2023/01/12
【プロが解説】庭の使い方ごとの庭のデザインについて考えてみよう!【お庭のデザイン連載 第3回】
今回もマイホームを計画する際、お庭も初期から検討した方が良いというお話の続きです。マイホームの庭をイメージする際、常にあったほうが良い視点として「庭で何をして楽しみたいか」があります。お庭で何がしたいかが決まっていれば、住宅の設計段階で盛り込むことができ実現の可能性が高くなります。
飲食、菜園、趣味、昼寝…。庭での楽しみかたは人それぞれ、様々あります。今回は庭でできるアクティビティを実例と共にたくさんご紹介していきます。それぞれ場合にどんなデザインの庭が良いかも解説していきますので、ぜひ今後の計画に役立ててくださいね。
目次
庭をデザインする際に庭の使い方を考えてみよう!家族や仲間と何をして楽しみたい?
庭での生活またはアクティビティとは、敷地全体が整って見える・窓から庭の緑が見えるという以上にもっと庭の中で楽しんだり、庭で何かをして時間を過ごすことです。内容によってはそれなりの大きなスペースや設備が必要になることも。
小さなスペースでもできるお庭の楽しみ方・使い方
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小さなスペースでできることと言えば日光浴や昼寝、ベンチに座って読書やお茶をしながらくつろぐ、庭を散策するなど。日光浴なら芝生やテラスにマット・デイベッドなどを置けば実現可能。読書やお茶もベンチさえ置けばOK。直射日光を遮る木陰やプライバシースクリーンがあれば、より快適です。
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散策なら芝生をはじめちょっとした小道があれば可能です。さらに、それぞれのエリアをつなぐように趣向が異なる小道や、小広場などの目的地があれば散策するのが楽しくなりそうです。ガーデンオーナメントや彫刻などのアート、花や紅葉などの季節ごとの見どころがところどころあると尚よいですね!
少し大きなスペースが必要なお庭の楽しみ方・使い方
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一方、庭で家族や仲間と飲食・パーティーをする場合は、もう少し大きなスペースが必要です。家族4人で座れるテーブルをおくだけでも2×3メートル以上のフラットな面が必要。友人を招いてパーティーを開くとなるとさらに大きなテラスや芝生面がほしいところです。長ベンチなど大人数が座れるよう工夫も必要。
庭で飲食するなら、アウトドアキッチンを設けると便利です。キッチンにはガスや電気グリル、給排水の設備が必要かも知れません。複数の家族で集まるなら大人と子供が同時に楽しめるようなブランコやスイミングプール、もしくは大人が会話に夢中になっている間子供が安全に遊べるキッズランド、皆で観賞できる野外ホームシアターなどの娯楽施設があれば、もっと喜んでもらえそうですね。
一人時間を満喫するお庭の楽しみ方・使い方
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一方、一人の時間や趣味を庭で満喫したい人もいるかも知れません。庭で花やハーブ、野菜を育てるのも良いですね。お庭で多くの緑を育てるとそれなりに枯れ葉や剪定のゴミが多くでますので、コンポスト容器もあると便利です。道具類が必要なアウトドア系の趣味なら、作業スペースや収納できる場所も欲しいものです。
一人や数人数~大勢での時間を楽しめる場所や施設は様々あり、実際での庭での生活はこれらの組み合わせになっていきます。では次に、実際の庭でどんなふうに人々が楽しんでいるかを豊富な実例とともに見ていきましょう。
庭の使い方ごとの庭デザインを極める!プロが厳選した実例20選
「くつろぎの時間」のための庭 実例 4選
ハンモックさえあれば、ゆられてリラックスできる
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スペースの限られた庭でも、3~4m程度離れた場所にフックをつければ実現できるハンモック。何もしていなくても、庭でゆらゆら揺られてリラックスできる小さな幸せを味わえます。ハンモックまわりにはプライバシースクリーンを設け、飲み物やおつまみがおけるテーブルやクッション、マットなどをしつらえて雰囲気の良い空間にしましょう。
床のあるパビリオンなら、昼下がりの読書をした後しっかり昼寝ができる
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お庭の一画に木製の床のついた2×2m四方のパビリオンがあれば、天気の良い日の昼下がりを快適に過ごすことができます。天井・壁面にレースのカーテンをつければ直射日光、ご近所さんの視線、虫の侵入などを軽減でき、やわらかい光につつまれた自分だけの空間を堪能できます。
木陰&コーナーベンチがあれば多目的にくつろげる
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芝生の庭のコーナーに作り付けのL型ベンチがあれば、一人でも複数人数でもお庭での時間を過ごすことができます。ベンチまわりには木陰をつくるための樹木やスクリーンを設けるとよりリラックスできそうです。飛び石や小道ととつなげて、ベンチコーナーを素敵な目的地にしましょう。
アウトドアバスがあれば、マイホームの庭で究極のリラックスが得られる
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アウトドアバスがあれば、スマートに露天風呂を楽しむことができます。ウッドデッキの一画に配置して室内とのアクセスをしやすくするとより快適です。ウォータージェットのでるガーデンジャグジーも日本で導入事例が徐々に増えています。アウトドアバスには電気、給排水、場合によってはフィルター設備などもありますので、マイホームの初期の設計に盛り込む必要があります。
大人数で集って楽しめる庭 実例 4選
アウトドア・リビングとダイニングがあればガーデンパーティーが開ける
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マイホームが完成したら友人や親戚を招いて新築パーティーをしたい方も多いと思います。大人数で集まる際に庭で必要なのは大きめのテラス、テーブルや椅子などのファニチャー類、照明器具などです。ウッドデッキやテラス、芝生などを利用した立食パーティーなら着席よりも多くの人を招待できます。
普段家族で使用するガーデンダイニングセットの他に、低いカフェテーブルとフロアーピローを使えば大人数でも座って飲食できるうえ、ドリンク片手にまったりする時間を快適に過ごせます。夜まで宴会が続くことを考えれば、ムードのでるガーデン照明があるとさらに良いですね。
ガゼボやパーゴラ、屋根があれば野外の時間がより快適になる
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週末の天気の良い日に友人たちを招いてバーベキューパーティーを開くなら、庭用のダイニングセットが欲しいですね。直射日光を避けるためにちょっとした日陰があるとさらに居心地が良くなります。ガーデンパラソルだとカバーできる面積が限られますが、ガゼボやパーゴラならテーブル全体を覆うことができます。
アウトドアキッチンがあればガーデンにいながらおもてなしできる
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複数の友人をガーデンパーティーでおもてなしするなら、いっそ庭にキッチンがあったら便利です。キッチンシンクやバーベキューコンロが備わったアウトドア・キッチンなら一通りの調理が可能。これならおしゃべりを楽しみながら作業もできます。シンクやコンロがなくても作業台があるだけでも助かりますよ。
庭の中に複数のくつろぎスポットがあれば、長時間のパーティーでも退屈しない
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大勢で集まって楽しむとき、ずっと同じ場所にとどまると新鮮味がうすれてきます。一通り食事が終わったら、デザートや飲み物を準備する間に客人をアウトドアリビングのソファに案内しましょう。夜中をまわってもまだおしゃべりが続いていたら、プールサイドやファイヤーピットのベンチに招いてみたりとちょっとずつ場所を変えていくと、また気分が変わってわくわくするものです。
娯楽のための庭 実例4選
スイミングプールがあれば、暑い時期に思い切りリフレッシュできる
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スイミングプールがあるだけで、ハイスタンダードかつ印象的な庭になります。プールサイドには横になって寛げる寝椅子やベンチ、シャワーをおく余裕も欲しいです。またアウトドア・ジェットバスと組み合わせてスパにしても素敵です。トロピカルなイメージの植栽と合わせれば、リゾート気分満点の庭になります。
実現には給排水やフィルターなどの設備が必要で、実現する場合は住宅の設計段階から盛り込む必要があります。またプールの清掃用具、未使用時のプールカバーの収納方法も検討しておきましょう。
電源とスクリーンさえとれればアウトドア・シアターが楽しめる
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プライベートなアウトドア・シアターというと斬新なようですが、スクリーンと電源、プロジェクターがあれば案外どんな場所でも実現可能です。大きな壁面を利用すれば大スクリーンに。スタンド式スクリーンなら芝生やルーフガーデンなど壁面のとれない場所でもシアターになります。
テントとマットがあれば、自宅の庭でグランピングできる
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もっともコストのかからない庭での楽しみ方ならキャンプがありますよ。グランピング用のテントやマット、芝生や砂利などのフラットなスペースさえあれば自宅でキャンプ・ナイトが楽しめます。クッションやマットを複数用意して、快適さも追及しましょう。
キッズランドを築けば、自宅で安全に遊べる
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自宅の庭にキッズランドを作ってしまえば、なら子供を安心して遊ばせることができます。簡単なところでは、砂場やお絵描きボード。欧米ではおままごとセットを一式そろえた子供専用の小屋をつくる例もあります。滑り台や鉄棒、ジャングルジムが組み合わさった複合遊具なら子供も大喜びすることでしょう。
一人での時間や趣味に使う庭 実例 4選
温室やガーデンシェッドならお庭のフォーカルポイントにもなる
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ガーデニングが大好きなら、専用のスペースがあれば便利です。作業や育苗がスムーズで、増え続ける花鉢や道具類を収納しながらディスプレイもできるのは温室やガーデンシェッド。お庭のフォーカルポイントとして、シェッドの周りと調和したデザインにすれば、絵になる風景になりますよ。
住宅と一体化した車庫なら高級感も利便性も増す
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出来合いのカーポートはお手軽ですが、建築と一体化した屋根付き駐車場ならデザインの統一がはかれ、敷地全体がより高級な見栄えになります。洗車用の野外コンセントや水栓、道具類を整理整頓できる収納も完備しましょう。 写真のように、駐車スペース奥のルーバー越しに中庭の緑をちらりと見せるなどの演出をすればより豊かなイメージになります。
庭をアトリエやギャラリーに活用すれば、アート作品がアピールできる
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絵画や彫刻、各種ハンドメイド、アートワークの創作が趣味なら、マイホームの庭をつかって野外美術館にするのも一案です。敷地内に趣味専用の小屋を建てて自分だけのアトリエを持つのも素敵ですね。
仕事専用の離れが庭にあれば、リモートワークでも集中できる
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リモートワークができる職種なら、仕事部屋として小屋を持てば仕事に集中できそうです。庭を通って仕事部屋に通えるよう、素敵な小道も一緒にデザインして毎日の「出勤」も楽しみましょう。一年を通じて快適に仕事に集中できるように、断熱や冷暖房を完備するのがおすすめです。
いろいろな使い方をミックスした庭 実例 4選
庭にひととおり室内と同じ機能をつければ生活が2倍楽しい
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我が家の庭でリビングルームのようにくつろいだり、ダイニングルームのように飲食したりはもう当たり前です。調理もできるアウトドア・キッチン、入浴できるアウトドア・バス、サウナやスパ、ぐっすり眠れるアウトドア・ベッドルームがあっても良いですね。これらの組み合わせで庭を2倍楽しみましょう。
ウッドデッキ上のパーゴラはブランコにも活用できる
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リビングルーム外のウッドデッキの上にパーゴラを設ければ多目的に使えます。屋根材やつる性植物を利用すれば日差しよけ、雨よけに。照明器具やハンギングバスケットをさげれば良い雰囲気に。ブランコを設置すれば子供たちが大喜びです。
ハーブガーデンとアウトドアキッチンをミックスすれば、美味しいとおしゃれが両立
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アウトドアキッチンを設けたウッドデッキの一部のプランターでハーブや野菜類を育てれば、調理する際にフレッシュなハーブを利用できます。逆にキッチンガーデンの一画にアウトドアキッチンを設ければ、収穫後すぐに野菜を洗って調理ができます。
グラスハウスはパーティースペースなど多用途に使える
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庭に温室を設けるなら、少し大きめのデザインが良いかも知れません。温室内は春先の強風や秋の長雨を避けながらお茶を飲んでのんびり時間をすごすのにぴったりです。スペースに余裕があれば、ガーデンパーティーの会場として使っても良いですね。
まとめ
住んでいる人が庭での生活を楽しんでいる様子が伝わってくる家は、おしゃれで好印象です。きっと素敵な人が住んでいるんだろう、と誰もが思うからです。お庭でのアクティビティはいろいろありますが、お庭でしたいことによってデザインも違ってきます。
マイホームの庭のデザイン、だいぶイメージができてきたでしょうか?素敵な庭のある住宅にするには、まだまだ検討しておいたほうが良いことがあります。次回はさらに庭のデザインに踏み込んでお話します。住宅と庭をまとめてスタイリッシュに見せるにはどうしたらよいか細かく解説しますので、ぜひご覧くださいね。