Euromobil / ユーロモービル の人気の秘密を探る。日本で30年近く展開を続けるイタリアキッチンブランド
日本で人気の高い海外のキッチンブランドというと、ドイツとイタリアがよく挙げられます。ドイツはシステムキッチン発祥の地で、ドイツらしい堅実でモダンなデザインのキッチンブランドが多くあり、イタリアはデザイン大国ということもあり、おしゃれなキッチンデザインが特徴的で、個性的なキッチンスタイルが好きな方に選ばれるブランドが多くあります。
今回ご紹介するのは、日本でも30年近く展開を続けているイタリアのキッチンブランド「ユーロモビル」です。メイド・イン・イタリアによる設計と製造を徹底しつつも、環境に配慮した新たな素材への挑戦を行い、「キッチンの雰囲気」をコンセプトに機能性や見た目の良さだけではなく、キッチン空間の快適なデザインを手掛けるユーロモビルについて、その魅力を探っていきたいと思います。
「おしゃれなイタリア製のキッチンが好き」「シンプルなのに洗練されたデザインのキッチンが欲しい」と考えている方は、ぜひキッチンブランド選びの参考にしてみてください。
目次
Euromobil / ユーロモビル が何故支持されるのか?インテリアのプロがその人気の秘密を紐解く
Euromobil / ユーロモビルとは?
ユーロモビルのブランドを手掛けるのは、イタリアの大手グループ「ユーロモビルグループ」です。1972年、ブランドの誕生とともにグループの歴史の歩みも始まりました。ルケッタ家は9人の子供たちと両親の大家族。そんな大家族で生まれ育った「アントニオ」「フィオレンツォ」「ガスパーレ」「ジャンカルロ」の四人の兄弟たちが、キッチンをただの調理場ではなく家族の交流の場として提供するため、最初に立ち上げたキッチンブランドがユーロモビルグループの最初の大きな一歩になりました。
ユーロモビルが誕生したのは、イタリアの北東部に位置するヴェネト州コネリアーノ近郊の街、ファルツェ・ディ・ピアヴェ。古くから高級家具産地として栄えたその土地で、ルケッタ兄弟は17,000㎡の工場跡を購入すると、4,000㎡規模の工場を建てます。この工場には、キッチンの大量生産に必要な新機材を揃えました。
まだ設立間もないユーロモビルでしたが、70年代には飛躍の年を早くも迎えます。モジュール式のキッチンの製造での成功と、1974年に家具ブランド「ザルフ」を買収し、生産ラインへと多額の投資を行ったことで、80年代初め頃にはコンテナシステムやキャビネット、本棚などのシステム収納分野への進出を果たします。1988年には、ユーロモビルグループにとって今日まで重要な存在になる、建築家・デザイナー「ロベルト・ゴッボ」氏とのコラボレーションが始まります。ゴッボ氏は、のちにグループに加わる布張り家具ブランド「デジレ」のデザインも担当し、ユーロモビルグループとの親密な関係を築いていきます。
1995年、「デジレ社」の買収に成功すると、ユーロモビルグループの取り扱うブランドは「ユーロモビルクッチーネ」「ザルフ」「デジレ」の3つになり、キッチンからリビング・寝室まで、室内をトータルにプロデュースすることが可能なグループ企業へと発展していきます。この1995年には、ユーロモビルのキッチンが日本での展開を始めた年でもあり、その後28年にも渡り日本への輸出を安定して供給し続けています。
日本では現在、東京・大阪・名古屋・静岡にショールームを構えているので、気になる方はぜひ一度覗いてみてはいかがでしょうか。
参考:Euromobil HP「BRAND」
https://euromobil.jp/brand/identity/
参考:GRUPPO Euromobil HP「history」(海外サイト)
https://www.gruppoeuromobil.com/en/group/history#:~:text=Within%20a%20time%20span%20of,ability%20to%20anticipate%20trends%20in
Euromobil / ユーロモビルのこだわり
ユーロモビルのキッチンは、本国イタリアにて設計・製造が行われるメイド・イン・イタリアのブランドです。海外製というと品質を心配する方もいらっしゃいますが、ユーロモビルのキッチンは規格に沿ったシステムキッチンユニットを自在に組み合わせてキッチン空間を作るため、自社工場では国際基準規格に基づいたマネジメントシステムの取得や安全基準・検査方法などを取り入れ、高い品質を保っています。
また、日本への輸出取引を30年近く行ってきた実績は、日本の住空間や日本人の体格・ライフスタイルに合わせたチューニングも可能としています。海外製国内製問わずのほとんどのメーカーのビルトイン家電への対応や、日本独自の家電である炊飯器やフィッシュロースターなどのアイテムの収納にも対応しています。また、鉄板焼きグリルや無煙ロースター、昇降式レンジフードなどの特殊なアイテムにも対応しているので、自由度の高いコーディネートができることも人気の理由の一つです。
デザインはイタリアのブランドらしく、洗練されたモダンスタイルではありますが、イタリアンモダンのような攻めたデザインというよりは、シンプルで洗練されたアーバンモダンスタイルであるため、日本の家庭でも採用しやすい落ち着いた雰囲気があります。以下に特に人気の高いシリーズをご紹介していきます。
- LAIN・・・直線的なラインがスッキリとしたデザインで特徴的な「レイン」は、豊富なカラーや素材と、様々なアレンジが可能なデザインが魅力です。限られた空間やコストにも対応できるため、多くのユーザーに選ばれています。
- TELERO・・・16世紀のヴェネチアの大規模絵画にインスピレーションを得てデザインされた「テレロ」は、大理石柄などのセラミックとガラス素材を使用して、高級感のあるアーバンモダンスタイルを作るのにおすすめのキッチンです。
- ANTIS・・・「アンティス」はイタリアモダンの洗練された雰囲気を持つキッチンです。高級感のある機能的なマテリアルや、豊富な収納も魅力で、イタリアンモダンやアーバンモダンスタイルがお好きな方におすすめのキッチンです。
Euromobil / ユーロモビルの評判
設計も製造もイタリアの工場で作られているユーロモビルのキッチン。「イタリア製のキッチンの使い勝手はどうなの?」「丈夫さや品質は?」と気になる方も多いことでしょう。ここでは実際にユーロモビルのキッチンを使用しているユーザーの方の感想を参考に、品質や使いやすさなどを探っていきたいと思います。
我が家のキッチンはイタリアのユーロモビルのキッチンです。
(中略)
我が家のキッチンもかなり練りに練って選んだだけにお気に入りなのですが、日々進化するキッチンには目が離せません。
(中略)
でも浄水器などのキッチンまわりの業者さんからは「ユーロさんのキッチンは丈夫でよくできてますね。」と褒めてくださいます。
多くのキッチンをよく見てらっしゃる方から褒められるとうれしくなります。
背面の収納は扉を閉めているときは完全にツライチで閉まってくれます。
開けるときは、このように手でひっかけて
少し手前に移動してからスライドしてくれます。閉める時もふわ~~~っと静かにしまってくれます。
(中略)
左側の引き出し式の部分には、炊飯器とかを置いてあります。
こちらは上部に換気扇がついており、蒸気を感知すると自動的にファンが回ります。
が、前方に蒸気を吐き出すだけなので、ごはんを炊くときは収納は開けておかないとダメですwhttp://blog.livedoor.jp/kohshi7070/archives/cat_50054154.html
ユーロモビルのキッチンは、収納扉のバリエーションも様々です。蝶番や引き出しのレール部分にセルフクロージングシステムが内蔵されたものは、扉がゆっくりと静かに閉じてくれるので、締め忘れやちょっとだけ開いていた、なんてこともありません。加えて取手のないタイプを選択すれば、いつでもスッキリ、ピシッとした整理整頓されたキッチンに見せることができます。
また、その丈夫さについては、設備施工の業者の方にも褒められるほど。自分のお気に入りのキッチンが、誰かに褒められるのも嬉しいですね。炊飯器などを収納できる引き出しも備えることが可能なので、自分の使いやすいキッチンを、好きなデザインでコーディネートすることができます。シックハウス対策や環境性能にもこだわりのあるブランドなので、健康や環境に配慮したい方にもおすすめのブランドです。
Euromobil / ユーロモビル が気になる方におすすめブランド
Valcuvine(バルクッチーネ)
1980年創業の「バルクッチーネ」は、デザイン大国イタリアらしいアーティスティックを感じるおしゃれなキッチンを取り扱う高級キッチンブランドです。アルミフレームに厚さわずか5mmの扉面材を採用したキッチンや、100%リサイクル可能なキッチンなどの世界初のキッチンの発表や、ガラスを大胆に取り入れたキッチンといった先進的な挑戦を行いながらも、環境と人体の健康に配慮したものづくりを行うブランドです。
バルクッチーネのキッチンは、イタリアンモダンスタイルの洗練さと先進性を持ち合わせており、イタリアのキッチンブランドに興味のある方なら一度は覗いておいて損のないブランドです。また、日本での販売は、クリナップが輸入から販売・アフターサポートまでを行っているのも安心感があります。
参考:Valcucine HP
https://valcucinetokyo.jp/
Poliform(ポリフォーム)
元々は「ヴァレンナ」というキッチンブランドで、1950年の創業からキッチンメーカーとして優れた存在であったヴァレンナが、イタリアの家具ブランド「ポリフォーム」と合併したのは1996年のこと。システム収納家具が有名なポリフォームと、キッチンブランドのヴァレンナの合併は、二つのブランドを大きく発展させ、現在はポリフォームのブランド名の下、キッチンからリビング・寝室まで家の中をトータルにコーディネートできるようになっています。
イタリアのブランドらしい洗練された佇まいとスッキリとしたモダンスタイルが魅力的なキッチンが多く、カッコいい洗練されたモダンスタイルがお好きな方におすすめのブランドです。日本では、ACTUSが日本での輸入販売の代理店となっているので、日本国内のACTUSのショップでポリフォームのキッチンも見ることができます。
参考:日本総代理店 ACTUS HP「Poliform」
https://www.actus-interior.com/poliform/
プロが選ぶ!Euromobil / ユーロモビル のおしゃれなコーディネート実例5選
ANTISで作るスッキリとしたキッチン
天井・壁・床・キッチンをホワイト系でまとめたII型(2列型)のキッチンです。使用しているのはアンティスシリーズのキッチンで、ビルトイン機器はエレクトロラックス社製のもの。ワークトップを二列に分けることで、限られた空間での作業でも余裕のある動きができ、作業面も広く使うことができます。扉の取手による出っ張りがないので、見た目もスッキリしており、吊り棚のライトが手元を照らしてくれるので、壁側のワークトップでの作業も快適です。
ラッカー仕上げではホワイト系のニュアンスカラーを選択できるので、天井からキッチン、床のフローリングタイルまでの柔らかなグラデーションのトーンダウンが空間を広く見せています。ミニマルモダンなスタイルのキッチンながら、バックスプラッシュはジオメトリックなパターンを取り入れており、都会的なミニマルモダンスタイルのキッチンとなっています。
ANTISとLAINの組み合わせで作る大人のラグジュアリーキッチン
アンティスシリーズの大容量なキャビネットと、レインシリーズのペニンシュラキッチンの組み合わせです。ビルトイン機器や設備機器は、ガゲナウ・ボッシュ・リープヘル・エマソン・ハンスグローエ・シーガルフォーなど様々なメーカーのものを使用。ユーロモビルの対応機器の幅広さは、使いたい機器のメーカーが決まっている人には嬉しい部分ではないでしょうか。
アンティスのキャビネット扉は高級感のあるオークウッド。レインの扉には、「TSS IMPRIME ROCK」という石材風のメラミン素材を採用、天板にはクォーツエンジニアドストーンを取り入れ、全体的に高級感のある見た目ながらも、丈夫で機能的な素材を取り入れています。
バックスプラッシュでマイスタイルを演出するSEIのキッチン
マットで柔らかな風合いと、大胆なライン、ジオメトリックなエッセンスが加わった、センス抜群なキッチンスタイルです。バックスプラッシュに、オリジナルのパッチワーク風のタイルを取り入れており、色味のアクセントになっているほか、タイルの色ごとに厚さが異なるため、凹凸のある表面が平滑なキッチンに質感のコントラストを与えています。
「SEI」シリーズは、デザイナーの「マーク・サドラー」によってデザインされた先進的で高級感のある印象のキッチンシリーズです。「SEI」とはイタリア語で「6」を意味しており、実際、天板・側板・棚板などが6mmという薄さで作られており、シャープで洗練されたイタリアンモダンスタイルのキッチンとなっています。天板などが薄いため、実はワークトップのすぐ下にも、カトラリーなどが収納できるような底の浅い引き出しを備えています。
セイシリーズの仕上げのバリエーションにある「FENIX NTM®」は、イタリアのArpa社によって開発されたナノテクノロジーを使用した新素材です。熱を当てると小さな傷の修復ができ、指紋が付着しにくい、耐薬品性、抗菌性、防カビ性に優れているなど、機能面の優秀さと、柔らかくマットな質感が特徴的な素材です。
壁面にスッキリと収めたイタリアンモダンスタイルのDK
ユーロモビルのテレロシリーズを使用したイタリアンモダンキッチンスタイルです。キッチン扉と吊り戸棚、バックスプラッシュはダークカラーの大理石柄のセラミック素材「NERO GRECO」を採用、キャビネットもキッチンに合わせて暗めのマットなグレーラッカーで仕上げています。壁面にピッタリと収まる形で作られており、限られた空間をスッキリと見せています。基本カラーを黒・グレー・ホワイトのモノクロで統一しつつ、ビルトイン機器や照明、時計、テーブルの脚などにゴールドやシルバーのアクセントを取り入れることで、高級感のあるクールなイタリアンモダンスタイルを演出しています。
テレロは、セラミックやガラスなどの素材を備えたアーバンモダンスタイルなキッチンなので、イタリアの家具ブランド「カルテル」の照明「フライ」と「マスターズチェア」などを合わせることで、高級感のあるイタリアンモダンスタイルを作ることができます。もちろんカッシーナやB&Bイタリアなどの高級家具ブランドとも相性が良いキッチンで、テレロのシャープなラインとキリッとした佇まいが引き立ちます。
限られた空間をLAINで機能的に
ユーロモビルのレインシリーズは、安定して人気が高く、その理由はマテリアルの種類やカラーの豊富さ、組み合わせの多様さにあります。デザイン自体は無駄のないミニマルなデザインなので、画像のようにスペースに限りのある空間でも綺麗に纏まったキッチンを作ることができます。
吊り戸棚は狭めの幅の両開き戸になっており、あえてドア幅を細くして縦のラインを強調したデザインは、幅や面積に限りのある空間を縦に広く演出させて、空間を広く感じさせることもできます。レインはその汎用性の高さから、アンティスやテレロなどの他シリーズと組み合わせてコーディネートされることもあり、キッチンにそれほどスペースを使えない方や、ディテールにまでこだわってキッチンを作りたい方などにおすすめのキッチンです。
まとめ
ユーロモビルは、なんといっても多くの設備機器メーカーに対応していることが、大きなポイントになっています。日本のメーカーや、日本独自の設備にも対応している海外ブランドというのは、機能性もデザインもどちらも諦めたくない人にはとてもおすすめです。
設備機器からキッチンにこだわっていきたい方は、ユーロモビルのキッチンを採用してみてはいかがでしょう。
参考:Euromobil HP
https://euromobil.jp/