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【プロが教える】ビオラ・パンジーを使ったおしゃれなガーデンを実現する方法!晩秋から初夏のお庭を彩る

橋本朝子
著者:橋本朝子 (一級建築士)

フィンランド在住。法政大学建築学科卒業。建築設計事務所、ガーデニング設計施工会社を経て独立。現在はフィンランドで個人邸宅の庭をはじめ、学校、店舗、公園など幅広い外部空間の設計を手掛ける。設計のテーマは、「毎日の暮らしがより楽しくなるガーデン」。住まいは築50年の住宅。インテリア、ガーデンともにリノベーションを重ねて家族と住む。趣味はアップサイクル。

ガーデニング初心者の方も、何年もガーデニングを楽しんでいる方も、お庭や玄関前を季節の花で華やかに演出したいとお考えの人が多いと思います。晩秋から初夏にかけて長く楽しめるパンジーやビオラを植えてみませんか。入手しやすく初心者でも簡単に育てられるうえ、とにかく長期間たくさん咲いてくれます。

もう見慣れてしまったパンジーやビオラかも知れませんが、お庭を引き立ててイメージをよくしてくれるメリットの割にコストも安く、デザインや演出方法によっては新鮮に見えるものです。使わない手はありませんよ!この記事から、我が家でも実現してみたいおしゃれなアイディアを見つけてくださいね。

ビオラ・パンジーを取り入れたおしゃれなガーデンを実現する方法

ビオラ・パンジーの特徴とガーデニングデザインのポイント

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早春に道端でさく可憐なスミレも、ビオラの一種。ビオラとは、実はスミレ科スミレ属の植物の総称なので、どんな品種のスミレも学名ではビオラの仲間です。しかし園芸では小型のパンジーをビオラと呼んでいます。パンジーは、数種類のスミレの交配を重ねてより見ごたえのある美しい花にした結果できたスミレ。

パンジーもビオラも、特徴は似ています。寒さに強く、秋から翌年の5~6月ごろまで次々に咲きます。株は大きくなると30センチ程度の高さになります。花の大きさはパンジーなら4~10センチ、ビオラなら2~4センチ程度。青や紫、黄色やオレンジ、白、褐色、ダークカラーなどがあります。

野外での活動がやや緩慢になる寒い時期は、室内からよく見える花壇やいつも出入りする玄関回りなど、普段の生活の中でよく目につく場所に彩りを加えるように飾るとより楽しめます。

地植えでも鉢植えでも!ビオラでおしゃれなガーデンを実現する方法

ビオラ×庭植えの場合

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パンジーやビオラを地植えで取り入れるなら、花壇の前方に植えるのが基本。様々な色のパンジーやビオラのみを群植すればまるで色のパレットのように華やか。花色にこだわって、花壇に色の縁取りを作ることも可能。一方、他の植物と一緒に植えこむとそれぞれの良さを引き立てあうおしゃれな花壇になります。

パンジーやビオラを花壇に植えるなら、花壇の縁材などにもこだわるとよりおしゃれになります。例えばレンガなどの立ち上がりのある花壇の縁に植えると、縁から花がしだれるように咲き魅力的。ロックガーデンの石の隙間に単色のビオラを植えれば、まるでこぼれ種から育ったような野趣がでます。

ビオラ×鉢植えの場合

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パンジー、ビオラは鉢植えにして飾ると本当におしゃれです!お気に入りの一鉢に一種類のパンジーを植えれば、庭のどのコーナーに置いてもより素敵に見せてくれます。他の植物と寄せ鉢にするときも、単独植えのパンジーが役立ちます。シーズンが過ぎたら他の花に植え替えるのも楽。

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他の植物と合わせて鉢植えするのもガーデニングの楽しみの一つ。スモールスペースで効率的に小さな庭が作れます。せっかく寄せ植えするなら、テーマを決めましょう。色なら、単色でまとめる、色のコントラストを生かす、シックなダーク色やくすみ色を集めるなど。季節感ならクリスマス、お正月、イースターなど。

ビオラと合わせて使いたい!相性が良い植物・マテリアル

ビオラと寄植えして相性が良い植物

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パンジーやビオラと他の花を組み合わせるなら、花の大きさにメリハリをつけるのが重要なポイント。例えばより細かい花が咲くスイートアリッサム、カルーナ、ムスカリなどと合わせればパンジーが主役に。またパンジーは、より大きな花をつけるチューリップやスイセンを引き立てるのにも大活躍します。

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葉を観賞する植物との組み合わせも相性ばっちり。例えばつる性植物のヘデラをパンジーの手前に垂らすだけでも植栽に動きがでて素敵です。ビオラとまったく違う葉姿のハボタンを脇に植えればお互いを引き立てあいます。葉色の美しいヒューケラならパンジーの花と同系統の葉色や、コントラストカラーの葉色を合わせましょう。

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低木や高木とパンジーやビオラの組み合わせもおしゃれですよ。刈り込んだ常緑低木のトピアリーの足元に華やかなパンジーを植えると洋風の庭に似合います。パンジーをこんもり植えた花壇から冬枯れの株立ちの枝がすっと立っている様子も良いですね。パンジーを植えた鉢にネコヤナギの枝をさせばイースターの雰囲気に。

ビオラと相性が良い鉢

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鉢植えにすると素敵なパンジー、ビオラ。自然な可憐さを生かすにはテラコッタポット、金属製ポット、コケの生えた石鉢(コンクリートでも)、オーク樽の鉢など素朴なイメージの鉢が合います。パンジーをプラ鉢に植えて鉢カバーと合わせるなら、藤のバスケットなど一見植木鉢に見えない素材でも使えますね。

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パンジーやビオラは思いがけないものを鉢の代わりにしても可愛く鑑賞することができます。使わなくなったカップ、穴のあいたジョウロ、空き缶、木箱なども鉢、または鉢カバーとして使えます。水がはけるように穴をあけるなどの工夫が必要ですが、自分ならではの創意工夫の一鉢に愛着がわくこと間違いなしです。

ビオラは育てやすい?育て方と植える時期をおさえておこう

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パンジーやビオラは簡単で育てやすく、初心者の方に最もおすすめな花の一つ。花を冬中楽しみたいなら植え付けは10~12月が適期。買ってきた苗は市販の培養土に植えましょう。土にはあらかじめ緩効性肥料を施します。植場所や鉢の置き場所は、日当たりの良い場所がおすすめです。

水やりは土が乾いたらたっぷりと。厳寒期は水やりは控えめに。地植えなら土が乾燥している時期のみ水を与えましょう。花をたくさん咲かせるには追肥が必要です。春以降は、肥料を定期的に与えましょう。枯れた花を摘むのは少し手間ですが重要な作業です。種をつけてしまうと新しいつぼみがつきにくくなります。

暖かくなってくると茎がどんどんのびて徒長してきますので、切り戻して新しい芽を出させましょう。夏が近づいてくるとそろそろシーズンの終わりですが、鉢植えなら夏に木陰で風通しのよい場所に移せばより長い間良い状態を保つことができますよ。

プロがおすすめする初心者にもおすすめの定番ビオラの品種3選

よく咲くスミレシリーズならカラーが豊富でシーズン中ずっと咲く

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ビオラの花数の多さ、パンジーの華やかさの良いところどりをしてサカタのタネが開発した中輪のスミレ。冬の間もずっと咲き続けます。花色が豊富なのもうれしいところ。オレンジ色の「マーマレード」なら寒い時期に暖色系のオレンジを楽しむことができますよ。

アンティークな色調、フリルのついたゴージャスな花ならミルフルシリーズ

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水彩画のようににじんでいるような色彩が好きな方、少しくすんだアンティーク風のシックな花壇を目指している方ならサントリーが販売しているミルフルシリーズを試してみてください。一つの株の中でも微妙に違う色あいの花が咲きます。フリルのついた花のゴージャスさは見ごたえ抜群!

小さめの花が次々とたくさん咲くソルベシリーズなら珍しい黒もある!

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ソルベシリーズは小さめの花が次々と咲くビオラ。花色は人気の青~紫系や白、線模様の入る黄色などスタンダードな色合いが一通りありますが、中でも注目したいのは黒に近い濃い紫色の「ブラックデライト」。モノトーンやくすみ色系のシックな花壇やコンテナガーデンにチャレンジしたい場合におすすめです。

プロが教える!ビオラを取り入れたおしゃれなガーデン実例12選

見慣れたパンジーやビオラ、まだまだたくさんデザインの可能性があります。こちらをご覧ください。

ビオラ×花壇レイアウト特集 6選

常緑低木の刈り込みとパンジーさえあればエントランスの格上げができる

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玄関脇の小さな花壇は、いつもきれいに整っているように見せるのがポイント。幾何学形に刈り込みされた常緑の低木は常にきちんと見え、エントランスを格上げするのに役立ちます。地面にはグラウンドカバーとしてパンジーやビオラを群植して鮮やかな色を添えれば、簡単かつ確実に家のイメージアップになります。

パンジーとチューリップの組み合わせは、春の華やかさを演出するための定番

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春らしさを演出できる定番の花といったら、チューリップとパンジー。写真は青いパンジーの海からペールピンクのチューリップが飛び出したさわやかなデザイン。クリームイエローや白のチューリップならもっと落ち着いた感じに仕上がります。

ブラックビオラを使えば、今までのビオラ花壇とは違う表現が可能

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アプリコット色とブラックを効果的に配置したシックな花壇にチャレンジしてみませんか!花壇手前にはヒューケラ・マーマレード、その後方にブラックのビオラ、さらにその奥で長い茎の上に素朴な花を咲かせるカレンデュラ・ブロンズビューティーがビオラの後もずっと咲き続けます。

普通の紫系のパンジーは紫葉のヒューケラでおしゃれさアップ

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どの園芸店でも見つかる紫と白のパンジー、紫葉のヒューケラと組み合わせて花壇に混植するだけでおしゃれに仕上がります。写真の花壇にはチューリップの花後の様子ですが、華やかなチューリップが終わってしまってもしばらくの間見ごたえのある花壇が楽しめます。

ロックガーデンや飛び石の間にビオラを植えれば野趣満点

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崖の隙間でこぼれだねから育ったビオラのように、ロックガーデンの石の間や飛び石のまわりにビオラを植えると野趣を演出できます。ビオラと合わせて背の高くならないスイートアリッサムやクリーピングタイムを植え、さらにコケをつめると一層高山らしい雰囲気がでます。

菜園にパンジーを加えれば、おしゃれなポタジェガーデンになる

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花や果樹なども加えて美しくデザインされた菜園、ポタジェガーデンには花を食べることもできるパンジーがぴったりです。カレンデュラやナスタチウムと合わせてオレンジから褐色のパンジーを菜園の縁に加えれば、カラーコーディネートされたおしゃれな菜園に仕上がりますよ!

ビオラの鉢植えを飾ったガーデン特集 6選

チューリップとビオラの白黒コンビでシックなエントランスに

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住宅がモノトーンの配色なので、お庭も同じイメージで合わせたいという場合は、早春にチューリップとビオラで素敵な演出ができます。玄関回りに白と黒のチューリップを植えた大鉢を並べ、下草として白のビオラを植えましょう。鉢やキャンドルホルダーなどの小物類を黒からグレーで統一するとシックにまとまります。

落葉樹の株立ちと合わせれば、早春の雰囲気が楽しめる

早春の庭ではもう少しで芽吹きそうな枝ものに注目。花壇なら株立ちの落葉樹の下の陽だまりでビオラやヘレボラスが咲いていたら、早春らしくて素敵です。同様に鉢植えでも低木の株立ち+ビオラで早春の雰囲気を出せます。暖かくなるにつれて冬枯れの枝から小さな葉が展開していく様子も楽しみましょう。

アンティークチェアーに大輪のパンジーを飾ればフランスの田舎風に

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ヨーロッパの田舎の玄関先に置いてありそうな小さなアンティークチェアーは、季節の演出コーナーとして活躍します。ボウル鉢にパンジーとヘデラを植えこんでチェアーにおくだけでも見どころが作れます。これなら玄関ポーチやマンションのバルコニーなどのスモールスペースでも楽しめます。

植栽エリアの中に鉢植えを飾ればアーティスティックな庭になる

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パンジーの鉢植えは植栽エリアにおいてもおしゃれです。グラウンドカバープランツやオーナメンタルグラスの茂みの中に大きな鉢を置いて鮮やかな色の花を植えれば、緑と彩りのコントラストを見せることができます。写真のように白いトールポットを複数並べれば、緑地がアーティスティックに見えます。

パンジーやビオラのハンギングバスケットなら目の高さで花を楽しめる

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パンジーやビオラはハンギングにするのにも適した素材です。バスケットからあふれ出しそうにたくさん咲く姿は可愛さ満点です。同系色の春の一年草と寄せ植えしても素敵です。写真は藤のバスケットに植えて吊るした、正真正銘のハンギングバスケット。プラ鉢よりもずっと自然で素敵です。

パンジーのディスプレイコーナーをつくれば複数の種類を楽しめる

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少々殺風景な外壁ぞいやレンガのウォール沿いなどに、箱や棚を設置するだけで自分だけのスミレ美術館ができます。一鉢一鉢がアートのようなイメージで並べてみましょう。色や模様などが少しずつ違うビオラやパンジーがよりいとおしく見えてきます。

まとめ

晩秋から初夏まで長い間たくさん花をさかせて楽しめるパンジーやビオラ。地植えでも鉢植えでも育てやすく、小さな苗がみるみる茂って次々につぼみをあげてきます。大輪のパンジーを植えれば花壇の主役級。チューリップ、ハボタンなどより存在感のある植物と合わせれば脇役に。ガーデニングのマルチタレントです。

冬から春の間の彩りとして楽しみたいなら玄関まわりや室内から見える場所に飾ると良いでしょう。お庭のテーマカラーを決めて花を選ぶのも楽しいですよ。さっそくパンジーやビオラを取り入れた庭の計画をはじめてみませんか!

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