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      2022/06/24

【プロが教える】紅葉を使ったおしゃれなガーデンを実現する方法!紅葉の魅力にハマる。

橋本朝子
著者:橋本朝子 (一級建築士)

フィンランド在住。法政大学建築学科卒業。建築設計事務所、ガーデニング設計施工会社を経て独立。現在はフィンランドで個人邸宅の庭をはじめ、学校、店舗、公園など幅広い外部空間の設計を手掛ける。設計のテーマは、「毎日の暮らしがより楽しくなるガーデン」。住まいは築50年の住宅。インテリア、ガーデンともにリノベーションを重ねて家族と住む。趣味はアップサイクル。

日本は紅葉する植物の宝庫!気持ちのよい秋晴れの空に赤やオレンジ、黄色に染まった葉が映えているのを眺めたことのある人も多いと思います。お庭に紅葉の美しい植物を取り入れて、秋ならではのカラフルな色合いを楽しんでみませんか!

自宅の庭に、イチョウやソメイヨシノのような大木はちょっと難しいかも知れませんが、スモールスペースでも育てられて美しい紅葉が楽しめる小ぶりの樹木やグラス類がありますよ。今回は庭での上手な紅葉の取り入れ方について解説、様々な植物を使った魅力的な実例もご覧いただきます。

この記事を読んだら、きっと紅葉の魅力にはまってしまうかもしれませんね!

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紅葉を取り入れたおしゃれなガーデンを実現する方法

紅葉の特徴とガーデニングデザインのポイント

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お庭で秋の色合いを楽しむのに最もシンプル方法は、シンボルツリーとして紅葉の美しい樹木を選ぶこと。スペースに余裕があれば高木、スモールスペースなら低木がおすすめです。地面にマットのように育つグラウンドカバー類で紅葉するものを選べば、秋色のマットが実現できます。

植物を選ぶときは、何色に紅葉するか事前にチェックしましょう。真っ赤、ピンク、オレンジ、黄色、茶色がかった赤などがあります。様々な色をミックスすれば、カラフルな色の共演が楽しめますよ!

紅葉は和風のみ?洋風のお庭にも取り入れ可能?

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紅葉というと、日本庭園でひときわ目立つイロハモミジなどのカエデの仲間を思い浮かべる人も多いと思います。伝統的な和風庭園やモダン和風に紅葉する樹木はよく似合います。

欧米において紅葉の美しい樹木としては、日本同様にカエデ類が人気です。その他にも洋風に似合い紅葉する魅力的な植物がたくさんあります。ハナミズキ、サルスベリ、ナナカマド、ジューンベリーなど。レンガのウォールやウッドフェンス、トレリスに赤く色づいたツタがからんでいる様子も素敵です。

地植えでも鉢植えでも!紅葉でおしゃれなガーデンを実現する方法

紅葉×地植えの場合

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紅葉する様々な高さ・大きさの植物をところどころに取り入れると、秋の庭を季節感いっぱいにすることができます。高木ならイロハモミジ、シダレモミジ、カエデ類、シャラ、ヤマボウシ、シラカバ、サルスベリなど。低木ならマルバノキ、ニシキギ、ドウダンツツジ、ナンテン、コトネアスターなど。

グラウンドカバープランツ類やつる性植物で紅葉を取り入れることができます。例えばヒマラヤユキノシタの大きな葉の紅葉は見どころがあります。セダム類で冬の間赤くなるものもあります。つる性植物のハツユキカズラを壁面やトレリスに這わせれば、垂直面に広がる秋の色を楽しむことができます。

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せっかく紅葉する植物を取り入れるなら、葉の鮮やかな色合いを生かすよう計画したいものです。赤い葉の奥に黄色の葉が見えるなど、お互いの色が引き立つように配置しましょう。高木の手前に低木、その間にグラウンドカバープランツを配置するなど、高さの違う植物を組み合わせて植栽すれば、より変化のある風景に。

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紅葉する樹木の背景としてダークグリーンの常緑樹やコニファーを植えると、鮮やかな色を引き立たせることができます。ダークカラーのフェンスや外壁を背景にしても同様の効果があります。

紅葉×鉢植えの場合

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紅葉する植物を鉢植えにするメリットは様々。玄関ポーチ、マンションのベランダのように限られた空間でも秋の色合いを楽しむことができます。落葉後に見どころがなくなってしまったとしても、庭の目立たない場所への移動も簡単。鉢によって和の雰囲気の植物を洋風にアレンジするのも、その逆も可能です。

晩秋から冬の間を彩る草花類と合わせて寄せ植えにすれば、落葉後には他の植物を観賞することができます。またナンテンのように常緑低木で寒さにあたると紅葉し春になるとまた緑にもどるものを選べば、一年を通じて楽しめますね!

紅葉と合わせて使いたい!相性が良い植物・マテリアル

紅葉と寄植えして相性が良い植物

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秋に咲く花類と組み合わせれば、お庭をよりカラフルに演出できます。同系色ならシクラメン、ポットマム、ケイトウなど赤、オレンジ、黄色の花を。逆に紅葉にない色の花でコントラストを楽しんでも。キキョウ、宿根アスターなど青~紫の花なら黄葉が映えますよ。

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秋風を感じさせるオーナメンタルグラスを花壇の中やシンボルツリーの足元にあしらうと、樹木の紅葉とよくマッチします。ベニチガヤやフウチソウのように秋に赤み、黄色みをおびるものもあります。

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紅葉の色をより引き立てる常緑樹やコニファーの種類もおすすめ。紅葉するシンボルツリーの背景にはニオイヒバ、コウヤマキやドイツトウヒなど。ニシキギやドウダンツツジに合わせてモンタナマツ、キャラボク、刈り込んだツゲを。ベニチガヤなどグラス類に合わせてカナダトウヒ・コニカを。

紅葉と相性が良い鉢

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紅葉する植物を植えこむ鉢は、お庭の雰囲気に合わせて選びましょう。テラコッタポット、陶器の鉢、大きなコンクリートポット、ウッドプランター、金属製ポット。どんな鉢でも紅葉を楽しむことができます。秋の雰囲気ならコッパー色やマットなブラウンなど秋色の鉢もよいですね!

枝垂れる植物で紅葉を楽しみたいなら、トールポットを選びましょう。鉢植えのつる性植物で紅葉を楽しみたいなら、トレリスがとりつけられるウッドプランターが便利です。

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プロがおすすめする初心者にもおすすめの定番紅葉3選

紅葉といえばイロハモミジやヤマモミジの美しさが格別ですが、樹冠が大きく広がります。ここでは一般的な庭で育てやすいやや小型の樹木からおすすめをチョイスします。

春は花、秋には真っ赤な紅葉が美しいハナミズキ

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シンボルツリーとして人気のあるハナミズキ。大きくて見ごたえのある花が咲くうえに樹形が整いやすく、秋は実と紅葉が楽しめます。洋風や現代風の住宅デザインとマッチしやすいのもうれしいポイント。他の樹木に比べて紅葉が始まるタイミングが早く、真っ先に秋の訪れを感じることができます。

スモールスペース、半日陰でも紅葉が楽しめるニシキギ

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ニシキギは公園などでみかけることの多い低木。大きく育っても2メートル程度なので、スモールスペースや鉢植え、低い生垣に適しています。鮮やかな紅葉はまるで花のようで、目立ちます。半日陰でもしっかり紅葉します。欧米でも紅葉が美しい木として親しまれています。

常緑なのに紅葉するオタフクナンテン

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グラウンドカバーとしても使え、秋には紅葉する植物ならオタフクナンテン。高さは40センチ程度です。春夏は柔らかいライトグリーン、寒くなってくると真っ赤な葉が楽しめます。花壇に群植すると、見栄えがします。また花壇の縁に列植にすれば、冬中赤い縁取りを見ることができます。

 

プロが教える!紅葉を取り入れたおしゃれなガーデン実例12選

紅葉する植物の取り入れ方の実例を、場所別にご覧ください。

紅葉×お庭編 6選

常緑樹の間に紅一点の落葉樹を使うと色が引き立つ

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刈り込んだイチイやツゲなどの常緑樹、整った円錐形に育つコニファー類の間に紅葉する落葉広葉樹を植えてみてください。春夏はかちっとした硬質な常緑樹の間からふわりと広がる枝葉が、秋には美しい色合いが一段とひきたって見えます。

紅葉する株立ち広葉樹のシンボルツリーの足元をすっきりさせると、枝葉がひきたつ

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ヒメシャラやヤマボウシ、ジューンベリーなど秋に紅葉する株立ちのシンボルツリーを選ぶなら、足元はすっきりさせると良いです。例えばタマリュウのグラウンドカバーにすれば、落葉と緑のカーペットのコントラストも楽しむことができますよ。

低木の刈り込みなら、好きな形の紅葉が楽しめる

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春には花が咲き、剪定で好きな形が作れて、秋には紅葉が楽しめる低木はありませんか?あります。ドウダンツツジは世界が憧れる日本の優れた低木の一つ。かちっとした生垣にもでき、丸く刈り込むこともできます。地植えでも鉢植えでも育てられます。落葉後に細かい枝が美しい輪郭をみせる冬の姿も良いものです。

紅葉するセダムを植えれば季節を移すカーペットに

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土の深さがあまりなく乾燥しやすい植栽エリアでも育てることができ、秋には美しく紅葉してくれるグラウンドカバープランツがあったらよいですよね。セダム・コーラルカーペットがその一つです。都市型住宅の駐車場がメインの庭の一角や、飛び石の間に使うとローメンテで一年中見どころを作ってくれます。

オーナメンタルグラスを使えば、秋の風情満点!

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秋風にたなびく草むらは、ドラマや映画のワンシーンのよう。そんな光景を自宅で実現できるのがオーナメンタルグラスです。特に秋に紅葉する品種を選べば秋の庭の主役に。写真の中央右で紅葉しているベニチガヤは、春夏からすでに赤みをおびて、秋にはさらに色を深めていきます。

つる性植物で紅葉を取り入れれば、秋色のスクリーンに

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殺風景なブロック塀にヘンリーヅタやナツヅタを這わせてみませんか!春から夏にかけて気根をだしてぐんぐん壁面を緑化、秋には真っ赤に紅葉します。何の変哲もない塀が緑や赤のスクリーンに!トレリスに誘引しても良いですし、花後に見どころがなくなってしまうつるバラと一緒に植えても。

紅葉×玄関まわり編  3選

エントランスアプローチにカエデを植えれば、季節感たっぷり

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半日陰の玄関先で紅葉する樹木を植えたい場合は、カエデ類を探しましょう。オレンジの紅葉が美しいコハウチワカエデは比較的小型のカエデです。ベニシダレ、アオシダレなら大きさを抑えて育てることができます。カエデ類の足元には日陰に強いグラウンドカバープランツを植えましょう。

紅葉した低木の枝を壁から垂らすとおしゃれ!

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玄関先などの花壇立ち上がりに紅葉する低木を植え、壁面から垂らしましょう。コトネアスター・オータムファイヤーなら秋に実と紅葉、両方楽しむことができます。地面を這うように育つコニファー類と組み合わせてもおしゃれです。低木のほか、ヘンリーヅタのようなつる性植物を垂らしても良いですね。

実と紅葉を同時に楽しめる植物なら、実りの秋を演出できる

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アロニア、別名ブラックチョークベリーなら成長しても3メートル程度なので、鉢植えやスモールスペースにも植えられます。株立ち樹形、紅葉と食用にできる実が同時に楽しめる、うれしい樹木。単独で植えてシンボルツリーとして楽しむほか、列植や生垣にしても素敵です。

紅葉×ベランダ編 3選

モミジの鉢植えなら和モダンなベランダにベストマッチ

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マンションのベランダなら鉢植えのモミジで紅葉を楽しめます。地植えだと大きく育ってしまう樹木も、盆栽のように芽摘みと植え替えをしながら小さく育てればスペースに合わることができます。盆栽鉢ではなくても大丈夫。好きなテイストの鉢に植えましょう。白いシンプルなポットなら、モダンな雰囲気にまとまります。

紅葉する低木、グラス類、秋の花のコンテナガーデンなら、にぎわい感がだせる

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ベランダで秋の賑わいを演出するなら、コンテナガーデンの寄せ鉢で。例えばふわりと広がるセイヨウイワナンテン、高さのあるススキ、鮮やかな秋色のカランコエをそれぞれのサイズに合わせた鉢に植え寄せるだけで、変化に富んだ植栽コーナーを作ることができます。

紅葉する多肉植物なら、ローメンテで秋色が楽しめる

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ベランダで最も手軽に紅葉を楽しみたいなら、多肉植物がおすすめです。「火祭り」「虹の玉」のように紅葉するタイプの多肉植物を選びましょう。ミニ観葉程度のサイズでもよし、大きな鉢に数種類をぎっしり植えこんでもよし。真っ赤になるもの、緑のままのものを混植してコントラストをたのしんでもよし。

まとめ

寒く暗い冬がやってくる直前に華やかな色合いで目を楽しませてくれる紅葉は、自然からのプレゼントなのかも知れません。享受しない手はありませんね!

スペースに余裕があれば高木、低木、草類を組み合わせて立体感のある秋の庭に。秋冬の花と鉢に寄せ植えすれば限られた空間でも紅葉が楽しめ、落葉後も長く観賞できます。ぜひ紅葉を自宅の庭に取り入れて、秋色を味わってみてください。

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