【プロが教える】おしゃれなコートハウスを実現する方法!中庭のあるお家実例をたっぷり使って徹底解説
コートハウスと呼ばれる、いわゆる中庭のある家は明るく風通しがよい素敵な事例が多くあります。
中庭があるだけでなく、室内側の空間も豊かにしてくれる効果があることが嬉しいポイント。
今回はコートハウスの実例を確認しながら、メリットデメリットを整理しつつ、素敵なコートハウスを実現するためにはどんなことに注意したら良いのかを解説します。
もしもコートハウスをご検討中なら、ぜひこの記事を参考にしてくださいね!
プロが教える!おしゃれなコートハウスを実現するポイント
そもそもコートハウスとは?
https://www.pinterest.jp/pin/57069120269810300/
コートハウスとは、壁に囲まれた庭のある家を指します。
室内に面しているほか、公道などに面した場所には壁のみを建てるなどして、外部の視線が気になりにくいプライベートな庭を持つ家です。
壁に囲まれた中庭なら、隣家や道路が迫っていても中庭に面して大きな窓を設けることができ、風通しも良くすることができます。
また、視線が気になりにくいので、室内の延長のように開放して利用できるため、室内の広がりも感じることができることから人気があります。
コートハウスをおしゃれにまとめるには、しっかりとインテリアのイメージに合わせた中庭を作ることが大切です。
改めてコートハウスのメリット / デメリットを整理します
コートハウスのメリット
https://www.pinterest.jp/pin/794040978050449007/
コートハウスの1番のメリットは、周りを気にすることなくリラックスできる「使える庭」をつくれることです。
よほど広い庭でない限り、通常家の前後に造られる庭は隣家や道路側からの視線が気になります。
壁に囲まれた庭を持つコートハウスなら、ゆっくりお茶を楽しんだり本を読んだり、BBQをしたりと庭を使っても周りを気にする必要がありません。
また、周辺の景色も遮断されるため、中庭を作り込んでリゾートホテルのようにすることもできます。
さらに、室内側にもメリットがあります。
前述のように視線が気にならないので、中庭に面して大きな窓を設置することができます。
そのため室内に光を届けられるほか、開け放てば風を通すことも可能です。
インテリアの面から嬉しいことは、視線を遮るためのカーテンをつける必要がなく窓周りをすっきりとさせることができるということもあげられるでしょう。
コートハウスのデメリット
https://www.pinterest.jp/pin/585679126565198979/
では、コートハウスのデメリットは何でしょうか。
まず、建築費は高くなる傾向です。
なぜなら中庭を作ることで壁や窓が増えるからです。単純な長方形の家より、L型やコの字型やロの字型の家の方が建築費は高くなります。
そして、最も大きなデメリットは部屋が分断されることです。
建築面積に余裕がないと、無理に中庭を作ることで、中庭を囲う部屋が狭くなってしまいます。
例えば画像のようなコの字型の中庭の場合、もしかしたら中庭を作らずに一室の大きなお部屋にした方が広々とした印象になるかもしれません。
コートハウスにするかしないかは、どちらがよいのか設計士ともよく相談して検討してもらうようにしましょう。
コートハウスをおしゃれに実現するポイント① インテリアスタイルに合わせた中庭
https://www.pinterest.jp/pin/30751209948796468/
中庭の植栽や床材や壁面のデザインは、室内側のインテリアにあうイメージにしましょう。
あわせて中庭に面した窓のデザインも重要です。
室内側から見たときに、室内の延長のように感じるコーディネートにすることがポイントです。
コートハウスをおしゃれに実現するポイント② 中庭の目的を整理
https://www.pinterest.jp/pin/36873290692646061/
中庭を有効に利用するためには、まず、中庭で何をしたいかを決めることが大切です。
室内に見せることを目的にするのか、そこでくつろいだりBBQをしたりするのかで、必要な広さも床面の素材も変わってきます。
最初に目的を決めて作れば、せっかくの中庭を作ったのに使いにくいという状態を防ぐことができます。
きちんと使える中庭は、美しく保とうとしますから、見た目以上に目的は重要です。
コートハウスをおしゃれに実現するポイント③ 室内とのつながりを重視
https://www.pinterest.jp/pin/667588344777127956/
中庭があることで、室内にプラスにならなければ作る意味がありません。
そのため、室内と中庭の関係を熟考することが大切です。
床面の段差や床材、各部屋への動線、部屋からの景色、中庭の向こうの部屋の見え方などを考えながら、デザインや植栽を検討しましょう。
後悔したくない!失敗しがちなコートハウスパターン紹介
https://www.pinterest.jp/pin/533324780883317921/
最も辛いコートハウスの失敗は、予想外の場所から覗かれてしまうという例でしょう。
たとえば1階部分はしっかりとガードできていても、2階の少し離れた家から丸見えだったということも。
実際に見られていなくても、なんとなく窓が気になって落ち着かないということになったら残念です。
周辺の窓の位置はしっかりとチェックして壁を立てるようにしましょう。
住宅のプロが厳選!有名建築家がデザインしたコートハウス3選
GARDEN HOUSE(保坂猛)
https://www.pinterest.jp/pin/515028907379610024/
こちらはコートハウスの住宅を多く設計されている保坂猛氏の、GARDEN HOUSE。
三角形の中庭に全ての部屋が開いてつながっています。
三角形なので、正面で向かい合う部屋がないのもポイントですね。
ファサードからは想像できない広がりのある住宅です。
SGY(彦根 明)
https://www.pinterest.jp/pin/635289091198487786/
多くの住宅を手がける彦根明氏も中庭のある住宅の実績が多くあります。
密集地の中庭型住宅「SGY」は、中庭を囲みながら、段差のあるあるさまざまなくつろぎの空間が用意された住宅です。
外観は、とてもシンプルにまとめられていて窓はほとんどなく、室内に入ったときの驚きが感動を生みます。
彦根のモデルハウス(伊礼智)
https://irei.exblog.jp/31305726/
著名な住宅建築家のひとり伊礼智氏。自然素材を使った居心地の良い住宅が特徴です。
こちらは工務店のモデルハウスですが、中庭をコの字に囲み、夜間も外部からの視線を気にすることなくリラックスできるリビングダイニングキッチンを作っています。
温かい光が中庭にもれて、家を愛することができそうですね。
おしゃれなコートハウス施工実例16選
コートハウスの間取り実例 3例
L型コートハウスの間取り
https://www.pinterest.jp/pin/141159769555844684/
こちらはL型のコートハウスの間取り図の一例です。
L型の場合、隣家や公道に面してL型の壁を立てる設計になります。
ほとんどの場合が、図面のようにリビングダイニングに面した中庭になることが多いでしょう。
中庭の緑を2階からも楽しめるように、また1階部分の庇になるようにバルコニーがL型に造られています。
コの字型コートハウスの間取り
https://www.pinterest.jp/pin/566961040593317397/
通常コの字型のコートハウスは、オープンな部分に壁を立てて四角い中庭にします。
こちらは少し変形タイプですが、面白い間取りなのでご紹介します。
LDKは中庭の反対側にも庭が造られているので、自然を感じながら過ごせる明るい空間が作られています。
2世帯を分けながら、寝室が向かい合うことがないように角度がつけられている点が特徴的です。
ロの字型コートハウスの間取り
https://www.pinterest.jp/pin/652951645987861772/
ロの字型のコートハウスは、中庭が完全に住宅に囲まれています。
最も中庭のプライベート感が高くなる間取りです。
ただし、リビングから反対側の寝室などがよく見えてしまう可能性がありますので、廊下を置いたり、窓の形状や高さを工夫します。
モダンなコートハウス施工実例 3例
ミニマムな中庭はお手入れしやすい
https://www.pinterest.jp/pin/317714948727008791/
モダンなコートハウスの中庭はシンボルツリーのみということも多くなります。
実は、落ち葉や雑草などの片づけが少なく済んで、お手入れしやすいというメリットがあります。
シンボルツリーも常緑樹にしておくのがおすすめです。
ラグジュアリーな中庭
https://www.pinterest.jp/pin/781656079089282304/
豪邸の中庭なら、水盤や暖炉、くつろげる家具があるといいですね。
植栽は全て地植えでなくても、大きなプランターを利用する方法もおすすめです。
中庭のライティングも重要
https://www.pinterest.jp/pin/351912462578256/
中庭は必ずライトアップしましょう。
夜間、中庭が暗がりだと、せっかくの中庭がうまく使えていませんし、ちょっぴり怖い空間になってしまいます。
全体的に照明を計画したいところですが、最低でもシンボルツリーはライトアップしましょう。
和風スタイルのコートハウス施工実例 4例
室内からのつながりを大切に
https://www.pinterest.jp/pin/799740846344809228/
和の空間に中庭を作るなら、広縁や濡れ縁をイメージしてつくるとイメージを壊すことがありません。
こちらの画像は、室内の床から全て同じ素材で繋がっていてとてもオープンなスペースになっています。
住居部分はコンパクトな平家でも、実際の面積以上の広がりがありますね。
格子やベンチもぜひ参考にしてください。
中庭の飛び石で部屋をつなぐ
https://www.pinterest.jp/pin/538602436694035718/
和風の建物なら、中庭を飛び石で演出する方法もおすすめです。
コンパクトでも飛び石があれば和の雰囲気を出すことができますし、動きのある庭を作ることができます。
玄関からつながる通り庭
https://www.pinterest.jp/pin/10414642876710722/
町家をイメージした通り庭のある家もステキですね。
奥の間には、あえて通り庭を通ってアプローチするという設計も、離れのような落ち着いた空間を作ることができるので、客間などにもおすすめです。
和モダンのコートハウス
https://www.pinterest.jp/pin/1618549857450851/
和モダンの空間には、シンプルな洋の庭もフィットします。
ミニマムな空間から庭が見えるか見えないかで印象が大きく異なりますね。
また、余計なものが見えない中庭だからこそ、室内のシンプルな空間を壊すことなく演出することが可能になります。
北欧・ナチュラルスタイルのコートハウス施工実例 3例
コの字型やL字型のコートハウスは、壁面の仕上げにこだわる
https://www.pinterest.jp/pin/341992165464191751/
道路や隣地側に壁を立てるなら、壁の仕上げにこだわるとグレードがアップします。
画像のような煉瓦も印象が強く、ナチュラルからインダストリアルなスタイルにフィットします。
モダンならホワイトの壁やモルタル仕上げ、屋外用のすっきりしたタイルなどが合います。
インテリアスタイルにあった壁面仕上げを選びましょう。
コンパクトな中庭でもこんなに楽しい
https://www.pinterest.jp/pin/565624034462861592/
こちらの画像はとてもコンパクトな中庭ですが、使いやすそうなステキな空間なのでぜひ参考にしていただきたいです。
室内とデッキの床の高さを揃え(デッキの下で排水しているので、室内に雨が流れ込むことも防ぐことができます)、窓は全面開放が可能になっています。
デッキに排水のゴミなどを掃除する点検口を設けておけばさらに安心ですね。
植物も植木鉢なので、植え替えや移動も可能で、メンテナンスの点でもGOOD。
周りの視線も気にすることなく、くつろげるリビングを広げることに成功していますね。
意識して段差を利用する
https://www.pinterest.jp/pin/90846117470694963/
中庭を室内とフラットにすることばかりに目を向けるのではなく、あえて段差を利用する方法も豊かな空間を作ります。
画像は、奥のソファコーナーの高さに窓の高さを合わせています。
コの字型のリラックスソファでくつろぐと、まるで自然の中で横になっているような気持ちになれます。
また、掘り炬燵のような印象にもなって、落ち着いた雰囲気になりますね。
こんなデザインも!独自のスタイルを突き進むコートハウス施工実例 3例
アジアンリゾートをイメージ
https://www.pinterest.jp/pin/790381803366193820/
メンテナンスの手間は少しかかりますが、水盤もステキな中庭を作ります。
画像はアジアンリゾートのような空間ですが、モダンな水盤もとてもおしゃれ。
夜はライトアップすると幻想的な雰囲気を作ることができます。
中と外が完全につながるコートハウス
https://www.pinterest.jp/pin/31525266132715543/
こちらはシンプルな窓枠のガラスを引き込むと、完全に中と外が一つの空間になるような中庭です。
棚も連続して繋がっているように作られていて、あちこちどんな納まりになっているのか気になります。
妥協せずに細部までこだわって、理想の中庭を作りたいですね。
立体的な中庭
https://www.pinterest.jp/pin/128985976819492325/
中庭は平面だけではありません。画像のように階段のある立体的な中庭もあり。
こちらは上階の庭園につながる中庭です。
中庭の床はガラスになっていて、階下にも光を届けるようになっています。
外からはわかりにくい豪邸仕様のコートハウスです。
まとめ
今回は中庭のあるコートハウスをたくさんの実例とともにご紹介しました。
この記事で、中庭の魅力を感じていただけたのではないでしょうか。
コートハウスは、大きな窓を設けられることから隣地が迫った住宅地にもぴったりなので、首都圏などでも人気です。
より効果的な中庭をつくるために、コートハウスが得意で経験が豊富な設計事務所やハウスメーカーに依頼するのがおすすめです。