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【プロが教える】マルバノキを使ったおしゃれなガーデンを実現する方法!ハート型の可愛い葉や、繊細な印象の株立ちの樹形が魅力

橋本朝子
著者:橋本朝子 (一級建築士)

フィンランド在住。法政大学建築学科卒業。建築設計事務所、ガーデニング設計施工会社を経て独立。現在はフィンランドで個人邸宅の庭をはじめ、学校、店舗、公園など幅広い外部空間の設計を手掛ける。設計のテーマは、「毎日の暮らしがより楽しくなるガーデン」。住まいは築50年の住宅。インテリア、ガーデンともにリノベーションを重ねて家族と住む。趣味はアップサイクル。

マルバノキはハート型の葉が魅力たっぷりな樹木です。秋にはハート型の葉が赤やオレンジに染まり、目を楽しませてくれます。マルバノキは花の少ない11月に小さな赤い花を咲かせる貴重な樹木です。株立樹形なら冬枯れの姿も風情があり、一年中見どころのあるマルバノキ。ぜひ我が家にもとりいれてみたいですね。

細い幹や枝を見ると繊細な印象のあるマルバノキですが、栽培は簡単でしょうか。日当たりの悪い都会の小さな庭でもおしゃれに取り入れることは可能でしょうか。今回はマルバノキの特徴・育て方を説明し、マルバノキを使ってお庭をおしゃれにする様々な方法を素敵な実例と共に解説します。

マルバノキを取り入れたおしゃれなガーデンを実現する方法

マルバノキの特徴とガーデニングのポイント

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落葉広葉樹のマルバノキは、ハート型に見える丸みのある葉が特徴です。紅葉の時期はそれぞれの葉が黄色、オレンジ、赤のグラデーションに染まり特に見栄えがします。落葉する11月ごろには星形の赤い花を咲かせます。花後にできる実もよく見ると丸みがかったハートです。実は乾燥すると避けて、種が飛び出ます。

マルバノキの樹高は2~4メートル程度で高くなりすぎず管理しやすいシンボルツリーとしても人気があり、株立ち樹形も多く流通しています。線の細い華奢な枝ぶりは軽やかな印象で、葉や枝が風で揺られる姿は風情があります。ナチュラルな雰囲気のお庭によく似合います。

地植えでも鉢植えでも!マルバノキでおしゃれなガーデンを実現する方法

マルバノキ×地植えの場合

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幹や枝が線のように細いマルバノキは洋風にも和風にも良く似合い、柔らかい雰囲気を出したいお庭のシンボルツリーにぴったりです。マルバノキを単独で植えて足元には砂利や背の低いグラウンドカバーをあわせてすっきり見せても良いですし、コニファーなどの常緑の樹木と組み合わせて植えれば季節感をプラスできます。

ところで流通しているマルバノキの株立ち樹形は幹の数も豊富にあるため、空間の大きさや用途に合わせて選べます。例えば3本立ちの株立ちなら通路脇などの幅の狭い緑地に、逆に8~10本立ちなら幅がありますのでシンボルツリーとして、またはボリュームを出したい場所に選びましょう。

マルバノキ×鉢植えの場合

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マルバノキは地植えで楽しむことが多いですが、鉢植えでも育てることができます。大きな鉢に寄せ植えすれば、一鉢の中に小さな自然を凝縮させることができます。鉢植えならマンションのベランダや都市住宅のルーフガーデンでもマルバノキを育てて季節の移り変わりを楽しむことができますね。

選ぶ鉢のデザインによって洋風にも和風にも合わせやすくなるメリットもあります。鉢植えならマルバノキを春夏は日向で管理して、秋に真っ赤に紅葉したマルバノキを一時的に北側の玄関先に飾ることも可能です。

マルバノキと合わせて使いたい!相性が良い植物・マテリアル

マルバノキと寄植えして相性が良い植物

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せっかくマルバノキをお庭に植えるなら、その特徴を生かして植栽計画しましょう。ポイントは、マルバノキとは違った色合いやイメージの植物と組み合わせてお互いを引き立てあうような配置をすることです。例えばマルバノキの繊細な幹や枝とは違いはっきりした緑のボリュームを見せるコニファーや、刈り込んだツゲと隣り合わせならおしゃれです。

花壇ならマルバノキよりも背の低い草花を合わせて、高低差をつけた植栽を心がけましょう。マルバノキの繊細な雰囲気を生かしてふわりと広がるような草姿のサルビア、フウチソウなどを合わせても良いですし、ホスタ、ヒューケラなど葉の色がちょっとずつ違うカラーリーフプランツを組み合わせても素敵です。

マルバノキと相性が良い鉢

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マルバノキを鉢植えにする場合、庭のイメージに合わせて鉢を選びましょう。自然な枝ぶりを楽しむ樹木なので、質感のあるナチュラルなテラコッタ鉢などナチュラルなイメージの鉢と似合います。和風の鉢でもミニマルなデザインのモダンなポットに合わせても素敵です。

鉢植えの場合は乾燥するのが早いので、土がたくさん入るなるべく大きな鉢がおすすめです。

マルバノキは育てやすい?育て方と剪定のコツをおさえておこう

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マルバノキは比較的育てやすい植物で、ガーデニング初心者にもおすすめです。植え付けは真冬、真夏を避けた時期に、日向から半日陰の水はけのよい場所に植えましょう。西日は避け、真夏は木陰になる場所が理想です。日向なら秋の紅葉が真っ赤、半日陰なら緑・黄色・オレンジなどグラデーションの紅葉が楽しめます。

マルバノキは自然樹形を楽しむ木なので、剪定は最小限に。剪定方法は透かし剪定が最適です。マルバノキは丈夫で育てやすいですが、極度の乾燥と寒さは苦手です。関東以南のお庭におすすめです。乾燥した日が続く場合は適度に水やりをしましょう。

プロがおすすめする定番マルバノキの品種

品種名のない普通のマルバノキ

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日本で最も流通していて入手しやすく、品種ものに比べても丈夫で育てやすいのが基本のマルバノキです。シンボルツリーにも人気があるマルバノキですが、最高の樹高はせいぜい4メートル程度と大きくならないので、剪定などの管理の手間も少ないのも魅力。

注目の的になれる斑入り葉、恵那錦(エナニシキ)

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珍しい斑入りの葉のシンボルツリーがあれば、道行く人の注目を集めることでしょう。マルバノキ・エナニシキは明るい白い斑入りの葉が特徴です。斑入り葉のシンボルツリーはやや日陰の空間を明るく見せてくれます。洋風のガーデニングに特に似合います。濃淡のついた紅葉も一味違いおしゃれです。

カラーリーフプランツとしても重宝する黄金マルバノキ

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黄金マルバノキは名前の通りイエローがかった葉が楽しめる種類です。斑入り同様、空間を明るく見せる効果があります。カラーリーフプランツと組み合わせることで、花がなくてもカラフルなお庭づくりができます。基本のマルバノキよりさらに小型です。レアな品種がお好きな方に。

プロが教える!マルバノキを取り入れたおしゃれなガーデン実例10選

マルバノキ×お庭編 6選

カラーリーフプランツと寄せ植えすれば、シェードガーデンを明るく見せることができる

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やや日照の悪い庭の植栽エリアでマルバノキが活躍します。日陰の空間も、様々な葉の色合いを集めることで華やかさのある植栽にすることができます。マルバノキの明るい葉色、ヒューケラの赤紫色の葉、ホスタの青みがかった葉、この3色があるだけで色に変化のあるおしゃれな植栽になります。

半日陰の庭の下草にとりいれれば、カラーリーフプランツとして観賞できる

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半日陰程度なら耐性のあるマルバノキは、シェードガーデンの下草としても利用価値があります。まだ小さな苗を写真のようにシダやホスタなどにまぜて植えてみましょう。木漏れ日の下でゆれるハート型の葉は、他の植物では出せない味をだしてくれます。

マンションの専用庭の角ばったコーナーを柔らかく見せることができる

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面積が限られているうえ平凡な四角い庭になりがちなマンションの専用庭は、角を植栽で消していくことで自然になじむような庭になります。たとえばネットフェンスや生垣で囲われたコーナーにマルバノキの株立ち樹形を植えれば、フェンスの代わりに細い幹と葉が風でゆれる姿が目に入り、柔らかい雰囲気になります。

マルバノキを建物側に植えれば、庭に遠近感が生まれる

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枝や葉がややまばらな印象のマルバノキは近景に植えると枝葉ごしに向こう側が良く見えるため、庭に奥行き感を与えることができます。写真のように、建物の窓の脇あたりの植栽エリアにマルバノキを植えて枝越しに庭が見えるようにするとずっと変化のある面白い風景になります。

花壇の中に植えれば秋の主役になる

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マルバノキを花壇の中に一つ植えておけば、花壇がボリュームアップするうえ秋から年末にかけて暗くなってくる季節を明るく彩ることができます。10月には紅葉、11月には小さな赤い花、その後に実る小さな実と次々と見どころをつくってくれます。

モダン住宅に自然を取り入れることができる

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モダン住宅の中庭に自然な雰囲気の樹木を一本植えたいなら、マルバノキが良い候補になります。マルバノキは室内からみれば端正な樹形と季節の変化、中庭にでてみれば可愛いハート型の葉を間近で見ることができます。写真の例では足元にバークを敷いてすっきりと仕上げているため株立ち樹形が引き立っています。

マルバノキ×アプローチ編 4選

省スペースで季節感が楽しめる

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あまり大きくならないマルバノキはスペースの限られた玄関アプローチの植栽にぴったりです。春は新緑、夏は緑のハート、秋は紅葉と花と次々に変化して季節を知らせてくれます。照明を組み込めば夜はライトアップも楽しめます。

斑入り葉をダークカラーの外壁前に配置すれば、色が際立つ

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家の外壁がダークカラーなら、外壁前に斑入りのマルバノキを植えてみませんか。斑入り葉とダークカラーの壁のコントラストは、庭をとびきりおしゃれに見せてくれます。黒地に白いハートがひらひらゆれている姿は注目を集めること間違いなしですね。

外壁やウッドフェンスを背景に植えると、樹形を引き立たせることができる

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敷地沿いのフェンスや建物の外壁前などのちょっとした緑地も、マルバノキがよく映える場所です。美しい株立ち樹形のマルバノキを植えれば、平凡だった空間が生き生きと見えますよ。背の低いマルバノキを塀沿いのボーダーガーデンの草花のグループに混ぜても良い味をだします。

マルバノキ×ベランダ編 1選

マルバノキの鉢植えなら、マンションのバルコニーでも観賞できる

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鉢植えのマルバノキなら、マンションのベランダでも育てることができます。背の高いマルバノキを大きな鉢に植えて、下草を植えればまるで小さな庭ができたように素敵な空間になります。写真のように、まだ小さなマルバノキの鉢植えを椅子の上においただけでも存在感がありおしゃれです。

まとめ

マルバノキは初心者向けの育てやすい植物です。大木にならず、病気や虫の心配は少なく、剪定の手間もそれほどかからずとメリットがたくさん。そのうえハート型の可愛い葉や、繊細な印象の株立ちの樹形にも魅力があり、ぜひお庭にとりいれてみたい樹木。

マルバノキは小型のシンボルツリーとして手ごろな大きさです。一年中花が途絶えない庭を目指しているなら、11月に花が咲くマルバノキはメリットのある樹木です。お庭にぜひとりいれてみてくださいね。

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