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【プロが教える】木蓮(モクレン)を使ったおしゃれなガーデンを実現する方法!洋風の庭のシンボルツリーにピッタリな木蓮、春に満開に咲き誇る

橋本朝子
著者:橋本朝子 (一級建築士)

フィンランド在住。法政大学建築学科卒業。建築設計事務所、ガーデニング設計施工会社を経て独立。現在はフィンランドで個人邸宅の庭をはじめ、学校、店舗、公園など幅広い外部空間の設計を手掛ける。設計のテーマは、「毎日の暮らしがより楽しくなるガーデン」。住まいは築50年の住宅。インテリア、ガーデンともにリノベーションを重ねて家族と住む。趣味はアップサイクル。

洋風の家の庭のシンボルツリーや花木として候補にあがることの多いマグノリア。木蓮はマグノリアのイメージ通りの大きくて目立つ花をさかせるうえ極端に大きくならず、都会の小さな庭でも育てやすい樹木です。華やかさ、整った樹形、秋の黄葉と魅力がたっぷりで、お庭にぜひ一本欲しい樹木です。

人気のマグノリアの中の一つ、木蓮の特徴をおさえて庭をおしゃれに演出してみませんか。今回はガーデニングのポイント、寄せ植えに合う植物をご紹介したうえ、世界の様々な実例をご紹介します。この記事を読んだら、すっかり木蓮のとりこになってしまうかも知れませんよ!

木蓮を取り入れたおしゃれなガーデンを実現する方法

木蓮の特徴とガーデニングのポイント

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木蓮は、春に美しい花を咲かせる低木~小高木の落葉広葉樹です。花の色はピンク、白、紫、黄色などがあります。3月から4月にかけて開花する木蓮の花びらは大きく、一見チューリップのような縦長の形をしています。花からはほのかでさわやかな香りも楽しめます。木蓮が満開となるとそれは見事で迫力があります。

木蓮の樹形は整った卵型で、種類にもよりますが多くが自然と株立ちになります。大きめの葉は秋には黄色からオレンジに黄葉します。季節感を演出したい玄関先や主庭に植栽すれば、一年を通じて存在をアピールしてくれます。テラスや玄関アプローチなどよく目につく場所にもぴったりです。

地植えでも鉢植えでも!木蓮でおしゃれなガーデンを実現する方法

木蓮×地植えの場合

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木蓮はシンボルツリーとしてふさわしい樹木です。半日陰でも育ちますが、日当たりが良いほうが花つきが良くなります。木蓮をふだんの生活の中でよく目につく場所に植栽すれば、春は満開の花、夏は気持ちよい緑陰、秋は黄葉と、季節の魅力を身近に感じることができます。玄関前の緑地やテラス前、花壇の中などがおすすめです。

窓の前に植えれば春の花を堪能できるうえ夏の間は目隠しや強い日照を遮る効果が期待できます。またシンプルな壁やフェンスが木蓮の背景となっていれば、冬の枝ぶりを引き立たせることができます。

木蓮×鉢植えの場合

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木蓮を鉢植えにして玄関前やテラスにおけば、春に豪華な花を楽しむことができます。木蓮を鉢植えにする際には、寄せ植えもおすすめです。木蓮の周りに一年草などのカラフルな花を植えれば、一鉢で花壇のようなボリューム感と華やかな印象を与えることができます。

木蓮と合わせて使いたい!相性が良い植物・マテリアル

木蓮と寄植えして相性が良い植物

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木蓮はさまざまな植物と組み合わせて楽しむことができます。木蓮の足元に常緑低木や常緑のグラウンドカバーを植えれば、冬も緑を絶やさない庭にすることができます。一面をアベリアやフッキソウでカバーすればローメンテナンスです。写真のようにツゲ、ツツジ、ヒマラヤユキノシタ、ヤブランなどさまざまな植物を混ぜても素敵です。

木蓮の足元にチューリップやスイセンなど同じ時期に花が咲く植物を植えれば、さらに華やかさを演出できます。一方、木蓮の開花後の春から秋まで長く咲く一年草、次々に咲く多年草を加えても良いですね。木蓮と花色を統一すれば上品な印象に、黄色や赤など色を足していけばよりにぎやかなコーナーになります。

木蓮と相性が良い鉢

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洋風のイメージが強い木蓮と相性が良いのは、テラコッタポットやウッドプランターなどの洋風の鉢です。庭にレンガなどの茶系のマテリアルを使ってあるならテラコッタポットがなじみやすく、モノトーンが基調ならウッドプランター+テーマカラーの塗装でおしゃれに演出できますよ。またダークな色合いのポットでシックにまとめても素敵です。

木蓮は育てやすい?育て方と剪定のコツをおさえておこう

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木蓮は丈夫で育てやすい樹木です。日当たりのよい場所に植え、水はけと風通しの良い環境を作れば健全に育ちます。木蓮は株立ちになりやすく、根元からひこばえが生えてきます。放置すると横幅が出すぎるため、適宜剪定が必要です。剪定時期は休眠期の11~2月。ひこばえは取り除き、込みすぎた枝は透かし剪定します。

木蓮は虫の害に合うこともあるため、普段から様子をチェックしましょう。枝先にはアブラムシが、枝にはカイガラムシがつくことがありますので、早めに見つけて駆除してください。

プロがおすすめする定番木蓮の品種3選

日本で昔から愛されている庭木、シモクレン

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木蓮というと、一般的にシモクレンを指します。ガーデニング初心者が小ぶりの花木を植えたい場合はまずおすすめしたいのがシモクレン。長く庭木として親しまれてきたシモクレンは、日本の気候に合っていて管理しやすいのが大きなメリットです。樹高は4~5m程度です。

小ぶりな樹形と可憐な花が魅力のガールマグノリア

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アメリカで育成されたガールマグノリアは、コブシと木蓮の交雑種です。樹高は大きく育っても3メートルほどで、一般の木蓮よりやや小型なうえ小ぶりの愛らしい花をたくさん咲かせます。自然に株立ちになりやすく冬枯れの樹形にも観賞価値があります。小さな苗の間は鉢植えで育てても素敵です。

ガールマグノリアには品種によって女性の名前が付けられているのも特徴です。写真はパープルピンクが鮮やかなアンです。そのほかスーザン、ベティーなど可愛らしい名前がつけられた種類があります。

花が咲くと大迫力、花見ができるサラサモクレン

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シモクレンとハクモクレンの交雑種のサラサモクレンは樹高6~10mとやや大きく育ちます。樹冠も大きく広がるため空間に余裕のある庭向けではありますが、枝一面に花が咲いたときのインパクトはナンバーワンです。庭一面のピンクを堪能したい場合、木の下で花見がしたい場合はおすすめです。

プロが教える!木蓮を取り入れたおしゃれなガーデン実例12選

木蓮×お庭編 5選

芝生の庭の一画の花壇に植えれば、たくさんの花と共に楽しむことができる

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小ぶりの木蓮、ガールマグノリアは花壇のメインツリーとして魅力抜群です。芝生の一画の花壇に植えて、周りには球根の花や一年草、多年草、低木を組み合わせれば、季節を通じて花咲く花壇が実現できます。春一番に木蓮とチューリップ、その後はワスレナグサ、シャクナゲやツツジ、シャクヤク、アジサイなど次々に開花するように計画して花の堪えない庭にしましょう。

南側に植栽すれば、木蓮の花を透過する美しい光を堪能できる

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木蓮を南庭に植えれば、花びらをすけて見えるピンク色の光の美しさが堪能できます。南の窓の前に植えて花を透過する光を観賞しても良いですね。木蓮の向こう側にウォールやフェンス、生垣を配置すれば、暗い背景に明るい花の色がよりいっそう際立ちます。

あえてアシンメトリーな樹形に仕立てれば、空間が広く使える

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ある程度大きく育つサラサモクレンも、仕立て方によっては空間を有効に使えます。テラス脇や敷地の際に植栽して枝が敷地側に傾くように育てれば、隣地を邪魔することがありません。木蓮の樹冠がテラスの真上に来るようにすれば、春は花見、夏は木漏れ日の心地よさを楽しめます。

ウッドデッキ脇に木蓮があれば、花を身近に楽しむことができる

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庭にウッドデッキを計画するなら、ウッドデッキ際に小さな植栽エリアをつくって木蓮を植栽してみましょう。陽だまりで開いた花から漂う香りも楽しむことができますよ。

木蓮なら家で花見パーティーが実現できる

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せっかくある庭を利用して、家で花見パーティーがしたいけれど、桜は剪定が難しいうえ大木になるので躊躇していませんか。木蓮ならそんな夢をかなえてくれるかも知れません。テーブルセットをおいて、自分だけの花見ピクニックを楽しみましょう。

木蓮×アプローチ編 4選

ガールマグノリアの鉢植え×球根の花なら春が満喫できる

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比較的小型のガールマグノリアは鉢植えにもぴったりです。大きな鉢に植栽し、足元には球根の花を仕込んでおけば、とびきり華やかな早春の一鉢になります。玄関先に飾ればマイホームのイメージアップになるうえ家を出入りするたびに色と香りを楽しむことができます。

玄関アプローチに植えれば、一年中季節感を与えてくれる

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玄関アプローチの緑地に木蓮を植栽すれば、どの季節もアピールする素敵な庭になります。下草に常緑低木や常緑のグラウンドカバーを植栽すれば、冬の緑と季節感が両立します。写真のように樹木が少しアプローチ側に倒れるように仕立てて、花のトンネルのようにしても素敵です。

木蓮を洋風の住宅のフロントガーデンに植栽すれば、家を引き立てる

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ヨーロッパ調のおしゃれな住宅の外観を引き立てるシンボルツリーがご希望なら、ぜひ木蓮を植えてください。レンガ調、吹付け、ウッドパネルの外壁のいずれも木蓮が引き立ててくれます。あえて木蓮の枝葉の向こう側に我が家を見せることで、住宅外観に華やかさと深みをつけることができますよ。

モダン住宅の前に木蓮を植えれば、より豊かに見せてくれる

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木蓮は都会的な建築にもよく似合います。例えば無機質なコンクリート打ち放し、または真っ白な外壁の前に 木蓮を植えれば、命が吹き込まれたかのように生き生きとした豊かな風景になります。シンプルな背景と季節ごとに姿を変える木蓮のコントラストが最も楽しめるのがモダン住宅です。

木蓮×ベランダ編 3選

苗を買ってきて、麻袋で包むだけでおしゃれなデコレーションが完成

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マンションのバルコニーでも、日当たりが良ければ木蓮が楽しめます。春に開花した苗を買ってきたら、そのまま麻袋で鉢を包んでバルコニーに置くだけでも素敵なデコレーションになりますよ。

球根の花と寄せ鉢すれば、春らんまんのベランダになる

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地植えできないベランダでも、鉢の数を増やせばまるで地植えの花壇のように華やかなガーデンを演出できます。木蓮をシンボルツリーとして、周りにスイセン、ムスカリ、ヒヤシンスやチューリップといった春の球根の花鉢を寄せて思い切りカラフルな春を堪能しましょう。

スタンダード仕立ての木蓮×一年草の花なら一年中華やかな演出ができる

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放置すると株立ちになりがちな木蓮ですが、地際から生えてくるヒコバエをすべてカットすれば単幹に仕立てることも可能です。写真のようにまっすぐの幹の上に丸く枝葉が茂るスタンダード仕立てにして季節ごとに足元の花を植え替えていけば、一年中華やかな一鉢にすることができます。

まとめ

洋風の庭のシンボルツリーにピッタリな木蓮。木蓮の魅力は何といっても春に満開に咲き誇った花です。一つ一つの花が大きいので、とても迫力のある花姿です。木蓮は自然に株立ちになるものが多く、自然樹形が整った卵型です。あまり大きくならない種類もあり、比較的管理しやすいのも嬉しい点。

季節ごとの変化が楽しめる魅力的な樹木なので、玄関アプローチやテラス脇、花壇の中など普段の生活の中でよく目にする場所に植栽して楽しみましょう。

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