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【プロが教える】シラカバ(白樺)を使ったおしゃれなお庭を実現する方法。白い幹を生かした実例をたっぷりご紹介

橋本朝子
著者:橋本朝子 (一級建築士)

フィンランド在住。法政大学建築学科卒業。建築設計事務所、ガーデニング設計施工会社を経て独立。現在はフィンランドで個人邸宅の庭をはじめ、学校、店舗、公園など幅広い外部空間の設計を手掛ける。設計のテーマは、「毎日の暮らしがより楽しくなるガーデン」。住まいは築50年の住宅。インテリア、ガーデンともにリノベーションを重ねて家族と住む。趣味はアップサイクル。

シラカバには他の樹木にはない魅力があります。高原のシラカバ林や北欧の森を想起させるように、涼し気で上品な印象を与えてくれるのがシラカバです。マイホームの前にシラカバが育っていれば、家全体をさわやかに見せてくれ、第一印象が良くなることでしょう。

ただしシラカバの特徴を知っていないと、思いがけない失敗パターンになる可能性も。今回はシラカバの特徴を解説したうえ、上手に取り入れておしゃれな庭にする方法を素敵な実例を共にご紹介していきます。

シラカバを取り入れたおしゃれなガーデンを実現する方法

シラカバの特徴とガーデニングのポイント

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シラカバの大きな特徴は、樹皮が白いこと。白い樹皮はよく見ると枝が落ちた跡となる横長の模様が入っています。シラカバは落葉広葉樹です。明るい緑の葉は夏に気持ちの良い木陰をつくり、秋には黄葉します。シラカバの樹形は細長い楕円状。成長速度は速い方で、樹高は10メートル以上になります。

涼し気なイメージのあるシラカバですが、実際冷涼な気候を好むので関東以北や夏に涼しい地方のお庭におすすめです。敷地の広い住宅や別荘の庭のシンボルツリーにもぴったりです。北欧風の庭ならシラカバがベストマッチです。シラカバには単幹と株立ちがありますので、庭のデザインによって使い分けましょう。

単幹でも株立ちでも!シラカバでおしゃれなガーデンを実現する方法

シラカバ×単幹の場合

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モダンな庭に似合うのは、まっすぐ縦に育つ単幹のシラカバです。一本だけ植栽すれば大木としての貫禄がでます。単幹の足元はより大きな空間が取れますので、地面を有効利用したい場合も単幹がおすすめです。

複数のシラカバを植栽すれば白い平行線がストライプ模様のように緑の庭に並んで、面白い景色をつくります。写真のようにランダムに植栽して林のように表現しても素敵ですし、通路や塀ぞいに規則正しく列植してもスタイリッシュです。

シラカバ×株立ちの場合

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株立ちのシラカバはナチュラルな庭によく似合います。株立ちならより一本で大きなボリューム感を出すことができます。一本一本の幹は細めになるため、やや繊細な雰囲気になります。株立ち樹形は単幹にくらべると成長速度がやや遅いため、小ぶりにまとめたい場合にもおすすめです。

シラカバと合わせて使いたい!相性が良い植物・マテリアル

シラカバと相性が良い下草

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木漏れ日を好むホスタ、ヤブラン、アジュガなどの下草類を合わせれば、シラカバ林のような自然な雰囲気を出すことができます。チューリップやスイセンなど球根の花をはじめ、ルピナス、アスチルベなどを合わせれば、シラカバの白い幹を背景に花の色がより鮮明に見えます。

シラカバの足元にはやや背の高い低木類を合わせてもきれいにまとまります。アジサイ、シャクナゲ、ミツバツツジなど花の咲く低木、矮性のコニファーなどがよく似合います。また背後に常緑の生垣や大きく育つドイツトウヒなどのコニファーなどを植えると、どの季節もシラカバを美しく引き立てることができます。

シラカバと相性が良いマテリアル

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シラカバの白い幹を生かすのは、はっきりしたモノトーンの色調のマテリアル。花壇の立ち上がり、園路の舗装などは黒・白・灰色からチョイスするとスタイリッシュにまとまります。またダークカラーのウォールやフェンスが背景にあれば、シラカバの白い幹がよりくっきりと見えます。

後悔したくない!気になる情報も事前に検討しておきましょう。

シラカバは育てやすい?育て方と剪定のコツをおさえておこう

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シラカバは関東以北などの涼しい地方で日当たりが良く過度に乾燥しない場所なら元気に育ちます。多くのシラカバの種類は成長が早く、放置すると20メートルを超す大木になることも。剪定は11~12月が適期です。樹形を乱す枝を枝元からとりのぞきます。強剪定は避け、切り口に保護剤を塗りましょう。

幹に丸い穴があき木くずがおちていたらテッポウムシの被害にあっていますので、殺虫剤で処理しましょう。シラカバの花粉は花粉症の原因になりますので要注意です。

プロがおすすめする定番シラカバの品種3選

若木のうちから白い樹皮が楽しめるシラカバ・ジャクモンティー

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シラカバ・ジャクモンティーは、一般のシラカバに比べて暖かい地域で育ちやすく、樹高は低めなのが特徴です。日本だと沖縄以外なら生育可能とされています。最高樹高は8メートルほど。また一般のシラカバの苗は幹が白くなるまで何年もかかりますが、ジャクモンティーは幼木のころから白い幹が楽しめます。

とにかくレア好きならヨーロッパシラカバ・パープレア

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白い幹に、赤みのある芽出しがレア度抜群です。葉は夏になると緑色になります。道行く人々の目を集めたいならヨーロッパシラカバ・パープレアを。

日本にも自生している基本のシラカバ

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関東から北海道、または高冷地で自生しているシラカバは、日本の寒冷地の環境に最も合っています。豊かな緑陰、秋の黄葉、すらっとのびる白い幹に魅力があります。最高樹高は25メートルにもなることがあります。成長がはやくすぐに大木になりますが短命で、寿命は数十年ほどです。

プロが教える!シラカバを取り入れたおしゃれなガーデン実例12選

シラカバ×お庭編 6選

芝生の一画にシラカバを植えれば、さわやかな洋風ガーデンを演出できる

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広い芝生の庭の一画の花壇にはシラカバがよく似合います。夏には気持ちのよい木陰空間を作るので、多くの草花や低木を合わせることができます。写真の例だと、コニファーやツゲなどの低木、オーナメンタルグラス、ノリウツギ、オーナメンタルグラス類、ヒューケラ、エキナセアなどを合わせて洋風ガーデンをさわやかに演出しています。

シラカバのまわりに鮮やかな色の花を植えれば、色をより目立たせることができる

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シラカバの白い幹は、鮮やかな花と合わせたときにその魅力をさらに発揮します。まるで白いキャンバスに美しい色の絵具で描くように色をひきたててくれるのです。シラカバの葉が展開する前の早春は日当たりが良いうえシラカバの白い幹が目立つため、早春の球根の花を合わせれば素敵です。

シラカバの株立ちを近景に置けば、奥行き感のある庭になる

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庭の中で日当たりの良い近景となる場所にシラカバの株立ちを植えましょう。近景とはその場所ごしに庭の奥が見えるような場所です。手前にシラカバ、奥にやや暗いシェードガーデンなどが見えれば遠近感の効果がきいて庭がより大きく見えることでしょう。

シラカバならではの黄葉で、秋の庭をさらに鮮やかに見せることができる

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シラカバのある庭は秋もまたよい風景になります。まっ黄色に染まった葉が秋晴れの空にくっきりと映えている姿は何とも言えません。赤く紅葉する植物を合わせて植えれば、赤と黄色の鮮やかな秋が楽しめます。

シラカバの林の中でくつろげるウッドデッキがあれば、家でも別荘気分が味わえる

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シラカバ林のある高原の別荘を自宅で再現してみましょう。庭の日当たりの良い場所にシラカバを複数植栽し、下草にシダを植えます。シラカバ林の中の小道の先に小さなウッドデッキを設け、デイベッドやベンチを置きましょう。シラカバの薄い葉を通した木漏れ日は気持ちよく、最高にリラックスできますよ。

ダークカラーを効果的に配置すれば、シラカバをより魅力的に見せられる

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住宅の外壁やフェンスがダークカラーならシラカバの白い幹は素敵なコントラストをつくります。シラカバの幹が背景とつくるストライプ模様に合わせて、他の要素もストライプにデザインすれば尚おしゃれです。写真の例だと舗装もコンクリート平板とダークリーフのアジュガのストライプの構成です。

シラカバ×玄関・アプローチ編 6選

玄関脇のシンボルツリーがシラカバなら、家の第一印象は「さわやか」

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玄関アプローチの脇に日当たりの良い植え込みがあるなら、シラカバを植えましょう。写真のように生垣や低木の刈り込みとあわせれば、いつの季節もきちんと整った印象になります。またシラカバの足元に木漏れ日を好むアジサイ・アナベルを植えておけば、白い幹と白い花がリンクしてさらにさわやかです。

シラカバとコニファーを交互に植えれば、常緑も落葉も楽しめる

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玄関先の細長い緑地には、シラカバを列植するとおしゃれです。スリムな樹形のコニファーと交互に植えればより変化のある植栽となるうえ、冬の間も緑が絶えない庭になります。

小道アプローチにシラカバを植えれば、家の前が北欧の森に

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玄関アプローチを小道風にしたいなら、シラカバも候補にいれてみてください。シラカバを複数植えて足元にゲラニウムやシダなどの宿根草類を植えれば、北欧の森のような雰囲気が出せますよ。

常緑低木の刈り込みとシラカバの組み合わせなら、玄関先がすっきりまとまる

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いつもきれいに見せたい前面通り沿いの緑地は、ツゲやツツジなどの常緑低木が活躍する場所です。きれいに刈り込んで整えれば、一年中美しい緑を楽しめます。さらにシラカバを植えればきちんと見える印象はそのままに、ボリューム感や季節感もプラスすることができます。

下枝を剪定すれば、樹冠の下の空間が有効利用できる

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緑のボリュームを出しやすい株立ちのシラカバを玄関アプローチに植えるなら、下枝を多めに剪定すればより多くのスペースを活用することができます。舗装の多いフロントガーデンでも、舗装材の一部をくりぬく形で緑地をとればシラカバを植えることができます。将来は根が横にはってくるため、ある程度余裕のあるサイズの緑地が理想です。

シラカバの鉢植えなら、土の少ない玄関まわりでも育てられる

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地植えすることが多いシラカバですが、特大鉢を使えばコンテナガーデンとして楽しむことも可能です。土の少ない玄関ポーチやルーフガーデンなど地面がない場所でもこれならシラカバのある庭を楽しむことができますね。写真の例では、ダークカラーの外壁に真っ白なコンクリート鉢とシラカバの幹がコントラストをなしておしゃれです。

まとめ

シラカバは涼しい気候で日当たりがよくゆったりした空間のあるお庭におすすめです。シラカバには単幹と株立ちがあります。単幹なら複数植栽してシラカバ林にしたり列植したりするとモダンで素敵です。株立ちなら優しい雰囲気でナチュラルなお庭に似合います。

せっかくシラカバを植えるなら、白い幹を生かしたデザインにしましょう。背景に暗い色合いをもってくると白い幹がいっそう引き立ちます。またシラカバの白い幹が背景になるように鮮やかな色合いの花を植えれば、双方の良さを生かせます。

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