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【プロが教える】上がり框をおしゃれに設置する方法。玄関の段差部分のアクセントに着目

河野ゆみこ
著者:河野ゆみこ (二級建築士/インテリアコーディネーター)

nook interiors代表。一般社団法人感性ひらく空間代表理事。 住宅設備メーカーや住宅コンサルタント会社での勤務を経て独立。日常の中に非日常を感じさせる住空間づくりをコンセプトとし、住宅やオフィス・医療施設・店舗など約1200件の設計やインテリアコーディネートに携わるほか、セミナー講師、コラム執筆も行っている。

住宅の玄関の段差部分に設置される細長い部材、上がり框。

内装材の中でもあまり意識されない部分ですが、だからこそちょっと工夫するだけで玄関スペースをぐんとおしゃれにしてくれる部材でもあります。

この記事では、上り框をおしゃれに設置するために知っておきたい項目を解説し、おしゃれな上がり框の施工事例を紹介します。玄関スペースのインテリアを考えるヒントにしてください。

 

プロが教える!上がり框をおしゃれに設置する方法

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上がり框がおしゃれな玄関、憧れますよね。

ただし玄関に入った時すぐ視界に入ってくる上がり框は目立ちやすく、玄関スペースの印象を左右する部材として小さい割には選択が難しいのです。

上がり框をおしゃれに設置することを考える前に、まずは上がり框という部材について基本的な知識をつかんでおきましょう。

 

そもそも上がり框とは?

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上がり框は、玄関ホールや廊下と土間の間にある段差部分に使う化粧部材です。外からの汚れやほこりを室内に持ち込まないために段差を付けた時、それぞれの仕上げ材の端部を隠したり、端部からの傷みが進行しないよう防いだりする役割があります。

玄関の段差部分を上がり框なしで仕上げることもありますが、毎日家族が出入りする場所で角部分の摩耗が激しく、すぐ傷んでしまう可能性が高いので、上がり框は設置しておいたほうがいいでしょう。

 

上がり框をおしゃれに設置する方法とは?

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上がり框は玄関の土間側から見た時によく見えるので、玄関ドアを開けた時に目に飛び込んでくる上がり框がおしゃれに設置されていると印象深いものです。

とはいえ室内と室外をつなぐ通路部分に設置する部材ですから、家族のライフスタイルなどを考慮してデザインだけでなく機能やサイズにもこだわって選ぶことが大切です。

上がり框の寸法・高さ

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日本では室内に入る前に靴を脱ぐ習慣があるため、玄関土間と廊下やホールとの境界線をはっきりつけておきたいという考えが主流です。

バリアフリーの考えが浸透してきたことで5㎝程度の低い段差が主流になったこともありましたが、靴の裏について玄関土間に入ってきた汚れやほこりが室内に入りやすくなるというデメリットがあります。

さらに、高齢者が外出時に靴を履いたり帰宅時に靴を脱いだりする際に、段差が低すぎて足腰の負担が大きくなる点もデメリットと言えるでしょう。

こうしたことから最近は15~18cm前後の高さが一般的です。

また、上がり框の寸法も重要な要素と言えます。

幅広タイプは重厚な印象が出せますし、幅狭タイプはシャープでスタイリッシュな雰囲気になります。

上がり框の高さや寸法によって使い勝手の良し悪しや見映えが変わりますから、インテリアの好みや家族構成、ライフスタイルなどをトータルで考えながら適切に選ぶことが大切です。

上がり框の素材

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上がり框の素材としては木材や石材、金属、タイルなどがあります。

木材は廊下やホールがフローリング材の場合に同じ材料で揃えるというパターンが多いです。

石材やタイルは玄関土間に張った材料と揃えるパターンがほとんどですが、あえて色を変えたりモザイクタイルを採用してアクセントをつけることもあります。

金属はステンレスや鉄板などが主流で、玄関土間に石材やタイルを張る時に合わせて高級感のあるモダンな雰囲気を出したい時に使います。

上がり框の形状

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上がり框というと、玄関に入った時平行にまっすぐ設置されているイメージが強いかもしれませんが、実は多彩な形状があります。

玄関スペースがコンパクトなら、形状自体は直線でも少し斜めにずらして設置すると奥行があるように見えて広さを感じさせます。

比較的広めの玄関スペースがあるなら、2方向から出入りできるL型がおすすめ。ゆるやかな曲線の美しさを生かせるカーブ型もおしゃれですね。

玄関スペースから左右に廊下が伸びた間取りの場合は、複数箇所で靴を脱ぎ履きできる変形コの字型もおすすめです。

上がり框と玄関にあるエレメントとのバランス

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冒頭で「上がり框をちょっと工夫するだけで玄関スペースがおしゃれになる」と説明しましたが、この意味は玄関スペースを構成するさまざまなエレメント(要素)のバランスが取れていることが前提。

上がり框単体で考えるのではなく、周辺のエレメントとちぐはぐになっていないかを考えることが重要です。

上がり框×土間

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上がり框を決める時、廊下やホールの仕上げ材に揃えるパターンと土間の仕上げ材に揃えるパターンとに大きく分かれます。

土間の仕上げ材と上がり框の素材を揃えると、土間面から廊下やホールの端部までが統一されるので、土間に使う石材やタイルの重厚感がより増して見えるのが特徴です。

上がり框×下駄箱

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下駄箱は玄関スペースの中で大きな面積を占めるだけに、その素材や色がスペース全体の印象を方向付けます。

上がり框を下駄箱と揃えるなら、素材や色を統一させるとすっきり見えるでしょう。

床材とも合わせるとより統一感がアップし、玄関スペースの中で素材や色の数が増えて雑然とした印象になるのを防げます。

上がり框×式台

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玄関に式台(玄関の上り口に設ける一段低い踏み板)を設ける場合、式台と廊下やホールの仕上げ材を揃えるなら上がり框も同じように揃えるのがベターです。

一般的な玄関とは違って段差が一つ増えるため、色や素材を変えてごちゃごちゃした雰囲気になるのを避けるためです。

式台と廊下やホールの仕上げ材が異なる場合、上がり框を式台に揃えるほうがいいでしょう。

上がり框を式台に揃えることで視覚的に式台が広く見えるため、ゆったりとした印象を出せます。

 

こんなケースに気をつけて!失敗しがちなパターン紹介

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上がり框を検討する時は、おしゃれな玄関にしたいという気持ちが高じて奇をてらいすぎないことが大切です。

アクセントをつけるつもりが周囲の仕上げ材とバランスが取れず浮いてしまう、色を合わせたつもりが微妙なトーンの差が出て上がり框だけくすんだように見えてしまう、といったケースは少なくありません。

廊下やホールの仕上げ材か土間の仕上げ材のどちらかと統一させるという方法だと、こうした大きな失敗を避けられます。

そして上がり框の形状も注意が必要です。

たとえば、おしゃれな雰囲気を出したくて上がり框を斜めに設けたりカーブ状にした結果、ホールが狭くなって使い勝手が悪くなったという失敗は避けたいもの。

玄関まわりを使う時に余裕をもって動けるか、広さや動線をシミュレーションした上で上がり框の形状をきめるようにしましょう。

 

上がり框の施工のヒントに!おしゃれな上がり框施工事例10選

直線型の上がり框施工実例4選

実例1.斑目が美しい大理石の上がり框は存在感たっぷり

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土間の大理石や壁面のエコカラットに負けない重厚な質感の上がり框。色のトーンを合わせていても存在感があり、ワンランク上の玄関スペースになっています。

実例2.土間から浮かせた廊下の端部を斜めにカバーする上がり框でシャープに

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土間との間に空間をつくる仕上がりは薄手の上がり框で実現。立体感が出る上に、斜めに設置することでシャープな印象も加わっています。

実例3.ステンレス製の上がり框がスタイリッシュなインテリアを演出

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鉄骨階段と黒色の玄関ドアや下駄箱といった無骨なイメージの玄関スペースには、金属製の上がり框が相性抜群。土間の色とトーンが同じなので統一感もありますね。

実例4.間接照明を組み込んだ玄関にはシンプルな上がり框が似合う

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廊下と土間の間に設けた間接照明の光は、すっと伸びたシンプルな上がり框との組み合わせによってやわらかさが強調されています。無駄のないすっきり感が魅力的ですね。

 

カーブ型の上がり框施工事例3選

実例5.ゆるやかに曲がる上がり框はコンパクトでもやさしい印象

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奥へといざなうようにやさしくカーブした上がり框。他のエレメントがシンプルな仕上がりの玄関スペースにアクセントをさりげなく加えています。

実例6.かわいらしいモザイクタイルで南欧風のしゃれた玄関スペースに

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淡い色合いの内装材の中、濃淡のあるモザイクタイルの上がり框が動きを感じさせます。来客の視線を釘付けにしそうなかわいらしさ。

実例7.フローリング材と揃えた上がり框で土間側に張り出したホールをすっきり見せる

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土間側にカーブさせた個性的な形の玄関ホールは、フローリングと色を合わせた上がり框ですっきりと。カーブラインがより美しく映えます。

 

L字型・コの字型上がり框の施工事例3選

実例8.角を丸くしたL字型上がり框でやさしい雰囲気に

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フローリングと同じ素材の上がり框はコーナー部分で丸みをつけています。シャープな雰囲気の中にやわらかさをプラスしていますね。

実例9.フローリングとは質感が違う大理石の上がり框でゴージャスに

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無難に木で統一するのではなく、あえて大理石の上がり框を合わせることで高級感がアップ。異素材同士ながらバランスよくまとまっています。

実例10.左右にアプローチする玄関スペースには変形コの字の上がり框がぴったり

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左右どちらにでも進める玄関スペースならではの変形コの字型上がり框。個性的な玄関スペースになるだけでなく、土間の奥行が浅くても靴の脱ぎ履きが楽にできて便利です。

 

まとめ

低い位置にある割に視界に入りやすい上がり框は、玄関スペースの雰囲気を決めるだけに形状や素材にこだわりたい部材です。

出入りがしやすいという機能性と、スペース全体のインテリアをセンスアップさせてくれるデザイン性のバランスを考えながら、我が家にぴったりな上がり框を選んでくださいね。

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