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【プロが教える】床の見切り材の選び方!おしゃれな施工実例と共に徹底解説

河野ゆみこ
著者:河野ゆみこ (二級建築士/インテリアコーディネーター)

住空間設計室CUBE代表。一般社団法人感性ひらく空間代表理事。 住宅設備メーカーや住宅コンサルタント会社での勤務を経て独立。日常の中に非日常を感じさせる住空間づくりをコンセプトとし、住宅やオフィス・医療施設・店舗など約1200件の設計やインテリアコーディネートに携わるほか、セミナー講師、コラム執筆も行っている。

住宅の床仕上げにはフローリングやクッションフロア、タイルなどいくつか種類があります。

2種類以上の仕上げ材が隣接する箇所では段差ができやすく、端部が劣化しやすいのが難点。そういった問題をクリアし、それぞれの端部をきれいに納めるために使うのが見切り材です。

小さな部材ですが、床は意外と視界に入りやすい場所だけにすっきりと仕上げたいもの。

この記事では、床の見切り材の選び方や注意点、美しく納められた床の見切り材の実例について紹介していきます。ぜひ参考にしてくださいね。

 

プロが教える床の見切り材の選び方

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空間のインテリアのベースとなる床面の仕上げ材をきれいに納める見切り材は、仕上げ材の素材や色とのバランスを見ながら選びます。

床面をどのように見せたいかによって選び方もポイントも変わってきますので、選び方の基本から順に解説していきましょう。

 

そもそも床の見切り材ってどういうもの?

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廊下と洗面室やトイレの境目、リビングとその隣の個室の境目、リビングの中にある畳コーナーの四方などに細い部材が入っているのを見たことはありませんか?

これが見切り材です。

見切り材とは、仕上げ材同士のつなぎ目部分や端部に設ける部材のこと。フローリングとクッションフロアやタイル、畳など異なる床仕上げ材をつなげる際に使います。

仕上げ材の厚みの違いによって出るわずかな段差を解消する、端部を保護するといった役割があります。つなげる仕上げ材がフローリング同士であっても、張り方や色を変える時には見切り材を入れることが多いです。

 

床の見切り材を選ぶ際のポイント

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床の見切り材は、異なる仕上げ材同士をきれいに突き付けることができて段差も出ないなら必ずしも必要ではありません。しかし、床は天井や壁と違って毎日歩くことで摩耗していく面なので、端部が傷まないよう保護するために設けるのがおすすめです。

ではどのようにして選ぶといいのか、床の見切り材を選ぶ4つのポイントを紹介します。

床の見切り材の選び方1 色

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見切り材はつなぎ合わせる仕上げ材の端部を保護する役割で使うため、基本的にはつなぐ仕上げ材と近い色を選んでなじませ、目立たせないようにします。

片方の仕上げ材がフローリングなら、フローリングの色に近い見切り材にすると選びやすいでしょう。フローリング材のメーカーの多くが、フローリングの色に合わせて使いやすい床の見切り材を準備しているからです。

逆に、異なる床の仕上げ材のどちらにも合う色の見切り材がない場合や、あえて境目を強調して床面にアクセントを付けたい場合は、どちらの仕上げ材とも違う色の見切り材を選ぶことも。

LDKの中でのリビングとキッチン、リビングと畳コーナーなど、同一空間ながら用途をはっきり区分けしたい時は床の見切り材を目立たせると個性的なインテリアになります。

床の見切り材の選び方2 幅サイズ

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床の見切り材は20~45㎜と幅サイズにバリエーションがあります。

幅サイズが小さいと仕上げ材になじんで目立ちにくくなるため、リビングや個室と廊下を同じフローリング材で仕上げるといった場合に採用すると、自然な仕上がりになります。

フローリングとクッションフロアやタイルなどそれぞれの厚みが異なる仕上げ材同士をつなぐ場合、段差の解消を目的として見切り材を入れるのなら、幅サイズが大きいタイプのほうが段差をカバーしやすいでしょう。

床の見切り材の選び方3 素材

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床の見切り材の素材には種類があります。

木製はもっとも一般的な見切り材で、フローリング材同士、もしくはフローリング材と他の仕上げ材とをつなぐ際に使います。同じような使い方で樹脂製もあり、木製よりも安価で色のバリエーションが豊富です。

アルミ製や真鍮製、ステンレス製などの金属の見切り材もあります。いずれも木製や樹脂製より細めで、タイルや土間とフローリング材の境目に採用するパターンが多いです。シャープな印象なので、モダンな雰囲気を出したい時に採用するといいでしょう。

床の見切り材の選び方4 形状

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床の見切り材の形状には、L型やT型、フラット型などがあります。

L型は床と壁が接する部分に設けるタイプで、仕上げ材の端部と壁の間にできるすき間を埋めるために使います。T型やフラット型は同じ厚みの仕上げ材同士を床面の途中でつなぎ合わせるために使うものです。

つなぎ合わせる仕上げ材の厚みが違う場合は、10mm程度ならへの字型やアーチ型を使って段差を解消し、なめらかな床面に仕上げることができます。

見切り材本体の形状だけでなく、仕上げ方に合わせて形状を選ぶことも大切です。直線で張り分ける見切り材以外に、カーブをつけて張り分けできるよう曲げて使う見切り材もあります。遊び心をくすぐる仕上がりになりますよ。

 

後悔したくない!気になる情報も事前に検討しておこう

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さまざまな種類がある床の見切り材は、選ぶ仕上げ材や床の段差などによって適切なタイプが異なります。見切り材を選ぶ際には、事前に次の項目をあらかじめチェックしておきましょう。

床の見切り材で段差はできる?できない?

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仕上げ材の厚みの違いによる段差が大きい時は、床下地で高さ調整を行ってから仕上げ材を張り、見切り材は仕上げ材の端部を隠して仕上がりを美しく見せるために使います。

仕上げ材の厚みの違いがわずかな時は、下地調整なしで見切り材で段差を解消できます。

見切り材によって段差ができるわけではなく、段差をなくすように仕上げるために使うのが見切り材だと覚えておくと分かりやすいでしょう。

和室と洋室などで床高が10mm以上違う場合、段差解消用の三角形の見切り材を使って段差をスロープ状に変える方法もあります。微妙な段差はつまずいて転倒事故を起こす原因になりますから、なるべくなめらかな床面に仕上げるために段差の状態に合った見切り材を選ぶことが大切です。

こんなケースに気を付けて!失敗しがちなパターン紹介

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海外の住宅では、見切り材を装飾部材としてフローリング材の中に多用し、デザイン性を高めた仕上がりにするケースが少なくありません。日本の住宅でも同じような仕上がりにすることはできますが、見切り材の数が増えるほどフローリング材を細かくカットする手間がかかります。

その分施工費が割高になるので注意しましょう。

真鍮製やステンレス製の見切り材で光沢のあるタイプはゴージャスな雰囲気が出せますが、摩耗が激しい箇所に採用すると光沢が失われやすく、濁った質感に変わります。生活動線に重なる箇所に光沢のある見切り材を採用する時は、この点を理解しておくことが重要です。

 

床の見切り材の活用実例6選!これを見れば見切り材への見え方が変わる

実例1.斜めに渡した見切り材でフローリング材とタイルを自然につなげる

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キッチンエリアとリビングエリアの間に見切り材を設けた例。見切り材はややグレイッシュなフローリング材の色に合わせており、異なる仕上げ材を自然につなげています。

 

実例2.金属製の見切り材でシンプルな張り分けを実現

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白いタイル目地に合わせてシルバー色の見切り材を入れた実例。タイル目地の一部のように見せることで見切り材が目立たず、シンプルにすっきりと仕上がっています。

 

実例3.フラット型の見切り材できっちり張り分けて異素材の質感を楽しむ

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立体感のあるフラット型の見切り材を使った実例。目を引くデザインのタイルとシンプルなフローリングの境界線を目立たせることで、お互いの仕上げ材の美しさを高め合う効果が生まれています。

 

実例4.斜めに張ったフローリング材をすっきりと納めて見映えをアップ

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2種類の仕上げ材を木製見切り材でつなぎ合わせた実例。リビングへと続く廊下の一部にフローリング材を斜めに張り、端部を見切り材でフラットに仕上げたことで魅力的な雰囲気が高まっていますね。

 

実例5.幅広の見切り材がモノトーンの空間を引き締める

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床の仕上げ材ではなく家具と見切り材の色を合わせた実例。やや幅広の見切り材は存在感があり、グレイッシュホワイトのフローリングとのコントラストが美しいですね。

 

実例6.見切り材を多用し床のデザイン性を高める

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ゴールド色の見切り材を多用してフローリング材を張り分けた実例。壁や住宅設備の奥行をラインのようになぞり、繊細で上品な雰囲気に仕上がっています。

 

まとめ

複数の仕上げ材をつなげて張る時は、端部の保護やわずかな段差の解消などができる見切り材を使うととても便利です。

色や幅サイズ、素材によって見た目の印象が大きく変わり、デザイン性を高められるのもうれしいですね。

おしゃれなインテリアでまとまった空間で心地よく過ごせるよう、雰囲気にぴったりな見切り材を選んでみてくださいね。