2023/08/31
【プロが教える】おしゃれなサンルームを実現する方法!テラス囲いやガーデンルーム、コンサバトリーとの違いも解説
庭先などにせり出すように建てられる、ガラス張りの「サンルーム」。
家事用のスペースとしてだけでなく、近年はグランピングのブームもあり、アウトドアリビングの場として、興味を持たれる方が増えているようです。
ひとくちにサンルームといっても、仕様や特徴は実にさまざま。
そこで今回は、サンルームの設置を検討している方に向け、サンルームの特徴や選び方のポイント、おしゃれな実例をご紹介します。
プロが教える!おしゃれなサンルームを実現するポイント
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そもそもサンルームとは?
サンルームと似た外部空間商品としてよく挙げられるのが、テラス囲いやガーデンルーム、コンサバトリーなど。
それぞれ特性は異なりますが、いずれも採光重視の設計(商品)という点は共通しているため、一部の項目でこれらのエクステリアを含む場合があります。
まずは、それぞれの特性をおさえていきましょう。
サンルーム
【自由設計のサンルーム例】
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サンルームは屋根や壁、開口部がガラス張りであることが多く、居室として使えるよう水密性や気密性、断熱性に優れているのが特徴。
コンクリート基礎の上に設置するため「増築」という考え方(建築物扱い)となり、床面積に含まれます。
「面積が10㎡を超える場合」や「防火地域(準防火地域)内に設置する場合」は、建築確認申請が必要。
テラス囲い
【テラス囲い (晴れもようwith:三協アルミ)の例】
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テラス囲いは基礎工事が不要で、ポリカーボネート素材などでテラスを囲ったもの。
断熱・気密性能が低いため、居室として長時間使用するのは難しいといえるでしょう。
一時的な家事(洗濯物干しなど)やペットの遊び場、日用品の収納場所などに向いています。
※サンルームに準じる仕様の場合は建築確認申請が必要(防火地域、準防火地域を除く地域で、10㎡以下の場合は不要)
ガーデンルーム
【海外のガーデンルーム例】
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サンルームと同じ意味で使われることが多いのですが、より庭との一体感があり、庭に簡単に出られるよう開口部がつくられているのがガーデンルーム。
なかには、ポリカーボネート素材を主とするテラス囲いに似た商品も多いので、サンルーム感覚で使いたい場合は、居室として利用できる仕様かどうか確認しましょう。
※サンルームに準じる仕様の場合は建築確認申請が必要(防火地域、準防火地域を除く地域で、10㎡以下の場合は不要)
コンサバトリー
【海外のリーントゥモデル様式の例】
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イギリスの伝統的な住宅スタイルで、サンルームよりも庭に大きく張り出しているのが特徴。
上記4タイプのうち最も豪華な仕様で、家具を配してゆったり寛げる広さがあります。
英国製コンサバトリーを直接輸入・販売する会社のほか、日本のメーカーからもさまざまな商品が販売されています。
※サンルームに準じる仕様の場合は建築確認申請が必要(防火地域、準防火地域を除く地域で、10㎡以下の場合は不要)
改めてサンルームのメリット / デメリットを整理します
メリット
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サンルーム(テラス囲い、ガーデンルーム、コンサバトリーを含む)は、自然光を室内に取り込み、明るく開放的な空間をつくりやすいのが魅力。
花粉や砂埃、排気ガスなどの影響を受けにくく、安心して洗濯物や布団を干せるなど、家事効率の向上が期待できます。
観葉植物の生育はもちろん、子どもやペットの遊び場、趣味を楽しむスペースなど多目的に使えるほか、リビングダイニングや庭と一続きにすることで、広々とした使い方ができるのもメリット。
デメリット
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サンルームは、使用目的に合った日射取得や日射遮蔽、断熱・遮熱対策、換気計画などを行わないと、外気(気温)の影響を受けやすくなります。
また、ガラス面は汚れが目立ちやすいので、定期的な清掃が必要。
住宅の外壁に穴を開けたり、ビス止めをしたりしてサンルームを設置した場合、家の断熱性能に影響があるとみなされ、ハウスメーカーなどによる住宅保証の対象外となってしまうリスクも(直接外壁に取り付けず、フレーム枠を設置してから固定できるサンルームもあり)。
おしゃれに実現するポイント①外観や室内との調和感を意識する
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サンルームを増築(増設)する際は、住宅の外観や隣接する居室(リビングなど)との調和を考えることが大切。
上の画像は、外壁と揃えて、サンルームの柱やデザインパネルをオールホワイトで統一した例。
サンルームと居室の窓も極力形状(デザイン)を揃え、シャープなラインを強調しています。
おしゃれに実現するポイント②居室との行き来しやすさなら「床納まり」、アウトドアリビング感覚で使うなら「デッキ納まり」が便利
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サンルームの床材の納まりをどうするかで、使い勝手が大きく変わります。
「土間納まり」は、既存の土間(地面)を生かしてサンルームを設置するもので、自転車を乗り入れたり、お散歩後にペットのお世話をしたりする方などに便利。
「デッキ納まり」は、ウッドデッキと一体化するようにサンルームを設置します。庭側にも扉をつけることで、アウトドアリビングとしても使えるように。
居室と一続きの空間としたいなら「床納まり」を。室内側との行き来がしやすくなるので、洗濯物や布団干しなどに便利です。
上の画像は、床納まりの一例。
室内の木調床とあえて素材を変え、ミディアムグレーの床タイルでモダンな印象にまとめています。水気や汚れがついた際のメンテナンス性も抜群ですね。
おしゃれに実現するポイント③DIY可能なテラス囲いやガーデンルームなら自分好みにカスタマイズが可能
【LIXIL ガーデンルームGFのオプション例】
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既製品のテラス囲いやガーデンルームは、他の家と似たような印象になりそう…という方におすすめなのが、DIYやオプション選びが楽しめる商品。
上の画像は「ガーデンルームGF(LIXIL)」ですが、腰壁仕様のカウンターで足元を隠したり、ハンギンググリーンのディスプレイを楽しめたりなど、自分好みにアレンジすることができます。
その他、LED照明を設置したり、日除け&目隠し用となるスタイルシェードの色を選べたりと、オプションが充実。
よりオリジナリティ溢れる空間に仕上げることができます。
後悔したくない!気になる情報も事前に検討しておきましょう
サンルームはどれくらいの広さが必要?
【間口2,730㎜×奥行1,185㎜のテラス囲いの一例】
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サンルームやテラス囲いの使いやすい広さは、利用目的によって変わります。
洗濯物を干す場合、竿掛けの本数やハンガーのサイズを考慮して奥行寸法を決めるのがおすすめ。
椅子やテーブルを置くのなら、無理なくレイアウトできるかどうかも確認しましょう。
また、圧迫感を抑えたい場合は、なるべく屋根の高さを確保したいもの。
既製品のテラス囲いの場合、屋根の高さ(地面から屋根先まで)は2,400㎜前後が一般的ですが、「ランマ有」や「ハイタイプ」を選ぶことで高さが300㎜程度UP。
より開放感が得られやすくなります。
テラス囲いの使いやすい広さ(目安)
間口(単位:間)…横幅方向、奥行(単位:尺)…家の外壁からテラス囲いの屋根先端まで
洗濯物干しスペース 間口2,730mm(1.5間)×奥行1,185㎜(4尺)以上
洗濯物干し/ペットやお子さんの遊び場用 間口3,640mm(2.0間)×奥行1,785㎜(6尺)以上
趣味・団欒スペース 間口4,550mm(2.5間)×奥行2,510㎜(8尺)以上
夏はどれくらいの温度になる?
【スタイルシェードの一例:LIXIL】
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断熱・遮熱対策などを施していないサンルームの場合、夏は40℃以上、真夏の炎天下では50℃近くになるといわれています。
そのため、サンルーム内に天井カーテンやロールスクリーンを設置するのとあわせて、サンルームの外部空間に日射を遮る工夫を施しましょう。
例えば、アウターシェードやオーニング(テント)を設置することにより、日除け効果が高まるほか、周囲からの視線を遮りプライバシーを確保しやすくなるという利点も得られるようになります。
【日射遮蔽を考慮した屋根の施工例】
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オーダーメイドのサンルームなら、夏・冬いずれにも適応した日射取得や日射遮蔽ができるよう、屋根や窓面の仕様を検討したいもの。
素材で例を挙げるなら、樹脂サッシ+遮熱タイプのLOW-E複層ガラスの窓、強化ガラス+断熱高耐候中空シートを重ね貼りした屋根などもおすすめです。
固定資産税はかかる?
【ガーデンルームGFとウッドデッキ(樹ら楽ステージ木彫)の施工例:LIXIL】
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サンルームの三方が壁またはガラスに囲まれていて屋根があり、天井高が1.5m以上ある場合は「家屋の一部」とみなされるため、固定資産税の課税対象に含まれます。
家の評価額にもよりますが、年間約15,000~20,000円はかかるとみておきましょう。
一方、テラス囲いはサンルームの定義にあてはまらないので、固定資産税がかかるかどうかは、お住まいの地域の自治体判断に委ねられます。
事前にカタログや図面などを、市町村の固定資産税担当課に持参して確認してみましょう。
こんなケースに気をつけろ!失敗しがちなパターン紹介
【腰壁を設けたガーデンルームの例:LIXIL】
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公道のすぐ目の前や、隣家の窓が近い場所などに、サンルームを設置する場合は注意が必要です。
サンルームの全面を透明仕様にしてしまうと、周囲からの視線が気になりやすく、せっかくのサンルームを活用しにくくなってしまうことも。
その場合、サンルームの一部を曇りガラス(不透明)仕様にしたり、腰壁を設けたりなどの対策を検討しましょう。
一定の明るさを確保しながら、プライバシー面も保護しやすくなります。
サンルーム内にカーテンを取り付けたり、植栽やフェンス類で目隠ししたりするのも◎。
おしゃれなサンルーム実例16選!海外のおしゃれな実例もご紹介
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ここからは海外の事例も含めて、おしゃれなサンルームをスタイル別にご紹介します。
モダンなサンルーム実例 6例
フレームの影までもデザインの一部に
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和風モダンをコンセプトとし、一部の壁をコンクリート仕上げとした日本のサンルーム。
打ち放しコンクリート壁に映るフレームの影も、ひとつのデザインです。
木質感漂うオーク無垢材の構造体
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こちらはイギリスのデザイン会社が手掛けたコンサバトリー。
サンルームの屋根と壁のフレームは、オーク無垢材を使用。
屋内壁の一部に、同系色の付け柱を施しています。
通年緑が楽しめるガラス製コンサバトリー
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上部は吹き抜けで、トップライトからの光が植物に優しく降り注ぐ日本のコンサバトリー。
透明なポリカーボネート材を床に敷き、下からライトアップできるよう蛍光管を設置しています。
アウトドアライフが楽しめる土間テラス
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お家のリビングスペースと繋げた、天井高のある日本のサンルームです。
床部分は土間仕上げとし、バーベキューパーティーや日曜大工など、土足での活動が楽々。
ミニマルデザインのフロート型サンルーム
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ポーランドの自然豊かな敷地に建てられた、フロートタイプのサンルーム。
装飾性を最小限におさえた、ミニマルなデザインです。
吹き抜けのサンルームに螺旋階段を設置
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冬の寒さが厳しい軽井沢に施工した、吹き抜けのサンルーム。
スケルトンの螺旋階段と薪ストーブが、空間のアイコニックな存在感を放っています。
レトロなサンルーム実例 3例
玄関を兼ねたワークスペース
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軽井沢の森を望む、自宅事務所用サンルーム。
左手の掃き出し窓を出ると、薪小屋へと続いています。
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玄関ドアはタモ材仕様のオーダー品。
ガラス作家さんが製作したステンドグラスが埋め込まれています。
古民家の新旧を融合する英国調サンルーム
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都内に建つ築80年もの古民家に、増築したサンルーム。
英国調を思わせる半円形の形状、腰壁のあるデザインが、クラシカルな印象を醸し出します。
築45年の平屋にサンルームを増設
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築45年の平屋1Kをセルフリノベし、ポリカーボネート製サンルームを増設した例。
斜めにかけられたフレームのブラック色が、木質感漂う空間の良いアクセントに。
和風のサンルーム実例 4例
既存キッチンをサンルームにリフォーム
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もともとキッチンだった場所をリフォームし、新たに和風サンルームを設置した家。
夏は大きく開かれた窓の障子を外し、簀戸(すど)に入れ替えることで、夏の装いに変化させることができます。
エントランスホールを兼ねた吹き抜けのサンルーム
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自然光がたっぷりと降り注ぐ、エントランスホールを兼ねたサンルーム。
階段の先も大きな開口部が取られており、青空が広がるさまが手に取るようにわかります。
階段を観葉植物でいっぱいにし、温室のように見せた演出も素敵。
畳スペースのあるサンルーム
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二世帯住宅の中庭に面する畳スペースに、サンルームを設置した例。
トップライトから差し込む柔らかな光が、室内に開放感と明るさをもたらします。
まるで縁側で過ごしているかのような心地よい気分になれそう。
開閉自由な格子網戸で開放感を演出
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浴室に隣接したデッキスペースに、屋根までの高さがある幅4m60㎝の格子戸を設置した例。
格子を閉じれば虫除けとして、開けば外部空間と緩やかに繋がりを持てるつくり。
独自の進化!サンルーム実例 3例
多肉植物の栽培を楽しむ透明な納屋
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「透明の納屋」をコンセプトに、建てられた家。
波板の透明ポリカーボネート材を採用し、サンルーム的な要素が垣間見えます。
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こちらは、物干しスペースやアトリエの延長として使える2階部分。
多肉植物の栽培や鑑賞を楽しめる、温室にもなっています。
サンルーム風ガラス壁でプライベートプールを目隠し
https://sumika.me/works/d5a6135b012a7d7a34e29828e8ff755996684392
サンルーム風に、家をガラス壁で取り囲んだプールのある家。
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居室の下をくぐると、その先にはプールスペースが広がります。
目隠しと開放性を兼ね備えた、ユニークなアイディア。
ポリカーボネートで包み込んだサンルーム仕様の家
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居室スペース、サニタリー(水まわり)、ライトルーム(明り取りの部屋)と、三つの独立した建物で構成された家。
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このうちサニタリーとライトルームは、天井と外壁の全面にポリカーボネートを採用。
お家をまるごとサンルームで包んでしまったかのような、オリジナリティ溢れる設計です。
まとめ
今回はサンルームの特性や、おしゃれに実現するためのポイントをご紹介しました。
サンルームには様々な種類がありますが、用途(過ごし方)を明確にすることで、ご自身の家に合うタイプがみつかるはず。
なお、サンルームを増築(増設)する際は、計画の段階で、建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)がオーバーしないかどうか確認しておくことも大切です。
サンルームのある快適な暮らしを、ぜひ実現してみてくださいね。