【プロが教える】無垢の床のお部屋をおしゃれにする方法!節なし節あり、樹種もしっかり選ぼう
無垢の床は、今や特別なものに感じないほど、住宅ではよく使われるようになりました。そもそも昔の住宅では畳の部屋が中心だったとはいえ、廊下や台所などでは無垢の床が使われていました。無垢の床は普段の生活の中で身近なものだったのです。
しかし、人口が増えて高度経済成長の時期には住宅の建築ラッシュになり、短納期で品質が均一な複合フローリングが広く普及。工業製品化した素材で建てられるのが一般的になりました。
その後、接着剤などの有害物質に対する規制がされると、自然素材の家づくりが見直され、無垢の床材の需要も増えて、今ではさまざまな種類の樹種、デザインの無垢の床が使われています。
自然素材である無垢の床を、お部屋の床材としておしゃれに取り入れるには、どんな樹種のものを、どんなインテリアと組み合わせればよいか、イメージを膨らませている方も多いでしょう。
そこで今回は、無垢の床をおしゃれに取り入れるポイントや気になるお手入れ方法、家具やカーテンとの組み合わせ方や無垢の床を使った素敵なインテリア事例をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
目次
プロが教える!無垢の床のお部屋をおしゃれにする方法
無垢の床のお部屋をおしゃれにするポイント
床は内装材の中でも面積が広いですから、お部屋の印象に大きく影響します。床そのものの色合いや雰囲気をイメージに合うものを選ぶことは大事ですが、建具や壁など床以外の部分とのバランスも気を付けましょう。
建具や柱、天井などと統一感を出す
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無垢の床を取り入れるなら、天井や建具、柱などの素材も色合いや質感を床と似た雰囲気でまとめることで、統一感がでて洗練された印象になります。木材の樹種をできるだけ似ているものを使うのもポイントです。
自然素材と組み合わせる
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無垢の床と、珪藻土や漆喰などの自然素材は相性が良いです。一般的に無垢の床は光沢が抑えられてしっとりした質感があります。そのため、珪藻土などマットな質感の素材との組み合わせで、温もりが感じられるインテリアが演出できます。
イメージに合う樹種の無垢床を使う
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樹種によって木材の表情が異なるため、イメージに合う樹種選びは重要です。高級感を出したいのに、カジュアル感のある無垢の床を使ってしまうと、面積が広いだけに思うような雰囲気が出せません。
「節あり」か「節無し」か、木目が「粗い」か「優しい」か、色味は「黄味が強い」か「茶系が強い」かなど、実際のサンプルで事前に確認することが大切です。
無垢の床と経年変化
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自然素材である無垢の床は、材料として加工されても「生きた素材」です。そのため経年変化があります。
どのような変化が起こるかは条件などでも異なりますが、一般的には色味が少し濃くなります。樹種により、赤みが強くなったり茶味がかったりさまざまですが、素材が劣化するわけではありませんので、自然素材の味わい深さによる変化です。
また、何年もかけて少しずつ変化しますから、全く気付かないことの方が多いでしょう。
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無垢の床での心配事のひとつに、「キズ」があります。複合フローリングにように表面にキズ防止のコーティングがないため、ある程度のキズは避けられません。
とはいえ、物を落としたり、車のおもちゃを頻繁に走らせたり、キズの要因になるような使い方なら見た目にもわかりますが、普段の暮らしでキズが増えていくというものではありませんので、それほど心配することはないでしょう。
ただし、水分には弱いため、掃き出し窓を開けていたために長く雨に濡れてしまったり、水をこぼしたまま放置したりすると傷む可能性があります。濡れてしまったときはすぐに拭き取るなど、気を付けるようにしましょう。
代表的な無垢材ごとのおしゃれにするポイント
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樹種によって、お部屋のイメージはガラリと変わります。ここでは、よく使われている人気の無垢材を種類ごとにご紹介します。
オーク・ナラの無垢材のお部屋編
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ナチュラルさと高級感のある表情で人気のオーク材。オークと似ている素材にはナラ材もあります。どちらも黄みがかった色調で、渋みがあり硬めの無垢材です。木目が美しく耐久性にも優れているため家具材としてもよく使われています。
節がないシンプルなオーク材を選べば、モダンからナチュラルまで幅広いスタイルに柔軟に対応できます。どんな樹種を選べばよいか迷っているとき、オーク・ナラを選択すれば間違いはありません。
バーチ・カバの無垢材のお部屋編
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柔らかい雰囲気を演出したい場合は、優しい木目のバーチやカバがおすすめです。ほんのり赤みやピンクがかった色味で、控えめな表情の無垢材です。ナチュラルスタイルや西洋スタイルと相性がよく、適度な硬さもあり万能な無垢材といえます。
繊細な木目を活かすには、濃い塗装色で仕上げずにそのままの風合いで仕上げるのがポイントです。オークと同じで、樹種選びで迷ったときにはバーチもおすすめです。
パインの無垢材のお部屋編
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パインは節ありで使うことが多く、カジュアルな雰囲気のお部屋づくりにぴったりの無垢材です。
塗装しないそのままの木肌はやや白く、経年変化で赤みが増します。そのままの風合いを活かすのもよいですが、好みの色に塗装を施すのもおすすめです。西洋スタイルはもちろん、カフェ風、インダストリアル、レトロなど、個性的なお部屋づくりに活躍してくれます。
さらに詳しく!無垢床との相性をインテリアスタイル・家具ごとに見ていこう
無垢の床と組み合わせるにはどんなインテリアがよいか、家具選びを迷う方も少なくありません。それぞれのおすすめポイントをご紹介します。
どんなインテリアスタイルと相性が良い?
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木材をたくさん使い、木の温もりが感じられるインテリアスタイルは王道といえます。樹種によって少しずつ表情が異なりますから、イメージに合う木材をミックスさせて使うことで個性的な空間を演出できます。
色幅があり、力強い表情の無垢材なら、窓枠や照明など部分的にブラックなどを取り入れたインダストリアルな雰囲気に似合います。
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節がなく優しい木目の無垢床なら、透明感のあるシンプルナチュラルなインテリアスタイルと相性がよいでしょう。凝った造作がなくても、木の質感だけで惹き込まれるような印象的な空間づくりが可能です。
どんな家具を選ぶべき?
ソファやテーブル等大物の家具を選ぶときのポイント
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無垢の床には、やはり無垢の家具が似合います。本物の木材の質感は写真で観ているより風合いが感じられます。素材感の違いが出ないように無垢家具を取り入れましょう。
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ソファなどの大型家具で失敗しないためには、アースカラーなど馴染み色を選ぶことです。ポップカラーや個性的な模様のファブリックをおしゃれにまとめるのは、難易度が高くなりがちです。変化を持たせたいときは、クッションなど小物で取り入れるとよいアクセントになります。
カーテンを選ぶときのポイント
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無垢の床はどんなカーテンスタイルとも相性がよいです。一般的なドレープカーテンやシェードスタイル、縦型のバーチカルブラインド、横型のプリーツスクリーンなど好みに合う部屋のイメージに合わせて選びましょう。
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カフェ風やインダストリアルなどには、木製ブラインドもおすすめです。木質感がより加わることによって、一般的なカーテンよりもぐっと雰囲気がでやすいです。
後悔したくない!気になる情報も事前に検討しておきましょう。
無垢の床のデメリットは?
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自然素材であるゆえに、キズが付きやすい面があります。樹種によっては柔らかい特徴を持つ無垢床もありますので、ペット飼育の家庭などはオークなど比較的硬い無垢床がおすすめです。
とはいえ、硬い無垢床は素足で歩くと足が疲れやすくもなります。柔らかい無垢床はキズが付きやすくても足腰にやさしいというメリットもありますので、ライフスタイルに合う無垢床を選びましょう。
無垢の床の価格は?一般的な床材と比較して解説
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リフォームやリノベーションなどで床材を貼りかえる場合、無垢の床と一般的な複合フローリングの材料+工事費の価格は次の通りです。
・無垢床(オーク・ナラ)・・・13,000円~27,000円 / 1㎡
・複合床(オーク・ナラ)・・・7,000円~20,000円 / 1㎡
無垢の床の方が少し割高になりますが、水に長時間濡らさないことなど基本的なメンテナンスをしていれば、自然の艶が出てくるなど無垢床は美しさが長持ちします。
調湿効果やマイナスイオン効果などが期待できる自然素材であることを考えると、価格以上の付加価値があると考えます。
こんなケースに気をつけろ!失敗しがちなパターン紹介
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無垢の床の表面仕上げは、オーソドックスなものが一般的ですが、まれに浮造りという木目を浮き立たせている仕上げや古びを表現するために、キズ加工が施されているものがあります。
デザインとしては、お部屋のイメージに合う場合もありますが、デコボコした溝があると汚れが付いたときに取れにくい面があります。また、素足であるくときの肌触りが気になる場合もありますので、実際のサンプルなどで汚れの付き方や表面の風合いをよく確かめてから選びましょう。
スタイル別無垢の床のコーディネート実例10選を解説!
無垢の床×ナチュラルスタイル 3選
優しい雰囲気が伝わるパイン床
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節ありパインの無垢の床が、素朴なナチュラルカントリースタイルにぴったりです。柱や梁も同じパイン系で統一されて全体的にもまとまりがあります。
家具の色に合わせて、木部はほんのり塗装仕上げをしていて、家具との違和感もなく柔らかな雰囲気が演出されています。ダイニングテーブルの足元をホワイトにすることで、アクセントになっています。
シンプルさの中でインテリア小物が際立つ
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無垢床の素地の風合いが活かされた優しいナチュラルスタイルです。空間の形も床の表情もシンプルであるため、ペンダントライトや花器のフォルムがより一層際立っています。大ぶりのグリーンも涼やかで印象的ですね。
繊細なカラーがアクセントに
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優しい色あいの床は、アースカラーのような繊細なアクセントウォールと相性がよいです。柱やキッチン収納にホワイト系を使い、グリーンがよく映えています。1枚の床の幅も細くより繊細さを演出しています。
無垢の床×モダンスタイル 3選
アーバンな雰囲気の大人リビング
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木がはっきりした無垢床は、ブラック系のインテリアと組み合わせるとキリリとした大人のモダンスタイルになります。
窓枠は壁と同化するホワイトにしたり、巾木の立ち上がりを低く抑えたり、無垢床を取り入れながらも、白い壁も大きく取ることで洗練された雰囲気の空間構成になっています。
デザイン家具が映えるモダンリビング
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木目の濃淡や荒々しさが表現された無垢床を、シックなインテリアで統一することで、都会的な雰囲気にしています。
木製のデザイン家具を取り入れて、木の温もりも感じされる癒しの空間です。
木質感が心地よいリビング
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ダークブラウンの無垢の床に合わせて、天井も木材で仕上げたナチュラルモダンスタイル。濃淡のランダムな表情が木質感をより強く感じさせます。
キッチン天井を一段低く、ブラック系にして空間に変化を生んでいます。天井から長くのびたペンダントも重心が低く、掘りごたつ風のダイニングテーブルととてもバランスがよいですね。
無垢の床×カフェスタイル 3選
木の温もりに包まれたカフェ風リビング
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吹き抜けが心地よいリビングは、パイン床でラフな風合いを演出。キッチンの腰壁も板張りにして、照明もデザインの凝っていますね。カフェの雰囲気が素敵なLDKです。
ビンテージ風な雰囲気のLDK
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節ありの無垢床は、素朴な雰囲気を演出してくれる優れものです。素地の優しい表情をそのままに、キッチン周囲をダークな色でアクセントにしています。
アイアン素材を家具や取手に使いビンテージな雰囲気を与えています。キッチン背面のタイル壁もレトロな雰囲気を一層演出していますね。
ヘリンボーンでおしゃれなカフェスタイルに
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赤みの強い無垢床をヘリンボーンで仕上げて、個性的なカフェスタイルにしています。キッチンの腰壁も板張りで仕上げて間接照明をあしらい、ライトアップされたキッチンまわりがショップのようです。
雰囲気のある家具や照明器具など、インテリアの組み合わせも秀逸です。
まとめ
今回は、無垢の床でおしゃれなお部屋づくりをするためのポイントをご紹介しました。
節あり、節なしでお部屋のイメージもかなり変わります。また、オークやナラは渋みがある床材ですが、パインは素朴な雰囲気の床材であるなど、樹種によっても印象がかわるため、実際のサンプルをきちんと確かめて、自分たちの求めているイメージに合う床材を選びたいですね。
色味や木目など、じっくりとサンプルを見比べ最適な無垢床で、素敵なお部屋を実現していください。