きな影響を与えました。

また、19世紀中頃にオーストリアのミハエル・トーネットが曲木椅子を発表したのを機に、デザイナーの個性や志向などが明確に現れたデザイナーズチェアが生み出されるようになっていきました。

その他の家具もそうですが、特に椅子はその時代の特徴や個性が大きく反映される家具です。19世紀中頃から20世紀初めに掛けて、第一次世界大戦の終わりから第二次世界大戦の開始まで、そして第二次世界大戦後以降のデザインには、国柄や時代背景、思想、その時に起きた工芸運動などの影響が顕著に見て取れます。

このように、歴史やその当時の人々の考え方、デザイナーの意図を、時代を超えて感じることができるのが、デザイナーズチェアの魅力のひとつと言えるでしょう。

デザイナーズチェアの魅力

みなさんは、160年ほど前にデザインされた椅子が、未だに世界中で愛用されていることはご存知でしょうか。デザイナーズチェアは、当時の時代背景や個性を持ちながらも、現代でも十分に魅力的な価値を持った椅子と言えます。デザイナーズチェアをデザインしたデザイナーたちは、当時の新たな技術・素材を取り入れた椅子を発表し、常に革新的な影響を業界に与えてきました。

数十年前にデザインされたはずのチェアが、新しく未来的に感じたり、時代を超えて惹きつけられるものを感じる。そういった魅力がデザイナーズチェアにはあるのです。

デザイナーズチェアの価格相場について

デザイナーズチェアには大まかに分けて3つの状態のものがあり、その状態によって値段が変わってきます。

  1. 正規品・・・正規の版権を持ったメーカーが製作した製品であり、10万円以上する高額のものがほとんどあるが、高品質で、アフターサービスや保証が付いているものが多いです。
  2. リプロダクト品(ジェネリック品)・・・版権が切れた製品を正規メーカー以外が製作したものになります。作るメーカーによっては品質が怪しいものもありますが、良いメーカーを見つけられれば数千円〜数万円程度の値段で、憧れのデザイナーズチェアを手に入れられます。ただし、コスト削減などのために品質を抑えたり、材質を本来のものとは違う安価な材料に変えて作っている場合もあるので、正規品とは座り心地が違ったり、耐久年数が短いものなどもあります。また、保証やアフターケアが付いてないものが多いのも正規品との違いの一つです。
  3. ヴィンテージ・・・デザイナーがデザインし販売していた当時のもの。中古品であるため、傷や経年劣化・変化をしている状態のものが多いですが、販売当時ならではの形や素材など、「味」のあるものが多く、そういったヴィンテージものを好むコレクターも多くおります。そして、ものによっては数十万円以上するレアものも存在します。

状態以外の条件でいえば、年代別にデザイナーズチェアを見ていると、現代に近い時期にデザインされ発表されたものの方が、正規品でもまだお安い値段で販売されている印象を受けます。

永遠のデザイナーズチェア10選。これを買わずに死ねない

①ベントウッドチェアNo.14 (Thonet214) 【THONET】

 

デザイナー:ミヒャエル・トーネット(1796年〜1871年)ドイツとオーストリアの家具デザイナー。ドイツの建具職人の元で修行後、1819年に家具職人として独立し、工房を構えました。当時の家具は切る・削るというのが常識でしたが、トーネットは木材を蒸気で蒸して柔らかくしてから曲げる「曲木(ベントウッド)」の技術を開発し、曲木椅子の量産化に成功しました。

1859年に発表されたこの椅子は、1900年代前半にはすでに5千万脚を超えるの販売数となり、160年の時を経てなお世界中の人々に愛用されているロングセラーの椅子となりました。これほど売れた理由の一つに、「ノックダウン(組み立て)方式」により工場から6つのパーツの状態で出荷され、現場で組み立てて販売するという方法をとることで輸送コストを大幅に削減し、量産し出荷することができたからです。そしてこの椅子は、6つのパーツからなるシンプルなデザインであるがゆえに、100年経過したアンティークのものであってもベントウッド部分が割れることなく、座面を張り替えることで使い続けられる椅子となっているのです。

シンプルでありながら高い技術と歴史を感じられるデザインであり、木特有のぬくもりを感じ、軽快で使い勝手の良い椅子と言えます。ダイニングチェアとして数脚置いたとしても圧迫感を感じず邪魔になりません。世界のお洒落なカフェなどでよく使用されているので、流行りのカフェ風インテリアスタイルを作りたい方は、ぜひこの椅子を使ってみてください。
また、160年前にデザインされたとは思えないモダンな雰囲気を持っているので、ナチュラルテイストはもちろん、ガラス製のテーブルなどと合わせてシンプルモダンテイストにしても違和感なく馴染んでしまう椅子なのです。

参考価格:¥117,000(税抜き)
サイズ:幅43cm×奥行52cm×高さ84cm 座面高46cm
素材:ブナ・籐・ポリエステル
カラー:ナチュラル/ダークブラウン

コーデ写真例

ベントウッドチェアに合わせたラウンドテーブルとのコーディネート。座面と同系色の天板と、フレームと同系色のテーブル脚など、違和感なく馴染んでいます。また、床・座面・天板と並行に同系色が配置されることで、空間に広がりができています。

②ヴィエナチェア/ウィーンチェア (Thonet 209) 【THONET】

 

 

デザイナー:アウグスト・トーネット(1829年〜1910年)ドイツの家具デザイナー。ミヒャエル・トーネットの三男。ミヒャエルの後継の5人の息子の中でも、技術や製法の開発など物作りの分野で活躍しました。1869年には現在のチェコ共和国にあるビストリッツェ工場の支配人となり、ビストリッツェ市の市民に愛される名士となりました。また、1873年以来10年の間、同市の市長も社業を行いながら兼務しました。彼は晩年、オーストリア帝国皇帝フランツ・ヨーゼフ1世より、騎士団としてアイアンクラウンの称号を賜る栄誉も受けております。

1871年に事務用肘掛椅子として発売されたヴィエナチェアは、1925年にパリで開催されたアールデコ展の「エスプリ・ヌーヴォー館」にてル・コルビュジェが採用したことにより、世間から脚光を浴びました。そのことからこの椅子は、「ル・コルビュジエチェア」や「エスプリ・ヌーヴォーチェア」とも呼ばれています。コルビュジエはこの椅子をとても気にいっており、プライベートでも愛用していたという話はとても有名です。

アームから笠木まで一本の美しい曲線を描いているベントウッドが特徴的であり、先に紹介したベントウッドチェアNo.14が洗練された美しさならば、こちらの丸く滑らかなフォルムが艶やかな美しさを醸し出しています。事務用の椅子として発売されたことから、書斎での使用はもちろんのこと、ダイニングやリビングに置いてもいいですし、存在感のある椅子なので飾りとして壁際にポツリと置いておいてインテリアのアクセントにしても十分な価値のある一脚です。

参考価格:¥176,000(税抜き)
サイズ:幅54cm×奥行57cm×高さ75cm 座面高46cm
素材:ブナ・籐・ポリエステル
カラー:ナチュラル/ダークブラウン

コーデ写真例

全体的に白・黒・茶色の3色で綺麗にまとめられたコーディネートになっています。デスクの黒色が輪郭を強調する役目をしているので、それと呼応するように椅子の存在感が出てきています。濃い色の茶色と黒色を合わせると男性的なインテリアに感じられますが、椅子の曲線があることで無骨になりすぎず、大人の洗練された部屋といった印象になっています。

③ワシリーチェア 【Knoll】

 

デザイナー:マルセル・ブロイヤー(1902年〜1981年)ハンガリー出身のモダニズムの建築家、家具デザイナー。1919年にドイツのワイマールに設立された国立の建築・デザインの造形学校「バウハウス」の一期生であり、後にバウハウスの教官(マイスター)となる。アメリカに移住し、ハーバード大学デザイン大学院で建築を教えた。また、アメリカで建築設計事務所を開き、数々のモダン建築を残した。

ワシリーチェアは1925年に世界で初めてスチールパイプの加工性と張り地の張力を使って作られた椅子であり、デザイナーのマルセル・ブロイヤーは愛用している自転車のハンドルから着想を得て作ったといいます。名前の由来はブロイヤーのバウハウスの同僚で親交の深かった画家のワシリー・カンディンスキーの誕生日祝いに贈ったため。スチールパイプのフレームに、背・座・肘掛部分はフレームに革を張るだけという線と面で構成されたシンプルなデザインの椅子です。

張り地だけで身体を支える椅子に不安を覚えるかもしれませんが、意外と座り心地の良い椅子となっているので、実用でも問題なく安心して使用できます。シンプルで直線的なモダンデザインの椅子であるワシリーチェアは、四角いフレームに面という構成のためか、不思議と絵画やポスターとの相性が良い椅子です。モノクロから真逆の極彩色のものにまで見事に馴染んでしまうので、絵画やポスター収集の趣味の方にも是非おすすめしたい椅子となっています。

参考価格:¥260,000〜(税抜き)
サイズ:幅75cm×奥行き76cm×高さ77cm 座面高43.5cm
素材:スチールパイプ・皮革・ナチュラルキャンバス
カラー:ブラック/ダークブラウン/ウォームベージュ/トライカラー/シンプリーレッド/ディープパープル/クリーム

コーデ写真例

 

幾何学模様や鮮やかなブルーやレッドを使いながらも、直線的なシャープな形の家具を配置することで、視界がうるさくならず、モダンにまとまったコーディネイトになっています。ワシリーチェアを壁面に配置して、その壁にモノクロ写真を飾っているのも、互いの直線が並行になっているため壁際に窮屈さを感じさせません。

④MRアームチェア 【Knoll】

 

デザイナー:ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ(1886年〜1969年)ドイツ出身の建築家。「より少ないことは、より豊かなこと」「神は細部に宿る」の標語で知られる20世紀のモダニズム建築の代表。また、ル・コルビュジエ、フランク・ロイド・ライト、ヴィクター・グロピウスと共に、「近代建築の四大巨匠」と呼ばれている。有名な「バルセロナチェア」のデザイナーでもあります。

1927年にドイツのシュトゥットガルトのワイゼンホフ展覧会で、新しい建築様式を宣伝することを目的として、家具においても新しい試みを盛り込んだチェアとして発表されたのがこのMRチェアになります。スチールパイプを大きく弧を描くように曲げることで柔らかな雰囲気にし、それまでの冷たく固いイメージを一新させました。また、座面の支持を前後の脚ではなく片側だけで行うカンティレバー構造を用いることで、優雅で軽快感のある一脚となったのです。

すっきりとした印象を与えながらも金属椅子の突き放したような感覚のない椅子なので、ダイニングチェアとして数脚置いたとしても圧迫感はなく、かといって事務的な印象を与えにくい椅子といえます。食事の場が四角四面で事務的なモダンインテリアになりすぎてしまうような部屋でも、この椅子の柔らかな曲線美によって優雅で柔らかい空間を作り出すことができるでしょう。ダイニングなど食事の場には、多少の柔らかさがある方が和やかな気持ちで食事ができるので、ぜひ取り入れてみてください。

参考価格:¥188,556〜(税抜き)
サイズ:幅約49cm×奥行き約69cm×高さ約79cm 座面高約46cm
素材:ステンレス鋼・皮革・籐
カラー:ブラック/ホワイトベージュ/ライトブラウン

コーデ写真例

白色のMRチェアとフォスター・アンド・パートナーズの「Arcテーブル」のコーディネートになります。ガラス・ステンレス・セメント・皮革と、モダンインテリアに欠かせない素材を用いた完成された空間。白色にガラスの透明が加わることで、よりゴージャスでエレガントな印象になっています。90年ほど前にデザインされた椅子と、2010年頃に発表されたテーブルが見事に調和しているのが、デザイナーズチェアのすごいところです。

 

⑤シェーズロングLC4 【カッシーナ】

 

デザイナー:ル・コルビュジエ(1877年〜1965年)スイス生まれで、主にフランスで活躍した建築家。「近代建築の四大巨匠」の一人と言われる。地元の美術学校で彫刻と彫金を学ぶが、建築については後に実地て学んだという。モダニズム建築の提唱者であり、その造形手法はモダニズムの一つの規範となった。鉄筋コンクリートを使った革命的な建築物を生み出した人物。

シャルロット・ペリアン(1903年〜1999年)フランスの建築家、デザイナー。ル・コルビュジエのアトリエにいた時、共同でLCシリーズの家具をデザインした女性。

ピエール・ペリアン(1896年〜1967年)スイスの建築家。コルビュジエの従兄弟にあたり、重要なパートナーとして事務所の建築実務を担当した。コルビュジエ、シャルロットとともにLCシリーズをデザインした。

シェーズロングLC4をはじめ、LCシリーズはよくル・コルビュジエのデザインと言われますが、正確には上に書いた3人の共同デザインなのです。LC4はコルビュジエが「休養の為の機械」と呼んだ寝椅子で、1929年にサロン・ドートンヌで発表されました。体の線に合わせてデザインされた背座のカーブや、弓形のパイプをずらすと寝る角度が自由変えられるなど、現代のエゴノミクスチェア的な要素がすでに見られる椅子です。

雑誌などに掲載されることも多く、デザイナーズチェアと聞いてこの椅子を思い浮かべる方も多いのではないかというほど有名な椅子です。寝椅子なので場所を取りますが、非常にデザイン性が高いので憧れる人も多いでしょう。人気があるのでリプロダクト品が多く出回っていますが、本家カッシーナのサイトを見てみると細部の仕上げへのこだわりや、レザーの厳選、刻印の有無など丁寧に作られていることがわかります。

大きく存在感があり、またデザイン性も高い椅子なので、この一脚を部屋に置くだけで部屋の印象はガラリと変わるでしょう。高級感があるので寝転がってもだらしがなく見えず、何やら知的な作業を行っているようにすら見えてしまう得な椅子です。家でのんびりだらだらだ過ごしているのに、スタイリッシュに見せたい方は是非使ってみてください。

参考価格:¥907,200(税抜き)
サイズ:幅61cm×奥行き160cm×高さ47〜95cm 座面高31cm
素材:スチール・皮革・毛皮・キャンバス・グライド
カラー:(毛)白黒茶混/黒/(キャンバス)ベージュ/(LCX革)ブラック/ホワイト/アントラサイト/スレート/ダークブラウン/ブライアールト/ナチュラル/トープ

コーデ写真例

張り地を毛皮にすることで、モダンインテリアだけではなくエキゾチックなアフリカンスタイルにも対応。旅行土産の現地のお面や置物ってかっこいいけど「部屋にある家具と合わせにくい」なんてことにはならず、動物の毛皮を使うことで互いの距離をぐっと近づけ調和していきます。素材や色といった工夫をすることで、意外とモダン家具と手工芸品を合わせることもできるという良い例。
コルビュジエがこれまでの建築とは違うモダニズム建築を提唱したように、固定観念を捨てて新たな組み合わせを考えてみるのもインテリアの楽しみ方と言えます。

⑥パイミオチェア 【アルテック】

 

デザイナー:アルヴァ・アアルト(1898年〜1976年)フィンランドの建築家、都市計画家、デザイナー。20世紀を代表する世界的な建築家で、スウェーデンのグンナール・アスプルンドと並び、北欧近代建築に影響を与えた人物。元々は新古典主義に基づいた作風であったのが、のちにモダニズムへと転じていった。モダニズム空間に相反するフィンランドの伝統的材料の木材を使い、モダニズムには珍しく曲線と木材を使用した独自のモダニズムのあり方を押しすすめていった。

パイミオのサナトリウムの結核患者のために、1931年にこの椅子は作られました。患者が腰掛けた時に呼吸が楽になるよう背もたれの角度が設定されているのです。フレームも座面も木材を積層して曲げ加工した「成形合板」を使用して作られており、この成形合板を使用した製法は当時めずらしいもので、アアルトはその先駆けでした。

角が丸みを帯びた形は北欧家具の特徴的なところの一つであり、それでいて四角形を組み合わせたような形が、アアルト独自のモダニズムの造形美を感じられます。患者が触れることを考えて作られているためか、見る人に優しい印象を与える柔和な椅子で、部屋全体を柔らかい印象にしてくれます。ホワイトはもちろんのこと、ブラックのタイプもキツイ印象はなく、リビングのくつろぎの空間に適した椅子と言えます。

参考価格:¥430,000(税抜き)
サイズ:幅60cm×奥行き80cm×高さ64cm 座面高33cm
素材:バーチ材
カラー:ブラック/ホワイト

コーデ写真例

白を基調とした北欧モダンスタイルのコーディネートプランです。クッションや収納棚の表面には幾何学網様があり、全体的に四角形を意識したインテリアでまとめられたところなどはモダンテイストですが、木の素材や明度の高い無彩色と薄いベージュの組み合わせ、パイミオチェアの曲線などが、優しい印象を与える北欧モダンスタイルとなっているコーディネートです。パイミオチェアの特徴を上手に使った、コーディネート例と言えます。

⑦Yチェア CH24 【カール・ハンセン&サン】

 

デザイナー:ハンス・ウェグナー(1914年〜2007年)デンマークの家具デザイナー。13歳から家具職人の下で修行を始め、生涯で500種類以上の椅子をデザインし、20世紀のデザイン界に多大な影響を与えた偉大な家具デザイナー。1984年にはデンマーク女王よりナイトの称号を与えられるほどである。Yチェアのほか、「チャイニーズチェア」「ピーコックチェア」やケネディ大統領が使用したことでも知られる「ザ・チェア」をデザインしている。

販売開始した1950年から60年以上経過した今も生産販売が続けられているロングセラー商品であり、フレームは木材(ビーチ材やオーク材、ウォルナット材など)座面はペーパーコードという素材からできています。このペーパーコードというのは、デンマーク産のパルプからできており、皮や布張りと同じくらい頑丈にできています。また、汚れがつきにくく、使い続けるうちに身体に馴染んでいき、夏は蒸れにくく冬は暖かく感じられるという特徴を持っています。

フレームの木材の表面仕上げは3種類あり、木の木目と質感を楽しめるソープフィニッシュと木目を活かしつつ濡れ色になるオイルフィニッシュ、木目を隠したウレタン塗装仕上げがあります。ウレタン塗装はカラーラインナップが非常に豊富なので、お好みの色を選択することができます。またこの椅子は、手入れが簡単であり、長く使用することで木の表情に深みが出てくるので経年変化を楽しむことができます。手入れを行いながら生涯使用し続けることができるような椅子なので、一生のお供の一脚としておすすめします。

参考価格:¥84,000〜¥164,000(税抜き)
サイズ:幅55cm×奥行き51cm×高さ76cm 座面高45cm
素材:ビーチ・オーク・ウォルナット・ペーパーコード
カラー:ナチュラルウッドカラー(ビーチ/オーク/ウォルナット)/ブラック/ナチュラルホワイト/ジャパンレッド/ミントグリーン/スプリンググリーン/ライムグリーン/ライトグリーン/アイボリーホワイト/ライトブルー/ペトロールブルー/ダークブルー/アズーレブルー/ライトパープル/ラベンダーパープル/ダークパープル/オレンジレッド/ベリーレッド/スチールブルー/ペトロールグリーン/グラスグリーン/オリーブグリーン/バニラホワイト/シルバーグレー/アンスラサイトグレー/パープルブルー

コーデ写真例

Yチェアの豊富なカラーラインナップを上手に使ったコーディネートです。全体のベースカラーは白色であり、そこにグリーン系の別々のカラーの椅子を一脚ずつ配置してグラデーションを作っています。全く同じ色のグーリンの椅子を置くとポップになりすぎてうるさく感じてしまいますが、濃いグリーンから薄いグリーンまでを置くことで、色の滑らかな変化を取り入れ、爽やかで洗練されたコーディネートになっています。

⑧スーパーレジェーラ 【カッシーナ】

 

デザイナー:ジオ・ポンティ(1891年〜1979年)イタリアの建築家、インダストリアルデザイナー、家具デザイナー。また、建築・デザイン雑誌「Domus」を創刊し初代編集長を務め、国内外のデザイン界へ多大な影響を与えた人物である。多岐にわたって重要なデザインシーンに携わり、戦後のイタリアのデザイン界を牽引してきたことから「イタリア建築・デザインの父」と呼ばれました。

スーパーレジェーラとは「超軽量」という意味で、実際この椅子の重さは1700グラムほどとなっております。フレーム部分は細く足先の断面は18mmほどの三角フレーム。座面は現在では貴重な技術とされる籐の手編みである。籐編み職人の工房に工場から組み立てたフレームを送り、籐の座をフレームに編み込んでから、また工場へ戻すという手間のかかる工程を行いながら、一つ一つ丁寧に作られています。

細身でシャープなデザインであり、非常に軽くて持ち運びが簡単なので、普段は壁際に飾りとして置いておき、来客時にはダイニングチェアとして活躍させるような使い方もできますし、天気の良い日には窓際まで持ってきてそこに座って読書を楽しんだり、キッチンに運び込んで一人で晩酌を楽しむ時に使ったりと、決まった場所に置きっぱなしにするよりも、シーンによって移動させて使うことのできる椅子と言えます。

参考価格:¥166,000〜(税抜き)
サイズ:幅40.5cm×奥行き45cm×高さ83cm 座面高45.5cm
素材:アッシュ材・籐・オリジナルファブリック・革・カバリング
カラー:フレーム(籐)ナチュラル/ブラック/ホワイト/(カバリング)ナチュラル/ブラック染色/ホワイト染色/レッド染色/(コンビネーション)ブラック×ホワイト

コーデ写真例

コンビネーションカラーのフレームのスーパーレジェーラと黒フレームのスーパーレジェーラの2脚とイタリアのメーカー「ピエトロルッソ」のダイニングテーブルとライトを合わせた、まさにイタリアンモダンコーディネート。コントラストのはっきりとした2色使いの家具を効果的配置しており、空間全体の白くぼやけた感じを上手く引き締めています。

⑨イームズワイヤーチェア 【ハーマンミラー】

 

デザイナー:チャールズ・イームズ(夫)(1907年〜1978年)レイ・イームズ(妻)(1912年〜1988年)アメリカ合衆国のデザイナー、建築家、映像作家。夫婦で積層合板やプラスチック・繊維強化プラスチック、金属・ワイヤーといった素材を用いて、20世紀の工業製品デザインに大きな影響を与える作品を多数発表した。合板の成形装置を発明するなど、成形合板技術を発展させた。

ワイヤーのみで形成されたこの斬新な椅子は、それ以前に発表していたプラスチック製の「イームズシェルチェア」のフォームのままで、1951年に発表されました。イームズのデザインコンセプトである、リーズナブル・実用性・デザイン性を見事に表現したワイヤーチェアは、半世紀以上に渡って世界中で愛され続けています。

「オブジェのような椅子」などと表現されることもあるこの椅子は一見華奢で繊細そうに見えますが、フレームを2重構造にすることで高い耐久性を持った、実用的な椅子なのです。細いワイヤーで構成されているため、圧迫感が全くなく、狭い空間であっても視界を遮ることがありません。また、丸みを帯びたフォルムをしているので、金属製特有の冷たく固い印象もなく、空間の邪魔になることがないのです。この椅子のワイヤーの組みは大変美しいので、陽の当たる窓際などに置いて、床にできた影を見ても楽しめます。

参考価格:¥95,00〜(税抜き)
サイズ:幅50cm×奥行き52.5cm×高さ84cm 座面高42cm
素材:クローム・本革(シートパット)
カラー:(フレーム)クローム/ブラック/ホワイト/(パッド)アイボリー/ブラック/グラファイト/オリーブ/ハニー/キャニオン

コーデ写真例

ウッドと金属素材を上手に組み合わせたインダストリアルテイストのキッチンコーディネートになります。冷蔵庫やシンク・引き出しに加え椅子まで金属にした場合空間が重くなりすぎてしまうことがありますが、イームズワイヤーチェアのように細いワイヤーで構成されていることで、空間を圧迫することなく素材同士のバランスが上手にコーディネートされています。

 

⑩チューリップチェア 【Knoll】

 

デザイナー:エーロ・サーリネン(1910年〜1961年)フィンランドの建築家エリエル・サーリネンの息子。建築家、プロダクトデザイナーとしてアメリカで活躍。シンプルで印象的なアーチ状構造を作品に多く取り入れた人物。また、クランブルック美術大学在学中に、イームズ夫妻と知り合いました。

回転機能を持つ1本脚のアルミニウムベースから構成され、1本脚で曲線を描く形状がチューリップの花に似ていることから「チューリップチェア」と名付けられました。プラスチックのシェルとファブリックかレザーのシートパッドで構成された椅子であり、1956年に発表されました。

60年以上前にデザインされたものなのに、不思議と近未来的な印象を受ける椅子です。本体部分はホワイトかブラックの2色から選択でき、シート部分は多様な色から選べるので、貼り地の色をアクセントカラーとして上手に使うことで、インテリアの表情が変わってくるでしょう。ミッドセンチュリーインテリアの空間を作りたいならば、この椅子は非常に効果的な空間のアイコンになるでしょう。また、回転機能のついた椅子なので、ダイニングはもちろん書斎での使用も可能です。

参考価格:¥231,000(税抜き)

サイズ:幅49cm×奥行き53cm×高さ79cm 座面高47cm

素材:アルミニウム・プラスチック・ファブリック・皮革

カラー:ホワイト/ブラック

コーデ写真例

座面のイエローをアクセントカラーにしつつも、同系色で明度と彩度の違う茶色があることで、悪目立ちすることなく程よく空間にメリハリをつける役割を果たしています。また、ミッドセンチュリー期のデザインであるチューリップチェアはポップな印象になりやすいのですが、ホワイトで全体とまとまることで、変にはしゃいだ印象にならず、むしろ丸みを帯びたデザインが柔らかく空間に効いています。

 

最後に

以上、10脚の椅子を①から年代順に紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。椅子とともに時代背景を見ることで、なぜその椅子がこの世に生まれてきたのかも見えてきます。それは新たな加工技術や量産システムの確立、新素材の採用やエゴノミクスといった技術の進歩の影響。もしくは、曲線的デザインから直線的デザインへ、そしてモダニズムなどの芸術運動の流れ。そういったものが、その時代の椅子を変化させていきました。

そしてそのようなデザイナーズチェアが生まれたことで、今日の私たちの身の回りにある量産型の家具の中にも、かつての有名デザイナーたちの意志が受け継がれていたりするのです。

そんな奥深いデザイナーズチェアは、ご紹介したもの以外にもまだまだたくさんありますので、ぜひお気に入り一脚を探してみてください。