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イイホシユミコの食器の人気の秘密を探る。心地良い雰囲気があり、優しい食卓を演出

人類の生活の中で、必要不可欠な存在とも言える「器」。日本では、古くは縄文時代の頃から土器が作られ、人の歴史の中に道具として長い間使われてきました。1万6千5百年前の縄文土器にすら装飾的なものが見られることから、きっと昔の人類にとっても、器は他の道具とは違った存在価値があったのではないでしょうか。いつの頃からか器は、ただモノを入れるだけの存在ではなく、美術品としての価値や、食卓を彩る存在という役割も担うようになりました。

テーブルの上を華やかに彩ったり、料理を美味しく見せる脇役となったりと、器に求める役割によって器選びやコーディネートも様々です。思わず目を惹きつけるような優雅なシェイプや、可愛らしい装飾、個性的なデザインなど、思わず手に取りたくなるようなアイテムが現代社会には溢れていますね。しかし、たくさんの個性的な器ばかりが並んだ食卓に疲れてしまうなんてことも、時にはあるかも知れません。そしてそんな時、ふと素朴で落ち着いた印象の器がとても恋しくなります。

今回ご紹介するのは、器作家・デザイナーである「イイホシユミコ」と、彼女が2007年に立ち上げたブランド「yumiko iihoshi porcelain」について、その魅力を探っていきたいと思います。シンプルで日常使いできる器を探している方。素朴な印象でありながら、どこか人を惹きつける不思議な魅力を持ったイイホシ氏の器に興味のある方など、ぜひテーブルウェア選びの参考にしてみてください。

イイホシユミコ が何故支持されるのか?インテリアのプロがその人気の秘密を紐解く

イイホシユミコとは?

器作家であるイイホシユミコ氏がデザインプロデュースする、2007年に誕生した「ユミコ・イイホシ・ポーセリン」は、若いブランドでありながらも、落ち着いたテイストと、シンプルかつミニマルなデザインで多くのファンに愛されています。「手づくりとプロダクトの境界にあるもの」をコンセプトに、量産品であるプロダクトの器と陶芸家による作品の中間を目指して作られるアイテムには、イイホシ氏のどうのような思いが込められているのでしょうか。

著書「今日もどこかの食卓で」によると、イイホシ氏が器づくりを目指したのは二十代初めの頃だったといいます。大学時代、食器屋でのアルバイトを経て、大学卒業後バイト先のオーナーの紹介で雑貨の輸入会社に就職したイイホシ氏は、すでにその時自身の手で器を「デザインする」ことを夢見ており、陶芸教室へと通い始めます。ご主人の転勤によって福岡へと移転することになったイイホシ氏は、福岡の地でも陶芸教室に通い、日々陶芸に没頭しました。「器づくりを仕事にする」という決意は、この頃には明確にイイホシ氏の中に芽生えていました。

ご主人が東京へ転勤となることをきっかけに、イイホシ氏は単身「京都嵯峨芸術大学」の陶芸科へと入学。そこで2年間本格的に陶芸を学び始めます。イイホシ氏の現在のデザインに通じる「答え」を得たのは、大学在学中のことでした。「答え」は彼女にとって羅針盤ように、作品づくりの方向性を明確に示しました。自身が作るべきもの、作らなくてもよいものが明確に見え始めると、それは確かな自信へとなっていきます。

大学卒業後、自宅に電気窯を設置して作陶を行いながら、個展やグループ展を開き、自身のブランドを確立させていきます。大学卒業時、「小さな器メーカー」を作りたいと目標を持ったイイホシ氏は、その目標に向かい着実に歩みを進め、2007年台東デザイナーズビレッジにアトリエを移すと、11月にはプロダクトシリーズの製造を開始。「ユミコ・イイホシ・ポーリセン」のブランドを立ち上げました。

著書内で、イイホシ氏は自身が「作りたい器は量産して完成だと思う」と語っており、言葉の通り、自身でプロトタイプの器を製作してから、それを日本各地の窯元に量産のオーダーを出します。自らが作る作品には、なるべく「作り手らしさ」が宿らないように。プロダクトには、イイホシ氏の「気配」を薄れさせ、職人のぬくもりが宿るように。そのため器自体には「イイホシユミコ作」といった強いメッセージ性はありませんが、その代わり「手づくりとプロダクトの境界にあるもの」というブランドのコンセプトこそ、イイホシ氏の世界観が宿っているように感じられます。

現在、東京と大阪の2都市に直営店ショールームを構えている他、全国のデパートやセレクトショップなどでも「ユミコ・イイホシ・ポーリセン」の取扱店があります。また、アメリカや中国といった海外のショップにもブランドの取扱店があるなど、今後海外での活躍も楽しみなところ。日常生活にすんなり馴染んでいくような、そんな素朴で使いやすいイイホシブランドの器の数々を、皆さんもぜひ直接手に取ってみてはいかがでしょう。

参考:yumiko iihoshi porcelain HP
https://y-iihoshi-p.com/

参考:イイホシユミコ・一田憲子(文),「今日もどこかの食卓で イイホシユミコ器の仕事」
主婦と生活社,2012年6 月25日

イイホシユミコのスタイル

ユミコ・イイホシ・ポーセリンのアイテムは、そのブランド名からも分かる通り、磁器の器をメインに扱っています。日本国内の窯元によって製造されるそれらは、職人の手仕事のぬくもりが感じられながらも、使う人の生活に馴染むような、ひっそりとした存在感が魅力です。

イイホシ氏によってデザインされ、プロトタイプが作られると、それを原型師によって型が作られ、型師や釜屋の職人の手を経てプロダクト品として量産されます。デザイナーの気配を薄め、職人の手仕事のぬくもりが宿った器は、素朴で優しげでありながら、主張がなく、なんとなく「好きだなぁ」と感じられるような寄り添うような雰囲気を持っています。シンプルかつミニマルなデザインは、北欧モダンやシンプルモダンスタイル、ナチュラルな和モダンスタイルやカフェスタイルなどにも、とても良く馴染みます。

手作りによって、一つ一つ、ムラや色の濃淡など僅かな違いが出ることによって、愛着を持って使いやすく、しかし、主張するような強いメッセージ性がないので、気分の上がらない月曜の朝や、気持ちが浮き立つ金曜の夜の食卓など、様々な食事のシーンでも使いやすいもの魅力です。ユミコ・イイホシ・ポーセリンのアイテムで揃えても良いですし、他のブランドなどと組み合わせても邪魔にならない、そんなひっそりとした魅力を持っています。

イイホシユミコの評判

直営店だけではなく、おしゃれな食器屋さんやデパートなどでも取り扱いのあるイイホシ氏の器は、食器好きな方に人気なのはもちろん、食べ物が美味しそうに映えるとしてインスタグラムでも人気があります。もの凄く個性的な訳ではないのに、人目を惹きつける魅力を持っており、落ち着いた綺麗な色合いは、テーブルコーディネートが楽しくなりますね。

ここでは、実際にイイホシユミコ氏の器を使用している方の感想を参考に、どんなところにユーザーが魅力を感じているのかなどを探ってみましょう。

最近仲間入りしたのが
bon voyageシリーズ
イイホシさんのうつわを集め始めた数年前から
かわいいなぁとは思いながらも
使うのが難しそうなイメージが先攻して買わずにいましたが
買って見るととっても使いやすいし、
なかなかないデザインでアクセントにもなるしでお気に入りです♡

https://ameblo.jp/reereereereeee/entry-11782185809.html

使用しているのは、取手が一体となった深みのあるプレートの「ボンボヤージュ」です。あまり見ないデザインは、意外と色々なお料理に使いやすく、サラダやパスタ、デザートやフルーツなどを盛り付けたりなどもできます。サイズは三種類あるので、メイン料理のお皿としてや、副菜などにも使用でき、丸いお皿が多くなりがちな食卓のアクセントとしても活躍します。

ちょっと特徴的な見た目なので、「コーディネートしにくのでは?」と思う方もいらっしゃいますが、北欧モダンを思わせる可愛らしいカラーバリエーションと、丸みのあるコロンとしたフォルムは、人気の高い北欧系食器との相性も良いので、意外とコーディネートもしやすいことでしょう。

やっぱり手持ちの器に合うし、微妙な色味、長く愛せる控えめな主張、好きが詰まってて買ってよかったです!

使用しているのは「オーバル プレート」。サイズが四種類あるので、メイン・副菜・サラダ・デザートなどが、それぞれ盛り付けやすいです。少し深さがあるので汁気の多い料理も盛り付けられ、同じ色のサイズ違いで揃えたり、色違いで同じサイズで揃えて使用している方なども多いようです。シンプルで落ち着いた色味のデザインは、洋食だけではなく和食や中華などにも合わせやすく、朝食から夕食まで日常の幅広いシーンで活躍することでしょう。

カラーバリエーションは、グレー・ベージュ・ホワイトのニュートラルカラーの3色。クセのないカラーは、色彩豊かなお料理や、鮮やかな絵付けのプレートなどとも合わせやすいです。

イイホシ氏の器は、フォルムはもちろん、その素材や色などにもこだわりがあります。釉薬を使用して出す色味は、焼き加減の調整など職人さんの卓越した経験によって、望む色を再現しています。量産品でありながらも、職人の手のぬくもりがこもった器は、まさに「手づくりとプロダクトの境界」にある絶妙なバランス感覚を持った存在で、不思議とその存在に惹かれる人が多いのです。

イイホシユミコ が好きな方におすすめブランド

KANEAKI SAKAI POTTERY(カネアキサカイポタリー)

日本一の陶磁器生産量を誇る町、岐阜県土岐市にある百年以上の歴史を持つ「金秋酒井製陶所」から、「自分たちが本当に欲しいと思える器を届けたい」というコンセプトのもと、女性職人の手によって誕生したブランド「カネアキサカイポタリー」。シンプルでほっこりとするデザインでありながら、職人の手仕事による温かみのある雰囲気が魅力のアイテムが揃っています。

まだ直営店などはありませんが、取扱店は国内から中国まで拡大中。ウェブショップやイベントなどでも購入可能です。イイホシ氏の器のような「シンプルなのに良い雰囲気を持った器」がお好きな方におすすめのブランドです。

参考:KANEAKI SAKAI POTTERY HP
http://kaneaki.com/

KINTO(キントー)

1972年に食器の卸売業として創業した「キントー」は、現在ではオリジナルの企画商品も開発しており、そのシンプルで使いやすい器は、国内外でも人気のブランドです。テーブルウェアからインテリア雑貨まで、幅広いアイテムを扱っており、ドリンクウェアなどが豊富なのも特徴的です。陶磁器は、使い勝手の良い波佐見焼なので、日常使いしやすいのも魅力です。

職人がデザインし手作りしている「カネアキサカイポタリー」のアイテムと、プロダクト品として波佐見焼の窯元の職人によって量産されている「キントー」のアイテム。そして、その中間の雰囲気をもつ「イイホシユミコ」のアイテムは、どれもシンプルな器なのに、「雰囲気が心地良い」のが印象的です。

参考:KINTO HP
https://kinto.co.jp/

プロが選ぶ!イイホシユミコ の代表的なアイテム5選

イイホシユミコの代表作:unjour(アンジュール)

ユミコ・イイホシ・ポーセリンの初のプロダクトシリーズとして誕生した「アンジュール」シリーズ。「unjour」とはフランス語で1日を意味しており、名前の通り朝・昼・晩の1日のシーンをイメージした3つのサイズ展開が特徴的なシリーズです。

朝(matin)は大きめなカップとワンプレートの大きなお皿。午後(après midi)のティータイムに使えるカップとケーキのお皿が中間サイズ。そして夜更け(nuit)にコーヒーとひと口のチョコが載せられる小さなサイズのカップとお皿で展開しており、加えてそれぞれボウルもあります。それぞれ対応するサイズの底面には、サイズを表す時間帯のスタンプがされており、プロダクトでありながらも細かな仕事が見受けられます。

もちろん、その通りに使用する必要はなく、大きさを組み合わせて自由に使用できるので、お好みのサイズを選ぶことができます。シンプルなシェイプと、マットな表面の質感が素朴で馴染みやすい雰囲気を持っているので、北欧モダンやカフェスタイルなどにおすすめです。

参考:yumiko iihoshi porcelain online shop HP「unjour」
https://y-iihoshi-p.shop-pro.jp/?mode=cate&csid=0&cbid=2473453

取手付きのプレート:bon voyage(ボンボヤージュ)

旅に持っていく器をイメージして作られた「ボンボヤージュ」は、取手が一体となった特徴的なプレートのシリーズです。マットな質感と、柔らかな印象のエッジ、やや深みのあるコロンとしたフォルムがなんとも可愛らしく、テーブルウェアのアクセントとしても活躍します。

おすすめは一番大きなサイズのプレートで、メイン料理を盛り付けて食卓の真ん中に配置したり、ワンプレートとしても。これからの時期なら、冷やし中華などの料理も映えそうですね。

参考:yumiko iihoshi porcelain online shop HP「bon voyage」
https://y-iihoshi-p.shop-pro.jp/?mode=cate&cbid=2519528&csid=0

モヤモヤ感が味わい深い伊羅保釉:ReIRABO(リイラボ)

伝統的な伊羅保釉を、電子レンジや食洗機などでも使える現代的なプロダクト化したシリーズで、釉薬の開発には試行錯誤がなされました。伊羅保釉は、表面にモヤモヤとした独特の表情が出るのが特徴で、「リイラボ」シリーズもこの独特の風合いが魅力です。

和食などにも使いやすく、モダンでありながら「侘び寂び」を感じるようなカッコ良さがあるので、男性などにも人気のあるシリーズです。

参考:yumiko iihoshi porcelain online shop HP「ReIRABO」
https://y-iihoshi-p.shop-pro.jp/?mode=cate&csid=0&cbid=2473452

「さぁ、召し上がれ」と出てくる:bon appetit(ボナペティ)

「bon appetit」の意味は「召し上がれ」。その言葉と共にテーブルにサーブされるイメージから生まれた「ボナペティ」シリーズは、舟型のような両端が立ち上がったデザインで、中央の食材がよく映えます。見栄えをより良く演出するなら、中央が高くなるように料理を盛ること。一番小さなサイズは、丸っとした大福やフルーツなどを盛るのがおすすめです。

ホワイトとブラックの2色展開で、和食から洋食、中華やエスニック料理などにも合わせやすく、意外と和風のインテリアにもマッチするので、比較的インテリアシーンを選ばない器です。

参考:yumiko iihoshi porcelain online shop HP「bon appetit」
https://y-iihoshi-p.shop-pro.jp/?mode=cate&csid=0&cbid=2508705

料理が映える器:dishes(ディッシーズ)

東京湯島の業務用ガラスの老舗、木村硝子店とのダブルネームで発表された「ディッシーズ」シリーズは、料理を美しく引き立てる器のシリーズです。サイズによってリムの角度を変えることで、盛り付けた料理が映えるように計算されて設計されています。高台のないスッキリとした足元と、縁周りの白いラインがモダンなスタイルのディッシーズは、ナチュラルモダンなどのインテリアスタイルにおすすめです。

カラーによって表面がマット・艶ありと異なるので、同じシリーズでも表情が異なります。また、高台がないことで、スタッキングした時にスッキリと収まるので、複数個揃えて使いたいシリーズです。

参考:yumiko iihoshi porcelain online shop HP「dishes」
https://y-iihoshi-p.shop-pro.jp/?mode=cate&csid=0&cbid=2508702

まとめ

イイホシユミコ氏のデザインには、どこか心地良い雰囲気があり、優しい食卓を作り出してくれます。お料理がとても美味しそうに見え、日常の風景に溶け込み、どんなシーンでも使いやすいのも魅力です。

作家の器というには強いメッセージ性がなく、プロダクトというには温かみのある。そんな手作りとプロダクトの境界のような心地良いイイホシ氏の器を取り入れて、心地良い空間を作るテーブルコーディネートを楽しんでみてはいかがでしょう。

参考:yumiko iihoshi porcelain HP
https://y-iihoshi-p.com/

参考:イイホシユミコ・一田憲子(文),「今日もどこかの食卓で イイホシユミコ器の仕事」
主婦と生活社,2012年6 月25日

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