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【プロが教える】松の木を使ったおしゃれなお庭を実現する方法!和洋問わず庭木として愛される常緑針葉樹

橋本朝子
著者:橋本朝子 (一級建築士)

フィンランド在住。法政大学建築学科卒業。建築設計事務所、ガーデニング設計施工会社を経て独立。現在はフィンランドで個人邸宅の庭をはじめ、学校、店舗、公園など幅広い外部空間の設計を手掛ける。設計のテーマは、「毎日の暮らしがより楽しくなるガーデン」。住まいは築50年の住宅。インテリア、ガーデンともにリノベーションを重ねて家族と住む。趣味はアップサイクル。

松は日本中どこでも見かける、身近な木です。おしゃれなガーデンに松の木とはイメージがわきにくいかも知れませんが、松の木は欧米のお庭で人気の樹木。今回は欧米のお庭を手本に、松の木のイメージががらっと変わってしまいそうなおしゃれな取り入れ方をご紹介します。

松の木を取り入れたおしゃれなガーデンを実現する方法

松の木の特徴とガーデニングのポイント

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松は日本をはじめ世界中に自生している常緑針葉樹です。針のように先がとがった、緑の長い葉、亀甲状に深く割れの入るごつごつした樹皮が特徴です。日本では古くから建材としてのほか、庭木としても利用されてきました。日本庭園といえば松の木を思い浮かべる方が多いかも知れませんね。

松は正しい管理である程度好きな形に仕立てることもでき、庭木に加え盆栽の素材としても人気です。代表的な赤松や黒松は最終的に20~30メートルを超える巨木に育ちますが、日本庭園で3メートルほどに抑えて育てている例も多く見られます。樹齢400年の五葉松でも、高さが50センチ程度の盆栽があります。

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一方、ヨーロッパにも種類が違うものの松が自生していますし、庭木としても頻繁に利用されます。欧米の庭ではコニファーとして様々な種類の松が利用されます。写真のイタリアカサマツのように高さ20メートルになるものから、1メートル以下の小ささにとどまるものまでさまざまです。

日本でも様々な品種の松が流通していますので、利用方法に応じて選びたいですね。

松の木を洋風のお庭に取り入れるには?

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洋風庭園では、松は自然樹形や抽象的な形に仕立て楽しんでもOK、自由な感覚で取り入れましょう。他の常緑樹やコニファー同様に植栽の骨格をなす常緑樹として、アクセントとして、または他の植物を引き立てる緑の背景として取り入れましょう。

地植えでも鉢植えでも!松の木でおしゃれなガーデンを実現する方法

松の木×地植えの場合

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玄関まわりやメインガーデンにある程度大きくなる松を植えれば、迫力のあるシンボルツリーになります。低い松の木を花壇の中に取り入れれば、常緑がカラフルな花類の背景となってお庭を引き立てます。

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ロックガーデンやコニファーガーデンの主役にも松の木がよく似合います。ロックガーデンならある程度傾斜のある敷地に大きな岩を据えて、その周りに低木の松をあしらいましょう。様々なコニファーを集めたコニファーガーデンの彩りに、葉の色が美しい五葉松を取り入れても素敵ですね。

松の木×鉢植えの場合

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松の木を鉢植えにして好きな形に仕立てれば、様々なイメージでテラスやルーフガーデン、ベランダなどで楽しむことができます。仕立物の松、丸い形に刈り込んだもの、自然樹形、どの形でも素敵です。和風やモダン和風だけでなく、アレンジ次第で洋風に見せることも可能です。

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和風の庭で鉢植えの松を楽しむなら、やはり盆栽ですね!せっかくならこだわりの盆栽ガーデンをデザインしてみませんか。お庭と調和したおしゃれな盆栽棚を作れば、数種類の盆栽を並べて観賞しながら管理することができます。

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公園で拾ってきたまつぼっくりに種が入っていたら、小さな鉢にまいてみませんか。松の芽は本当に可愛いですよ! うまく育てられたらミニ盆栽に仕立てても良いですし、庭に地植えしても良いですね。

松の木と合わせて使いたい!相性が良い植物・マテリアル

松の木と寄植えして相性が良い植物

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松の木をどのようなイメージで見せるかによって、合わせる植物を決めましょう。洋風のお庭なら松の葉の緑を花壇の背景として利用し、様々な草花を合わせると素敵です。ツツジ類、アジサイ類など木漏れ日を好む低木を寄せ植えして彩りを加えても。

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松の木をシンボルツリーやお庭のアクセントとして利用するなら、足元はフッキソウ、ツルニチニチソウなどのグラウンドカバーのみにするとすっきりとまとまります。深緑の針葉樹をバックにライムグリーンのフウチソウを植えれば色のコントラストがお庭をはっきりと見せてくれます。

松の木と相性が良い鉢

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仕立てたい松の形や大きさに見合った鉢を選びましょう。樹形と鉢で洋風にも和風にも見せることができますよ。テラコッタポットに植えて、地中海風ガーデンに。コンクリートポットに植えてモダン、モダン和風に。ウッドプランターやオーク樽に合わせて、カントリー風に。様々なイメージで楽しむことができます。

後悔したくない!気になる情報も事前に検討しておきましょう。

松の木は育てやすい?育て方と剪定のコツをおさえておこう

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日本で栽培されてきた歴史の長い赤松、黒松、五葉松は日本の気候に合い、育てやすい品種です。松は日当たり、水はけのよい場所で育てましょう。植栽時期は、まだ寒さの残る2~3月ごろです。

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赤松、黒松は放置すると一般家庭の庭に合わないほどの大木にそだってしまいますので、毎年の手入れが必ず必要です。赤松、黒松に限らず小さめの松でも樹形を保つのに必要な作業が年2回あります。5~6月に伸びてきた新芽を減らす作業、秋冬の剪定と古葉とりを行う作業です。松の葉先はとがって痛いうえヤニが多いため、専門家に依頼するのが手軽です。

大きく育たない品種、矮性品種なら新芽や古葉の処理が大分減り、作業が楽です。洋風庭園で自然樹形を楽しむなら、管理は大分少なくなります。より管理の量を減らすには、小さな品種が賢い選択です。

プロがおすすめする松の木の品種3選

スモールスペースでも使いやすい、小さめ&成長遅めの松をチョイスしました!

洋風にぴったり、グラウンドカバーに使えるモンタナマツ・プミリオ

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ムゴマツとも呼ばれるモンタナマツ。モンタナマツの中でも、極矮性のプミリオはモンタナ松の中でも比較的ローメンテナンスな種類です。ロックガーデンとの相性がよく、花壇の中に植えれば緑の背景となって他の草花を引き立てます。群植してグラウンドカバーとして使うと、整った緑を保つことができます。

シルバーリーフがエレガント、洋風にも和風にも映える五葉松

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五葉松はシルバーリーフが美しく見ごたえ抜群です。5つの葉が束になっているので、小さなな木でもボリューム感があります。盆栽のような枝ぶりにしてても良いですが、洋風ガーデンの中で自然樹形で楽しんでも素敵です。赤松や黒松に比べ成長が遅いうえ一般家庭の庭での最高樹高は8メートル程度です。

株立ち樹形がインパクト大、シンボルツリーにもなるタギョウショウ

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インパクトのある太い株立ちのうえに傘のように樹冠を広げる姿がユニークなタギョウショウ。高さ、葉貼りともに4~5メートル程度に育ちますが、剪定で小さく保つこともできます。日本庭園にも使われますが、モダン建築、洋風建築ともによく似合います。

プロが教える!松の木を取り入れたおしゃれなガーデン実例12選

松の木×お庭編 4選

カラーリーフプランツとモンタナマツを組み合わせれば、お庭をカラフルに彩れる

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モンタナマツは花壇で花やオーナメンタルグラス、カラーリーフプランツと混ぜて使うと良い引き立て役になります。モンタナマツ・ウィンターゴールドは冬に枝が黄色く変化してカラフルです。

ロックガーデンに小さな松をあしらえば、高山の雄大な風景が再現できる

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もともと高山に原生しているモンタナマツやハイマツなどの背の低い松はロックガーデンにぴったり。岩の隙間に松を植え、周りにセダム類をあしらってみてください。高山の雄大な風景を味わうことができますよ。

松を多く使ったコニファーガーデンなら緑のグラデーションが美しい

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日当たりのよい広い芝生の一角を松がメインのコニファーガーデンにしてみませんか。シンボルツリーには五葉松やタギョウショウを、足元にはモンタナマツやサワラ・ゴールデンモップ、ハイネズなどを植えて、バークチップで地面をカバーしましょう。どの季節も少しずつ色合いの違う緑を楽しむことができますよ。

松の鉢植えならテラスのアクセントやスペースを分けるのに便利

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大鉢に植えた松の木をウッドデッキやテラスに置けば、それだけで素敵なアクセントになります。広いテラスなら、アウトドアリビングとダイニングといったようにスペースを分けるのにも便利です。

松の木×アプローチ編 4選

五葉松を玄関アプローチに植えれば、家の格があがる

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エレガントな雰囲気のある五葉松を玄関前に植えれば、それだけで家の第一印象がよくなります。花壇の中にシンボルツリーとして取り入れれば、シルバーリーフが花の色を引き立てます。

モンタナマツなら、安心感のある分厚い常緑の目隠しができる

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玄関前に常緑樹を植えたい理由の一つは目隠し。モンタナマツは自然樹形で高さ、幅ともに3メートルほどには育ちますので、常緑の分厚い層で玄関前を完璧に目隠ししてくれます。

玄関前に懸崖の盆栽を一つだけ飾れば、絶大なインパクトがある

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日当たりの良い玄関先に特別な盆栽を一つだけ飾れば、シンボルツリー同様にアピールするコーナーができますよ。懸崖仕立ての松ならインパクト絶大です。

松の深い常緑の緑は、いつの季節も玄関前を引き立てる

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松なら玄関前で常に変わらない緑を見せることができます。植栽スペースがなくても鉢植えなら可能です。黒松やモンタナマツの落ち着いたダークグリーンは、玄関まわりをより高級に見せてくれます。

松の木×ベランダ編 4選

松の木をベランダで育ててれば、地中海の雰囲気を演出することも可能

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大きなプランターに植えれば、マンションのベランダでも松の木を育てることができます。タギョウショウにローズマリーやラベンダー、エリゲロンなどを合わせれば地中海地方のお庭のような演出も可能。

矮性の松ならベランダで小さな庭を造ることができる

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モンタナマツ・プミリオのような小さな松なら、ベランダで簡単に育てられます。写真のように平たい藤のバスケットに他の植物や砂利などと高低差をつけてアレンジすれば、小さな庭のような表現も可能。

スタンダード仕立てなら、松の木がモダンで新鮮に見える

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モンタナマツのスタンダード仕立ては新鮮な表情。まっすぐの幹の上に緑の針のポンポンがついた姿を生かすために、足元にも針のような細い葉のオーナメンタルグラスを合わせるとスタイリッシュです。

ガーデンラックを利用すれば、立体的に松の木を観賞できる

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盆栽ならマンションのバルコニーでコレクションすることも可能。ガーデンラックや小品盆栽用の飾り棚を利用して立体的に飾ってみませんか。棚に石や置物、背景に竹垣などを配置すれば本格的な和風ガーデンになりますよ。

まとめ

日本人にとって身近な松の木は、東西問わず庭木として好まれてきました。日本には大木に育つ松を小さな姿にとどめておく技術があります。専門家に依頼すれば、どんな松でも庭に最適の形状に保つことができます。一方、洋風ガーデンによく使われる低木の松ならまた違った雰囲気で楽しむことができますよ。

この記事をヒントにまだ誰も試していないような松の木のあるおしゃれな庭を、ぜひ実現してくださいね!

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