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      2022/06/24

【プロが教える】ツツジを使ったおしゃれなガーデンを実現する方法!日本自生のツツジは日本の気候にぴったり

橋本朝子
著者:橋本朝子 (一級建築士)

フィンランド在住。法政大学建築学科卒業。建築設計事務所、ガーデニング設計施工会社を経て独立。現在はフィンランドで個人邸宅の庭をはじめ、学校、店舗、公園など幅広い外部空間の設計を手掛ける。設計のテーマは、「毎日の暮らしがより楽しくなるガーデン」。住まいは築50年の住宅。インテリア、ガーデンともにリノベーションを重ねて家族と住む。趣味はアップサイクル。

少々日陰の条件の悪い環境でも生き延びて、常緑なうえ目立つ花が咲いて、大きくならず手のかからない木を植えたい。そんな都合の良い植物があったらよいですよね。公園を見てみてください。ツツジの種類がよく植えられていますよね。ツツジはローメンテかつ美しい花の咲くガーデニング初心者向けの低木なのです。

でも、それおしゃれなの?そこで今回はツツジを使って一般家庭の庭をおしゃれにする方法について解説します。ツツジといっても色々な種類があります。育てやすいツツジの種類や、合わせるとより素敵に見える植物やマテリアル、日本でも実現可能な海外のガーデン実例などもたっぷりご覧くださいね。

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ガーデニングが好きな方なら、書店で一度は庭に関する本を手に取ったことがあるかも知れませんね。インターネットでどんな情報も簡単に手に入ってしまう時...

ツツジを取り入れたおしゃれなガーデンを実現する方法

ツツジの特徴とガーデニングのポイント

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ツツジにはたくさんの種類があります。ツツジ科ツツジ属の中に常緑のサツキツツジ、クルメツツジ、ヒラドツツジ、シャクナゲがある一方、ミツバツツジ、レンゲツツジのように落葉のものがあります。小さな葉に対して大きくて華やかな花をつけます。花色はピンク系を中心に、白、赤、黄色、オレンジなど多様。

ツツジ類はもともと日本に自生していた植物なので、日本の気候に適しています。管理も比較的容易で剪定や刈り込みによって好きな形に整えられるものが多く、公園、マンションやビルの緑地など公共の緑化に欠かせない素材。

常緑低木で花が咲くツツジは、その特徴を生かして多種多様な使い方ができます。ツツジをつかっておしゃれな庭にする方法として、次をご覧ください。

地植えでも鉢植えでも!ツツジでおしゃれなガーデンを実現する方法

ツツジ×地植えの場合

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常緑低木のツツジなら、他の大小の植物と合わせて使ってみましょう。例えば高木のシンボルツリーの足元を隠したり、草花中心のボーダー花壇の奥を埋めたり。春から初夏に枝いっぱいに花をさかせてアピールし、花後は常緑低木として緑の背景を作ってくれます。

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ツツジを庭のハイライトとして使うこともできます。やや大きく育つツツジ類なら単独で家のシンボルになる花木として使うこともできます。また少しずつ花色の違うツツジを何種類も植えたり、群植したツツジを刈り込んだりすれば花のシーズンに見事な光景が実現できますよ!

ツツジ×鉢植えの場合

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サツキツツジといえば、ご近所で形よく盆栽に仕立てられたものを見かけたことがあるかも知れませんね!ツツジ類は好きな形に仕立てることができるため、鉢植えの場合もトピアリー的に幾何学系に刈り込んだり、自然樹形のまま楽しんだりすることができます。

鉢や背景で洋風に見せることも十分可能です。例えば写真の釉薬のかかった鉢に植えられたツツジは、洋風住宅やしっくいの壁や石畳の床にあればエレガントな洋風に見えますし、ダークブラウンの縦格子が背景だったら和風にも見えます。

ツツジと合わせて使いたい!相性が良い植物・マテリアル

ツツジと寄植えして相性が良い植物

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ツツジは日本の山間や岩地、渓流沿いのに自生するので、アルカリよりは酸性の土壌を好む植物を合わせるのがコツです。同様の環境で自生していた植物なら、ツツジとよくなじみます。例えばホスタ、シダ、カエデ類、コニファー類などです。

ツツジには常緑と落葉のものがあります。他の植物と組み合わせる際にこの点も少し意識すると良いですよ。例えば周りにコニファーなどの常緑の植物が豊富にあるなら、落葉のツツジが引き立ちます。逆に一年草や宿根草中心の花壇なら常緑のツツジを背景に使うと、花の少ない季節に花壇がさみしくなることがありません。

ツツジと相性が良い鉢

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ツツジは植える鉢でイメージを自在に変えることができます。渋い色合いの陶器のつぼ型鉢、盆栽鉢なら和風。テラコッタポットやカラフルな色合いのポットなら明るい洋風。シンプルなコンクリートポットならモダン。住宅のイメージによって、鉢も選びましょう。

同様に、花壇やフェンスなどツツジが植わっている場所の背景によってツツジのイメージも変わります。竹垣や飛び石といった和のマテリアル、背景なら和風のツツジに見えますし、石灰岩の石貼りの床、レンガのウォール、トレリスやウッドフェンスといった洋のマテリアルの使ってある背景なら洋風のツツジに見えます。

ツツジは育てやすい?育て方と剪定のコツをおさえておこう

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ツツジは初心者向けの、育てやすい植物です。植え付けは真夏、真冬、花期を避け、水持ち・水はけのよい弱酸性の土壌に植えましょう。ツツジを刈り込む場合は、花が終わってすぐのタイミングに。

ツツジの種類はどちらかというと半日陰で極度に乾燥しない生育条件を好みます。といっても、日照が極端に少ないと花つきも悪くなります。地植えなら木漏れ日や一日数時間は日に当たる場所が良いです。真夏の降雨のないシーズンなどは適宜水やりが必要です。

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プロがおすすめする定番ツツジの品種3選

ツツジ類の中でも花が大輪。迫力あるヒラドツツジ

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公園などでよく見かけるヒラドツツジは、4~5月に咲く大輪で鮮やかな色合いの花が魅力。強健で育てやすく、一般家庭の庭にも向いています。成長すると2メートルにもなるやや大型のツツジですが、剪定でコンパクトに保つことも、刈り込みや生垣に仕立てることもできます。花のない時期も、柔らかい雰囲気の明るい緑の葉が見られます。

ヒラドツツジの中にもたくさんの品種・花色があります。最も多く流通しているオオムラサキは鮮やかな青みのあるピンクの花が目をひきます。そのほかにも淡いピンク、白もあります。数色まぜて群植すると鮮やかで見事な植栽になります。

強健で刈り込みにも強い常緑のサツキツツジ

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盆栽として日本・海外で人気の高いサツキツツジ。ツツジ類の中ではやや遅く5~6月に開花します。丈夫で育てやすく、鉢植えにもできます。ヒラドツツジにくらべると花も葉も小型なので、刈り込んで低いグラウンドカバーにするといった使い方もできます。スモールスペースにも向いています。

季節の変化が楽しめるミツバツツジ

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細い枝がすっと縦に伸びるミツバツツジは、ツツジの仲間の中でも繊細な雰囲気。落葉性で春に葉が広がる前に開花するため、花が際立って見えるのが特徴です。秋には紅葉も楽しめます。剪定に耐えますが、自然樹形を楽しむのがおすすめです。小さめのシンボルツリーとしてもふさわしい、魅力のある低木です。

 

プロが教える!ツツジを取り入れたおしゃれなガーデン実例12選

ツツジ×お庭・花壇編 7選

芝生の庭の一部に群植すれば、ローメンテな緑のボリュームが実現

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芝生のお庭の一部を花壇や植栽エリアにするなら、ツツジをまとめて植えれば管理が楽なうえ春や初夏にいっせいに咲く花が楽しめます。赤、ピンク、白などの花色をまぜて植えればより華やかに。

花壇の奥に植えれば、草花の背景として活躍

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常緑のツツジなら、花が少ない時期でも花壇がさみしくなりません。たとえば花壇手前にはヤブラン、奥にはツツジ、中間部分には宿根草・一年草などを植えましょう。常緑の植物で花壇の輪郭を決めれば、常に整った印象の花壇になります。

日影がちな小道ガーデンの脇に植えれば、庭が明るくなる

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細長い庭なら、芝生にしないで小道ガーデンにするのもよい方法。小道の脇の緑地に数種類のツツジを組み合わせれば管理の手間が少ないうえに、春から初夏まで次々と花を楽しめます。半日陰の空間でも、花の時期にはまぶしいくらいの明るさです。

ツツジを丸く刈り込めばヨーロッパ的な幾何学式庭園にマッチ

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玉仕立てにしたツツジは日本庭園で宝石のような美しさ。ところで洋風庭園でも、同じように美しさを発揮してくれます。ツゲやニオイヒバの生垣の手前に、トピアリーと共に玉仕立てのサツキを配置して、周りにグラウンドカバープランツを植えればアーティスティックな庭のできあがりです。

真っ赤な花のセイヨウウシャクナゲなら、シンボルツリーにもなる

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枝の剪定にはしごが必要ない、低い木のシンボルツリーが欲しいという場合はセイヨウシャクナゲを候補にしてください。常緑で大きな葉を広げ、目立つ鮮やかな色の花を咲かせます。低木といっても育てば人の背より高くなり、横幅もでます。花が咲くと本当に豪華です。

白いシャクナゲとカエデなら落ち着いた雰囲気の庭に

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ツツジ、シャクナゲといえばピンクや赤の鮮やかな色合いが人気ですが、白や淡いピンクも素敵です。写真は和を意識したヨーロッパの庭で、カエデの仲間のショウジョウノムラと合わせてごく淡いピンクのシャクナゲが植えられていますが、落ち着いたエレガントな雰囲気を醸し出しています。

紅葉するツツジなら、季節感が倍増する

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常緑のサツキツツジやシャクナゲと違って、ミツバツツジなどの落葉性のツツジは秋に美しく紅葉します。春は花、秋に紅葉が楽しめればお庭で季節感がもっと味わえますね。常緑樹はもう豊富にある、という場合ならぜひミツバツツジもご検討ください。

ツツジ×アプローチ編 3選

ツツジとホスタでイングリッシュガーデン風のエントランスをシックに演出

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玄関アプローチの植栽エリアには、常緑のツツジとホスタを寄せ植えすると季節ごとの魅力が楽しめます。写真ではイングリッシュガーデン風のレンガの花壇で、赤みのつよいツツジの花に白い覆輪のホスタが映えています。サツキの花後はホスタが薄紫の花を咲かせて目を楽しませてくれますよ。

ツツジ類ならコニファーガーデンの中でひときわ目立つ存在に

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玄関回りにコニファーガーデンを取り入れたいなら、ツツジも仲間に入れてみてください。コニファー類、ツツジ類は好む土壌が似ているのです。花の時期には緑のコニファーの間でひときわ目立つ存在に。写真のように常緑のツツジの玉仕立ても良いですし、落葉性のツツジならもっとやさしい雰囲気を出せます。

上品なシャクナゲならモダン住宅のエントランスを格上げしてくれる

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艶のある常緑の大きな葉が上品なセイヨウシャクナゲは、重厚で上品な雰囲気です。マッシブなコンクリート住宅やマンションのエントランスに左右対称に置けば、ボリューム感たっぷりでエントランスの雰囲気を抜群に良くしてくれますよ。

ツツジ×ベランダ編 2選

鉢植えのツツジなら、どんな場所でも素敵にしてくれる

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玄関アプローチやマンションのベランダなどの限られたスペースでも、鉢植えのツツジでおしゃれなワンポイントが実現できます。例えば買ってきた苗をプラ鉢のままお気に入りの鉢カバーの中に入れて飾ってみましょう。金属製のカバーならカジュアルでシックな雰囲気を演出できます。

ツツジをトピアリー風に仕立てればベランダがヨーロピアンな雰囲気に

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きれいな球状に刈り込んだイチイなどと一緒に寄せ鉢すれば、ツツジやシャクナゲでヨーロッパのお庭のような雰囲気を出すことができます。鉢植えならテラスやマンションのバルコニーでも実現できます。

まとめ

日本に自生しているツツジ類は日本の気候にぴったりです。失敗なく手軽に育てられる植物を庭に取り入れたい場合はツツジ類がおすすめです。ベストシーズンには花がこぼれんばかりに咲いて見事です。ピンクを中心に赤、白、黄色やオレンジの花がありますので、庭のイメージに合わせて選びましょう。

ツツジには常緑と落葉があります。他の植物と共に、常緑と落葉をうまく組み合わせて冬もある程度緑を保ち、春は花、秋は紅葉を楽しめるようデザインして一年中楽しめる植栽にしましょう。洋風のイメージにもマッチする便利なツツジ類、ぜひ活用して素敵なお庭を実現してくださいね。

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