Hello Interior 思い描いた部屋に住もう

   

【プロが教える】リノリウムの床でおしゃれなインテリアを実現する方法!色別の印象からコーディネート実例まで徹底解説

岩野愛弓
著者:岩野愛弓 (インテリアコーディネーター/宅地建物取引士)

注文住宅会社で15年以上インテリアデザインやコーディネート業務に従事。オーダーメイドな造作家具の基本デザインや自然素材を扱う住空間を得意とする。素材感や雰囲気があるもの、ディティールがしっかりと造られているもの、カタチがよいものに惹かれ、インテリアアイテムをご提案するときは国内、海外問わず情報収集しコストパフォーマンスも重視している。住まいに関するコラムライターとしても活動中。

https://www.instagram.com/casa_materials/

住まいに使われる床材として知られている「リノリウム」。今から160年以上前にヨーロッパで作られたもので、天然素材が主原料であることから身体にも優しい素材として、特に医療現場や学校などバブリックな場所で使われてきました。

住宅の中でも「靴を履いて過ごす」という文化があるヨーロッパ諸国では、耐久性のあるリノリウムが普及していきました。一方、日本の住宅では畳が敷かれた部屋が多く、「靴を脱いで過ごす」文化があったため、それほど性急には普及しなかったと考えられます。

国内でリノリウムが生産されたのは1919年ころで、大正時代に入ってからです。西洋の文化が浸透しはじめ、それまでの「座式」の暮らしから「椅子式」へと変化していき広まっていきました。近年は、環境にもやさしい素材であるということもあり、注目されてきています。

今ではデザインバリエーションも豊富になり、お部屋のイメージに似合うリノリウムを選ぶこともできるようになりました。ラグや家具とのさまざまコーディネートもご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

プロが教える!リノリウムの床でおしゃれなインテリアを実現する方法

そもそもリノリウムってなに?

https://www.pinterest.jp/pin/841047299144245586/

リノリウムという素材の名前だけを耳にすると、樹脂などの化学製品のようにイメージしている方もいるかもしれませんが、実は「天然素材」から作られたもので環境にやさしいことが特徴です。もともと学校や病院など健康志向が強い公共施設で使われることが多い素材でした。

主な原料は、亜麻仁油や天然ロジン、木粉、コルク粉などで害物質も発生しないクリーンな素材であるためシックハウス症候群の対策にも効果があります。

高度成長期の日本の住宅は、安価で大量生産できる化学物質の建材が多く使われていましたが、シックハウス症候群やアレルギー、ホルムアルデヒドなどの健康被害がクローズアップされるようになり、次第に天然素材を使った住まいづくりも注目されるようになりました。近代建築でリノリウムがクローズアップされるようになったきっかけでもあります。

リノリウムの床材はシート状の見た目もあり、一般的に見かける塩ビタイルやクッションフロアと混同してしまうこともあります。それぞれの素材の違いをきちんと理解しておきたいですね。

リノリウムは天然素材から作られていますが、メリットもあればデメリットもあります。次で詳しく整理していきます。

改めてリノリウムの床のメリット / デメリットを整理します

リノリウムのメリット

https://www.pinterest.jp/pin/361132463864878816/

①身体にも環境にもやさしい素材
リノリウムは天然素材から作られているため、シックハウス症候群を誘発するような化学物質を含みません。素材に含まれる亜麻仁油には抗菌作用があり、ブドウ球菌や大腸菌に対しての抗菌性も確認されています。また、廃棄するときは分解されて土に還るため身体にも環境にも優しい素材です。

②耐久性が高く不燃材である
リノリウムは天然素材でありながらも、耐久性の高い床材です。ビニール系のクッションフロアの場合、荷重がかかるような家具を置くとその部分は凹んでしまいますが、リノリウムは凹みにも強く、椅子のキャスター跡もつきにくくなっています。

③滑りにくくお手入れがしやすい
天然素材であることから静電気が起きにくいため、空気中のホコリやチリを引き付けることがなく、汚れにくくお手入れがしやすくい素材です。日常は乾いた雑巾で拭くだけでお掃除が完了します。

また、リノリウムは弾力性に優れていて柔らかいため、滑りにくいという点もメリットのひとつです。学校や病院など公共施設でも使われてる理由にもなっています。

リノリウムのデメリット

https://www.pinterest.jp/pin/600597300282909332/

①独特の臭い

リノリウムに使われてる亜麻仁油の影響があり、独特の臭いがあります。施工したばかりのころは特に気になることもありますが、徐々に臭いは薄くなり消えていきます。臭いがあるからといっても、健康には全く影響はありません。臭いに関してはリノリウムの特徴ともいえるものですので、気になる方は事前にサンプルなどで確認しておきましょう。

②塩ビ系よりも割高

一般的な塩ビ系タイルなどと比較すると、少し割高になります。天然素材を使っているため製造段階でコストがかかっているのが要因になっています。

③紫外線の影響を受けやすい

天然素材であるため、紫外線の影響を受けやすく、日当たりのよい部分では退色する可能性があります。日光が当たりやすい窓辺での使用は控えた方がよいでしょう。

リノリウムの床でおしゃれなインテリアを実現するには?

リノリウムのカラーバリエーションは多く、空間イメージに合わせてコーディネートすることができます。

ブラック系で重厚感を演出する

https://www.pinterest.jp/pin/7459155621345594/

ブラック系の濃色リノリウムは、キッチン床など重厚感を出したい場所におすすめです。拭き掃除が楽なリノリウムなら汚れやすい水回りに活用できます。洗面所にブラック系を使う場合は、浴室の床とカラーを合わせれば連続感が出て空間に広がりが生まれます。

 

グレー系でスタイリッシュな空間に

https://www.pinterest.jp/pin/426927239674033332/

渋いグレー系のリノリウム床は、シンプルモダンな空間に似合います。一般的なフローリングではなかなか出せない無機質な雰囲気づくりができるでしょう。やわらかい素材のリノリウムなら素足でも滑りにくく小さな子供にも安心です。

 

ベージュ系は温もりのある印象

https://www.pinterest.jp/pin/137148751131822862/

ベージュ系の床なら、やさしい配色で統一すればナチュラルで温もりのある空間をつくることができます。クリア塗装やオイル仕上の無垢材との組み合わせも馴染みやすく、「和み系」の空間にも似合います。

 

POPカラーでアクセントを

https://www.pinterest.jp/pin/180495897550828781/

リノリウムは、白、黒、茶系の基本的なカラーのほかにも、グリーンやブルー、オレンジなどPOPカラーのバリエーションも揃えています。子供部屋を明るい空間にしたい場合は、プレイスペースとして部屋の一部にグリーンのリノリウムを貼るなど、ちょっとしたアクセント使いもおすすめです。

さらに詳しく!リノリウムの床との相性をインテリアスタイル・建具・壁紙・家具ごとに見ていこう

どんなインテリアスタイルと相性が良い?

https://www.pinterest.jp/pin/302515299962237374/

リノリウムの床材と相性が良いインテリアスタイルは、「シンプルモダン」「ナチュラルスタイル」「レトロスタイル」などです。

素材として主張しすぎない特徴があり、シンプルモダンな空間では家具や照明、絵画などのインテリアエレメントが映えます。ナチュラルスタイルにおいては、ふんわりと包み込むような空気感を与えてくれるでしょう。素朴な表情のリノリウムを使うと、ラフな印象のレトロスタイルも楽しめます。

どんな色の建具・壁紙と相性が良い?

https://www.pinterest.jp/pin/688417493010436879/

ホワイト系の壁紙を選択すれば、どんなパターンのリノリウムとも馴染んでくれますので、コーディネートでの失敗は避けられます。リノリウムの柔らかい表情を引き立たせるには、ホワイト系の中でも、青味の強いものより少し赤味や黄味よりのアイボリー系や、薄いグレー系と相性がよいでしょう。

リノリウムは「木」との相性もよいので、建具や家具造作などは木目のはっきりしたブラウン系の木が似合います。すっきりとしたシンプル空間を目指すなら、建具は壁と同色系で存在感を消すと、よりスタイリッシュな雰囲気を演出できます。

どんな家具を選ぶべき?

https://www.pinterest.jp/pin/113012271878954815/

リノリウムの床材を使ったときに似合う家具は、全体的な空間のイメージにより異なります。モダンなイメージならデザイン性のある個性的な家具も似合いますし、「木」との組み合わせも抜群です。ガラスや樹脂を使った透明感のある家具も意外と似合うのでぜひ取り入れてほしいです。

レトロなイメージなら、年代物の素朴な家具や鉄と木を組み合わせた素材感のある家具もおすすめです。

後悔したくない!気になるポイントを事前に押さえておこう!

費用はどれくらいかかるの?

https://tajima.jp/flooring/marmoleum_sheet/walton.html

リノリウムの床に貼りかえる場合の費用は、種類によりますがおおよそ4.500円~10,000円/㎡が目安となります。6帖(約10平米)の部屋で工事をした場合は、45,000円~が目安となります。

また、貼る場所の下地の状態によっても費用が変わり、下地処理も必要な場合は別途に10,000円~50,000円/㎡ほどが費用目安です。

メンテナンスはしやすい?

https://tajima.jp/flooring/marmoleum_sheet/concrete.html

リノリウムの床材に模様の少ないものを選択した場合、モヤモヤっとしたパターン模様が多く遠目に見るとほぼ無地のような状態です。

広い面積を全部リノリウムにした場合、選ぶカラーやお部屋のテイストによってはシンプル過ぎて軽くチープな感じに見えることもあり、家具や壁紙などで上手にアクセントを取り入れないと、寂しげな部屋になってしまいます。水回りの床や子供部屋などにワンポイントで使うと失敗が少ないでしょう。

 

場所別!リノリウムの床を住宅に取り入れたコーディネート実例9選を解説!

ここからは、場所ごとにリノリウムの床を使ったコーディネート実例をご紹介します。内装や家具との組み合わせなどにも注目してみてください。

リノリウムの床×リビング実例 5選

土間を表現したモダンスタイル

https://www.pinterest.jp/pin/725149977497182226/

リノリウムの床材といえば、やさしいグレー系をイメージする方は多いのではないでしょうか。コンクリート土間のような雰囲気が漂い、素材感を抑えたシンプルモダンな住まいに良く似合います。

床が控えめな分、ラグの役割は重要です。木製家具を取り入れればシンプルモダンな中にも温もりがプラスされて落ち着きのある空間になります。

無垢材との組み合わせで温もりのある空間に

https://www.pinterest.jp/pin/807762883150461800/

コルク柄のリノリウムは、無垢材との相性がよく、ナチュラルスタイルにはぴったりです。収納家具などの造作も無垢材を使いトータルコーディネートが素敵です。

色味を抑えたスタイリッシュなLDK

https://www.pinterest.jp/pin/467811480042489277/

壁・天井・建具からキッチンまでホワイトカラーで統一し、薄いグレーのリノリウム床との組み合わせで都会的でスタイリッシュなLDK空間になっています。

ブラックカラーで渋みのあるミニマムスタイル

https://www.pinterest.jp/pin/306948530860051961/

ラフな仕上げの天井と、存在感のあるブラック基調のリノリウム床。デザイン性のあるステンレスキッチンも空間によく映えます。ユニークなアイデアが生まれそうな大人の隠れ家です。

光を吸収するマットな質感がおしゃれ度アップ

https://www.pinterest.jp/pin/764908317959617054/

マットな質感のリノリウムなら、光を吸収して重厚感のある空間を演出することができます。耐久性もあるため、家具を置く場所でも安心して使えます。

リノリウムの床×洗面所実例 2選

造作洗面カウンターに重厚感をプラス

https://www.pinterest.jp/pin/822540319436424489/

現場造作の洗面カウンターで、他にはないオーダーメイドな洗面空間に。木のボリューム感に負けないブラック系のリノリウムで重厚感がプラスされています。

ナチュラルカラーで温もりのある洗面所

https://www.pinterest.jp/pin/431782683027093735/

ブラウン系のリノリウムは、やさしい印象で温もりを感じさせてくれます。柔らかい素材ですから、入浴前後などで直接肌に触れる機会が多い洗面所にも最適です。

リノリウムの床×キッチン実例 2選

グレイッシュ×ホワイトでモダンなキッチン

https://www.pinterest.jp/pin/350436414756841258/

グレーの床とホワイトカラーのキッチン本体で清潔感のあるキッチン周り。床が壁よりも一段濃い色味になっているため重心が低く抑えられて、存在感のある素材の設備機器が配置されても違和感なくまとまりがあります。

キッチン床にはお手入れのしやすさも大切

https://www.pinterest.jp/pin/622833823446288030/

洗い物の水はねや調理中の油はねなど、キッチンの床は汚れやすいものです。ささっと気軽に拭き掃除ができるリノリウムで、インテリア空間のアクセントと機能性の両立ができます。

まとめ

今回は、天然素材のリノリウム床材について、特徴やコーディネートの実例などをご紹介しました。

パターン模様のないリノリウムは、もやっとした印象にもなりやすいため「キリリ」としたシャープな感じを出したいならホワイト~グレー系でまとめると成功しやすいでしょう。

ブラック系の濃色リノリウムを使うと、重厚感や高級感が表現しやすくなります。リノリウム自体はそれほど主張するものではありませんから、ラグや家具などで遊び心やアクセントを加えるとおしゃれな印象になります。インテリアが映えやすい素材ですからぜひコーディネートを楽しんでくださいね。

Hello Interior LETTER

インテリアのヒントがメールで届く!!