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【プロが解説】造作家具にすべきか否かを考える。造作家具にする場合の注意点やおしゃれな実例もご紹介

岩野愛弓
著者:岩野愛弓 (インテリアコーディネーター/宅地建物取引士)

注文住宅会社で15年以上インテリアデザインやコーディネート業務に従事。オーダーメイドな造作家具の基本デザインや自然素材を扱う住空間を得意とする。素材感や雰囲気があるもの、ディティールがしっかりと造られているもの、カタチがよいものに惹かれ、インテリアアイテムをご提案するときは国内、海外問わず情報収集しコストパフォーマンスも重視している。住まいに関するコラムライターとしても活動中。

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自分だけのオリジナリティある空間を作りたいと考えたとき、造作家具のインテリアが与える影響は大きいものです。自分だけの個性的で素敵な空間を演出できたら、愛着も湧き心地よい暮らしが叶います。

造作家具のメリットは、自由に造りたいものにチャレンジできること。既製品ではイメージ通りのものがなかったり、形を自由に変えられなかったりすることもあります。造作家具はそんな希望を叶えてくれる方法の一つ。統一感のある空間づくりにとても効果的です。

今回は、造作家具について、既製家具との違いや費用の目安、個性たっぷりの素敵な実例をご紹介します。造作家具を造りたいとお考えの方はぜひ参考にしてください。

プロが解説!造作家具にすべきか否かを考える!

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空間を隅々まで機能的に使いこなすには、自由度の高い造作家具が適しています。とはいえ、どんなデザインにするかどこに配置するか決めていく手間も時間もかかります。本当に造作家具でよいのか、あらためて造作家具の特徴をおさえておきましょう。

そもそも造作家具とは?

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そもそも造作家具とは、既製品の家具とは違って空間の雰囲気や設置する場所に合わせて、大きさも素材も自由に選び造る家具です。いわゆるオーダーメイド家具といえばイメージしやすいでしょう。

既製品の家具は、「置く」という表現ですが、造作家具は造り付けるということになりますので、壁や床に接した造り方をすることもあります。

造作家具で検討されることが多いのは、テレビボードや本棚などの壁面収納、キッチン、洗面台、ベンチ、デスクカウンターなどです。自分たちが使いやすいように、また、暮らしやすいように考えることができるため、使い勝手がよく満足度の高い造作家具は人気があります。

造作家具の大きなメリットの一つは、空間と一体化した統一感のある住空間を演出できることです。そのため、既製家具ではしっくりこないという方におすすめです。

家具の種類別!造作家具にすべきか否かを考える

造作家具はどのような場所、家具と相性がよいのか、種類ごとにご紹介します。

テレビボード編

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置き家具として種類が豊富なテレビボードですが、実際の住空間にぴったり合うものが見つからないという方は少なくありません。

テレビを置く予定の壁面が狭いと希望のデザインで既製品にはサイズがないこともありますが、逆に壁面が広くても、間延びしてテレビボードを置くだけでは雰囲気が出ないこともあります。

手持ちのAV機器や収納したい物などが使い方に合わないと、不便を感じしてしまうこともあるため、テレビボードを無駄なく使いたい方や、テレビボードと壁面収納などプラスアルファで考えたい方には造作家具がおすすめです。

壁面収納・本棚編

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壁面収納や本棚は、置き家具では対応できないケースは多いでしょう。特に通路を利用した壁面収納は、既製品で同じように表現するのはかなりハードルが高いです。

自由な形で空間の大きさに合わせ、統一感のある収納を造るのは造作家具の醍醐味ですから、階段や廊下など面積の広い空間をダイナミックに演出する壁面収納、本棚は造作家具を検討すべきスペースです。

キッチン編

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造作家具としてのキッチンは、テレビボードなどと比較すると難易度は高めといえます。一般的に使われているメーカーのシステムキッチンは、食洗器やIHヒーター、シンクやシャワー水栓などが一通りセットになっているものです。扉のグレードやオプションを選択するだけですから、あまり手間はかかりません。

しかし、造作キッチンとなると、天板の素材、シンクの形、食洗器やIHヒーターなどを組み込まなくてはならないため、少し複雑になります。

とはいえ、コの字型にしたりカフェの雰囲気にしたりと、既製品のキッチンでは叶えられない雰囲気を演出するには造作キッチンが最適です。

設計段階から計画しなければならないことが多岐に渡るため、ある程度の手間はかかりますので、途中で投げ出したくならないためにも本当に造作キッチンが必要なのか、きちんと判断することが大切です。

ベンチ編

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玄関に、あるいはリビングの一角に、気軽に腰を下ろして寛げるベンチは便利なアイテムです。ベンチは、キッチン家具などと比較すると既製品を利用することでも、用途としては可能な場合があります。

玄関や廊下などで使うベンチなら、既製品の検討も考えられますが、造作家具としてのベンチは、既製品にはない長さや形を求めたプランを実現したい場合です。

L形のベンチを造りたい、ヌックのように窓辺などに造り付けたいという場合は造作することで、空間の雰囲気にぴったり合う仕上がりになります。

造作家具にする場合のポイント

ポイント1:色調を合わせる

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床と同色にする、壁の雰囲気に合わせるなど、さりげない存在感が悪目立ちし過ぎず洗練された空間を演出できます。

ポイント2:空間のバランスをとる

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スペースを無駄なく使い、部屋の端から端まで手を掛けた造作家具は、置き家具とは違い空間に溶け込みます。建築物としてどのように見せたいか、デザイン性も重視すると造作家具の幅も広がります。

ポイント3:機能も考える

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オーダーメイドが可能だからといって、便利な設備機器を使わないというような仕様は避けたいところです。使い勝手が悪い仕様だと暮らしいても愛着が湧きません。せっかく造作家具という選択をしたなら、機能性も美しさもどちらも充実したものをあきらめずにチャレンジしましょう。

後悔したくない!気になる情報も事前に検討しておきましょう。

造作家具を検討するにあたり、気になるのは費用や失敗してしまうパターンなどではないでしょうか。ここでは、ぜひ気を付けたいポイントをご紹介します。

造作家具を作る場合どれくらい費用がかかる?

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造作家具はオーダー製作ですから、正直どれくらいという決まった費用がありません。そのため、おおよその予算を最初に決めておいてから、素材選定やデザインなどを決めていくとよいでしょう。

造るものによりますが、一般的には既製品よりは少し割高になることが多いです。

こんなケースに気をつけろ!いらなかったと感じる失敗しがちなパターン紹介

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自由な形に造れるということで、デザインも何も考えずに造作家具を作ると、全体的なバランスがとれなかったり、目立ちすぎたりすることがあります。本当に必要だという場所に、生活の中できちんと使える家具をつくるようにしましょう。

テレビボードを造作したインテリア実例 3選

小物アイテムでアクセントをプラス

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シンプル・イズ・ベストなテレビボード。壁面をいっぱいに使ってディスプレイコーナーとしても活用できる余白を設けています。雑然としがちなオープン棚も収納ケースのサイズを統一することで、整頓された清潔感のある空間を演出。季節イベントごとのデコレーションも楽しめます。

吊り収納も設けた収能力抜群のテレビボード

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テレビボードと吊り収納を造作した重厚感のある家具です。たっぷりと高さを確保した吊り収納は、リビングまわりに散らかってしまう書類などもすっきり片付きますね。吊り収納の一部は格子でエアコンのカバー兼用になっているのも機能的です。

ホワイトカラーが印象的な造作家具

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ホワイトの扉が印象的なテレビボード。たっぷりと長さを確保し左右に形の異なる収納を配置させているのもユニークです。テレビの背景となる壁も柔らかなグレーカラーで今のトレンドがおさえられた空間です。

 

来客が憧れる!こだわりがつまったおしゃれな造作家具インテリア実例サンプル15選

壁面収納・本棚を造作したインテリア実例 3選

規則正しい形が清々しい印象

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リビングの壁面を活用した本棚です。規則的な形に統一され圧倒感があります。シンプルに本棚として使うのもよいですが、事例のようにワインボトルをおいて飾り棚のように使うのもおしゃれです。

圧巻の存在感を放つ壁面収納

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大空間のLDKの一面をすべて本棚に造った事例です。壁面収納に重なるように置かれた階段もササラ階段で軽やか。壮大な眺めが圧巻です。木部の優しい色合いを階段てすりや薪ストーブのブラックが引き締め役となっています。

まるで図書館のような壁面収納

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壁面いっぱいに本棚を造った事例です。オープンな本棚の他にも扉を付けて収納箇所も設けています。まるで図書館のように、読みたい本をゆっくり探すのも楽しみです。

キッチンカウンター・カップボードを造作したインテリア実例 3選

一枚板が特徴の造作キッチンカウンター

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木製キッチンと雰囲気を合わせて一枚板を使ったカウンターは、空間に溶け込みとても自然な存在です。一見、置き家具のようにも見えてシンプルな造りがよいですね。

カフェ風カウンターが楽しいキッチン

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キッチンとダイニングテーブルをコの字につなげて、ひとつながりのキッチンスペースに。ゆとりあるテーブルは食事はもちろん、子供の学習スペースとしても活躍します。家事をしながらコミュニケーションがとれる理想的な配置です。

海外のキッチンまわりを演出する造作収納

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ブラックの扉が外国の雰囲気を醸すキッチン背面収納。長さを十分にとり、家電の他ちょっとしたオブジェも飾れます。上部は同じデザインの棚を設けて洗練された雰囲気に。小物が映える造作家具です。

ベッド・ベンチを造作したインテリア実例 3選

ヌックでひなたぼっこを楽しむ

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景色を取り込み、ひなたぼっこができるヌック。家事の合間に腰掛けたり昼寝をしたり、家族が自分好みに使えるスペースです。置き家具ではなかなかできない演出ですね

ぴったりサイズが落ち着くベッド

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無駄な空間をつくらないように空間にぴたりと合うベッドは造作家具ならでは。窓の近くで風も通り、本棚からは夜に使う本を取り出せる機能性も叶えた造作です。

ベンチでくつろげるワークスペース

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ワークデスクと一緒にベンチも造り付けた空間。仕事の合間にベンチに座って気分転換もはかることができます。家族が傍らで遊びながらデスクでリモートもできる機能性も備えた造作家具です。

こんなものまで!独自の工夫が詰まった造作家具インテリア実例 3選

ぬくもりある洗面カウンター

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無垢材のぬくもりが溢れる洗面カウンターは、造作家具ならではのやわらかい雰囲気が漂います。既製品ではなかなか表現できない質感は、造作家具を選択する大きな理由のひとつです。

畳コーナーとデスクを組み合わせたユニークさ

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ベンチに畳を敷いて小上がりのように造作し、カウンターデスクで学習もできるスペースに。階段手すりを利用した本棚など随所にアイデアが詰め込まれた造作家具です。

安らぎのオリジナルベッドを造作で

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浮遊したベッドが視覚的にも非日常な雰囲気を醸すベッド空間。天蓋付きのようにぐるりと囲い、飾り棚を設けるなど造作家具ならではのダイナミックなデザインを取り入れています。既製品では実現できない圧巻の家具です。

まとめ

自分の理想の形や空間構成を取り入れられる造作家具。オリジナルなデザインで愛着も湧きやすく、家づくりのワクワク感も高めてくれます。

既製品と比較すると割高になることが多いですが、キッチンなどは既製品では作れない形であるため、単純に割高だからあきらめるということもいえません。造作家具は空間をめいっぱい活用できるメリットがありますので、予算、仕様が自分たちが実現できるものかどうか一度プロに相談し、既製品とのコストバランスを図りながら計画することをおすすめします。

愛着の湧く住まいづくりにぜひ取り組んでみてはいかがでしょうか。

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