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      2023/01/12

【プロが解説】環境・ロケーションごとの庭のデザインについて考えてみよう!【お庭のデザイン連載 第2回】

橋本朝子
著者:橋本朝子 (一級建築士)

フィンランド在住。法政大学建築学科卒業。建築設計事務所、ガーデニング設計施工会社を経て独立。現在はフィンランドで個人邸宅の庭をはじめ、学校、店舗、公園など幅広い外部空間の設計を手掛ける。設計のテーマは、「毎日の暮らしがより楽しくなるガーデン」。住まいは築50年の住宅。インテリア、ガーデンともにリノベーションを重ねて家族と住む。趣味はアップサイクル。

前回の記事ではマイホームをこれから考えるにあたって、庭も含めた計画をするのが重要だというお話をしました。庭+建物=敷地全体の外観を印象づける際に、ロケーションはかなりの割合で影響します。もちろん景色の良い場所なら、マイホームの印象はとても良くなります。一方、人工物が多い都会の環境でも庭を工夫することで豊かでスタイリッシュな外観にすることも可能です。

今回は、庭と家が調和したようなおしゃれな一戸建てにするために環境やロケーションごとの庭づくりについて説明していきます。おしゃれな庭のあるマイホームに住みたいなら、そしてこれから土地を探してマイホームを建てるなら知っておいた方が良い情報ですよ!

庭をデザインする際に環境・ロケーションを意識するポイント

都会か郊外か、はたまた田舎か?

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マイホームに似つかわしいエリアは、都会、それとも郊外、はたまた田舎の環境でしょうか?通勤・通学や生活の状況や価値観によって選ぶエリアは変わってきますが、庭づくりから見た場合のそれぞれのエリアのおおまかな違いをおさえておきましょう。

都会の庭は面積が限られて、庭と呼べる場所は道路ぞいくらいかも知れません。それに比べ郊外なら敷地にやや余裕があり、玄関回りやメインガーデンなど複数のゾーンで庭づくりを考えることになります。田舎の庭で面積が広いなら、庭での様々なアクティビティとそれに合った庭づくりが可能になります。

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都会・郊外・田舎、どの場合も自然環境の豊かな敷地ほど庭を含めた外観は好印象です。都会でも窓から見える景色が公園や神社の大木だったり、南側に大きな建物が建つ可能性の少ない敷地などがより良いといえるでしょう。取り入れたい風景は庭の中に積極的に取り込み、雑多な風景は隠すなどの工夫も考えられます。

緑や花いっぱいの庭を実現したいなら、マイホーム候補の土地が庭づくりに向いているか一度見直してみましょう。適度に日当たりと通風が確保でき、ある程度水はけがよく根をはるための深さのある土壌が庭づくりに適しています。立派なシンボルツリーを植えたいなら、枝葉を広げるスペースが確保できそうかも要確認です。

エリアごとの合う庭とは?

密集した都会の環境に合う庭

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周りは商店街やオフィス外、または間口の狭い同様の3階建て住宅が連なっている。そんな密集したエリアは都会的な環境といえます。目につくのはコンクリートやアスファルトの人工物で、自然の風景はほんの少しです。そんな都会環境に良く似合う庭は、コンパクトで明快、でも強いインパクトも与えるモダンスタイル。

道路沿いの前庭がメインとなることが多い都市の一戸建ては、駐車スペースにとられて緑地は少なめ。ただ玄関アプローチや駐車場の舗装を減らして土の面積を増やせばより緑を増やせます。道路側と外壁側の緑地を前後にずらして配置し遠近感を効かせると、緑のボリューム感をだせます。

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都会に多い半日陰の空間なら、高木+下草類の組み合わせでナチュラルガーデンに。日当たりが良すぎて夏に極端に暑くなる、または土が極端に少ない場所なら砂利や自然石、多肉植物をメインとしたドライガーデンに。玄関回りをそれとなく道路から隠したいという場合は目隠しスクリーンの使用も視野にいれましょう。

郊外の住宅地の庭

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都心より面積に余裕のある敷地が多い郊外の住宅地。マイホームの庭のデザインにおいては、ある程度周辺の環境に考慮したいものです。洋風も和風も素敵ですし、ナチュラルガーデンならどんな雰囲気の街並みにも溶け込みやすく好印象です。

同様のデザインの住宅が並んでいる住宅街なら、他と違う我が家ならではのガーデンが欲しいかも知れません。樹高があり枝ぶりのよい花木なら、マイホームをぱっと引き立たたせることができます。大木は無理なら、アジサイやバラ、シャクナゲなど目立つ花を咲かせる低木の花のテーマガーデンとしても良いですね。

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フロントガーデンは特に重点をおいてデザインしたい部分ですが、庭のそれぞれのエリアへの連続性をうまくだせると敷地全体をより大きく、より豊かに見せることができます。例えばフロントガーデンから小道が裏庭のほうまで続いている、フェンスごしにメインガーデンのパーゴラがのぞいているなど、その先に何があるのかわくわくするような庭のレイアウトを工夫しましょう。

自然が広がる田舎の環境に合う庭

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庭での暮らしを満喫したいなら、自然が多い郊外から田舎よりの庭がふさわしいでしょう。アウトドア・リビングやダイニング、キッチンガーデン、キッズガーデン、ウォーターガーデンなど、様々な庭の可能性が広がります。リゾート風・コテージ風、ラスティックな雰囲気を生かした庭なら田舎の環境にぴったりです。

広い敷地なら常緑樹や落葉樹を上手にまぜたり、草花を盛り込んだ花壇、ボーダーガーデン、芝生面などを組み合わせて変化のある植栽計画をしましょう。豊かな自然環境とナチュラルに溶け込むように庭をデザインすることで、実際の敷地面積を超えた景色の広がりを感じさせることができます。

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贅沢な眺望が楽しめる敷地なら、フェンスや塀はごく控えめにして、周辺の環境を庭の背景として生かすのもおすすめです。一方、キッチンガーデンを実現したい場合は、苗をうさぎなどの動物に食害されないように柵を設置したほうが無難です。

周りの景色を活かす(借景する)か隠すか

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将来のマイホームからはどんな景色が見えるでしょうか。田舎なら大自然が広がっているかもしれません。大自然の中でも、水辺や山の稜線が見える場合は借景として生かした庭づくりも考えられます。住宅街や都会的な環境の庭でも、隣地の樹木や街路樹など近隣の緑を風景の中に取り込む工夫をしたいものです。

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敷地の目の前がアパートやマンションで、お隣さんや通行人からの視線が気になる。そんなときはプライバシーを守る必要もでてきます。目隠しスクリーンを設けるならデザイン性の高いものにしましょう。住宅の設計段階に、建物と調和するスクリーンの設計を依頼をする手もありますね!

土壌の状態も要チェック!

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玄関前に我が家を象徴するような枝ぶりの良い高木を植えたいのに、土壌が少なくて低木しか植えられない場合もあります。逆にサボテンや多肉植物が育つモダンなドライガーデンをイメージしているのに、排水の悪い土壌なら乾燥を好む植物はうまく育たないかも知れません。

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多くの植物は適度な保湿性はあっても水はけのよい土壌が好きです。より多くの植栽に対応する酸度は弱酸性から中性です。マイホームの候補地の土は土壌酸度計などで事前に計測できます。土質についても市町村である程度調べることができます。土壌は改良することも可能ですが、余分な費用がかかります。

簡単に土壌の様子を判断する方法として、近隣の庭にどんな植物が繁茂しているか注意して観察しましょう。同様の植物なら、マイガーデンでもうまく育ってくれる可能性が高いです。また近くに無数の小川が流れている、降雨後にいつまでも水たまりがある場合は粘土質や湿り気の多い土地の可能性が高いので要注意です。

環境・ロケーションごとの庭デザインを極める!プロが厳選した施工実例20選

都会の庭デザインの施工実例 3選

植栽をずらして配置すれば、スモールスペースに奥行き感をだせる

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植栽エリアが限られている場合でも、道路側と建物側にずらして植栽することで庭の奥行きが増し、より豊かなイメージになります。

タイヤののる部分意外は地被植物とすれば、駐車場が緑に

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間口の狭い都市型住宅でも、駐車場の緑化にこだわることで庭らしく仕上げることができます。

建物と一体化した目隠しスクリーンなら、スタイリッシュに目隠しできる

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住宅の設計時に検討してみたいのが、建築一体型スクリーン。デザイン次第で緑とからめたおしゃれな外観にすることができます。

田舎・郊外の庭デザインの施工実例 4選

日当たりが期待できれば、キッチンガーデンが実現できる

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日当たりが良い場所があれば、我が家で野菜やハーブが栽培できます。芝生はいっそやめてキッチンガーデンにすれば、芝刈り機は必要なくなります。

芝生とフェンスの間は花いっぱいのボーダーガーデンにできる

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メインガーデンを芝生の庭にするなら、一画に花壇を設置したいですね。フェンスと芝生の間を花壇とすることが多いですが、建物ぞいとフェンス沿いの花壇に分けて遠近感を出すのも良いですね。

ウッドデッキ、パーゴラ、小道などがあると庭での居心地が良くなる

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敷地の広い庭なら、様々な庭での楽しみ方を追求しましょう。リビングルームから連続するウッドデッキ、居心地を良くするためのパーゴラやパビリオン。庭を巡ることのできる小道や、物置小屋、ガーデニング作業小屋などが考えられます。

ウォーターガーデンがあれば、いっそう豊かで変化のある庭になる

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スイミングプールがあればラグジュアリーな庭に。ウォーターガーデンがあれば、癒しを感じるナチュラルな庭に。ウォーターガーデンといっても、自然な・幾何学的な形状の池、滝、流れをはじめ噴水や壁泉など、いろいろな種類があります。

平らなエリアの庭デザインの施工実例 2選

常緑、落葉をまぜた植栽で遠景・近景をつくると庭が充実する

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平凡な印象になりがちな平らな庭は、道路や玄関アプローチ、室内の窓から見たときにより変化がでるように植栽計画すると良い庭になります。植栽で遠景・近景をつくり、常緑と落葉が交互に見えるように配置しましょう。

舗装で変化をだせば、より面白味のある庭になる

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エリアごとに舗装を変えてみるとフラットでも面白味のある庭に。玄関アプローチがタイルなら主庭に向かう小道は砂利、リビングの窓前にウッドデッキがあったら一段下がったところにタイル貼りのテラスや石積みの花壇を配置、その先に芝生がひろがるといったように地面を覆う素材を変えていきましょう。

傾斜が激しいエリアの庭デザインの施工実例 4選

擁壁に植物を垂らせば、違った見方で緑が楽しめる

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高低差が多いエリアの敷地は平地では考えられないようなドラマティックな庭にすることができます。高い擁壁があるなら、低木などを枝垂れさせて見上げて楽しむ庭にもできます。

ロックガーデンにすれば、野性味のあるダイナミックな庭に

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傾斜を生かしてロックガーデンに。擁壁などを設置しなくても、自然石と地被植物である程度土の流出をおさえられるうえワイルド&ダイナミックな自然の風景を演出できます。

高低差のある花壇にすれば、立体的に緑を見せられる

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擁壁を2~3段にわけて花壇とすれば圧迫感をおさえることができるうえ、緑をスマートかつ立体的に楽しむことができます。

階段状の小道ガーデンとすれば、散策が楽しい庭になる

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広い庭だけど傾斜しているなら、いっそ階段状の小道として草花と低木を周りに配置しましょう。時々ベンチや眺望テラスをレイアウトすれば、歩くごとに新しい発見のあるわくわくするような庭になります。

うまく周りの景色を活かした庭デザインの施工実例 5選

山が近いなら、稜線をハウス&ガーデンの背景に利用できる

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敷地が広い田舎や郊外の家でも、どこかに境界線はあります。境界線の外側に庭の背景に好都合な樹木や遠景があるなら、どんどん取り入れましょう。電柱や鉄塔、隣地の物置など逆に隠したいものの手前には生垣や常緑樹を配置し、見せたい風景のみを効果的に見せましょう。

水平線が見える庭なら毎日がリゾートに

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海が見える敷地なら、絶好のロケーションを最大に生かせるように庭からの水面の見え方を工夫した庭に。海を見下ろすテラス、小道の先を歩いていくと海が見えるような配置、敷地と浜辺の間にある他の建物を上手に隠す工夫などをするとより素敵な風景をつくることができます。

シティーヴューを楽しむガーデン

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都会の生活を満喫しつつ、我が家ではシティービューと緑が楽しめる庭は、ある意味一番の贅沢かも知れません。景色を眺めるためにゆっくりくつろげるテラスがメインのガーデンに。野原のようなワイルドな草花ごしにそそりたつ高層ビル群をみせて自然と人工のコントラストをきかせましょう。

近所の大木を背景に取り入れればそれだけで充実した庭に見える

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芝生メインのシンプルな庭でも、近隣の樹木を背景に取り入れることができれば豊かな庭空間に見せることができます。逆に隣家は人の背程度の高さのフェンスで隠せばプライバシーが守れます。

隣地の壁面は上手につかえば、よい背景になる

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隣地の壁しか見えない庭でも、上手に背景に利用できるかも知れません。隣家の窓前にはフェンスや高木常緑樹を配置し、壁の前には形のよい落葉樹を植えれば良い庭の背景になってくれることもあります。

変形敷地の庭デザインの施工実例 2選

旗竿状を小道にすれば、魅力的なエントランスアプローチに

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旗竿状の土地は、長い玄関アプローチを生かして小道状の庭にするのが得策。2メートルの幅の通路は駐車は無理でも、緑豊かな小道にすれば魅力のある外観になりますよ。

変形敷地の三角部分は、遠近感をだせばむしろおしゃれ

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三角形の敷地の角の鋭角はあまり利用しやすいとはいえませんが、三角形の鋭角に向かって遠くに続いていくような遠近感を効かせたデザインにするなど上手に利用すれば、おしゃれな庭になります。

まとめ

これから土地を探してマイホームを実現するなら、庭+住宅をイメージしながら理想の敷地を選びましょう。敷地条件によってどんな庭が可能なのか、どんな工夫をすればよいかイメージがつくと、建物の設計段階から検討をはじめてうまく解決できることもあります。

憧れのマイホームの庭で、思い切りガーデンライフを楽しみたいですよね。ところで、庭ではどんなことをして楽しんだら良いでしょうか?庭の使い方は実にさまざまです。住み手のガーデンライフによっては、やはり計画初期から盛り込んだほうが良い場合もあります。次回は庭の楽しみ方とそのデザイン手法について深ぼりしますので、ぜひお楽しみに!

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