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【プロが教える】おしゃれな黒インテリアを実現する方法!上質なブラックを使ってシックでスタイリッシュな空間に

浦辺愛美
著者:浦辺愛美 (インテリアコーディネーター)

大手インテリア販売店で10年勤務。顧客へのコーディネート提案と従業員の家具知識教育に携わる。インテリアコーディネーター・色彩検定1級だけでなく、宅地建物取引主任者を独学で取得。趣味は旅行で、旅先でのインテリアチェックは欠かせません。現在、夫と3歳の娘との3人暮らし。子供がいても散らかりにくい、シンプルで機能的なインテリアを実践。見た目だけでなく、住む人の使いやすさを考えたインテリアを提案します。

男前インテリアがブームから定番となり、お部屋に黒を取り入れる方が増えてきています。黒は高級感やクールさを出したい方におすすめの色であり、空間に引き締まった印象をプラスしてくれます。テイストを問わず、アクセントとしても使いやすいです。

その反面、重さや暗さを感じさせやすく、特に壁や大型家具など広い面積で黒を取り入れると、圧迫感・窮屈さが出やすいデメリットもあります。

そこで今回は「プロがおしゃれな黒インテリアを実現する方法を教えます」と題して、黒を使ったインテリアのコツをご紹介します。黒と相性の良い色や黒の分量をどうすべきかなど、黒インテリアのポイントを10の実例とともに解説します。

黒インテリアを使いこなして、こなれた印象のお部屋にブラッシュアップしましょう!

来客が憧れる!おしゃれな黒インテリアを実現するポイント

改めて黒を知り、インテリアをおしゃれに仕上げる方法をおさえよう

黒を知る

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黒=マニッシュなイメージが強く、特に男性人気の高い色です。スーツなどフォーマルな場面で身につける色なのできっちりとした印象があり、上品・重厚などのイメージが一般的です。

黒は全ての色の中で最も明度が低い色です。そのため重量感があり、ポイント使いしても存在感が大きいです。また、収縮色でもあるため空間を引き締めたい・アクセントが欲しいというときにも重宝されます。

そして、黒は高級感やムーディーな雰囲気を作り出すのが得意です。リビングやベッドルームに取り入れると大人っぽい・落ち着いた印象を与えられるでしょう。また、黒は光の陰影が映えるので、間接照明を効果的に使いたいスペースにもおすすめです。

黒と相性の良い色を知る

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黒と相性の良い色の代表格は、やはり白やグレーといった無彩色です。モノトーンコーディネートはもはや定番ですが、彩度のない無彩色は有彩色と比べてコーディネートの難易度が高くないので初心者にもおすすめです。

モノトーンコーディネートをさらにブラッシュアップさせたい方は、見せたいイメージに合わせて色のバランスを決めましょう。黒を多めにするとかっこいい・重厚・マニッシュなイメージに、グレーを多めにすると洗練された・上品・フェミニンに、白を多めにすると爽やか・軽快・フレッシュな印象に見せられます。

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もう一つおすすめしたいのが、黒×ビビッドカラーのコーディネートです。その中でも赤やオレンジなど暖色系を取り入れるのが良いでしょう。黒をベースカラーにしたお部屋は印象が暗くなりがちですが、鮮やかなビビッドカラーを1アイテム取り入れるだけで、あたたかみや明るさを感じさせることができます。また、フォーカルポイントとしても機能するので、お部屋にメリハリが生まれます。

ただし、色を増やしすぎたり、広い面積にビビッドカラーを取り入れてしまうと、雑多な印象や騒々しさにつながります。あくまで1アイテム・1カラーをアクセントとして取り入れましょう。

黒の分量を調節してバランスを整える

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黒が好きな方は「お部屋を黒で埋め尽くしたい!」と思われるかもしれませんが、お部屋の大部分を黒にするとコーディネートの難易度はかなり高くなります。黒の分量が増えるほど、かっこいい・上質感があるといった印象よりも重い・暗い印象が強くなりやすいためです。くつろぎとは程遠い空間になり、自分の家であるにもかかわらず落ち着かない・居心地が悪いといったことも起こりえます。

そこで、注意したいのがお部屋全体で見た時の黒の分量です。黒をベースカラーとして取り入れる場合は7割を目安にして、増やしすぎないようにしましょう。黒は7割でも十分スタイリッシュで重厚なイメージが作れます。残りの3割には明るめの色や光を感じる素材を意識して採用すると、暗すぎずに洗練された印象になるでしょう。

素材やフォルムにこだわれば黒でもリラックス感を実現できる

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一般的に黒=きっちり・固い・重いイメージがあり、男性的なインテリアでないと取り入れられないと思っている方も多いかもしれません。

しかし、実は黒でもやわらかさやあたたかみを感じさせることは可能です。そのカギとなるのが素材とフォルムです。スチールなどの固い素材で黒を取り入れるとかっこよさが増しますが、ファブリックやファーなど柔らかみのある素材にすると黒がもつ固さや強さが中和されて、インテリアになじみやすくなります。直線的なデザインよりも丸みのあるフォルムのものを選ぶとやさしい印象になります。

黒は空間の引き締めにも大活躍します。フェミニンやナチュラルなど、一見黒が合わなそうなインテリアテイストでもポイントで取り入れると一気に洗練された印象が感じられます。素材にこだわってワンランク上のコーディネートを楽しみましょう。

後悔したくない!失敗しがちなパターン紹介

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黒をメインとしたコーディネートは、どうしても重くなりがちで下手をすると居心地が悪くなってしまうことも。そこで心がけたいのが抜け感を作ることです。部分的に白などの明るい色を足すと、黒がもつ重厚感が中和されて圧迫感が少なくなります。

また素材で光を感じさせるのも、黒を重く見せないテクニックです。ファブリックであればベロアやサテン・シルクなど、家具であれば大理石やエナメルなど、光を反射する黒色アイテムを選ぶとマットな黒よりも明るい・軽やかな印象を与えられます。

間接照明で明るさをプラスしたり、大きな鏡を取り入れるのもおすすめです。鏡は光を反射して実際よりも明るく感じさせたり、空間を広く見せてくれる効果があります。

インテリアのプロは知っている。黒インテリアを実現するインテリアアイテムを探すときにまず見るショップ

ACTUS

https://online.actus-interior.com/brand/soup_dining/

ACTUSは日本生まれのインテリアショップです。自社製品だけではなく、ヨーロッパ・アメリカ・アジア各国からセレクトした衣食住にまつわるアイテムを提供しています。代表的な取り扱いブランドはイタリアのporada(ポラダ)・Poliform(ポリフォーム)、デンマークのeilersen(アイラーセン)などで、こだわりが感じられる逸品を数多く取り揃えています。

ACTUSは日本の暮らしの質的向上を目指しており、実は50年近く前にIKEAの商品をいち早く日本で販売したのもACTUSなんです。10年ほどで提携解消してしまいましたが、このことからもACTUSのインテリアに対する感度の高さを感じずにはいられません。

https://www.actus-interior.com/product/secto-design-octo-small-4241-black-pendant-lamp/

ACTUSでは、ヨーロッパを中心としたモダンな家具・テキスタイルが多くそろいます。洗練されたデザインのものが多く、お部屋に取り入れるとシンプルながらもおしゃれさを感じられることでしょう。特にモダン・北欧スタイルのお部屋におすすめです。

ACTUSは「上質で丁寧な暮らし」を目指して、国内に約30あるショップがそれぞれ違うラインナップをそろえているのも面白いポイントです。同じ店名でも商品が違うので何店舗か見比べてみるのもおすすめです。

スタイル別おしゃれな黒インテリア実例サンプル10選

モダンスタイルの黒インテリア実例 3選

素材感ミックスで上級モノトーンコーデに

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黒をメインにしたコーディネートですが、壁面をスリット状にして明暗を強調することで明るさを感じられて圧迫感が減少しています。モノトーンコーデはのっぺりしがちですが、素材感のあるアイテムを選ぶことで奥行きが感じられて、コーディネートに立体感が生まれます。

手元照明+大きな開口部で作業効率を確保

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黒い本棚が存在感抜群の書斎です。黒は光を吸収する性質があるためお部屋は暗くなりやすく、特に本を読んだり文字を書いたりする書斎では照明をどうするのかが非常に大切です。基本は、手元にデスクライトを置くと快適に読み書きにできるでしょう。こちらのお部屋のように広い開口部を設けるのも、抜け感が生まれてバランスがよくなります。

黒でも叶うリラックス感のあるリビング

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かっちりとした印象が強い黒がメインでも、ファーやファブリックを多用すればあたたかみのあるリラックス感が実現します。ポイントとなるのはくすみ感や色むらなど、風合いを感じるアイテム選びです。壁は黒単色ではなく、ムラのある塗り壁風にすることでニュアンスが感じられ、光の当たり方で柄が見える=光を感じさせることも同時に叶います。クッションなどの小物はモノトーンではなくブラウン~ベージュ系でまとめると、さらにゆったりとしたムードを演出してくれます。

北欧スタイルの黒インテリア実例 2選

窓周りをスッキリさせてスマートな印象に

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黒×ウッドの北欧モダンなダイニングキッチンです。重厚感のあるオールブラックのキッチンも、木目の天井や床によって重くならずに調和しています。大きな窓にはあえてカーテンなどをつけずにスッキリと見せることで、明るさの確保とシンプルで洗練された印象を感じさせます。外からの視線が気になる場合は、光を通す生地のロールスクリーンや明るい色のブラインドで、スッキリ感をキープしながら目隠ししましょう。

やわらかさのある黒なら空間にマッチしやすい

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北欧風コーディネートで黒い壁紙を選びたい場合、純粋な黒を選ぶと印象が強すぎたり、冷たさや重さがあって空間に馴染みにくいです。そこでおすすめしたいのが、墨汁のようなまろやかさのある黒です。同じ黒でも印象が少し軽くなり、明るい色ともバランスがとりやすくなります。また、ラグやソファなど大きなアイテムで明るさやあたたかみをプラスすると、より北欧インテリアらしい雰囲気が出ます。

西海岸・インダストリアルスタイルの黒インテリア実例 3選

明るめカラーと観葉植物で軽やかに

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アンティークのワイン箱をソファテーブルにした変化球のインダストリアルテイストです。モノトーンとウッドの定番の組み合わせですが、明るい色の分量を増やすことで軽やかにまとまっています。

観葉植物も黒インテリアと相性の良いアイテムです。植物の生命力や自然なツヤが、暗く・重くなりやすい黒インテリアに活力や明るさをプラスしてくれます。葉の形が直線的なフォルムの植物を選ぶと、よりスマートな印象になります。

ワイルドさのあるアイテム×アンティークで男前に

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インダストリアルにアンティーク調を掛け合わせた、唯一無二のリビングスペースです。エイジングを感じるレザーソファにコンクリート風の壁紙やメタリックなライトが、ワイルドな雰囲気をプラスします。

フローリングやテーブルに取り入れたヘリンボーンも印象的です。高級感やオリジナリティが感じられ、お部屋のポイントになります。

「光」を見せればダークカラーでもこんなに明るい

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黒とグレーをベースカラーにすると暗い印象を与えやすいですが、開口部を広く取る+素材で光を感じやすくするという工夫をすると、ここまで明るい印象にできます。特に凹凸のあるレンガの壁がお部屋の世界観を確立しつつ、光を感じさせるアイテムとして有効に機能しています。また、ツヤのある観葉植物や薄手のカーテンも光の存在を印象付けてくれます。

独自のスタイルを突き進む黒インテリア実例 2選

黒づくめのキッチンも光を味方につければさらにおしゃれに

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見渡す限り黒で統一された攻めのキッチンです。ここまで黒でまとめると重さが感じられそうですが、壁をグレーがかった色にすることで暗くなりすぎず、他のアイテムを引き立てています。

また、光源を斜めからあてて影を作り出すことで光を感じさせているのも面白いポイントです。光沢のある黒に比べてマットな黒は光をダイレクトには伝えづらいですが、こういった工夫をすると暗さを軽減できます。

黒×赤でインパクトのある空間に

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黒でまとめたバーカウンターに赤がアクセントとなって、ワンランク上のおしゃれさを実現しています。床や壁など面積の大きい部分に適度にグレーを入れることで、重さを中和して抜け感を出しています。日中は外からの光で明るく、暗くなったら電球色の間接照明でムーディーになど、時間に合わせた魅せ方を楽しむのも素敵です。

まとめ

黒のインテリアは、どんなインテリアテイストにも合わせられる汎用性の高さがあり、コーディネートをよりシックに・スタイリッシュに見せてくれる効果があります。

黒のコーディネートをよりおしゃれに見せるためには、黒の分量をコントロールしたり、素材や風合いにこだわってアイテム選びをすることが重要です。同じ黒色といっても漆黒もあれば炭のような黒もあり、ちょっとした色選びでも印象は大きく変わるので、求めるイメージに合った黒を選べると良いですね。

黒インテリアの特徴やポイントを活かして、お部屋をよりおしゃれで洗練された空間にしましょう!

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