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【プロが教える】大きい絵をつかったおしゃれなインテリアを実現する方法!スタイル別の実例も豊富にご紹介

ジツカタナミ
著者:ジツカタナミ (インテリアコーディネーター)

武蔵野美術大学空間演出デザイン学科卒。インテリアコーディネーター資格取得後、インテリアショップにてお客様へコーディネート提案と社内接客サービス向上業務に携わりました。現在は子育てをしながら、ライターとしてインテリアと暮らしについて発信しています。「楽しく・らしく・暮らす」をモットーに、お家がますます好きになるようなインテリアアイデアをご提案していきます。

「部屋の雰囲気をガラッと変えたい」「雰囲気のあるインテリアにしたい」
そんなときには思い切って大型の絵画を飾ってみましょう。

絵画は空間の見せ場を作ってくれるアイテムです。絵画の中でもサイズの大きいものを飾ることで、より多くの色彩やモチーフが空間にプラスされ雰囲気が一変します。

ただ、サイズが大きくなるにつれ、絵画の飾り方や好みのインテリアスタイルに合うものの選び方など気になる点もありますよね。
今回は大型絵画を飾るときのポイントや、インテリアスタイルに合わせたコーディネート事例をたっぷりご紹介します。

大きい絵画を取り入れたおしゃれなインテリアを実現するポイント

色彩の持つ心理効果を取り入れる

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絵画は大きさが大きくなればなるほどその分使用されている色彩の分量が多くなります。
インテリア計画において色彩は、使用する色により居心地の良さや空間に対する印象が変わる重要なものです。よって、特に大型絵画は色彩が与える心理効果にも注目し、絵画を選び飾る場所を検討しましょう。

色彩の基本である「暖色」「寒色」「中性色」の3つを意識して考えてみるとイメージがわいて選びやすくなります。

赤やオレンジ、黄色の暖色は見た目からも暖かみを感じ、交感神経を刺激して人の心を高揚させる作用があります。進出色とも言われ、前に出てくるように見える色です。ただ、周りとの色彩コントラストが強すぎると絵画のサイズが大きいがゆえに圧迫感・威圧さを感じて気持ちが落ち着かなくなることも。天井が高い、壁の面積が広いなど、充分にスペースがある空間におすすめです。

一方、青などの寒色は冷たさを感じ、副交感神経に作用してリラックスさせます。後退色であるため、実際の距離よりも遠くに見えるのも特徴です。サイズが大きくなってもスッキリとして見えるので、スペースが限られている空間にも調和します。寒々しくならないよう、木製家具やファブリックソファとあわせたり、間接照明をそばに飾って視覚的にバランスをとりましょう。

黄緑や緑、紫はどちらにも属さない中性色と呼ばれています。緑は自然界にもあるためバランスがとりやすい色で、紫は気品があり高貴な印象を与える色です。季節を感じさせない色なので、オールシーズン使用できます。体感温度に影響を与えないので、寝室や書斎、玄関にもおすすめです。

また、同じ絵画でも飾るスペースの壁紙の色やすでにレイアウトしてあるカーテンやラグなど周りのアイテムの色彩によって見え方は変化することも考慮しましょう。

 

床置き・家具上など見せ方を工夫する

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大型絵画はボリュームがあるため一枚飾るだけでも空間全体の印象付けになります。そんな大型絵画を飾るときのポイントとして「目線の高さ」を意識しましょう。

目線の高さをソファに座ったときや立って自然に目を向けたときなど、暮らしの中での動作を基準にすると飾ったときに見やすくバランスが取りやすくなります。これがベーシックな飾り方です。
この目線を通常よりも高くすると、天井との距離が近くなるためさらに絵画が目立ち、空間の主役としてコーディネートすることができます。絵画の色彩やモチーフでインテリアテイストを決定づけたいときには高めの位置で飾りましょう。

また、床置きするとこなれた印象になるのは大型絵画のメリットです。目線の高さよりも低い位置で飾ると、サイズが大きくても主張しすぎず壁に飾ったときよりも空間になじみやすくなります。

「少し派手かな…」「シンプルな絵だけれど華やかにしたい」など、絵画に対する印象や、インテリアコーディネートの希望に合わせてシミュレーションしてみましょう。

 

スペース・壁の比率を考えて飾る

同じ絵画でも飾るスペース・壁との比率によって見たときの印象が変わります。
インテリアスタイルをよりイメージ通りにするためにも、スペースとの比率でどれくらいのサイズがいいのかを検討しておきましょう。コーディネート事例とあわせて解説します。

 

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まず、上のコーディネート事例のように、壁に対し50%ほどを占めるようなサイズは見た目にもインパクトと存在感が増します。空間全体が華やかな印象になるのでモダンスタイルのコーディネートにしたいときにぴったりです。実際に、ホテルのロビーなど広い空間には大型絵画が飾ってあることが多いですね。このように、空間をグッと引きたてたコーディネート、大胆さをプラスしたいときには壁のスペースの50%くらいのサイズを目安に選びましょう。

 

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次のコーディネート事例は、壁に対し20~30%ほどのサイズを飾った空間です。
先ほどと比較してみると、絵画自体は華やかですが空間に対しシンプルな印象を受けます。スッと馴染んでいて静寂さも感じますね。
カジュアルな北欧・ナチュラルスタイルや、落ち着いた雰囲気を出したい和モダンスタイルなどにおすすめです。

 

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また、飾る場所のそばにソファがあったり、キャビネットの上に飾るときはその家具とのサイズバランスも考えましょう。
家具を土台として考え絵画を上に飾ったとき、絵画を頂点として三角形を作るようにします。身近なもので例えるとテレビとAVボードと同じです。テレビのサイズよりも家具の土台の幅が広く余裕があると安定して見えますね。家具の幅に対し絵画は70%ほどのサイズにするとバランスがとれます。

 

プロがおすすめする有名な大きい絵画3点

ピカソの巨大傑作:パブロ・ピカソ『ゲルニカ』

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「ゲルニカ」はスペイン内戦時に無差別爆撃を受けた様子を描いたものです。実物は3.5×7.8mという非常に大きなサイズで、世界のさまざまな場所で展示されていました。
モノクロームのシックな印象とともに、静かに燃えるようなピカソの力強さを感じることができます。

参考コーディネート

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障子のようなパーテーションで空間を区切る、大胆で斬新なコーディネートです。
布地にプリントされているので空間に馴染み、周りのアイテムもモノトーン調にすることでゲルニカとマッチしています。

 

エネルギッシュさをプラスするならこの一枚:アンリ・マティス『ダンス』

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アンリ・マティスはフォーヴィズム(野獣派)の画家です。フォーヴィズムとは、20世紀初頭に誕生した大胆なタッチと鮮烈な色彩で感情的に表現された芸術様式で「野獣のようだ」と揶揄されていました。
マティス自身が何度も描き直して完成させた、情熱と構図の緻密さがある作品です。

参考コーディネート

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「ダンス」は動きのある絵画なので、周りにレイアウトする家具は直線的なもので統一して「静寂」の雰囲気を出しましょう。
所々に絵画で使用されている赤の色彩をプラスすると絵画と空間が調和します。

 

色彩豊かな代表作:クロード・モネ『睡蓮』

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モネは数多くの「睡蓮」の連作を生み出しました。上の写真は日本の国立西洋美術館に展示されている「睡蓮の池、冬」です。日本愛を公言し自然の美しい瞬間をとらえたモネの作品は、日本の住宅にも馴染み色彩の豊かさなコーディネートに仕上げてくれます。

参考コーディネート

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モネの睡蓮の色彩は、写真のような白い壁に飾ると鮮やかさが際立ちます。
花や観葉植物をそばに飾ったり、日の光で空間の自然な明るさをプラスして生き生きとしたインテリアにしましょう。

インテリアスタイル別おしゃれな大きい絵インテリア実例12選

大きい絵を飾ったインテリア実例 モダンスタイル編 3選

日によって絵画が変わるシンプルモダンスタイル

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筆跡のみで表現されたミニマルさで初心者の方にも取り入れやすい絵画です。凛とした印象のシンプルモダンスタイルにマッチします。この絵画の前に季節の枝物や花を活けることで、まるで絵に描かれているかのようにも見えますね。
黒・紺などシックな色彩にすると高級感のあるモダンスタイルにアレンジ可能です。

 

シャープな図形で空間をキリっと引き締める

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カゴ上のダストボックスや丸みのあるファブリックソファなど、優しい雰囲気の空間に滲んだ色彩がアクセントになっています。絵画のなかのシルバーの三角形がシャープさをプラスしていることでキリっとしたモダンな印象に。上品さとクールさのバランスが見事なコーディネート事例です。

 

枯山水を思わせる和モダンスタイル

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落ち着いた抹茶色で心が落ち着く和モダン寝室コーディネートです。少しザラつきのある絵画の質感が、庭園の枯山水や左官仕上げを連想させますね。額縁をゴールドにすることによりスタイリッシュさも増しています。

 

大きい絵を飾ったインテリア実例 北欧・ナチュラル編 3選

抽象画は北欧家具との相性◎

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モチーフがさまざまな北欧デザインとシンプルな抽象画は相性よくコーディネートすることができる組み合わせです。幅の広いキャビネットを土台にすることで、その上に絵画やインテリアアイテムを飾ったときに安定して見えバランスがとれています。暖色系の絵画を選び、空間の居心地のよさを演出しましょう。

 

みずみずしさがあふれるナチュラルリビングコーディネート

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花や観葉植物が映えるナチュラルスタイルにはやはり花をモチーフにした絵画がマッチします。パッと明るく元気をもらえるような色彩豊かな絵画は、天然木のシンプルな家具とレイアウトして絵画を際立たせましょう。ランプシェードとテーブルに飾った花の色を絵画とリンクさせて統一感を出すのもポイントです。

 

アースカラーでまとめて、優しく心地いい空間に

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使用しているアイテムすべての手触りが良く、体感的にもホッとするような心地のいいコーディネートです。絵画をあえて額に入れず、絵の具の水分でたわんだそのままの質感を活かすことで、ナチュラルでラフな雰囲気をプラスしています。

 

大きい絵を飾ったインテリア実例 西海岸・インダストリアル編 3選

意外なスペースに飾って個性を出す

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ダイニングキッチンの下がり壁に絵画を飾った、ユニークな着眼点のあるコーディネート事例です。
下がり壁は空間を区切ったり火災時に煙が充満しないように設置されています。普段はあまり注目されないスペースなので、ここに手を加えてコーディネートすることでグッと洗練された雰囲気に。オーダーメイドしたかのようにサイズをぴったりにすることでさらに空間と調和します。

 

淡い色彩で親しみのある西海岸風に

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「西海岸インテリア」と聞くと寒色系でまとめられたコーディネートを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?空間のメインとなる絵画を淡い暖かみのある色彩を使用したものを選ぶことで、西海岸らしさがありつつ誰もが親しみを感じる空間に仕上がっています。壁の隅にインテリア雑貨とまとめて飾ることでソファをレイアウトしているスペースとのメリハリを出しましょう。

 

開放的な空間には複数枚飾るのもOK!

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太陽光がたっぷりと降り注ぐ開放的な空間には光に負けないくらいの鮮やかな絵画が雰囲気に合います。
広い空間は壁の面積が空いてしまうと間延びした印象になってしまうので、同じサイズの絵画を並べるなど複数枚飾るのもいいですね。ただ、絵画の鮮やかさが同じだと強すぎてしまうので、一方を淡めにするなど工夫しましょう。

大きい絵を飾ったインテリア実例 独自のスタイルを突き進むお部屋編 3選

まるで窓!分割した絵画でアレンジ

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まるで窓枠の向こう側に景色が広がっているような斬新な飾り方です。
一枚をそのまま飾るよりも抜け感が出て、大型絵画では気になる圧迫感を軽減することもできます。壁一面が丸ごと空いているのであればぜひトライしてみてくださいね。

 

照明をプラスしてアーティスティックに

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空間に溶け込むような絵画も、上の事例のように照明をプラスするだけで現代アートのような印象に。
絵画がアップグレードしたことで周りにレイアウトしている家具もグッと洗練されて見えます。

 

廊下をアートギャラリーに

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廊下が続いている住居であれば、ギャラリーのようにコレクションを並べてみましょう。
家に招かれたゲストも驚くようなほかにはないインテリアスタイルです。進むたびに目に飛び込んでくる色彩や描かれているモチーフが変わるのも楽しいですね。

まとめ

インテリアスタイルにマッチした絵画を飾ることでコーディネートの洗練さもアップします。空間の主役・見せ場を大型絵画で作ることで、今までよりもメリハリのある空間にすることが可能です。

注意点として、大型絵画はサイズだけでなく重量があるものもあります。設置する壁が取り付け可能か、また家具上に飾る際は家具の対荷重はクリアしているかなども見落とさないようにしましょう。

ぜひ今回の記事を参考にしていただき、ご自宅のシンボルとなるような絵画で素敵なコーディネートに仕上げてくださいね。

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