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【プロが教える】憧れのイングリッシュガーデンを実現する方法!小さなスペースでも特徴的な要素で実現可能

橋本朝子
著者:橋本朝子 (一級建築士)

フィンランド在住。法政大学建築学科卒業。建築設計事務所、ガーデニング設計施工会社を経て独立。現在はフィンランドで個人邸宅の庭をはじめ、学校、店舗、公園など幅広い外部空間の設計を手掛ける。設計のテーマは、「毎日の暮らしがより楽しくなるガーデン」。住まいは築50年の住宅。インテリア、ガーデンともにリノベーションを重ねて家族と住む。趣味はアップサイクル。

憧れのイングリッシュガーデン。自宅の庭に、ぜひ取り入れてみたいスタイルですよね!イングリッシュガーデンというと、季節ごとに花が咲き乱れる色彩豊かな花壇、レンガの小道やアフタヌーンティーが楽しめるテラスなどを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

日本で人気のあるイングリッシュガーデンとは、園芸がさかんな英国で見られる庭園の要素を組み合わせたガーデンのことを指すことが多いです。庭園設計の歴史から見た実際のイングリッシュガーデンには別の観点もありますが、今回は主に日本で一般的に人気のあるイングリッシュガーデンについて解説します。

さて、イングリッシュガーデンの要素にはどんなものがあるのでしょう。そして、どう組み合わせたら日本で素敵なお庭を実現できるでしょうか。

プロが教える!憧れのイングリッシュガーデンを実現するポイント

まずは歴史的にみたイングリッシュガーデンを頭の片隅におきつつ、実際に日本で人気のあるイングリッシュガーデンを実現する方法を説明していきましょう!

イングリッシュガーデンとは?

ヨーロッパの歴史をさかのぼると、王族や貴族などが領地に自分ならではの理想郷をつくったのが庭園の始まりです。最初に文明が発達したイタリア、続いてフランスで庭園文化が育まれました。ベルサイユ宮殿の幾何学式庭園が一例です。

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イギリスでは18世紀以降に、庭園はもっと自然であるべきなのでは?という動きがおこり、風景画のような牧歌的でロマンティックな庭園がつくられるようになります。貴族たちは田園ライフに憧れ、公園サイズの敷地になだらかな芝生の丘や、パビリオンがほとりにある大きな池を配置した庭園が人気を呼びました。

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イギリスでは田舎で花々に囲まれた生活をするのが至上の贅沢となり、大小の自然風の庭園がつくられました。コテージガーデンの庭はその流れから生まれ、現在ではイングリッシュガーデンとして多くの人々から参照されています。

コテージガーデンのみならず、イギリスの一般的なタウンハウスのフロントガーデン、バックヤードにもイングリッシュガーデンの要素をみることができます。郊外や都市のライフスタイルに合ったイングリッシュガーデンには、実は日本の庭にも取り入れたくなる素敵なヒントがたくさんあるんですよ!

日本のお庭にイングリッシュガーデンのエッセンスを取り入れるポイント

日本のお庭に取り入れる場合、次のことに留意してみましょう。

素材の色合いはレンガや自然石の色合いで統一

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舗装やウォールなどの色合いは、イングリッシュガーデンで用いられる素材の色をベースにしましょう。例えば赤からダークブラウンのレンガ、ベージュ系ライムストーン、ベージュからブラウンの色合いの砂利、タイル、テラコッタなど。コンクリートブロックなどを利用する際もこのカラートーンから選ぶと良いでしょう。

庭にイングリッシュガーデンの要素を組み合わせる

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イングリッシュガーデンによくみられる要素を組み合わせましょう。レンガのウォール、ウッドフェンス、つる性植物をはわせるためのガーデンアーチ、格子状に木材を組んだトレリス、またはパーゴラ。レンガやライムストーンのテラス、ウッドテラス。自然素材の小道や階段。ファウンテン、噴水などの水場はフォーカルポイント(目を引くポイント)としても効果的。

これらの要素は大体の場合植物と組み合わさることでより魅力的な空間になります。テラスや階段のところどころに花の植わったテラコッタポットを置き、小道や水場の周りにはふわっとかぶさるような草花類を植えましょう。ウォールやフェンスの足元、小道の両側にはの花壇を配置しましょう。

さらに詳しく!イングリッシュガーデンをつくるポイントをパーツごとに解説

ウォール

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レンガのウォールはイングリッシュ風を演出する手っ取り早い方法です。目の高さのウォールや花壇用の低いウォールを取り入れてみましょう。ベージュ色のライムストーンはレンガに次いでおすすめの素材です。コバ積みにすればコテージガーデンのナチュラルな雰囲気がでます。

テラス

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リビングルームのすぐ前や、庭の一角にテラスを配置しましょう。床の素材は小さなスペースなら地面に直接施工できるレンガや砂利がおすすめです。写真のようにサークル状に貼ると、丸い金属製のテーブルセットとマッチしますよ!ある程度面積があるお庭ならウッドデッキもおすすめします。

ガーデンベンチのコーナー

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テラスのスペースはとれない場合、ガーデンベンチのコーナーも検討してみてください。庭で時をすごす場所をつくるのは、イングリッシュガーデンを楽しむ大切なポイントです。

小道

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テラスや芝のスペースへと続く小道があることで、庭を散策するのが楽しくなるものです。両側の地面はボーダーガーデンにしたりグラウンドカバープランツを植えて、小道空間を盛り上げましょう。

ボーダーガーデン

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細長いスペースに様々な花を植えこんだボーダーガーデンは、イングリッシュガーデンで良くみられる要素の一つです。生垣、フェンスやウォールぞい、小道ぞい、テラスの縁などに配置します。日本の庭でも取り入れやすい要素です。低木、多年草、一年草などを混ぜて、それぞれの季節を楽しめるようデザインします。

芝生

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芝生はテラスに次いで、庭の中心的な存在になる場所です。芝生を検討する場合、芝生とフェンスや建物の間を何で区切るかも合わせて考えてみてください。イングリッシュガーデンでよく見るのは、芝生とフェンスの間はボーダーガーデン、芝生と建物の間はテラスです。

フェンス・ゲート

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コテージガーデン風なら、低めのウッドフェンスがおすすめです。エントランスアプローチにはフェンスに合わせたローズアーチもご検討ください。一方、都会的な雰囲気には黒い金属製のフェンスが似合います。

トレリス、オベリスク

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トレリスにつる性植物をはわせると、手軽にイングリッシュガーデンの雰囲気を出すことができます。フェンスのかわりにも。バルコニーガーデンにも取り入れやすいですよ。またタワー状のものはオベリスクと呼ばれ、イングリッシュガーデンの良いアクセントになります。

パーゴラ

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パーゴラにつる性植物をはわせると、テラスにまるで屋根がかかったようなコージーな空間に。お庭で時を過ごすのがより楽しくなりますよ!

どんな植物を選ぶべき?

高木・低木で植栽の骨格を決めよう

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華やかな花苗を選ぶ前に、イングリッシュガーデンにふさわしい植栽計画にするために庭全体の「骨格」となる高木、低木を配置しましょう。常緑のコニファーは庭の背景に最適です。レイランドヒノキの生垣や、スカイロケット、ジュニペルス・スパルタンなど縦長に育つコニファー類がおすすめです。

コニファーに加え、新緑や花、紅葉の楽しめる落葉樹で季節感をだしましょう。マグノリア、セイヨウカエデ、ネグンドカエデ、ナナカマド、ジューンベリー、ムクゲなど。

常緑低木、落葉低木を効果的に使うと、植栽がずっと豊かになるのはイングリッシュガーデンでも同様。一年草、多年草に比べて管理も楽ですよ!刈り込んだツゲやプリペット、シャクナゲ、ジンチョウゲ、サルココッカ、マンサク、ヒペリカム、セイヨウアジサイ、アジサイ・アナベル、バイカウツギなど。

ボーダーガーデンは高さ別に選ぼう

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庭の骨格が整って、ボーダーガーデンの位置が決まったら花苗を選びましょう。花壇後方には1メートル程度の高さに育つ低木や多年草類を植えましょう。例えばシャクナゲ、アジサイ、サンゴミズキ、メドーセージのような宿根のサルビア類など。

花壇の中間にはエキナセア、カンパニュラ類、アリウム、宿根フロックス、シベリアアアメなど。花壇前方には50センチ以下に育つものがおすすめです。アルケミラモリス、アルメリア、アジュガ、ラベンダー、わい性ローズマリー、サントリナ、ブルーサルビア、ラムズイヤー、アサギリソウなど。

つる性植物を効果的に使おう

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ガーデンアーチ、トレリスやパーゴラにはつる性植物が欠かせません。クライミングローズ、クレマチスはイングリッシュ風を演出する王道です。花のない時期にも葉が茂って美しいヘデラ・ヘリックス、紅葉の美しいヘンリーヅタ、ピンクの葉がまるで花のようなミヤママタタビ、日陰でも使えるツルアジサイなども候補に。

日陰の庭には、様々な色合いの緑が美しいホスタがおすすめ

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日陰になりやすい樹木やフェンスの影には、ホスタ、シダ類、ヒューケラ、ヤブラン、フウチソウ、ヘレボラス、ニチニチソウで彩りを加えましょう。ホスタにはいろいろな斑入りの葉の品種があるので、ホスタだけを集めたシェードガーデンも見ごたえがありますよ!

どんなマテリアル・雑貨を取り入れるべき?

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イングリッシュガーデンには、レンガやテラコッタ素材がよく似合います。そこで手軽に置けるものといったら、やはりテラコッタポットです。一般的な丸い形の鉢の他にも、写真のようなカップ型のものを選ぶとよりインパクトのあるお庭に見えますよ。

また人型や動物型のオブジェをコンテナガーデンと合わせておくと、簡単にエレガントな雰囲気が出せます。

水場・ファウンテン

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何かアクセントがほしい、といった場合は水場がおすすめです。小さな噴水でも良いですし、置くだけで手軽なバードバスもちょっとしたファウンテンの雰囲気が出せます。イングリッシュガーデンでは、目を引く場所=フォーカルポイントをところどころに設けることが多いので、水場を上手に利用してみてください。

こんなケースに気をつけろ!失敗しがちなパターン紹介

南ヨーロッパ風の庭の雰囲気はイングリッシュガーデンとは違う

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失敗例というにはあまりに素敵な風景の写真の例は、イングリッシュガーデン風ではないというだけで失敗ではありませんよ!日本でも人気のある白いしっくいの壁、モロッコ風タイル、ブドウ棚、オリーブの茂み。南ヨーロッパ風にしたい場合は、こういった要素をふんだんに使えばよいわけです。

盛りすぎ、カラフルすぎだと落ち着かない

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地面が見えないほど繁茂した植栽は魅力的ですが、最初から密植しすぎると将来大変なことに!小道なら歩けなくなってしまいますし、花壇ならどこから手をつけていいかわからないほどぐちゃぐちゃに。庭の完成から数か月後、数年後の姿を想像して計画しましょう。最初は少々すかすかしてみえても、苗の周りには成長に必要なスペースをあけましょう。

また、狭い空間なのに植栽や素材共に鮮やかでカラフルすぎると、イングリッシュガーデンというよりは公共公園の花壇風になってしまいます。花の色はある程度落ち着きのある色合いがおすすめ。例えば、ブルー、紫、白、ピンクにしぼるとよりエレガントに見えます。

木材の塗装の色が多すぎなのも失敗の元です。木材の塗装の色は1~2色程度におさえましょう。

おしゃれイングリッシュガーデン実例10選

日本の家庭でも実現できる、イングリッシュガーデンの要素のさまざまな組み合わせ方を紹介します。

イングリッシュガーデン実例 6選

小道、テラス、植栽ゾーンをはっきりするとめりはりのある庭になる

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ある程度面積のある庭なら、テラス、小道、芝生、植栽のゾーンははっきり区切ると自然風の中にも整った感じに仕上がります。それぞれの場所を小道でめぐれるようにデザインすると、さらに素敵になります。小道やテラスの舗装面とフェンスの間はボーダーガーデンにぴったりの空間です。

レンガ、砂利などの舗装材を上手につかって床面にも変化をだそう

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やや日陰なスペースでは、舗装の面積を増やして植物は控えめにする方法があります。舗装はレンガや化粧砂利を使い分けるとスペースを上手に分けながら庭の印象をアップできます。例えば通路はレンガ、植栽スペースの半分は化粧砂利にすると、スペースに変化がでて植物は少なめでもより豊かに見えます。

一般家庭のボーダーガーデンはこのスケール感で

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庭のスペースが限られている場合、ウォールの隅をレンガで区切ってボーダー花壇風にしても良いのです。長方形でなくても大丈夫。手前は低く、奥は高くの原則だけ守ってくださいね!写真ではコーン状に刈り込んだツゲが、ボーダーの良いアクセントになっています。花の少ない冬でも見栄えがする、よいアイディアです。

テラスの縁にボーダーガーデンを設ければより華やかな印象に

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フェンスや生垣などの背景がなくてもボーダーガーデンができます。例えばテラスの縁や、テラスと芝生の間を細長い花壇にする方法。これなら日当たりが良く植物がすくすく育ちます。室内やテラスから花壇がよく見えるのも嬉しいですね。

ローズアーチとベンチを組み合わせて印象的なコーナーをつくろう

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ローズアーチを実践したいけれど、北玄関なうえ植栽に適したスペースが取れない!という場合は、南側の芝生と生垣の間にローズアーチをつかったベンチコーナーを設ける方法があります。クライミングローズを這わせれば、イングリッシュガーデンの雰囲気が簡単にだせますよ!

水場は植物とからめるとドラマチックに演出できる

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アマゾンで見つけたライオンヘッドのファウンテンをそのままむき出しに置いたのでは、イングリッシュガーデンの素敵さは全くでません。背景にレンガのウォールを設置、ウォールにはヘデラなどのつる性植物をはわせてファウンテンの縁が隠れる程度に育てましょう。

ファウンテンの前には、ホスタ類などの植えられたポットを置き、地面にはシダ類を植えてあたかも前からあったような演出をしてください。

玄関まわりのイングリッシュガーデン実例 2選

エントランスアプローチ床にはレンガを使用

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玄関まわりに高低差がある場合、イングリッシュガーデン風にするチャンスです!レンガばりの階段やウォールを配置すると、エレガントな英国風に。ウォール下や階段の両脇はボーダーガーデンにするか低木などを植えてナチュラルな感じにしましょう。

玄関脇をボーダーガーデンで色どり豊かに

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玄関まわりの空間が限られている場合、エントランスアプローチと建物の間の1メートルくらいの地面をボーダーガーデンにする方法があります。日陰がちな空間なら、ボーダーの奥にアジサイ・アナベルやサンゴミズキ、ツゲやイチイなどを配置して、手前にはホスタ、ニチニチソウを植えましょう。

ベランダのイングリッシュガーデン実例 2選

大きめのプランターを使えばプチ・ボーダーガーデンが実現できる

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細長いプランターは、ボーダーガーデンの形状に近いものがあります。背の高い植物、低い植物、葉の大きさや色の違う植物を交互に植えて変化のある寄せ植えにしましょう。

ポットを使えばバルコニーでもローズガーデンが可能

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日当たりの良いバルコニーなら、テラコッタポットにローズを植えてみましょう。鉢鉢大小の鉢を並べれば、華やかなローズガーデンが完成!ローズが咲いていない時期も楽しめるよう、ラベンダーや常緑の低木類の鉢も混ぜると良いですね。

まとめ

植物や自然素材をふんだんに使うイングリッシュガーデンは、小さなスペースでも実現することができます。ポイントはイングリッシュガーデン的な要素を敷地の条件に合わせながら組み合わせていくこと。植栽する場所、芝生、テラス、小道などしっかりゾーンわけすると、通年管理がしやすく整った庭になりますよ。

我が家ならではのイングリッシュガーデン、ぜひ実現してくださいね。