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【プロが教える】縦長の絵画をつかったおしゃれなインテリアを実現する方法!豊富なインテリア実例を使って徹底解説

ジツカタナミ
著者:ジツカタナミ (インテリアコーディネーター)

武蔵野美術大学空間演出デザイン学科卒。インテリアコーディネーター資格取得後、インテリアショップにてお客様へコーディネート提案と社内接客サービス向上業務に携わりました。現在は子育てをしながら、ライターとしてインテリアと暮らしについて発信しています。「楽しく・らしく・暮らす」をモットーに、お家がますます好きになるようなインテリアアイデアをご提案していきます。

「空間にメリハリをつけたい」「印象を変えたい」というときにぴったりなアイテムが絵画です。
描かれているモチーフやカラーを基準に選ぶ方も多いかと思いますが、その中でもぜひ「縦長構図の絵」にも注目してみましょう。縦長の絵は飾ると高さが出るため自然と目立ち、空間の印象付けやアクセントになるのでおすすめです。

ただ、飾る場所やほかの家具とのバランスをどうすればいいのか、どのような技法で描かれたものがインテリアにマッチするのかなど疑問もあるかと思います。
ポイントをしっかりとおさえれば、縦長の絵をおしゃれに飾ってインテリアを格上げすることが可能です!

今回はさまざまなテイストの縦長の絵とインテリア事例をたっぷりご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。

 

縦長の絵画を取り入れたおしゃれなインテリアを実現するポイント

形状を活かせる空間の奥に飾る

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インテリアコーディネートにおいて、空間の見せ場のことを「フォーカルポイント」と言います。
フォーカルポイントを作ることで空間全体の印象がグッとおしゃれになりますが、縦長の絵はこのフォーカルポイントづくりにぴったりなアイテムです。
縦長の絵は形状的に飾ったときに高さが出るため、場所によっては圧迫感が増してしまうことがありますが、空間の奥であれば圧迫感を感じることなく飾ることができます。

上のコーディネート事例を見ると、空間に入ったとき自然と対角線である奥の壁に目が行きませんか?
そして、そこにインテリアテイストとカラーコーディネートがマッチしている絵が飾ってあることで、より印象深い空間に仕上がっています。

一枚飾るだけでもグッと雰囲気が変わるのでぜひ取り入れてみましょう。

 

合わせるアイテムで「三角形」と「土台」を作る

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インテリアディスプレイをはじめ、グラフィックデザインでもバランスを取るコツとして、上の写真のように「三角形を意識する」という基本テクニックがあります。
縦長絵画の場合は絵自体に高さとボリュームがあるため、この三角形のバランスを特に意識することが大切です。

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では、実際のコーディネート事例を見てみましょう。絵の上部分を頂点とし、サイドテーブルと一人掛けチェアで大きな三角形ができています。高低差があることでメリハリも感じますね。

また、縦長の絵は高さがあるので、飾ってある壁一面を全体に見たときの重心も大切です。
絵の下にソファやチェア、サイドテーブルなどの家具をレイアウトすることでしっかりとした「土台」ができています。
土台と重心があることで絵も安定して見えるので、引きで見てコーディネートする家具やアイテムも合わせて検討しましょう。

 

絵の「流れ」を意識する

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人間の視野は横に広いため、横向きのものや横長の絵は一目で情報処理・認識が可能です。
一方、縦向きのものや縦長の絵は一度に情報を処理することが難しいため、自然と上から下へと視線を動かします。
このことから縦長の絵は「流れ」を感じるため、この特徴を活かして流れを遮らないような飾り方を意識しましょう。

上のコーディネート事例の絵は縦長構図を活かし垂直にラインが描かれています。絵の周りにスペースを空けることで視線が定まりやすくとても見やすい飾り方です。周りのアイテムも絵のラインに合わせてスタイリッシュなものでコーディネートすることで、視線が水平・垂直と自然に流れるようになっています。

絵のモチーフがどんなものでも、この「流れ」があることには変わりません。
先ほど解説した「三角形」ディスプレイとあわせてチェックしながら飾りましょう。

 

プロがおすすめする定番縦長の絵画3点

金箔が華やかな代表作:グスタフ・クリムト「接吻」

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オーストリアの画家・クリムトの代表作です。実際の絵画は180×180cmの正方形キャンバスに描かれていますが、市場にある多くのアートポスターは人物が際立つよう縦長構図にトリミングされています。
金箔を使用した技法は日本の琳派から影響されていると言われ、どこかオリエンタルな雰囲気も感じる一枚作品です。

参考コーディネート

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モノトーンの空間で作品の美しさが際立っていますね。
レイアウトしてある家具がシャープ過ぎないので、優美な絵の雰囲気と調和しているコーディネートです。カラーコーディネートもホワイトの分量が多いのでバランスがとれています。

 

日本画初のヴェネツィアビエンナーレ名誉賞:千住博「ウォーターフォール」

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千住博氏はニューヨークを拠点に活動しており、このウォーターフォールは世界各国で高い評価を受けている代表作です。滝のダイナミックな様子とどこか繊細さをも感じる作品で、日本画技法で描かれています。
横長・縦長とさまざまなサイズで展開されているので空間にあう一枚が見つかることでしょう。

参考コーディネート

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写真は2021年コロナ禍で沈みがちな世界に対して発表したウォーターフォールに色彩を加えた作品で、「滝の内側から外を見た外観」が描かれています。色がつくことでよりさまざまなインテリアテイストにもマッチ。自然の美しさを感じさせてくれる、豊かな空間に仕上がります。

 

大自然の美しさを緻密に表現:田中一村「アダンの海辺」

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田中一村氏は昭和期に活躍した日本画家で、晩年は奄美大島で過ごしていました。
この「アダンの海辺」も奄美大島の自然をモチーフに描かれ、彼自身もこの作品が気に入っており生涯手放さなかったと言われています。
緻密に描かれた海や植物、空模様など、自然の豊かさが存分に伝わってくる一枚です。

参考コーディネート

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繊細な風景画はシックで落ち着いた雰囲気のある空間に合わせることで、作品の美しさが際立ちます。
田中一村氏の作品は色彩豊かなものが多いので、周りのカラーコーディネートをベージュなど優しいトーンでまとめましょう。

 

絵画の種類別おしゃれな縦長絵画インテリア実例12選

縦長の絵画を飾ったインテリア実例 抽象画編 3選

キッチンにおすすめなブルーカラー

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鮮やかなブルーが目を引き、水の流れを思わせますね。ブルーは清潔感もあるのでキッチンにもぴったりで、一味違うインテリアを目指したい方にぴったりです。その場合はキッチン周りにあまり物は置かずに絵が主役になるようにしましょう。

 

複数枚並べることでボリューム調整

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写真のような細長い作品は、空間にあわせ複数枚並べてボリュームを出すとバランスがとれます。また、動きも出るのでコーディネートにメリハリもプラス。シンプルモダン、スタイリッシュモダンにおすすめな事例です。

 

遊び心のある絵には、遊び心のある家具を

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写真の絵はポップカルチャー界で活躍しているKAWSの作品です。インパクトの強い遊び心のある作品には、やはり同じようなテイストの家具を合わせて世界観を統一させましょう。絵自体が華やかなので家具は背の低いものを選び、視界が開けるようにするのがポイントです。

 

縦長の絵画を飾ったインテリア実例 水墨画編 3選

観葉植物とゴールドカラーでモダン寄りに

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水墨画の場合は絵自体がモノトーン調なので、目指したいインテリアテイストにあわせてカラーや素材感をプラスすることが大切です。
上の写真は観葉植物のみずみずしさと、照明のキラッとしたゴールドがアクセントになっていますね。絵とのバランスを考えて、枝が細いものやデザインがミニマルなものを選びましょう。

 

間接照明で絵を浮かび上がらせる

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淡いタッチで描かれた水墨画を飾るときには照明計画に気をつけましょう。蛍光灯のような全体が明るくなる空間では光が飛んでしまうので、絵が美しく見えません。写真のように間接照明で光を当てることで、絵が浮かび上がって見えて絵自体の雰囲気ともマッチします。

 

細かく描かれた絵はシンプルモダンと相性◎

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写真のように細かくたくさん描かれている水墨画はインパクトがあるので、インテリアテイストはシンプルにまとめて絵が空間で引き立つようにコーディネートしましょう。絵のモチーフが抽象的であればモダンな家具とも良く合います。カラーコーディネートをホワイトやベージュなどをメインにすれば、モダンさを残しつつ明るい雰囲気にすることも可能です。

 

縦長の絵画を飾ったインテリア実例 油絵編 3選

絵のカラーを家具にも取り入れて全体をまとめる

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色彩が鮮やかな油絵は飾るだけで空間にインパクトを与えます。吹き抜けはそんな油絵を飾るのにもボリューム的にぴったりな場所です。絵だけが浮いてしまわぬよう、絵に使用されているカラーをほかの家具やインテリアアイテムにも使用して空間全体のバランスをとりましょう。

 

「ダイナミック×上品」な絵はホテルライクにぴったり

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花を思わせるようなダイナミックな構図ですが、カラーにピンクやホワイトが使用されており上品な印象を受けます。このような油絵の場合、インテリアコーディネートのテイストをホテルライクにまとめることでロビーのような雰囲気に仕上げることができます。
家具や照明のデザインは丸みのあるものを選ぶことで、居心地の良さも演出しましょう。

 

色彩を散りばめて元気が出る空間に

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気分が明るくなるような花々が印象的な一枚です。パッと目に飛び込んでくるビタミンカラーを主役にするよう、ソファやラグはホワイトトーンでまとめましょう。画面いっぱいに色彩が散っているので、同じようにクッションのカラーを絵と統一させると、空間を引きで見たときにカラーが点在しコーディネートが安定して見えます。

 

縦長の絵画を飾ったインテリア実例 人物画編 3選

コーディネートは人物像と合わせて

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人物を全身で描くことができるのが縦長構図の魅力のひとつです。
写真のようにどのような人物かがはっきりと描かれている場合は、その人物像に合わせたインテリアコーディネートをして世界観を作りましょう。上の事例ですと、人物は無骨さもありながらスタイリッシュです。
チェアのアイアンで無機質さとデザインのモダンさで人物とリンクしています。

デザインがあふれる空間には個性的な一枚を

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アイテムの一つ一つが個性を放つ空間です。絵も同じようにひとひねりのある個性的なものを飾ってアートギャラリーのような空間に仕上げましょう。家具のカラーに合わせて絵のビビッドさも調節すると統一感が増します。

 

デッサン風の絵で上級なミックステイストに

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古さと新しさが混じったミックステイストのコーディネートです。このような空間ではカラーを抑えた絵が調和しますが、個性を出したいのであれば珍しいデッサン風をおすすめします。特に全身を描かれたものは珍しいので唯一無二の雰囲気を作ることが可能です。

まとめ

さまざまなコーディネート事例とあわせて縦長の絵をご紹介しました。
スラっと高さがあることで、空間の見え方がグッと変わるのも縦長の絵の魅力のひとつ。技法のテイストで迷ったとしても、飾る場所、三角形と土台、流れを意識する、というポイントをおさえれば絵は空間に馴染むので大丈夫です。

ぜひ気に入った絵がある空間での暮らしを楽しんでくださいね。

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