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【プロが伝授】Ⅱ型(ニガタ)キッチンでおしゃれで快適な空間を実現する方法!レイアウト全8パターンを徹底解説

nanaco
著者:nanaco (二級建築士/インテリアコーディネーター)

建築デザイン学科卒業後、大手ハウスメーカーに勤務し、建築士・インテリアコーディネーターとして新築住宅の建設に携わる。延べ300件以上の新築住宅の設計とインテリアコーディネートの経験を活かし、現在はライターとして住まいやインテリアに関する情報を発信中。心地良い上質な暮らしを実現し、日々の生活にときめきと彩りを加える、素敵なインテリアをご提案していきます。

コンパクトな住宅でもアイランド型のキッチンを採用したい、広い作業スペースと短い作業動線を両立させたい、そんな難しい要望にも応えてくれる「Ⅱ型(ニガタ)型キッチン」。

様々なメリットのあるⅡ型キッチンですが、その特徴について詳しく知っている方はあまり多くないのではないでしょうか。また、オーソドックスなI型キッチンと比べると施工事例が少ないこともあり、Ⅱ型キッチンが気になってはいるものの使い勝手やレイアウトの方法に不安がある、なんて方も多いのでは?

キッチンに広い面積を割くことができないケースが多い日本の住宅において、Ⅱ型キッチンを上手く活用することで、限られたスペースでも理想のキッチンを実現できるというシーンもたくさんあります。

Ⅱ型キッチンをでおしゃれで快適な空間を実現する方法を、プロの視点から解説していきます。

Ⅱ型(ニガタ)型キッチンでおしゃれで快適な空間を実現する方法

L-CLASS Garrery | 住まいの設備と建材 | Panasonic

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Ⅱ型キッチンとは、コンロの付いたユニットとシンクの付いたユニットの2つに分かれたキッチンのことで、2つのユニットを平行に並べて配置します。キッチンが数字の「Ⅱ」のように並んでいる様子から、Ⅱ型キッチンと呼ばれます。メーカーによってはセパレートキッチンとも呼ばれますが、同じタイプのキッチンです。

分かれたキッチンの片方を壁から離してアイランドキッチンのように設置したり、どちらも壁付けにして独立キッチンのように設置したりと、レイアウトの選択肢の多いのが、Ⅱ型キッチンの特徴です。

どのようなキッチンにしたいのかという希望に合わせてポイントを押さえたうえで、Ⅱ型キッチンをレイアウトし、コーディネートしていく必要があります。

Ⅱ型(ニガタ)型キッチンの基礎知識!一般的なI型キッチンと使い勝手はこう違う

丁寧に暮らす 平屋の小さなお家

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まずは、Ⅱ型キッチンの基礎知識として、一般的なI型キッチンとの違いを解説していきます。

I型キッチンとは、コンロとシンク、作業スペースが一つのユニットにまとまっている細長い形状のキッチンで、一番オーソドックスなタイプのキッチンです。

ほとんどの場合、Ⅱ型キッチンはコンロ側にもシンク側にも作業台が付いているため、I型キッチンに比べ作業スペースが広い場合が多いです。I型キッチンの場合作業スペースを広く取り過ぎると動線が長くなるのに比べ、Ⅱ型キッチンであれば作業動線は短いままでスペースを広く取ることができます。

使い勝手にも違いがあり、料理中の横移動が多くなる傾向があるI型キッチンに対し、Ⅱ型キッチンは移動する動作よりも、体の向きを変える動作が多くなります。無駄な移動が少ない代わりに、コンロ側とシンク側をそれぞれ振り返る動きが多くなるのが、Ⅱ型キッチンです。

コンロとシンクの間隔が使い勝手を左右する

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その場で体の向きを変える動作が多くなるⅡ型キッチンは、コンロ側とシンク側の二つのユニットの間隔によって、使い勝手が大きく変わってきます。

1人で料理をすることが多い場合、通路幅は80~90㎝がおすすめです。キッチンの引き出しや開き扉を使用する際に必要な幅をしっかり確保したうえで、できる限り二つのユニットの間隔を狭めることで、振り返った際に反対側のカウンターに手が届きやすく効率的な作業が可能になります。

2人以上でキッチンを使用するご家庭の場合は、110~120㎝程度の通路幅を確保しましょう。余裕を持ってすれ違うことができるようやや広めに間隔を空けることで、多人数でも安全に、ストレスなくキッチンを使用することができます。

このユニット同士の間隔は少しの差で使用感が大きく変わるため、ショールームなどで実際のキッチンを確認し、ちょうど良い通路幅を体感したうえで決定しましょう。

オープンキッチンにも独立キッチンにも!好みのスタイルを選ぼう

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一口にⅡ型キッチンと言っても、オープンキッチンにするか独立キッチンにするかでその雰囲気は大きく変わります。

オープンキッチンの場合、排気設備の必要なコンロ側のユニットを壁付けにし、シンプルなシンク側のユニットを対面式キッチンとしてレイアウトする場合が多いです。ユニットの片側をダイニングやリビングの方に対面させ設置することで、料理中でも家族の様子が分かりやすく、会話もしやすいという特徴があります。

対面にしたシンク側のユニットは一般的なI型キッチンよりもコンパクトな場合も多いため、広いスペースが無くてもおしゃれなアイランドキッチンに仕上げられるというメリットもあります。

独立キッチンの場合は、コンロもシンクもそれぞれ壁付けキッチンとして設置します。Ⅱ型キッチンの短い作業動線を活かし、集中して効率的に料理をすることが可能な配置です。I型キッチンよりも長さが短いキッチンが多いため、比較的コンパクトな独立キッチンとすることも可能です。

また、二つのユニットが壁付けの場合はそれぞれの上部に吊戸棚などの収納を設けることができるため、オープンキッチンよりも多く収納を確保しやすいという特徴もあります。

それぞれのメリットを把握して好みのタイプを選びましょう。

後悔したくない!気になるポイントを事前に押さえておこう!

様々な面でメリットの多いⅡ型キッチンですが、当然いくつかのデメリットもあります。
後から後悔することがないよう、気になるポイントは事前に押さえておきましょう。

I型キッチンに比べて高価な場合が多い

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サイズやグレードにもよりますが、一般的なⅡ型キッチンの価格相場は120~200万円程度です。同じく一般的なサイズのI型キッチンの価格相場が80~100万円程度であることを考えると、Ⅱ型キッチンは比較的高価なキッチンと言えます。

I型キッチンと比べて部材数が多いことも高価になる理由として挙げられますが、2つのユニットの片方をアイランド型やペニンシュラ型にする場合が多いのも価格が上がる要因の一つです。Ⅱ型キッチンはレイアウトによる価格差も大きいため、Ⅱ型キッチンの採用を検討する場合は予算に注意しましょう。

床が濡れやすいというデメリットも

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Ⅱ型キッチンのデメリットとして、洗った食材や食器、料理器具など、濡れたものをシンクからコンロの方へと運ぶ際に水滴が床に垂れやすいという点が挙げられます。濡れた野菜などはボウルに入れて運ぶ、床材に水や汚れに強く濡れても滑りづらい素材を選ぶ、などの配慮が必要です。

また、そもそもシンクとコンロ間で体の向きを変える動作が面倒に感じるという方もいらっしゃいます。I型キッチンの横移動に慣れていると、Ⅱ型キッチンの使用感に慣れるまでに少々時間がかかるかもしれません。可能であればショールームなどで実物を確認し、自分に合っているかを確かめてから採用しましょう。

参考にしたい!おしゃれなⅡ型(ニガタ)キッチンレイアウト全8パターン 実例を使って徹底解説

Ⅱ型キッチンで快適な空間を実現するためのポイントを押さえたところで、ここからはⅡ型キッチンの施工実例をもとに、おしゃれで便利なⅡ型キッチンを実現するためのレイアウトのポイントを見ていきましょう。

アイランドタイプのⅡ型キッチン 3パターン

①LDKを見渡すコンパクトなアイランド型キッチン

イギリスを感じる Vintage Style なおうち

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シンク側のユニットをアイランド型に配置したⅡ型キッチンのレイアウトです。
対面式のアイランドキッチンに対し垂直にダイニングテーブルを並べるレイアウトは、キッチンとダイニングの距離を近づけ、料理中の家族との会話や完成した料理の配膳を楽にしてくれます。

キッチンの四方が壁に接していない、海に浮かぶ島のような形状のキッチンをアイランド型キッチンと呼びます。キッチンの左右どちらからでも出入りができる動線の自由さと見た目のおしゃれさが人気のキッチンレイアウトです。

対面側にシンクだけを配置したタイプのⅡ型キッチンは、間口の狭い縦長なLDKでも問題なくアイランドキッチンのレイアウトが可能です。LDKの中でキッチン、ダイニング、リビングを縦に並べることで、キッチンに立ちながらLDK全体を見渡すことができる、圧迫感のないレイアウトになります。

②ダイニングテーブルと並べたアイランド型キッチン

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アイランド型のⅡ型キッチンとダイニングテーブルを横続きに並べたレイアウト。
重厚感のある石目調のキッチンと、同じく石材風ダイニングテーブルを並べることで、統一感と一体感のある印象的なダイニングキッチンに仕上がっています。

アイランド型のⅡ型キッチンは、コンロ側に多く作業スペースを設けることで対面側のシンクのユニットをコンパクトにすることができるため、シンクの横にダイニングテーブルを並べて配置することも可能です。ダイニングテーブルとの位置関係も考え、作業スペースの配置にも着目してキッチンを決定しましょう。

③ベンチを一体化させたアイランド型キッチン

0558 - Rear extension in Surbiton - featured in House Beautiful

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アイランド型のⅡ型キッチンとダイニングテーブルを平行に配置し、ベンチを一体化させたレイアウト。
Ⅱ型アイランドキッチンのアイランド側のユニットにベンチ風の椅子を付けて一体化させることで、アイランドキッチンの直線的なラインを活かしたシンプルでシャープな印象のダイニングキッチンになっています。

シャープな雰囲気のキッチンが好きな方は、ダイニングテーブルや椅子も直線的なシルエットのもので統一し、キッチンと平行にレイアウトするのがおすすめ。特に、ベンチタイプの椅子であれば動かすことも少ないため、アイランド型のキッチンにぴったり付けて配置しても不便にならずにおしゃれに仕上がります。

ペニンシュラタイプのⅡ型キッチン 3パターン

④カウンターテーブルを並べたペニンシュラ型キッチン

No.0517 大人の男が暮らす家 -アイアン家具と造る 無骨なリラックス空間-(一戸建て) | リフォーム・マンションリフォームならLOHAS studio(ロハススタジオ) presented by OKUTA(オクタ)

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コンパクトなⅡ型キッチンとカウンターテーブルをそろえて並べたペニンシュラ型キッチン。
横幅の長すぎないコンパクトなⅡ型キッチンの2つのユニットと冷蔵庫を近くに配置することにより、作業動線の短い機能的なキッチンになっています。

キッチンの側面の片方を壁に付けて設置するキッチンはペニンシュラキッチンと呼ばれ、アイランドキッチンに近いスマートな見た目のキッチンを省スペースで実現できるため、人気の高いキッチンです。

ペニンシュラ型のⅡ型キッチンを採用することで、間口が狭い細長いお部屋でも無理なく対面式のキッチンレイアウトが可能です。ペニンシュラ型のシンクユニットとカウンターテーブル、両者の長さをそろえて配置していることにより、スタイリッシュで整ったメンズライクな雰囲気に仕上がっています。

⑤側面の壁に収納をプラスしたペニンシュラ型キッチン

Ⅱ型キッチン+家電棚付き食器棚+パントリー(見せたくない家電はこっちに)の構成が理想的

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キッチン入り口側の側面の壁に収納を配置したペニンシュラ型キッチンのレイアウト。
キッチン本体と同じデザインのカップボードをキッチン近くの壁に埋め込むことで、キッチン全体に統一感を持たせつつ収納量を増やしています。

カップボードや収納のレイアウトに迷うことも多いⅡ型キッチンですが、手の届きやすいキッチンの横や背後に収納棚を設けることで、利便性をぐっと高めることができます。十分な収納量が確保出来ていないと、Ⅱ型キッチンの広い作業スペースがキッチン用品に圧迫され狭くなることもあるため、注意が必要です。

⑥配置の工夫で大きな窓を実現!ペニンシュラ型キッチン

Luciano Kruk Returns With Another Concrete Masterpiece | OPUMO

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Ⅱ型キッチンのコンロ側を対面式にすることで、シンク側に窓を配置した珍しいレイアウトです。
ペニンシュラ側のユニットの壁際の端にコンロを配置してフードを設置し、圧迫感を感じさせないレイアウトを実現しつつ、シンク側の壁面に大きな窓を設けることで開放感のあるキッチンに仕上がっています。

また、コンロ側とシンク側、どちらにも広い作業スペースを設けることで、ゆとりのあるペニンシュラ型キッチンとなっています。広いキッチンに、奥行きが短めかつ幅の長いⅡ型キッチンを設置することで、広いだけでなく使いやすい作業スペースと十分な収納量の確保が可能です。

壁付けタイプのⅡ型キッチン 2パターン

⑦家具や家電で空間を分けた独立風壁付けキッチン

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家具や家電を利用して独立キッチンのように空間を分けた壁付けのⅡ型キッチンです。
コンロ、シンクの両方を壁に向けて設置し、空間を仕切る壁の代わりにカウンターや冷蔵庫、ペンダントライトなどを上手くレイアウトして、キッチンに程よい独立感を持たせています。

両側が壁付けのⅡ型キッチンの場合、部屋が別でなくても手軽に独立風のキッチンレイアウトが可能です。存在感のある冷蔵庫や、シェルフやカウンターなど実用性も兼ね備えた間仕切り、印象的な照明器具などを活用し、視線を上手く誘導することで、独立キッチン風の安心感のあるキッチンにすることができます。

⑧収納たっぷり!壁面を有効活用した独立壁付けキッチン

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キッチンを付けた壁面を有効活用して収納を設けた独立Ⅱ型キッチンのレイアウト。
コンロの上やシンクの上などに吊戸棚を設置してたっぷりと収納を確保しつつ、キッチン本体と天板、吊戸棚まで白色で統一することで圧迫感を感じさせないすっきりとしたキッチンになっています。

壁面を最大限活用した収納力の高いキッチンは、壁付けの独立キッチンならではとも言えます。また、キッチン内に大きな窓を設けていることも、閉塞感のない明るいキッチンを実現するポイント。窓辺に設置したこじんまりとしたカウンターも、空間にゆとりを感じられてすてきです。

まとめ

吹き抜けにしたことで、解放的で心地良い空間にしあがったダイニング。

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Ⅱ型キッチンでおしゃれで快適な空間を実現する方法と、参考にしたいレイアウトの実例を解説いたしました。

あまりなじみのない種類のキッチンかもしれませんが、Ⅱ型キッチンは様々な要望に応えることのできる柔軟性の高いキッチンです。快適で使い勝手のいいキッチンにするためのポイントと、レイアウトのポイントを押さえることで、自分に合った理想のキッチンを作ることができます。

Ⅱ型キッチンの特徴を踏まえて上手く活用し、気持ちよく料理ができる、おしゃれで快適なキッチンを実現してください。