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【プロが教える】憧れの和モダンインテリアを実現する方法!インテリア実例とともに徹底解説

佐伯美知枝
著者:佐伯美知枝 (二級建築士/インテリアコーディネーター)

宿泊施設専門のコンサルティング会社にて、旅館やホテルのオープン・リニューアル案件を担当。その後インテリアショップ「カギロイ」勤務を経てフリーのコーディネーターに転身。小型犬+家族3人暮らし、自宅は古材家具に囲まれた和モダン風です。心身共にリラックスできる居心地良いお部屋づくりをモットーに、様々なインテリアをご提案できるよう心掛けています。

年々、新築の一戸建てやマンションにおいて和室が減少傾向にあり、床の間や畳、障子といった和の内装やインテリアが、日本の住まいから消えつつあると言われています。

その代わりに、現在は洋室を主体とする家が増えてきていますが、高温多湿な日本の気候や、日本人の生活習慣などから、再び「日本独自の建築・設え」や「和室を構成する畳や建具」が見直されてきているということをご存じでしょうか。

そこで今回は、日本ならではの伝統的な”和の要素”と、現代的でスタイリッシュな”モダンなデザイン”を掛けあわせた「和風モダン」のインテリアスタイルについて、掘り下げてみたいと思います。

「ベッドやソファなどと合わせやすい?」と疑問を持たれる方や、「昔ながらの畳部屋を、おしゃれなイメージに変えてみたい」と考え中の方、或いは、新築・改築を予定されていて、おしゃれな和室を検討されている方などに参考にして頂きたい、「和モダン」スタイルを実現するポイントや、おすすめコーディネート例についてご紹介します

プロが教える!おしゃれな和モダンインテリアを実現するポイント

どんな配色にすべき?

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和モダンスタイルの配色を考える際、ベースカラーやメインカラーに取り入れてみたいのは、畳や土壁、漆喰、竹、和紙、石など、和の要素を構成する自然素材(アースカラー)の色。主に、茶、ベージュ、白、黒、グレー、緑系色が使われます。

そこに、アクセントカラーとして、日本の伝統色と呼ばれる色を。赤系なら「えんじ」、青系なら「藍色」など、明度低めの落ち着いた色味がおすすめです。金や銀色など、煌びやかな色を入れてもよいでしょう。

どんな家具を選ぶべき?

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日本は古来から、畳に布団を敷いて寝たり、畳や床に座って寛いだりするという文化や生活様式がありました。このような目線を低くする「低座の暮らし」は、和モダンインテリアのひとつの考え方としておすすめです。

例えば、ダイニングテーブル。一般的な高さ(H)は70センチほどですが、H60センチ前後のものを選ぶと、食事・作業用以外に、趣味を楽しんだり、寛ぎの場所として使えたりするなど、一台でさまざまな使い方ができます。合わせるチェアは、座面高さ(SH)38センチ程度がベター(座面・脚の形状や座クッションの厚みによって変わります)。目線が低くなる分、天井を高く感じられる効果を得ることもできますよ。

また、家具の形状やフォルムに決まりはありませんが、曲線形よりは「直線的なフレームで構成されたデザイン」が、また、太めよりは「細みのシルエット」のほうが、和モダンのテイストに合います。

昔ながらの畳の部屋を和モダンにするには?

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昔ながらの畳の部屋に、和モダンのテイストを取り入れるなら、お部屋の中でも広い面積を占める内装(床・壁・天井)部分の見た目に変化をつけてみましょう。

上の写真は、畳にキリム風ラグを敷いた例。畳の大半がラグで覆われることにより、和の要素が軽減されます。ラグは、湿気がこもりにくく、畳の呼吸を妨げにくい通気性が良いものを選ぶのがおすすめです。

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壁や天井に手を加えられるのなら、思い切って壁紙クロスを貼り替えてしまう方法も。賃貸にお住まいなら、原状復帰ができるように貼ってはがせるタイプの壁紙が安心です。

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砂壁や漆喰壁などで壁紙を施工するのが難しい場合は、障子や押入、襖紙、床の間などの一部を、壁紙クロスやプラスチック障子紙などで貼り替えてしまう方法もあります。

フローリングのマンションでも簡単に和モダンを取り入れるには?

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フローリングにおすすめしたい、和風モダンのインテリアエレメントは、なんといっても置き畳(ユニット畳)。昔ながらの「い草」製はもちろん、メンテナンスが楽な「高機能畳」があり、「縁あり・なし」「長方形」「正方形」「カラー畳」など色やデザインも豊富です。

置き畳より手軽に和モダンの雰囲気を演出するなら、「い草」や「籐・竹製」のラグを敷いてみてはいかがでしょうか。

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次に目を向けたいのが壁紙です。写真は押入れと天袋部に黒色のクロスを貼った例。白や茶系などのナチュラル色が、お部屋の大部分を占めるケースにおすすめです。

こんなケースに気をつけろ!失敗しがちなパターン紹介

赤茶・濃茶系の色味が強い樹種は、アジアンスタイルの印象を与えやすい

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お部屋の家具や内装材を考える際は、日本の家づくりで多用される樹種から選ぶのがコツ。写真は、木をふんだんに使ったお部屋の一例ですが、どことなくアジアン調の印象を受けますね。チーク、マホガニーなど赤茶系や、ウォールナットなどの濃茶系の樹種は、和モダンスタイルには極力避けたほうが無難です(民芸調・古民家系スタイルのインテリアとの相性はOK)。

和モダンのインテリアには、針葉樹であれば杉やヒノキ、松(パイン)、広葉樹であればナラ(オーク)やブナ(ビーチ)など、白・黄色みがかった薄茶系の樹種が合わせやすいといえます。

ひとつのお部屋に多くの色や柄を使うと、インテリアイメージがぼやけてしまう

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北欧テキスタイルブランドのファブリックを椅子の張地に用いた例。北欧のインテリアは日本の住宅との相性が良い傾向にありますが、ソファだけではなく、床の間に飾られたアートもインパクトがあり、それぞれの個性が互いに強く出てしまっています。

和モダンインテリアに限らず、お部屋のカラースキームを考える際は、ソファなどの存在感がある家具やカーテン、ラグなどの色数は、トータルで1~2色、多くても3色までに抑えましょう。上の写真でいえば、アートを白やグレーなどの無彩色にするか、他の色でも柄なし(無地)にすれば、ソファの柄が引き立ちやすくなります。

ちなみに、インテリアカラーの黄金比率は、ベースカラー(天井や床・壁):メインカラー(ソファなどの大きめの家具):アクセントカラー(クッションや照明など)=7:2:1程度といわれています。

打ちっぱなしコンクリートやレンガ調の壁紙は、無機質で無骨な印象を与えやすい

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白い壁面とベッド背面に配されたウッド調の腰壁が、優しい印象を与える寝室です。しかし、腰壁上部や左手側の壁紙に貼ったコンクリートレンガ調壁紙により、工業的な印象を与えるインダストリアルな雰囲気が満載のお部屋に…。

和モダンインテリア風の壁紙を選ぶなら、漆喰調や塗り壁(土壁)風のほか、竹、和紙、金箔・銀箔、漆など、日本ならではの素材からセレクトするのがおすすめです。

インテリアのプロは知っている。和モダンに合わせるインテリアアイテムを探すときにまず見るショップ

日進木工(にっしんもっこう)

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1946年、岐阜県高山市にて創業した日進木工は、1300年前より続く「飛騨の家具づくり」の匠の技を現代に伝える会社です。家具づくりの生命線といわれる木材の選定と乾燥から、製造までの工程を一貫して行い、その高い技術力に、エンドユーザーはもちろん、コントラクト(業務用)家具として、インテリア業界のプロ御用達のブランドのひとつといえるでしょう。

プロダクトはテーブル、椅子、ソファ、サイドボードなど多岐にわたり、ナラやブナなど固い広葉樹の樹種を中心に扱います。丈夫さと軽量さを誇りながらも、高いデザイン性が特徴で、ダイニングチェアは3万円代~、リビングテーブル8万円代~(ともに税別)。細身で、すっきりしたデザインの家具をお好みの方に。

WISE・WISE(ワイス・ワイス)

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ワイス・ワイスは、1996年に創業したライフスタイルショップ。「WISE・WISE表参道」(完全予約制)と、東京ミッドタウン内の「WISE・WISE tools」で、和モダンスタイルの家具から生活道具まで、さまざまなインテリアアイテムを揃えることができます。

近年は「国産材プロジェクト」を提唱し、クリやブナなどの広葉樹のほか、杉やヒノキといった針葉樹まで、和モダンスタイルとの相性が良い多種多様な樹種を扱います。プロダクトは座椅子や座卓、チェアやダイニングテーブル、ソファ、キャビネットなど。ダイニングチェアは3万円代~、ダイニングテーブルは8万円代~(ともに税別)。ナチュラルなテイストからエッジが効いたデザインまで、さまざまな家具を取り揃えています。

ワイス・ワイスのオリジナル家具は、全て森林資源の再生が管理されている木材(フェアウッド)を使用しており、国産材の使用率は50%以上。これはインテリア業界初といえる画期的な試みで、インテリア・建築業界に留まらず、多方面から注目を浴びています。

おしゃれな和モダンインテリア実例14選

リビングの和モダンインテリア実例6選

ブラック系色の置き畳と床の間クロスで、シック&スタイリッシュに

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フローリング敷き用のユニット畳と、床の間の壁クロスを黒系色で揃えた和モダンコーディネートの一例です。和室はベージュや白系の地味な色が多いため、やや単調な雰囲気になりがち。白や茶系との相性が良く、かつ存在感が強い黒色を加えて、空間を引き締めましょう。

内装に手を入れるのが難しいなら、家具の色でアクセントをつける

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畳や壁、障子、欄間を配した和室に、黄色やオレンジ、ブルーなど、さまざまなカラーの張地を張った家具を配した例です。内装に手を入れるのが難しい場合は、家具の張地や木部色で、アクセントをつけるのもよいですね。

フローリングと低座の暮らし、2つのスタイルを両立するお部屋

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PCデスクを設置したフローリングと、布団が敷かれた低座用スペースからなるユニークな構成のお部屋です。PC作業で集中した後は、低座用スペースでゆったりとあぐらをかいて寛ぐのも良いですね。

ロータイプのテーブルを、お部屋の壁側につけて設置する

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ロータイプのテーブルを、お部屋の壁側につけて設置したお部屋です。お部屋の広さに限りがあるなら、テーブルはお部屋の中心ではなく壁に付けて設置するという方法も。お部屋の中央部に余裕が生まれ、スペースを有効に使うことができます。

昔懐かしい囲炉裏を現代版にアレンジした「いろりリビング」

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今ではほとんどみられなくなった、日本の古き良き食事風景「囲炉裏がある間」を現代に復刻したリビングです。天井から吊り下げた自在鉤(じざいかぎ)は、鍋や鉄瓶などを引掛けて使用するもので、実用性とインテリア性を兼ねています。背後の透かし和紙のようなスクリーンや、天井部の竹の設えなど、細部にわたって和の要素が散りばめられていますね。

無垢材ならではの質感と木目が特徴のナラ・オーク系樹種は、和モダン住宅にぴったり

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内装材としてはもちろん、家具も天然木にこだわった和風ナチュラルテイストのリビングです。あえてブラウンとホワイトを基調とした2色のみで展開し、木の存在感を前面にアピール。写真のようなナラ・オーク材の堅木をつかった内装材は、木目がはっきり出やすく、無垢材ならではの力強さを感じられるので、和風モダンテイストの空間にぴったりです。

ダイニングの和モダンインテリア実例2選

和紙を透過する優しい光で、ゆったりしたダイニングシーンを演出

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形違いの和紙製ペンダント照明を、3つ連ねて吊り下げたダイニングです。和紙は光を透過し、拡散する特性があるので、テーブル周りに最適。グレア(不快感のあるまぶしさ)を軽減してくれるほか、デザイン性も抜群です。

シックなカウンター付きテーブルを備えた、和モダンダイニング

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ダイニングテーブルの脇に、やや高さがあるカウンターを設けたダイニングの例です。写真は「星のや東京」のお茶の間ラウンジですが、お茶や珈琲を淹れたり、ディスプレイスペースとして使ったりするなど、アイディア次第で様々な使い方ができそうですね。

畳和室の和モダンインテリア実例2選

借景の緑を眺めながらほっと一息寛げる、和テイストの書斎

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窓方向に向けて、造りつけテーブルを配した和テイストの書斎の例です。横組障子(よこぐみしょうじ)を通じて差し込む光が、柔らかに広がっていますね。借景の緑を眺めながら、ほっと一息つける空間です。

白玉砂利と黒の琉球畳の色の対比を際立たせた、モノトーン調和室

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黒い琉球畳の下を間接照明でライトアップした、モノトーンテイストの和室です。白玉砂利の白さを際立たせるなら、写真のような太陽の明るさに近い昼光色が最適ですが、リラックス感や温かい雰囲気を演出するなら、電球色を使用するのもよいでしょう。

玄関の和モダンインテリア実例2選

黒御影石と白漆喰、グレーの三和土でシックにまとめた”通り土間”風玄関

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黒御影石のスレートを敷いた三和土(たたき)が印象的な、通り土間風玄関です。同系色である黒の格子戸は通風や採光に優れているばかりか、見た目も美しい和のデザイン。三和土のグレーと御影石の黒、白漆喰のホワイトと、無彩色でまとめたシックなカラーリングです。

障子戸や簾戸など、日本の住まいに欠かせない建具を和のデザインに

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築100年以上になる京都の長屋を、改修した住宅の玄関です。正面にみえる引き戸は、すだれをはめこんだ簾戸(すど)のようですが、玄関右の障子戸と合わせて、和のテイストに奥行きを出しています。照明は、”梁あらわし”(梁を見せた仕上げ)の天井部に、ダウンライトを設置しただけ。とてもすっきりとした印象ですね。

トイレの和モダンインテリア実例2選

杉材カウンターと自然素材の珪藻土の間に、日本の伝統文様柄タイルを敷く

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木目が美しい杉材のカウンターと珪藻土で塗られた壁の間に、日本の伝統文様「麻の葉」柄のブルータイルを敷き詰めたトイレです。足元に敷かれた白玉砂利の上品な色あいが、モダン&高級感を程よく演出しています。

日本ならではの伝統色・柄のテクスチャーを天井や壁に敷き詰める

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トイレの壁と天井に障子型の建具を設置し、和紙調パネルを施工したトイレ。おそらく、間接照明としても使える湿気にも強いプラスチック製強化和紙(ワーロンなど)を使っているかと思われます。

メーカーによって異なりますが、ろうけつ染めや木目調、日本の色など、多種多様なラインナップが揃うので、さまざまなテクスチャーをミックスしてオリジナリティを出すのも素敵です。

まとめ

今回は、和モダンなお部屋をつくる際のポイントや、家具選びに参考にして頂きたいショップ、コーディネート例などをご紹介させて頂きました。

たくさんのコストや手間をかけなくても、ちょっとした工夫やアイディアで、「和室に洋のエッセンス」、或いは「洋室に和の要素」をとりいれることは思いのほか簡単です。気持ちがなごむ素敵なお部屋を「和モダン」スタイルのインテリアで叶えてみてくださいね。