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【プロが教える】苔を使ったおしゃれなお庭を実現する方法。苔の魅力にハマる。小さなスペースからチャレンジしよう

橋本朝子
著者:橋本朝子 (一級建築士)

フィンランド在住。法政大学建築学科卒業。建築設計事務所、ガーデニング設計施工会社を経て独立。現在はフィンランドで個人邸宅の庭をはじめ、学校、店舗、公園など幅広い外部空間の設計を手掛ける。設計のテーマは、「毎日の暮らしがより楽しくなるガーデン」。住まいは築50年の住宅。インテリア、ガーデンともにリノベーションを重ねて家族と住む。趣味はアップサイクル。

苔むした森や苔寺の雰囲気が好きな方、苔をみるとなんだか癒されるとお感じの方、苔をガーデニングや庭づくりに取り入れてみませんか。生育環境に敏感な苔を生育するということは、苔の生えるような環境をつくるということでもあります。みずみずしい緑の苔が育つ環境なら人間にも心地良いはずですね!

今回は苔を使って自宅におしゃれなお庭をつくる方法について解説。苔の特徴をつかんで、素敵なお庭を実現してみませんか。和風の庭だけでなく、洋風の庭に苔を取り入れる方法もご紹介しますよ!

苔を取り入れたおしゃれなガーデンを実現する方法

苔とガーデニングデザインのポイント

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コケ植物としての苔のサイズは小さく、長く伸びても数センチ程度です。苔は広がって緑のマットのようにもなりますが、岩の1センチに満たない隙間に育っていることもあります。その小ささを利用すれば、ミニサイズのガーデニングができます。逆にマット状に広がった苔を使えば広い面積をカバーすることも可能。

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苔が育っている環境を観察してみましょう。樹木の根元や石の間、水が流れる場所、湿っぽい砂地やコンクリートの上に生えていることもあります。苔は種類によってそれぞれ合う環境が違いますが、どちらかというと日陰で湿っている場所を好みます。我が家の庭で苔のある庭をつくる場合も、苔が好む環境にしましょう。

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もし近隣地域で苔が一切見当たらないなら、そもそも苔が生育しにくい環境かも知れません。そんな場合は、苔のように見える他の地被類を代わりに使う選択肢も視野に入れてください。例えば写真のアイリッシュモス(サギナ)は苔によく似ています。乾燥が激しいなら、背の低いセダム類もおすすめです。

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苔のガーデニングは初めてなら、最初は小さく取り入れるのがおすすめ。例えば鉢植えを利用すると良いでしょう。慣れてきたら徐々に苔のエリアを増やしていけば無理なく楽しめます。苔に適した環境の庭なら、地面を苔に敷き詰めて苔庭にしてみたいですね。地面だけでなく、壁面や岩の表面に苔が生えていても素敵です。

苔の特性をおさえよう!取り入れ方別おしゃれなガーデニングのポイント

苔の利用法は様々。苔の特徴を生かせば思いがけない素敵な演出ができますよ!

苔のサイズを利用して、小さな世界をつくろう

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苔を手に取るのが初めてなら、まずは容器の中で育ててみましょう。お気に入りの鉢やプランター、ガラスの容器などに、苔のある小さな世界をつくってみませんか!例えば陶器の鉢の縁に小さなシダを植えてその他の部分に苔をはりつければ、森の中の沢の縁をテーブルの上で再現できます。

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洋風のお庭づくりを目指しているなら、花と合わせて洋風の鉢に苔をアレンジしましょう。花苗はあえて単独で植えて空間を多くとり、土の面を苔で覆うとバランスよくまとまりますよ。スノードロップやスイセンなど春の球根植物の足元に苔をあしらえば、早春の林床のようなイメージに。

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苔を草原のように見立てれば、より壮大な風景の再現も可能です。小石や砂利、ミニサイズの植物を組み合わせて丘や谷、小川など自分だけのランドスケープを創造してみましょう。

苔の近くに水景をつくれば、湿度を保ちやすい

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苔が好むのは、日陰で湿った環境。湿度を保つために頻繁に潅水するのも良いですが、苔の緑を長く保ちたいならお庭に小さなウォーターガーデンを取り入れて苔が好む自然の状態に近づけましょう。例えばヤマモミジの下のある蹲や石灯籠などは苔が自然に生えやすい場所です。

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洋風のお庭なら、石やコンクリート製のファウンテン、レンガや石貼りの壁泉でウォーターガーデンを取り入れると苔むした雰囲気にマッチします。

緑の面としての苔を庭づくりに利用しよう

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苔がマット状に育つことを利用して、地面を一面の苔にしてみましょう。日陰で乾燥しすぎることのない庭なら苔庭にするチャンス。写真のように他の場所より低くなっている場所も理想です。緑のマットの中に小道や飛び石を配置すると歩きながら苔庭を楽しむことができますね!

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モダン建築の中庭にも苔の床がよく似合います。コンクリートの無機質さや真っ白でシャープな壁面と、ふわふわした緑のマットのコントラストが鮮やかに目にうつります。

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垂直面で苔の緑を楽しむこともできます。石積みのウォールの隙間に苔や小さなシダを植えれば、森の中のような雰囲気に。ミズゴケを金属ネットで取り付けたボードに苔や流木をアレンジして壁に飾っても。

垂直面で苔を楽しむ場合、地面に比べたら乾燥しやすいので難易度は少し上がります。半日陰・風通しが少ない場所で育て、定期的に水をスプレーして緑を保ちましょう。

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苔は下地さえあればどんな形にもすることができます。立体の表面に苔をはやせば、緑のアートとして楽しむことができます。人型、アニマル型、抽象的な形など可能性はさまざま。苔むした石やコンクリート製の彫刻は時代を経てきたような良い雰囲気を醸し出し、魅力的なお庭のアクセントになります。

苔と合わせて使いたい!相性が良い植物・マテリアル

苔と合わせて植栽したい相性が良い植物はこれだ!

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自然の環境の中で苔と共生している植物なら相性バッチリです。シダ、マメヅタ、ヤブランならナチュラルなイメージに。和風庭園に使う植物なら、高木や低木、宿根草類に至るまで苔と相性が良いと言えます。ただし地面にびっしり密着する地被植物よりも、苔が生息する隙間を与えるような植物がベター。

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欧米ではガラスの容器の中に小世界をつくるテラリウムをはじめ、鉢植えの観葉植物や球根植物の足もとに苔をあしらうのが人気。多肉植物の寄せ植えにも苔が似合います。様々な植物と苔を組み合わせて楽しめますが、苔と同様に弱酸性~酸性土壌を好む植物を選ぶと良いですよ。

苔と合わせて使いたいマテリアルはこれだ!

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苔は石材とよくなじみます。和風なら飛び石や石組み、蹲、石灯籠など。白砂や石組みと合わせれば禅の庭を表現できます。洋風なら石積みのウォール、敷石、石製のファウンテンや彫刻など。石の表面や石の隙間に苔が生えると、しっとりした風情になります。

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流木や枯れ枝も苔と相性よくまとまります。例えば鉢の中に起伏をつけて苔を張り付け、流木をあしらえば森の中のような雰囲気に。流木は塩分のない、湖や川から採取されたものを使いましょう。

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苔を利用したミニチュアの風景を目指すなら、スケールの小さいフィギュア類が役立ちます。人や動物に加え、建物、家具類などを使ってみましょう。

後悔したくない!気になる情報も事前に検討しておきましょう。

苔のお庭のデメリットは?

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苔は生育する環境を選ぶため、適切な施工とメンテナンスが必要です。苔の種類に適した環境を用意しても、降雨が少ない、風が強いなどの理由で短い時間で乾燥してしまうことも。苔は蒸れにも弱いので、水分が多すぎると茶色く変色してしまうこともあります。

専門家によるアドバイスを受けた設計施工、およびメンテナンスが一番ですが、その分コストがかかります。一般的に、フリーメンテナンスの庭が欲しい人には、苔の庭は不向きといえるでしょう。

苔のお庭にする場合どれくらい費用がかかるの?

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苔の庭の取り入れ方は大別して2種類。苔を細かく砕いた「苔の種」をまく方法なら、用意した下地にまくだけ。面積が広い場合におすすめです。低コストで始められますが、一面の緑の苔にするまで時間がかかります。価格帯は2㎡程度で4000円前後です。

苔を張り付けたり苔マットを敷き詰める方法なら、すぐに緑を楽しむことができます。面積が小さい場合や鉢植えなどにおすすめです。価格帯は、0.2㎡で2000~4000円前後です。

苔のお庭は手入れが大変?メンテナンスはどうする?

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苔には、剪定や施肥などの手間がない一方、湿度の管理が必要です。他の植物に比べてより頻繁に乾燥状態をチェックしましょう。苔の表面、地面が乾燥している場合は潅水してください。雑草が生えてきたら除去しましょう。

苔の通販をしているKOKEYA.comさんのサイトでは、経験から培われた苔の選び方やメンテナンス方法も紹介していますのでぜひご覧ください。

プロがおすすめする初心者にもおすすめの定番苔3選

岩を覆うように育つ、ハイゴケ

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日本の野山で普通に見られるハイゴケは、入手しやすく比較的育てやすい苔です。岩や樹木にそうように、水平方向に伸びながら育ちます。やや日当たりと乾燥に耐えるので、初心者向けです。乾燥するとぱりぱりになりますが、水を与えると復活します。コケ玉やテラリウムによく利用されるのもハイゴケ。

土がなくても育つほど強健なスナゴケ

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日本の砂地や岩の表面などに普通に見られるスナゴケは、流通が多く手に入りやすい苔。環境の変化に比較強く、日当たりや風当りにも耐えます。土の層が極端に少なくても育ちます。葉が短いうえ細かく、より密なマットになります。地面に敷き詰めても壁面に貼り付けてもOK。多肉植物と合わせても素敵です。

ふわふわした苔ならカモジゴケ

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苔の中でも10センチ程度までこんもり背が高く育つカモジゴケは、日本の森や林の中で見ることができます。ふわふわの毛のような葉が魅力。比較的栽培が簡単な苔ですが、半日陰で極度に乾燥しない涼しい野外で育てましょう。やや大きめの苔なので、ボリューム感を出したい場合におすすめです。

プロが教える!苔を取り入れたおしゃれなガーデン実例12選

苔×洋風のお庭 のガーデン実例 5選

鉢植えの地面を苔で覆えば、ナチュラルな仕上がりになる

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球根植物や多肉植物、または観葉植物の鉢植えの地面を苔で覆ってみましょう。苔があることで、よりナチュラルで美しい仕上がりになります。

浅鉢に苔を詰め込めこめば、室内でも苔庭が堪能できる

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直径40センチほどの浅鉢は、小さな苔庭を始めるのに手ごろなサイズかも知れません。シンプルなファイバーセメントのポットならモダン住宅の庭にもぴったりです。通常は半日陰の野外で管理して、時々室内に持ちこんで飾っても良いですね。

芝生はいっそやめて苔庭にすれば、北欧の森にいる気分に

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一日のほとんどが日陰になってしまう庭なら、芝生が思うように育ちません。風当りがなく適度に湿気があるならむしろ苔のほうが向いています。コニファー類、シャクナゲやツツジ類、ビルベリーやコケモモ、シダ類など北欧の森で育つ植物を合わせて、自宅の庭で北欧の森の気分を味わってみませんか。

グラフィカルに並べた小石の隙間に苔を育てれば、模様を引き立てる

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じめじめした暗い玄関アプローチを劇的に素敵にする方法として、白と黒の小石をドライモルタル下地に並べて模様を描いてみましょう。それだけでも魅力的ですが、目地に「苔の種」をまいて数か月待てば、石の間が緑色に染まって自然と人工の美の共演が楽しめます。

ウォーターガーデン×苔なら、自然に近い環境で苔むす

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小川が流れるシェードガーデンを作ってみませんか!小川のまわりは苔に最適な環境。夏は涼を呼び、その他の季節も水の流れる音や苔の緑に癒されること間違いなしです。

苔×和風のお庭 のガーデン実例 5選

苔むした石なら、たった一つ置くだけで雄大な風景を演出できる

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形の良い石があるなら、石の上で苔を育ててみましょう。石のへこんでいる部分に苔を張り付ければ石一つで和の風景が再現できますよ。盆栽の脇に置いて、断崖絶壁に力強く育つ植物を演出しても。

テラリウム×苔なら大きな日本庭園も実現できる

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庭のない自宅で大きな日本庭園を実現する方法があります。ガラスの容器に砂を入れて、丘や谷などの起伏をつけて地形をつくりましょう。形のよい小石を選び石組みをしたら、苔と白砂をバランスよく配置。市販のフィギュアや銅製の鹿の置物を飾ればスケール感が生まれます。

苔を抽象的な形に貼り付ければスタイリッシュ

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モダン和風にも苔が役立ちます。苔はコンクリートや砂利と相性のよい素材。例えばコンクリートの床を抽象的な形にくりぬいた形にあわせて苔を貼り付ければ、ミニマムな美しさが生まれます。

飛び石の間、白砂に苔を合わせれば洗練された禅の庭風に

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和風やモダン和風の延段や飛び石の間には、苔がベストマッチ。白砂を敷き詰めた禅の庭風にも苔が活躍します。石組みの間や植栽どうしをまとめて「島」を表現するように、苔を隙間なくはりつけましょう。

モダン和風に

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和の庭のシンボルツリーの足元にも苔が似合います。シダやリュウノヒゲ、ヤブコウジなどを合わせると緑の濃淡が美しいうえ、より日本的な奥ゆかしさのある植栽コーナーになります。

苔×独自のスタイルを突き進むお庭 のガーデン実例 2選

アンティークのベッドフレームを利用すれば、憧れの苔のベッドが実現できる

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苔のベッドで寝てみたい人!アイアンのフレームのベッドで、憧れのモスベッドを作ってみませんか。ミズゴケで下地を作った後、苔を貼りつけましょう。ところどころにスイセンの球根を仕込んでおけば、春には文字通りフラワーベッドになりますね!

苔で緑の屋根を表現すれば、ファンタジーの世界が実現できる

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庭の一角に、小さなフェアリーランドを作ってみませんか!石積みの低い壁に窓やドアをつけ、屋根と周囲に苔を貼りつけましょう。素敵な遊び心のある演出をすれば、見学に来る人が後を絶たないかもしれませんね。

まとめ

メンテナンスの手間はかかるものの、苔ならではの雰囲気は魅力的。鉢植えなどで小さくはじめて、メンテナンスに慣れてきたら徐々に増やすのも良い方法です。苔は様々なサイズで使えます。手のひらにのるほどの苔を小さな容器に飾っても良いし、床一面に広がる苔の庭にすることもできます。

苔は下地さえあれば様々な立体物の表面で育てることも可能。ただし苔の生育にはある程度の水分が必要です。頻繁に乾燥具合をチェックし、潅水しましょう。水しぶきがかかるようなウォーターガーデンの近くなら、苔の生育に向いています。苔の特性を生かして、自分ならではの素敵な苔庭を実現しましょう!

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