【プロが教える】ヒノキの床のお部屋をおしゃれにする方法!クセがなく美しい木目のヒノキはナチュラルカラーのインテリアにぴったり
木材の種類の中でも、ひときわ香りや手触りが特徴的なのが「ヒノキ」です。針葉樹であるヒノキは、国内を代表する木材としても知られています。
同じ針葉樹として国内で植林されているものに「スギ」もあります。ヒノキもスギも古くから生息していた樹種ですが、現在残る神社仏閣などの歴史的建造物には、腐食しにくい耐久性のあるヒノキが好んで使われました。世界最古の木造建築物である「法隆寺」もヒノキが使われており、今なお、その美しい立ち姿を維持しています。
流れるような美しい木目と艶のある質感が魅力のヒノキは、住宅の床材としてよく使われます。素地では優しい色調であるため、一見すると軽く柔らかい木材に感じますが、実は経年変化により硬く、重くなり耐久性も増していきます。耐水、耐久性に優れるヒノキは、長く住み続ける住宅には適した素材といえるでしょう。
今回は、ヒノキの床材をどんなインテリアと組み合わせるとおしゃれな空間になるか、家具や建具、壁材なども含めてご紹介します。
ヒノキの床を使った素敵なお部屋の実例もたっぷりとご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
プロが教える!ヒノキの床のお部屋をおしゃれにする方法
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ヒノキの床でおしゃれな部屋を演出するには、次のようなポイントに気を付けましょう。
ヒノキの床のお部屋をおしゃれにするポイント
木材の色を統一する
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ヒノキの淡く優しい色味を生かすには、床以外に使う木材も同じヒノキ、または似た色味の木材で統一感のある内装にまとめると、空間も広く感じられセンスの良さが際立ちます。
天井にウォルナットなど濃い色味の木材を使うと、天井から圧迫感が出てしまいヒノキ床の柔らかさが消されてしまう恐れがありますので、天井に使う素材の色は注意しましょう。
節ありと節無しでインテリアの印象が変わる
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ヒノキというと「節無し」で美しい木目をイメージすることが多いかもしれませんが、「節あり」の床材も使われます。
ヒノキはもともと淡い色味であるため、節が目立ちやすい性質があります。節が目立つと少しラフな印象を与えるため、節ありの場合はレトロスタイルやアンティークスタイル、アメリカンスタイルなどと相性が良いでしょう。
節無しの場合は、シンプルモダンなインテリアスタイルや和モダンスタイルなどに似合います。
節ありと節なしでは、それぞれお部屋の印象がガラリと変わりますので、目指すインテリアをイメージしながら選択すると失敗を避けられます。
ヒノキの床と経年変化
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ヒノキの特徴には耐久性の他にも、「香り」と「殺菌効果」があります。ヒノキの香りはリラックス効果があるといわれており、ヒノキで造られた浴槽に入ると肌触りの心地よさとともに、ヒノキの香りで癒し効果が高まります。
殺菌効果も高いことから、カビの繁殖を防ぐことも期待できます。殺菌効果は、ヒノキが浴槽に多く使われる理由のひとつでもあります。
無垢材は経年変化で色が変わったり、内部から油分が出てきたりと大なり小なりの変化があり、これはヒノキに限ったことではありません。
その中で、ヒノキの経年変化の特徴は「色の変化」です。ヒノキが新しいときは淡い色調の木肌ですが、年数が経つうちにやや黄色~赤味のある飴色に変わってきます。また、木材の内部から光沢が出るようになり自然の艶感が出てくるでしょう。
このような経年変化は、紫外線に当たることが影響します。そのため、窓際など日差しが当たりやすい場所と、部屋の奥で日陰になりやすい場所では、変化の度合いが変わることもあります。
「経年変化」というと「劣化する」ようなイメージを持つかもしれませんが、無垢材は経年するほど自然の艶が生まれて味わいが増します。水分や汚れをすぐに拭き取るなど基本的なメンテナンスを続けることで美しさが持続しますので、ぜひ自然の変化を楽しんでほしいですね。
さらに詳しく!ヒノキ床との相性をインテリアスタイル・建具・壁紙・家具ごとに見ていこう
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優しい雰囲気を作り出すのが得意なヒノキは、どんなインテリアスタイルと相性がよいでしょうか。内装や家具など種類ごとにご紹介します。
どんなインテリアスタイルと相性が良い?
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抜群の耐久性がありながらも優しい印象を与えるヒノキは、「ナチュラルスタイル」や「シンプルモダン」「和モダン」などのインテリアと相性がよいです。
アイボリーなどホワイト系の壁とヒノキ床との組み合わせは、素足でも心地よく素朴な質感が魅力でしょう。キッチンなど存在感のある設備を控えめな色にまとめると、ふんわりとした透明感のある空間が演出できます。
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ヒノキは木目の美しさから「和」の空間にも好まれます。節のない部位を使うことで、上質な和空間を演出することができるでしょう。
昔ながらの伝統的意匠を持つ本格的な和室にも似合いますが、障子や畳のデザイン、デザイン性のある照明器具などで、洗練された和モダンスタイルにすることも可能です。鴨居や建具の縁回りは細身にするとおしゃれな「和空間」が演出できます。
どんな色の建具・壁紙と相性が良い?
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繊細なヒノキの質感を生かすなら、壁や天井はホワイト系の壁紙や珪藻土、漆喰などの左官壁がおすすめです。全体的に柔らかく優しい印象にすることで、ヒノキの木目も生きてきます。
建具や巾木など床以外の木部もヒノキと同色でまとめると、統一感のあるおしゃれな空間を印象付けます。
「同じ色ばかりで変化がないのでは・・・」と、建具をダークブラウンにしたり天井に濃い色味の壁紙を使ったりすると、悪目立ちしてしまい床の印象も消してしまいます。アクセントカラーを取り入れるときは、ソファーやサイドテーブルなど家具で変化を加えるとよいでしょう。
どんな家具を選ぶべき?
ソファやテーブル等大物の家具を選ぶときのポイント
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ヒノキ床だかといって、ヒノキの家具で揃えなければならないということはありません。ヒノキは希少な木材ですから、家具としてもそれほど多く出回っているわけではありません。
床と家具を同じような色味で揃えることが、ちぐはぐにならずにおしゃれなインテリアに見えるコツですが、ヒノキの代わりにメープルやパイン、オークなど近い色味の家具でも似合います。
とはいえ、同色系でまとめると失敗しない分、無難になりすぎるときもあります。そのため、ダイニングチェアのファブリックに、ブラウンやモスグリーンなどの色を取り入れたり、ソファに置くクッションを赤やオレンジ、グリーンなどアクセントカラーを取り入れたり、地味になりすぎないようなコーディネートがおすすめです。
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素材感のあるラグを置くと空間を引き締める効果があります。また、背丈のあるグリーンを置いたり、家具の上に小さめのグリーンを飾ったりするだけでも、お部屋の雰囲気が明るくなり、同色系でまとめた空間でも自然の潤いが感じられるでしょう。
カーテンを選ぶときのポイント
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ナチュラルな空間づくりに適したヒノキには、シンプルなカタチの窓まわりがおすすめです。
上下操作でボリューム感が少ないプリーツスクリーンは、レースと厚地の切り替えもできて機能的。プリーツスクリーンに和紙素材を選べば「和モダン」空間にぴったりですし、カーテン生地のような素材を選べば「シンプルモダン」や「ナチュラルスタイル」に似合います。
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ナチュラルスタイルなら、一般的なドレープカーテンもよいでしょう。ホワイト系やベージュ系、グレー系などペールトーンのカラーで優しい雰囲気を演出するのがおすすめです。
木製レールやアイアンレールなどデザイン性のあるカーテンレールを使うと、窓回りがグッとおしゃれな雰囲気になります。
後悔したくない!気になる情報も事前に検討しておきましょう。
ヒノキのデメリットは?
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歴史建造物に使われているほど、ヒノキは耐久性が高い木材です。長い間、風雨に晒されてきても腐朽していないことから耐水性も高いと考えられます。
一方、耐水性があるにもかかわらず調湿性も高いため、水分や湿気が多い環境では吸水性が高くなりがちです。木材が水分を吸収すると、反りや膨張などの変化が起こりやすくなりますので、濡れた場合はよく乾燥させるなどの使い方が大切です。
表面にオイルやワックスでコーティングすることで耐水性を高める効果も期待できますので、仕上げとして検討してもよいでしょう。
独特の爽やかな香りがヒノキの特徴ともいえますが、一般的な木材と比べて香りが強い傾向があります。臭いに敏感な方やヒノキの香りが苦手な方もいる可能性がありますので、事前に実物で体感することをおすすめします。
また、稀にヒノキに対してのアレルギーを発症する方もいます。触れることでアレルギーを起こす方、木くずを吸い込むことで起こす方とさまざまですが、木材アレルギーをお持ちの方は、事前に検査などでアレルギー樹種を調べておくと安心です。
ヒノキの床の価格は?一般的な床材と比較して解説
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ヒノキの床材の価格相場は、1㎡あたり1.2万円程度となります。国産材として一般的な杉材は1㎡あたり1万円程度となるため、ヒノキは希少性もあり少し割高となります。
しかし、耐久性に優れているため、しっかりメンテナンスしていれば劣化も少なく長持ちすることが期待できますので、将来的に発生する修繕費とのコストバランスも考えて検討しましょう。
ヒノキの床は掃除が大変?
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ヒノキの床と聞くと「お手入れが心配」と考えている方もいるかもしれませんが、一般的な木材と特に変わることはありません。
汚れてしまったときは、軽く汚れを拭き取ったあと硬く絞った布で水拭きもできます。普段のお手入れは乾拭きするだけで、自然の艶が出てきます。
耐水性はありますが、水をこぼしたときは手早く拭き取りすれば木材への負担が少なく済みます。
こんなケースに気をつけろ!失敗しがちなパターン紹介
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一般的に節無しの床材よりも節ありの床材の方がコストは安く済みます。価格を抑えたいという理由から、作りたいインテリアイメージに合わない節あり床を選択してしまうと、素材としても優れているヒノキを使う効果も半減してしまいます。
たとえば、スタイリッシュなシンプルモダンをイメージしているなら、ラフな印象を与える節ありヒノキは一般的にはミスマッチといえます。
理想とするインテリアには節がない方がよいのか、施工実例などをたくさん確認してシミュレーションすることをおすすめします。
スタイル別ヒノキの床のコーディネート実例9選を解説!
ここからは、ヒノキ床を使った素敵なインテリア実例をご紹介していきます。どんな建具、家具を合わせているかも注目しながら参考にしてください。
ヒノキの床×ナチュラルスタイル 3選
ボーダー模様をアクセントにした優しい雰囲気のLDK
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ヒノキの床と白い壁は鉄板の組み合わせです。ダイニングやリビングの家具も同色系に揃えることで、お部屋全体に自然素材のふんわりとした雰囲気が漂います。ラグとソファを同じボーダー模様で統一感を出し、ナチュラルな心地よさが感じられる空間になっています。
カントリースタイルとの組み合わせでおしゃれに演出
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カントリー調のダイニングチェアが、可愛らしさの中にも清々しい雰囲気を醸しだしている空間です。テーブル上部のガラスペンダントがアクセントとして効果抜群ですね。木部は同色系で統一していても、家具デザインで好みのスタイルを創り出しているお手本のようなインテリアです。
存在感のある梁型がポイントのナチュラルスタイル
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力強さを感じさせる梁型がこのLDKのポイント。節ありのヒノキ床とともに無垢材の質感をたっぷりと感じます。グレイッシュなソファ、ベージュ系のカーテンなど無地の合わせやすいカラーを組み合わせて、ナチュラルな雰囲気が漂う素敵なLDKになっています。ダイニングテーブルに取り付けられた電球だけの照明器具も、素朴な雰囲気づくりに効果的です。
ヒノキの床×モダンスタイル 3選
黒を取り入れたシャープなモダンスタイル
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ナチュラルカラーの空間の中で、階段手すりに「黒」を取り入れモダンな雰囲気の空間を創り出しています。高さのある天井まで大きく切り取られた窓から自然光がたっぷりと入り、階段に黒を取り入れても圧迫感は全くありません。カッコイイ部屋づくりの参考になる実例ですね。
空間を引き締めるダークカラーを取り入れたLDK
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ヒノキの床や天井材とは全く異なるダークブラウンを取り入れたLDKです。異なる色でも全体的にまとまりのある空間になるポイントは、色の種類を少なくしていることでしょう。キッチンやセンターテーブル、ソファは同じダークブラウンでまとめられているため、雑然とする印象がなく、洗練された大人な雰囲気を感じさせる空間になっています。
重厚感ある素材ともマッチするヒノキの存在感
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天然石やブラックタイルなど、重厚感ある素材と組み合わせても、ヒノキの床の素材感が消されることがありません。美しさと高級感ある光沢が魅力的な、ヒノキ床ならではの表情ではないでしょうか。どちらの素材もお互いを引き立たせている素敵な空間です。
ヒノキの床×和モダンスタイル 3選
繊細な格子がアクセントのLDK
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繊細な木目とクセのない色味のヒノキは、和モダンスタイルと相性抜群です。細身の格子でデザインされた建具で、センスの良さを感じる和空間に。白い壁に包まれた空間の中で、さり気なく置かれたグリーンが爽やかさを感じさせてくれます。
間接照明の柔らかな陰影が印象的なLDK
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光沢感のあるヒノキ床と、間接照明の陰影が素敵な空間です。照明に照らされ、模様が強調されたアクセント壁が高級感を感じさせます。縦格子の障子がシンプルな「和」の雰囲気を漂わせながらも、現代的な暮らし方とマッチしたインテリアにまとめられています。
伝統的な真壁づくりで和の雰囲気を堪能する
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柱が現わしになる真壁づくりで、伝統的な和スタイルが取り入れられています。「和」のスタイルではありますが、畳と床との段差はなく自由に行き来できるのが機能的ですね。縁なし畳や窓回りにプリーツスクリーン、木製カーテンレールなどスタイリッシュな和空間にまとめられたLDKです。
まとめ
今回は、ヒノキの床の特徴やお手入れについて、ヒノキ床の素敵なインテリア実例などをご紹介しました。
クセがなく美しい木目のヒノキは、淡いナチュラルカラーのインテリアにしたい方にはぴったりな素材です。注意点としては「香り」があること、そして「節あり・なし」での使い方です。
インテリア家具との組み合わせでは、似合うものがたくさん見つかると思いますから、節ありと節無しで床に使うときの仕上がりイメージをサンプルで確認するなど事前にシミュレーションしましょう。優しい印象のヒノキ床で、イメージ通りの素敵な空間づくりを実現してください。