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【プロが教える】ルピナスを使ったおしゃれなガーデンを実現する方法!高さの出る花穗を活かしたデザインをご紹介

橋本朝子
著者:橋本朝子 (一級建築士)

フィンランド在住。法政大学建築学科卒業。建築設計事務所、ガーデニング設計施工会社を経て独立。現在はフィンランドで個人邸宅の庭をはじめ、学校、店舗、公園など幅広い外部空間の設計を手掛ける。設計のテーマは、「毎日の暮らしがより楽しくなるガーデン」。住まいは築50年の住宅。インテリア、ガーデンともにリノベーションを重ねて家族と住む。趣味はアップサイクル。

初夏のヨーロッパを旅したことのある人は、野原に咲きほこるルピナスの群生をみたことがあるかも知れません。高さのでるルピナスの花は初夏のガーデンをドラマティックに盛り上げるのに一役買ってくれます。洋風のお庭づくりを目指しているなら取り入れてみたい花です。

でもただ花壇の中に混ぜたのでは、他の花が隠れるほど大きく育ってしまうかも知れません。今回はルピナスのお庭への取り入れ方、上手な配置の仕方を豊富な実例とともに解説します。ルピナスを取り入れて、洋風のお庭をおしゃれに彩ってみませんか!

ルピナスを取り入れたおしゃれなガーデンを実現する方法

ルピナスの特徴とガーデニングのポイント

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ルピナスは耐寒性のある多年草です。春から初夏にかけて長く花茎をのばしながら開花します。花色は青、紫、ピンク、白など。欧米では初夏の野原で自然に群生している姿が見られます。花後にできるさやにマメ科特有の大きな種をつけ、こぼれだねで増えます。日本においても、苗と種の両方が流通しています。

ルピナスのタワーのようにがっしりした花穂は印象的ですが、葉の形も目を引くものです。葉は柔らかくふわりとした印象で地面をカバーします。ルピナスの花穂は1メートル以上にもなりますが、50センチ以下の矮性種もあります。

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ルピナスは洋風の庭によく似合います。すっと長くのびた花がたくさん咲いている様子は、構築的でかっこいい印象。ふわっとした葉は風にふかれてさわやか。お庭のデザインによって配置を工夫するとドラマティックで絵になるコーナーをつくることができます。

地植えでも鉢植えでも!ルピナスでおしゃれなガーデンを実現する方法

ルピナス×地植えの場合

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欧米では草原に群生していることが多いルピナスらしい楽しみかたは群植です。植栽エリアに複数の苗を植えればふわふわした葉の茂みからたくさんの花穂をのばし、広大な風景をつくることができます。シンボルツリーの足元に植えれば、草原のような自然なイメージになります。

花壇なら他の花の後方に植えましょう。青やピンク、白のルピナスの花色がまるで背景のように広がり、他の草花をもりたててくれます。ルピナスを後方に取り入れることで高さがでて、ボリューム感と迫力のある花壇にすることができます。

ルピナス×鉢植えの場合

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欧米では地植えで育てることの多いルピナスですが、鉢植えで育てることも可能です。葉が広がりボリューム感がでますので、ルピナスを一株だけ植えても見ごたえする一鉢になります。

大鉢に他の植物と合わせて、さらに迫力のあるコンテナガーデンとしても良いですね。細い葉のグラス類や下垂するつる性植物などルピナスとは違う形状・質感の植物を合わせると変化がでて素敵です。

ルピナスと合わせて使いたい!相性が良い植物・マテリアル

ルピナスと寄植えして相性が良い植物

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ルピナスは酸性土壌は苦手です。そこで中性から弱アルカリ性よりの土壌を好む植物と組み合わせましょう。樹木ならオリーブやライラックなどがおすすめです。ルピナスを花壇に植えるなら、ルピナスの前方にさらに色合いとボリュームをつけるようにサフィニアやゼラニウムなどの花類やコリウスなどのカラーリーフプランツを組合わせましょう。

グラス類やカンパニュラなどやや背の高い植物を合わせれば草原のような雰囲気に。またルピナス同様長い花穂をだすサルビア類やジギタリスなどと合わせると統一感をだすことができます。

ルピナスと相性が良い鉢

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ルピナスは洋風のイメージの鉢によく似合います。テラコッタポットやウッドプランターなどがおすすめです。直根性で背の高くなるルピナスには大きめで深さのある鉢を選びましょう。

ルピナスは育てやすい?育て方と剪定のコツをおさえておこう

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欧米の原野に自生する強健なルピナスですが、日本の暑い夏が苦手です。寒冷地なら育てやすく、暖地ならやや管理が難しい植物といえるでしょう。夏の気温が25度を超えるような地域なら、鉢植えで管理して夏の間は涼しい場所で管理しましょう。

地植えなら日当たり、水はけがよく、40センチ以上は土の深さがある場所に植え付けましょう。既存の花壇にルピナスを植える場合は、苦土石灰をまいて土壌を中性に調整します。ルピナスの花後は、種になる前に花茎ごとカットすると次から次への花が咲きやすくなります。

プロがおすすめする定番ルピナスの品種3選

強健で初心者向けの基本のルピナス、ラッセルルピナス

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ルピナスの代表種はラッセルルピナスです。宿根ルピナスとも呼ばれます。大型のものが多く、花穂は高さ1mほどに成長します。お庭の後方で高くのびた花穂を見せたいなら、ラッセルルピナスをチョイスしましょう。

スモールスペースでも育てられる矮性ルピナス、ピクシーデライト

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草丈40センチ程度のピクシーデライトなら小さな花壇や鉢植え、寄せ植えに活用できます。ラッセルルピナスに比べて花穂も短く、よりやさしい雰囲気のルピナスです。耐寒性一年草です。

ホワイトガーデンや他の花色の引き立て役になる白花ルピナス

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清楚な白い花をお探しなら、白花ルピナスがあります。白花はどんなカラーテーマのお庭にも合わせられ、白いキャンバスのように背景をつくって他の花色を引き立ててくれます。

プロが教える!ルピナスを取り入れたおしゃれなガーデン実例12選

ルピナス×お庭・花壇編 6選

白花ルピナスなら、花壇のテーマカラーを引き立ててくれる

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白のルピナスを合わせると他の花色を上手に引き立ててくれますよ。写真ではブルーサルビアなどブルー系で統一した花壇を白花ルピナスがひきしめています。

ボーダーガーデンの後方に植えれば、花壇の迫力が増す

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ルピナスはボーダーガーデンに高さを出すために重宝します。花壇の後方にルピナスを植えるだけで、見下ろす位置にあった花壇が目の高さにまで上がります。結果として、花壇が立体的に見えて花々がぐっとせまってくるような迫力をだすことができるのです。

色と形のコントラストでグラフィカルな効果が得られる

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ルピナスの線状の花とアリウムの球状の花は対照的。合わせて植栽すればグラフィカルで面白い効果が得られます。写真では紫色のアリウム ‘パープルセンセーション’と黄色のルピナス’シャンデリア’の組み合わせ。色のコントラストもおしゃれですね。

フェンスを背景にすれば、ルピナスの輪郭がより鮮明に見える

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ルピナスの花が咲いている姿ははっきりとした輪郭をもっているので目を引きやすいのですが、バックグラウンドがウォールやフェンスならルピナスをアートのように鮮明に見せてくれます。写真ではバンブーフェンスを背景にルピナス’マンハッタンライツ’の組み合わせがお庭をスタイリッシュに見せています。

シラカバの前に植えれば、白と青のさわやかな印象になる

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北欧ではシラカバ林の手前にルピナスの花畑が育っている風景がよく見られます。シラカバの白い幹にカラフルなルピナスの花はよく映えます。北欧風のお庭に憧れているなら、取り入れてみたいアイディアですね。

ルピナスの草原を区切ることで、柔らかい雰囲気とスタイリッシュを共存できる

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庭中にルピナスや草原の草花が咲き乱れていたら、素敵ですよね。でも高木、低木、多年草類を同じ植栽エリアに植えると、雑然とした印象になりがちです。写真のように、樹木のエリアは砂利敷きで地面を整え、ルピナスの咲く花壇ははっきりと区切ればそれぞれの管理が楽なうえスタイリッシュです。

ルピナス×アプローチ編 4選

シンボルツリーの足元に変化を出せる

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洋風のお庭のシンボルツリーにぴったりなライラックの足元にはルピナスをあしらってみましょう。ルピナスを花壇の後方に配置し、手前には背の低い草花類を合わせると華やかで変化のある花壇になります。

ルピナスを外壁前に植えるだけで、洋風の外観を盛り上げてくれる

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洋風住宅の玄関アプローチに植栽できるスペースがあるなら、ルピナスを群植してみましょう。初夏には花穂をたくさん立ち上げて、住宅の外観と一体化した素敵な風景をつくることができます。外壁沿いの細長い花壇にルピナスを列植しても良いですね。

玄関先にルピナスの鉢をおけば、高い位置まで華やかに見せられる

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玄関まわりにまったく植栽エリアがなくても、鉢植えならルピナスを飾ることができます。40センチの深さの鉢に1mの株が育てば、目の高さで花を楽しむことができます。

フェンスぞいに咲かせれば、縦長の花穂の形を生かせる

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フェンスとルピナスはお庭をおしゃれに見せやすい組み合わせ。ウッドフェンスの柵の間から色とりどりのルピナスの花穂が飛び出し、花とフェンスが自然に調和してお庭を素敵に演出してくれます。

ルピナス×ベランダ編 2選

モダンなイメージのバルコニーによく似合う

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ルピナスの草姿はそれだけで印象的。葉も花も絵にかいたようなはっきりした形をしています。打ち放しコンクリートの外壁の前にルピナスの鉢植えを飾って、グラフィックアートのように楽しみましょう。モダンな雰囲気を大切にしたい場合、鉢はテラコッタポットではなくコンクリートポットをチョイス。

グラス類と合わせれば、ベランダでも草原のイメージを再現できる

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大鉢に矮性のルピナスとグラス類を寄せ植えするだけで、マンションのベランダでも簡単に欧米の草原のイメージを再現できます。写真ではスティパを背景に草丈が30~40センチ程度の小型のルピナス’ミニギャラリーピンク’をアレンジしています。

まとめ

欧米の初夏の草原のイメージを出したいならルピナスがぴったりです。長い花穂をいくつも伸ばして咲く姿は、遠くからでも目を引きます。花壇の後方に植えれば、植栽を立体的に見せることができます。ウォールやウッドフェンスと一緒に見せても面白い効果がありますよ。

ルピナスは洋風の庭にとてもよく似合いますが、モダンな雰囲気にまとめることもできます。迫力を出すなら基本のラッセルスピナス、より自然でやさしい雰囲気にしたいなら矮性のルピナスがおすすめです。ルピナスの特徴を生かして、さらに素敵なお庭にしてくださいね。

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